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子供が勉強に夢中になる脳の仕組み

勉強脳

自分の子供は、どうすれば勉強するようになってくれるの?子供が夢中で勉強する方法があるならぜひ知りたい!多くの親がそう思うはずです。ズバリ、それには脳が深く関係しています。脳が夢中になる仕組みを詳しく知ることで、子供を勉強に夢中にさせる方法を探っていきましょう。

 

脳の仕組みを知って、子供を勉強に夢中にさせる!

親だったら誰でも、自分の子供には勉強してほしいと思うものです。成績が上がって損することはありませんし、将来的にも安心です。しかし今、目の前の我が子はどうでしょう。漫画やスマホに夢中になっていませんか?なぜ、勉強にはこんな風に夢中になってくれないのか、そう思う親は多いでしょう。

 

そんな時は、まず子供の脳に注目してみましょう。漫画やスマホに夢中になっている時と、親に言われて仕方なく勉強している時では、言うまでもなく脳が違います。この違いを知ることができれば、脳を勉強に夢中にさせる方法が分かってきます。

 

人は誰でも、何かに夢中になった経験があるでしょう。漫画、スマホ、ギャンブル、オシャレ、アイドル、スポーツ、お菓子作り…等、ジャンルは様々ですが、どんな物でも行為でも、何かに夢中になる時の脳の仕組みは、いずれも同じということが分かっています。当然、それが勉強でも、同じです。

 

何かに夢中になる時、脳の中では…?

人が何かに夢中になる時、脳の中ではドーパミンという物質が多量に分泌されています。ドーパミンは、次の二つのドーパミン神経系が結合することで、活発に働きます。

 

まず一つは、脳の深部にある腹側被蓋から前頭葉に伸びるドーパミン神経系です。別名報酬系とも呼ばれ、幸福感や満足感で心地良い気持ちの時、ドーパミンを分泌します。違法薬物はドーパミンの分泌を促します。コカインもドーパミンが働きます。これはコカインのドーパミンの再吸収を防ぐ性質から、シナプス間のドーパミンが濃くなっている為です。

 

また、アルコールを摂取すると、ドーパミン神経の働きを妨げる働きを弱める為、ドーパミンが分泌されます。

 

もっと身近な例では、美味しいものを食べたとか、欲しいものが手に入ったとか、ゲームをクリアできたとか、恋人ができたとか、全てこのドーパミン神経系が働きます。

 

もう一つは、脳の黒質という部位から線条体に伸びるドーパミン神経系です。特に意識してないのに気が付いたらやっている動作や、慣れてパターン化し、考えなくともできる動作などに関係しています。例えば、会議中にボールペンをノックしていたり、何となく口笛を吹いていたり、数式を見ながら電卓を素早く叩くことができたり、といった動作です。

 

この神経系が上手く働かないと、パーキンソン病を発病するとされています。俳優マイケル・J・フォックスや、元ボクサーのモハメドアリが患ったことでも有名で、手足などを思うように動かせなくなります。

 

以上二つのドーパミン神経系を結合させるのが、線条体です。ボールペンノックや口笛に不思議と心地良さを感じたり、ミスなく電卓を叩けて満足感を覚えたりするのは、この結合が行われるからです。

 

漫画を読んでいる時の脳と漫画を読む意欲を別々に調べてみます。すると線条体の働きの著しさと意欲は比例して高くなることが分かるのです。つまり、意欲の大元は線条体です。線条体が行為と幸福感・満足感を結びつけることで、意欲が生まれます。

 

子供を勉強に夢中にさせたい!親がすべきことは?

子供の脳を勉強に夢中にさせるには、「勉強」と「幸福感や満足感」を結合させるのが近道と言えます。では、その為に親がすべき事は何でしょう。それは、子供の意欲に注目することです。子供の脳の線条体が働いて、意欲に満ちている状態を想像します。

 

その時、ただ漠然と想像するのではなく、子供の脳を透視するようにして、意欲がそこに実在しているかのように想像することが重要です。

 

意欲などの形ないものを本当に存在するものとして考えるというのは、外在化手法と言って、臨床心理の場面でも実際に使われています。

 

具体的なやり方としては、今回の場合では、「子供」と「意欲」を分けて考える、ということです。例えば、何やらイライラしている子供に対して、「この怒りん坊!」と思うのではなく、「子供の中に怒り虫がいる」と考えたり、言うことを聞かない子供に対して「ひねくれ者」と叱るのではなく、「ひねくれた気持ちでいっぱいになっている子」と考えます。

