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子供に考える力を身につけさせるための親の心構え

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考える子供

我が子に、自分の考えを持った子供になってほしいと思う親は多いのではないでしょうか。考える力は社会に出てからも不可欠なものであり、子供のうちから身につけさせたい力です。社会でどのような考える力が求められるのか、親ができることは何か、見ていきましょう。

 

考える力の原動力は考える意欲

フランスの哲学者パスカルは、「人間は考える葦である」と言いました。人は、葦に例えられるような弱いものであるけれど、考える特性を持っているとして、思考の偉大さを説いたものです。考えるという行為は、人間にしかできない優れたものです。

 

人は、日常的に考えを巡らせています。今日は何を着ようか、どの道を通って通勤しようか、お昼には何を食べようかと、自然と考えるという行為をしています。しかし、ここで言う「考える」という行為は、何気なく考えを巡らせることではなく、自分の頭で深く考える行為です。

 

考えるには、第一に意欲がなければいけません。やりたくない勉強を嫌々やっていては、考えることが楽しいと思えることはないでしょう。一方、考える意欲が湧いていれば、考えることが楽しくてたまらないという状態になります。

 

例えば、学校で先生が少し難しい問題を出したとします。頭の回転が早い子がすぐに答えを導き出して、正解をもらいます。そこで多くの子供は答えを知りたがります。しかし、中には絶対に答えは聞かず、自分で答えを導き出そうとする子がいます。その子にとっては、答えを知ることよりも自分で考えることが楽しいのです。

 

考える習慣がついている人は、大人になっても常に考え続けています。考えることが楽しく、考えが浮かぶたびにそこからまた新たな発想を得て、どんどん新しいアイディアが浮かびます。

 

答えを知りたがらない子供も、大人になっても思考力が衰えない人も、考えることが楽しくて仕方ありません。初めに考える意欲があり、考え始めるとエンジンがかっかたように、どんどんやる気が湧いてきます。子供の考える意欲を大切にし、伸ばそうとする親の態度が必要です。

 

親のエゴが子供の考える意欲を削ぐ

親が子供のためによかれと思ってしていることが、子供の考える意欲を削いでしまう可能性があります。早期教育に熱心に取り組んでいる親の多くは、幼いうちから知識を詰め込むのが良いと考え、文字や数字を覚えさせようとします。

 

しかし、子供にはそれぞれの発達段階があり、それを無視して知識を植え付けようとすることは、脳の発達からすると好ましくありません。

 

早期教育に熱心な親ほど、子供が幼いうちから、習い事をさせようとします。習い事をすること自体が悪いわけではありませんが、他の子供と比べて「どうしてできないの?」と叱ったり、「先生が言った通りにやってごらん。」と無理やり練習させたりすることはよくありません。

 

親に無理やりさせられたり、叱られたりすれば、子供はやる気をなくしてしまいます。

 

子供が自分からやりたいというのなら別ですが、親のエゴで無理やりさせてはいけません。幼いうちは、思いっきり好きなことをして遊んだ方が、意欲もやる気も引き出されます。自分で楽しんでする遊びには、いつの間にか集中し、自然と考えているものです。

 

子供は親が無理に与えなくても、考える意欲を持っています。親が何かを無理やりさせようとした途端、その意欲は削がれてしまいます。子供自身が夢中になれることや好きなことを思いっきりさせてあげれば、考える意欲はぐんぐん伸びていきます。

 

砂場で遊んでいる子供を観察していると、砂を1つ1つ、つまみながら、種類ごとに分けている姿を目にすることがあります。大人からすると、なぜそんなことをするのかと疑問に思うことですが、子供なりに考えを働かせています。

 

この砂は透明、この砂は黒と色分けをしたり、こっちは四角、こっちは丸というように形分けをしたりしています。子供なりに一生懸命考えている姿です。このような子供の考える意欲を大人がつまないように見守ることが、考える意欲を伸ばすコツだと言えます。

 

各教科で伸ばしたい「考える力」

子供が持っている考える力を伸ばし、高めるには、どのような工夫が必要なのでしょうか。各教科で必要とされる力や親が子供と共にできることについて見てみましょう。

 

算数で伸ばしたい「見える力」

まず、算数においては、見える力が必要です。図形の問題を解くときに、ここに補助線を入れればいいと見えたり、文章問題を解くときに表を使おうとひらめいたりする力です。

 

見える力には、空間認知力、図形センス、試行錯誤力、発見力の4つの力があります。問題を見てすぐにひらめく子供もいますが、彼らの多くは手を使ってどうすれば正解を導き出せるか試行錯誤します。

 

図形の問題では、補助線を書いたり、文章問題ではアンダーラインを引いたり、表に整理したりします。このときには、必ず手が動いています。手は脳と密接に関わっているので、手を動かすことで思考も活発になります。

 

したがって、幼少期の手を使った遊びは非常に重要です。手を使って物をつかむ、引っ張る、投げるなど、それぞれの年齢にあった遊びがあります。積み木や折り紙、パズルなどを親子で楽しみながら、手を動かす遊びをするのも良いでしょう。

 

国語で伸ばしたい「詰める力」

国語においては、詰める力が必要になります。詰める力には、論理性、要約力、精読力、意志力の4つの力があります。書く、話すといった表現においては、論理性と要約力が深く関わっています。また、国語で多く出題される長文読解では、最後まで投げ出さない意志力と長文を読み解く精読力がなくてはなりません。

 

これらの詰める力を身につけるのにお勧めなのが、読書ノートです。本を読むことを習慣づけ、読み終わったら感想を書くノートです。感想といっても、読書感想文のように長文を書く必要はありません。

 

例えば、桃太郎なら「桃太郎が鬼退治に鬼ヶ島に行った話」というように、1行で書ける感想で構いません。このように「○○が△△した話」などのように、短く書くことは、本の要約になります。読書をした本を要約する習慣から、要約力を身につけることができます。

 

できれば、家族全員が読書をする習慣を持ちたいものですが、仕事や家事で忙しくて習慣にするのは難しいかもしれません。そんなときには、休日に子供と音読するのも1つの方法です。音読は一字一句正しく読むことを意識するため、精読力を身につけることができます。

 

理科で大事にしたい「疑問」

理科においては、なぜ?という疑問を大切にすることが重要です。理科は、個々の具体的な事実から、一般的な法則を導き出す学問です。身の回りの不思議な変化や自然現象に目を向け、考えるように仕向けることが、子供の考える意欲をかき立てます。

 

親が日頃から身の回りで起こる現象に目を留め、その疑問を口に出すことで子供もその不思議さに気づくことがあります。「雨が降ったあとに虹が出るのはなぜだろう?」「切ったりんごを塩水につけておくと色が変わらないのは、なぜだろう?」など、疑問に思ったことを親子で調べてみると良いでしょう。

 

様々な現象に目を留め、疑問を持ち、それを調べるという経験は、頭に残りやすいものです。後に理科の授業で習ったときに、実体験を持って理解することができます。身近にある疑問が解決していくことの楽しさが理科にはあります。

 

社会科で大事にしたい「つなぐ意識」

社会科においては、つなぐ意識を持たせることが大切です。社会は、知識を積み重ねていく学習です。学んだ知識が新しい知識とつながると、学ぶことが楽しくなり、もっと勉強しようという気持ちになります。

 

地形や気候と農作物、歴史と土地柄などが、つながりやすい学習内容です。例えば、「静岡や鹿児島でお茶の栽培が盛んなのは、水はけの良い土地がお茶作りに向いているから」という知識は、地形と農作物の知識をつなげています。「大阪が天下の台所と呼ばれたのは、商人の町という土地柄があったから」という知識は、歴史と土地柄をつなげたものです。

 

一問一答形式で覚えることも大事ですが、つなぐ意識を持って社会の勉強をすると楽しくなります。形式的に覚えるだけでなく、疑問を持ち、その疑問が解決されることが達成感につながります。

 

社会科の学習において、親ができることは、子供が学習した知識をつなげることです。「日本海側で冬に雪がたくさん降るのはなぜ?」「鎌倉幕府が滅亡したのはなぜ?」などと、子供に質問をしてほしいと思います。一緒に歴史の本を読んだり、インターネットで調べたりすると親子共に楽しく学ぶことができます。

 

社会で求められる「考える力」

子供のうちから考える力を身につけておくことは、社会に出てからも役立ちます。また、将来自立して生きていくためには、考える力はなくてはなりません。社会で求められる考える力とはどのようなものでしょうか。

 

意志力と発見力が基となる課題解決能力

ビジネスでは、課題解決力が不可欠です。新しい取引先の開拓、ライバル会社との競合、社内会議でのプレゼンなど、ビジネスで課される業務は多岐に渡ります。それらを成功に導くためには、1つ1つの課題を正確に、かつ迅速に解決できなければなりません。

 