 

ただ言葉を変えているだけのようですが、「怒りん坊」も「ひねくれ者」も子供のことを指しているのに対して、「怒り虫」「ひねくれた気持ち」は直接子供を指してはいません。逆に「怒り虫」や「ひねくれた気持ち」に、子供が影響されてしまっているのだ、と考えられます。

 

子供側からすれば、「怒りん坊」や「ひねくれ者」と言われれば、もちろん自分への文句だと感じますし、このような批判的な言葉を受けると、怖がったりすくんでしまったり、または反撃するといった対応に出るきっかけになってしまいます。

 

「どうして勉強しないの!」と言われて勉強する気にならないのは、その言葉が子供に、悪いのは自分なんだと思わせている為です。線条体の働きを鈍らせ、意欲が高まっていきません。

 

ですが外在化手法を用いて意欲を実物にしてしまえば、悪いのは子供ではなく、意欲をわかせるのを阻害している何かである、と考えることが出来ます。その何かを探ることに集中することが大事なので、子供を怒る必要はありません。子供の線条体を想像しながら、どのような時によく働くか、その一瞬を見つけていきましょう。

 

夢中になる脳の仕組みはあらゆるところにある

何かに夢中になる脳の仕組みは、行き過ぎると、依存性を引き起こすこともあります。

 

アルコールは報酬系のドーパミンの分泌を促進しますが、例えばビールを飲む時には、まず缶を開ける、次にグラスに注ぐ、飲む、プハーッと一息つくといった一つ一つの動作に対して、脳が幸福感や満足感を記憶します。

 

その為、禁酒を決めたはずなのに、つい冷蔵庫からビールを出してしまったり、冷蔵庫になければコンビニに足を運んでいたりと、意識していなくても行動している、という事が起こることになります。

 

これが違法薬物ともなれば、ビールとは比べ物にならないほどの強い依存が引き起こされることになるでしょう。薬物に溺れてしまった有名人も少なくありません。このように考えると、幸福感や満足感と意識せずに起こる動作の結合は恐ろしい面もあります。

 

しかし、実はほとんどの生き物の脳の中で、この結合は起こっています。例えば、毎日の食事をおいしいと感じる、歯を磨いてすっきりする、しっかり睡眠をとって疲れをとるなど、私達が毎日特に意識せずに行っている動作は、全て幸福感や満足感に繋がっています。この結合なしでは、生きていくことができない程、生活に密着したものなのです。

 

そして、勉強に夢中になるときに脳の中で起こるのも、この結合です。子供は基本的に、親の言うことなど聞かないものです。親はそんな子供についついうるさく言いがちですが、そんな時こそ、子供の脳を想像して、子供ではなく線条体を勉強に夢中にさせる方法を考えましょう。

 

線条体がよく働く瞬間は、線条体が好きな物にありつけた時です。その時の子供の様子や行動を見逃さないことが重要と言えます。

 

線条体は、期待と興奮でやる気を生み出す

では、線条体の好きな物とは一体何でしょうか?幸福感や満足感は、線条体の腹側の側坐核という部位にドーパミン神経が集中する部位があり、そこから出るドーパミンにより得られます。線条体を活発に働かせるには、この部位がよく働く必要があります。

 

側坐核の働きに影響するのが、期待と興奮です。期待と興奮が高ければ高いほどよく働きます。つまりこれが、線条体の大好物です。意欲の餌です。

 

子供に注目してみましょう。例えば、漫画の最新刊を買ってきてすぐにでも読みたそうな時や、テレビに大好きなお笑い芸人が出てきて喜んでいる時、おばあちゃんから思いがけないお小遣いをもらった時、期待と興奮に満ちていると感じませんか?そうです。まさに、報酬系と呼ばれるドーパミン神経系が活発に働いています。

 

大人でもこのドーパミン神経系が活発になる瞬間はあります。ジャニーズに釘付けの時やカラオケで大好きな曲を熱唱している時など、まず親自身の脳を想像してみると、子供の線条体がよく働く瞬間も見付けやすいかもしれません。

 

そしてその瞬間を見付けることができたら、次は勉強に関することで線条体が働くのはどんな時なのか、探してみましょう。

 

勉強したら、とにかく褒める!

とは言っても、勉強嫌いな子供が勉強に期待したり興奮したりなんてこと無いのでは?と思う親も多いはずです。それは言い換えれば、子供が勉強中に幸福感や満足感を感じられていないということです。勉強中の納得感や、終わらせた時の達成感をあまり感じたことが無い為に、勉強から遠ざかってしまっています。

 

しかし、そのような子供でも、褒められると期待や興奮を覚えることが多いです。よく「子供は褒めて育てるべき」という言葉を耳にしますが、それは、イギリスのシュルツという学者の実験により裏付けられています。

 

シュルツの実験とは、猿にジュースを与えて、ドーパミン神経系がどのように働くか調べたものです。まず猿の舌に好物のジュースを垂らし、猿のドーパミン神経系が反応するのを確認します。

 

次に赤いランプが点灯してレバーを押すとジュースが落ちてくるという装置を使って実験していきます。これを続けていくと、ドーパミン神経系の反応が、ジュースが落ちてきた時点から、ランプ点灯時に移動します。赤いランプが点灯すると、猿は必ずレバーを押すようになります。

 

これを子供の勉強に当てはめると、レバーを押す行為は勉強、ジュースを垂らす行為は褒めることに言い換えることができます。そして赤いランプは、勉強への意欲です。つまり、意欲が沸くと必ず勉強するようになると言えます。

 

ただし、猿がレバーを押し続けたのもジュースがもらえたからです。子供の場合も、まずは勉強したら褒めることを続ける必要があります。必ずしも完璧な「勉強」である必要はありません。ちょっと机に向かってみたり、パラっと教科書を開いたり、少しでも勉強に関係する事をしたら必ず褒めることが大切です。

 

褒める時も、しっかり子供と向き合って真剣に褒めましょう。机に向かっている時間が少しでも伸びたとすれば、これはもう最大の褒めポイントになります。実際に勉強時間が伸びている訳ですから、これまでの我が子と比べればすごいことなのだと捉えて、本気で褒めるようにします。

 

「勉強したら必ず褒める」の問題点

このように褒めることで子供を勉強に向かわせるように、ご褒美を与えて相手を変えようとするのは、強化学習の基本とされています。水族館のイルカが演技したら必ず魚を与えるのも強化学習です。強化学習とは、お手本なしであれこれ模索しながら、今までとは別の状況に適応していくことです。

 

しかし、問題点もあります。シュルツの実験において、ドーパミン神経系の反応がランプ点灯時に移動した猿は、次第に、ジュースがもらえた時点の反応がなくなっていきます。毎回ジュースをもらえることが当然になってきて、本来ご褒美のはずのジュースが、ご褒美ではなくなってしまいます。

 

勉強したら褒めることは重要ですが、それが毎回続くことが分かると、褒めることの価値がなくなってしまうということが起こります。

 

そしてもう一つ最大の問題点は、褒め続けなければならないことです。実験の話に戻りますが、赤いランプの点灯を見た猿がレバーを押しても、ジュースが出てこないように装置を変えます。すると猿はパニックです。ご褒美がもらえず、ドーパミン神経系の働きも、もちろん止まります。

 

子供の場合も、勉強したのに褒めてもらえなかった、いつもは褒めてくれてたのに…と気落ちして、線条体の活動が停止し意欲が低下していきます。大好きなアイドルが急に活動を休止した、とか、買うつもり満々だったのにお店に行ったら目的の商品が品切れだった、と例えると、大人でもイメージしやすいと思います。

 

「ギャンブル条件」で、勉強のやる気を維持する

この問題をクリアするには、ギャンブル条件が有効となります。実験の装置を、ジュースが全く出てこなくするのではなく、50%から70%の確率で出てくるという設定にします。このような不安定な条件のことをギャンブル条件と呼びます。

 

この装置で実験を続けると、時間はかかりますが赤いランプ点灯時と、ジュースがもらえた時の両方でドーパミン神経系が働くのが確認できるようになってきます。つまり、1つのご褒美に対して、2度の幸福感・満足感が得られることになり、ご褒美の価値観も高まります。

 

子供を褒めることは大切ですが、毎回毎回褒めているとその価値がなくなってしまします。最初うちや変化が目に見えて分かる時以外は、たまに褒める程度にしてギャンブル条件にすることで、褒めることの価値を高めるとともに、子供の勉強への意欲も持続できると言えます。