主体的に考え、自ら問題を解決しようという意欲を持って取り組む必要があります。また、意欲だけでなく、会社の状況や自分が置かれている立場、使える時間や人員などを考慮して、効率的に仕事を進めていく力も必要です。

 

現代においても多くのビジネスパーソンから尊敬される江戸時代末期の志士、坂本龍馬を例に見てみましょう。龍馬は、強い意志と独創的な発想で、薩長同盟を締結させました。当時、薩摩藩と長州藩は犬猿の仲と言われるほど、相容れない間柄でした。

 

しかし、倒幕という考えでは一致しており、日本のためには幕末の2大勢力が協力することが欠かせないと龍馬は考えました。薩長が手を取り合うために、龍馬は奔走しました。一度目の会談では、薩摩の西郷隆盛が当日になって現れず、破談になりました。

 

それでも龍馬は諦めず、兵糧米が不足していた薩摩と、武器を購入したくてもできなかった長州の利害を一致させます。その後も、自藩のことを優先する薩摩と長州を粘り強く説得し、薩長同盟を締結させました。

 

坂本龍馬は、このとき常にどうやって課題を解決するかを考え続けていたでしょう。西郷が現れなかったことに憤慨する長州をなだめ、互いが少しでも近づく方法はないかと考え、利害を一致させるという方法を思いついたに違いありません。

 

国家の行く末を変えるほどの大きな課題を解決した、坂本竜馬の課題解決力は並大抵のものではありません。これほどの大きな課題ではなくても、ビジネスにおいて課題を解決するためには、龍馬のように強い意志を持ち、考え続けて効果的な方法を発見する、課題解決能力は欠かせないものなのです。

 

課題に取り組むとき、その課題が大きければ大きいほど、解決に伴う困難も大きくなります。目の前の困難を乗り越えようとするうちに、いつの間にか本来の目標からそれてしまったり着地点を見失ったりしてしまうことがあります。

 

そんなときに、課題解決力を持っているかどうかが問われます。第1に必要なのは、意志力です。課題解決のために、どうすべきかを具体的かつ論理的に考えていく、しつこさのことです。

 

第2に必要とされるのが、発見力です。課題解決のために考え、会議を重ねてもなかなか突破口が見いだせないとき、今までとは異なった見方や考え方で新しい方法を見つける力です。この意志力と発見力に支えられた課題解決力が、社会では必要とされるのです。

 

独創的な発想力

課題解決力に加えて、ビジネスで必要なのは、独創的な発想力です。発想力1つで、会社の危機を救ったり、新しい商品を産み出したりすることができます。頑なに守られてきた旧来のやり方や、凝り固まった固定観念を一掃する力が、発想力です。

 

今では日本でも普及しているiPhoneですが、発売された当初は、それまでにない革新的なデザインや機能に世界中が度肝を抜かれました。実は、iPhone以前にも、スマートフォンは発売されていました。しかし、iPhoneがそれまでのスマートフォンと一線を画したのは、キーボードを廃止したことでした。

 

キーボードを取り払ったことにより、手のひらいっぱいに画面が広がりました。必要なアプリをダウンロードすることで、より多くの機能をスマートフォンに持たせることにも成功しました。iPhoneは、それまでの「スマートフォンにはキーボードがなければならない」という固定観念を払拭する独創的な発想力から生まれたのです。

 

このような発想力は、机にしがみついて頭を悩ませているときには出てきません。後世に残るような発明の多くは、朝シャワーを浴びているときや、ふと外に出て散歩をしているときなど、机から離れた場所で思いついているものです。

 

同様に、ドリルに向かってひたすら問題を解いているだけでは、発想力は身につきません。逆に、五感を目一杯使って動き回っている方が、発想力は身に付きます。例えば、山の中を走り回ったり、木登りをしたり、海で泳いだりすることです。

 

自然の中は、危険でいっぱいです。触れると発疹がでる木があったり、刺されると命の危険にさらされる虫がすぐ近くにいたりします。木登りでは落ちてしまったり、海では溺れてしまったりする危険があります。

 

身の危険が迫っているときに、頭を悩ませている暇はありません。自分のみを守るために、瞬時に判断しなければなりません。発想力は瞬時にひらめくものです。その場その場で、どうすべきか即座に判断することで、発想力は鍛えられます。

 

また、発想力は笑いとも大きく関わっています。漫才やコントには、必ずオチがあります。オチは、誰もが予測できるものでは、面白くありません。観客が思いつかないような突拍子もない話の展開や言葉の選び方、物語終わり方が面白いのです。面白いオチを思いつく力こそ、発想力です。

 