 

ギャンブル条件で育つセロトニン

このギャンブル条件を使う時、子供の脳の中ではドーパミン神経系の他にセロトニン神経系も働きます。セロトニンは脳の安定装置と呼ばれ、恐れや動揺等を和らげ平穏を与えてくれる神経系です。ドーパミン神経系を「動」とするならセロトニン神経系は「静」です。

 

ギャンブル条件でご褒美をもらえたりもらえなかったりが繰り返されることが、心を安定させる訓練になります。

 

逆にご褒美をもらえなかった時に、すぐにカッとならない焦らない心を育てるのも、セロトニンの役割です。この心の成長によって、すぐそこにある幸福感や満足感よりも、長い目で見たご褒美を求めるようになっていきます。

 

セロトニンがうまく働かずに、焦らない心が育たないと、次から次へ新しい興奮を求めてしまい、常に心がざわついた状態になります。幼少期からちやほやされて育ったアイドルなどが陥りやすく、結果違法薬物に手を出すことになりかねません。

 

セロトニンによって、ご褒美に対する長い目が養われるからこそ、脳が安定し、いつまでやり続けるということが可能になります。実は、漫画やスマホに夢中になっている時も、セロトニンは働いています。競馬などのギャンブルでも働きます。

 

子供が漫画に夢中になっている時の様子を思い出してみてください。頭や体の動きが減り、瞬きの数も減っていませんでしたか?あるいは、足を小刻みに動かす等の、一定の動作の繰り返しのみであったはずです。

 

勉強に夢中になれる場所を見つけよう!

競馬好きの人を例に挙げます。ほとんどの人がその日のレースの事を考えるとソワソワするでしょう。今やってる作業などを早く切り上げようと頑張るかもしれません。これは全て、期待と興奮のドーパミンの働きによるものです。

 

そしていざ、競馬場に到着すると、自分の居るべき場所に来たという安心感が生まれます。これはセロトニンが分泌されている為です。そしてセロトニンが育てた焦らない心によって、なかなか当たりが出なくてもカッとなることなく、いつまでも馬券を購入し続けることができてしまいます。

 

脳は、安心できる場所を記憶します。競馬場もそうですし、長期出張から自宅に戻ってきて何だか力が抜ける感じがするのも、脳が自宅を安心できる場所として記憶しているからです。

 

もし、子供がいつも以上に長い時間勉強できたとします。例え勉強机でなくとも、その時いた場所は特別エリアです。いつでも勉強が始められるよう常に整えて置き、もしまた特別エリアで勉強したら、しっかり褒めましょう。親も一緒に勉強すると尚良いです。

 

これを繰り返して行くことで、子供が、特別エリアこそ自分の居場所なのだと思うようになっていきます。

 

勉強に夢中になる為の開会式をしよう!

焦らない心を育てるセロトニンは、場所による安心感の他に、周りの雰囲気や流れにも分泌が左右されます。長い間漫画を読んでいて、親に「勉強を始めなさい」と言われたタイミングで、すぐに勉強を始められる子供はなかなかいません。脳を漫画モードから勉強モードに移行させるのは、誰だって難しいことでしょう。

 

これは脳の保持性によるもので、人の脳は、より簡単なものを求める傾向があるとされています。ずっと同じことしている方が簡単なので、勉強モードに移行するよりも、漫画を読み続けていたいのです。

 

この移行をスムーズに行うには、自分なりの開会式を行ってみるのが有効です。

 

実はスポーツ選手には、オリジナルの開会式を行っている人が多いです。野球選手がバッターボックスに立つ時に毎回同じポーズを取るのが有名な例ですが、お決まりの動作を定例化することで、その後の作業に気持ちを専念させることがでる上、いつでも同じ心理状態で臨むことがでるようになります。

 

脳を勉強モードに移行させる為の開会式は、次の4つの工程で行うのがお勧めです。

 

①目当てを見える化する:自分で設定した目当てを分かりやすく否定しない言葉で紙に書いてみましょう。

 

②目当てを書いた紙を目につく場所に貼り、移行したい時に5秒眺める:漫画を1冊読み終わった時、ドラマが終わった時など、ひと段落ついた時点で紙を見ます。その5秒間、漫画から離れている時間がとれます。

 

③目当てを見つつ、自分で定めた開会式をする。その時、「今から勉強だ!」と声に出して言う:開会式はどんなものでも良いですが、体を動かすものだとより効果があります。例えば、首を回すとか、軽いストレッチをするなど、簡単で大丈夫です。

 

④事前に決めている勉強の特別エリアへ移動する:特別エリアにも特に決まりはありませんが、一人部屋よりも家族も常に一緒にいる場所の方が、親も褒めやすいので適している場合が多いです。

 

このような工程は、誰かに指示してもらって行うのではなく、自分で見つけ出し納得した方法でないと効果はありません。だからと言って、親ができることが無い訳ではありません。

 

子供の方から「どうすれば専念できるか分からない」と相談を受けたら、やり方のアイデアを提示してあげましょう。我が子に適したやり方を一番分かっているのは、やはり親でしょう。

 

「ミラーニューロン」は、子供が勉強に夢中になる一番の近道

前述したように、大抵の子供は、親の言うことを聞きません。ですが、親の行動については、自然と模倣してしまうと言われています。脳は目の前の人の脳と同じ動きをするようにできていることが、近年の脳科学で解明されています。

 

目の前にいる人が伸びをしたとします。その人の脳では当然、伸びをする為の活動が行われています。具体的には、前運動野や運動関係領域が働いているわけですが、同時に、伸びをしていないはずの自分の脳でも、伸びをしているニューロン(脳細胞)が働きます。

 

他にも、温泉番組で芸能人が気持ちよさそうに温泉に浸かっているのを見て、自分も温泉に行きたくなった、というような経験もあるかと思います。

 

目の前にいる人の行動や気持ちが自分にも移るのを鏡に例えて、このような脳の仕組みをミラーニューロンまたはミラーシステムと呼びます。この仕組みにより、目から学ぶことが可能になります。「子は親の鏡」とよく言いますが、一緒にいる時間の長い親子ほど、ミラーニューロンの威力は増します。

 

教えた覚えもないのに、子供ができていて驚く場面に出くわしたことのある親も多いと思います。あるいは、子供の話し方を聞いて、自分の口癖に気づかされるなんてこともあるかもしれません。これらは全て、ミラーニューロンによって子供が親を模倣しているのです。

 

子供に勉強して欲しいと思ったら、あれこれ言葉をかける前に、自分が勉強している姿を子供に見せるのが一番の近道と言えるでしょう。

 

なぜ勉強に夢中にさせたいのかを考えることも大切

これまで、子供を勉強に夢中にさせる方法について考えてきましたが、そもそもなぜ子供に勉強させたいのか、考えたことはありますか?志望校に合格させる為でしょうか。それとも、一流大学に入学して欲しいからでしょうか。

 

勉強に夢中になれば確実にテストの点は上がります。成績も良くなります。しかし、最終的な目標をしっかり持って勉強していかなければ、人間としての成長はできません。その為には、社会の貢献につながる目標を持つことが何より重要です。

 

志望校合格だけを目指して夢中で勉強して、合格できた瞬間燃え尽きてやる気を失うというのはよく聞く話です。子供にはまだまだ長い人生が待っています。そこに目をやることを、親は忘れてはいけません。そして、社会の貢献につながる目標があるからこそ、勉強する意欲を維持できます。

 

勉強に夢中になる脳を作れるのは、自活力を備えた子供

勉強に夢中になれる脳を作るには、子供に自分から行動する能力や社交的に周囲と関わる能力などの「自活力」が備わっていることが大前提です。自活力には、以下のような能力が挙げられます。一番下の6項目は勉強にも関係しています。我が子に当てはまっている項目はあるでしょうか。

 

・きっぱりノーと言える

・責任感がある

・進んで他人の力になれる

・人を嫌わない

・相手の感情に寄り添える

・自分を認める

・物事に自主的に取り組める

・折れてもすぐに持ち直せる

・TPOを意識できる

・常にポジティブシンキング

・体力がある

・植物や景色に心を震わすことができる

・規則正しい生活ができる

・何でも大切にする

・今後を予想して準備できる

・聞く耳を持つ

・文句を言わない

・自己中心的にならない

・間違いを怖がらない

・自分のウィークポイントを把握している

 

子供を勉強に夢中にさせたいと思っていても、勉強だけをしていればいいと考えている親はまずいないと思います。自活力をしっかり備え、その上で勉強に夢中になれる脳を作ることができれば、幸せな未来を切り開いていける大人へと成長していけるでしょう。

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