家庭でも子供がふざけているとき、頭ごなしに叱るのではなく、一緒に楽しんでみてはどうでしょうか。ウケを狙おうとすれば、自ずと発想が豊かになります。一緒にギャグを考えたり、ツッコミを入れたりするのも発想力を高める方法の1つです。

 

思考の道筋を立てる力

勉強でもビジネスでも、思考の道筋を立てる力が求められます。課題を解決するとき、その場の思いつきだけで進んではいけません。元々の課題を忘れてしまい、いつの間にか全く異なる終着点に行き着いてしまうからです。

 

ビジネスにおいて、堂々巡りをしてしまう会議があります。話をしているうちに、会議の目的を見失ってしまうことが原因です。堂々巡りになる前に、論議が目的から外れていることに気づき、修正する力が求められます。

 

勉強では、作文を書いているうちに、いつの間にかテーマから離れてしまうことがあります。例えば、「あいさつの大切さ」というテーマで作文を書くとします。「あいさつは人の心と心をつなぐ大切なものです。あいさつをするときは、笑顔でした方がいいと思います。笑顔は相手を明るい気持ちにするからです。」

 

この文章では、1文目はあいさつの大切さについて書かれています。しかし、2文目から3分目にかけて徐々に笑顔にテーマが移行しています。これは、思考の道筋を立てずに作文を書き始めてしまった結果です。

 

テーマを確認し、どのように論を進めるか、最終的に言いたいことは何かと思考の道筋を考えることが必要です。初め・中・終わりという3段階で考えたり、起承転結のストーリーを立てたり、結論の後にいくつかの理由を書たりする方法があります。

 

「あいさつは、人の心と心をつなぐ大切なものです。あいさつをすると、相手にいい印象を与えることができます。また、あいさつは友達を作るきっかけにもなります。だから、きちんとあいさつをするべきです。」

 

上記の文章は、1文目であいさつの大切さ、2~3文目で理由、最後の1文でまとめを書いています。具体例や体験を書けば、作文用紙3~4枚の内容に広げることができます。書き始める前に終着点までの道筋を明らかにすることが大切です。

 

最後まで考え抜く力

考える力においては、粘り強さが必要です。課題を途中で投げ出すことなく、最後まで考え抜く力です。考え抜く力が身についていれば、算数の応用問題や国語の長文読解などの時間を要する課題にも取り組むことができます。

 

思考における粘り強さは、ドリルなどのパターン学習よりも、子供が熱中して取り組む活動の中で育まれます。例えば、答えが1つではなく、考えれば考えるほど、たくさんの答えが導き出せるような問題です。

 

「口に2画加えて、別の漢字を作りなさい。」という課題があります。田、目、兄、四などたくさんの答えがあります。子供達は夢中になって考えます。時間を決めて競い合わせたり、思いついたものを発表させたりすると教室では大盛りあがりです。家庭でもぜひチャレンジしてみてください。常用漢字だけで27個あります。

 

疑問が基になる仕事を創り出す力

ビジネスの世界では、仕事を創り出す力が重宝されます。あらかじめ決まっている仕事や上司から言われたことだけをやっていては、信頼を勝ち取ることはできません。もっとこうしたら業績が上がるのではないか、これを付け加えればスムーズに交渉が進むのではないかと考えられる人が求められます。

 

仕事を創り出す力は、なぜ?という疑問から生まれます。「業績が伸びないのはなぜだろう?」「なぜ自社の商品は採用されなかったのだろう?」「A社が伸びているのはなぜだろう?」などの疑問です。疑問を持つことがなければ、解決策を考えることはできません。

 

言葉を覚えたばかりの子供は、なぜ?どうして?といつも疑問を持っています。「どうしてお空は青いの?」「ぞうさんの鼻が長いのはなぜ?」「りんごはどうして甘いの?」と、大人が気にもとめない些細なことに疑問を持ちます。

 

子供の小さな疑問を一緒に考えたり、調べたりする態度が親には必要です。幼いときに疑問を解決する習慣が身についた子供は、いつになっても疑問を持ち続けることができます。学校の授業で疑問に思ったことを先生に聞いたり、家で調べたりする習慣に発展するのです。そして、大人になって働く際にも、疑問を持ち続けることができます。

 

子供に自分の考えを持たせる親の受容

子供に意見を言わせたり、作文を書かせたりする際に、周りの大人は「自分の考えを持ちなさい。」と言います。自分の考えを言ったり書いたりすることは、子供にとっては簡単なことではありません。

 

しかし、自分の考えを持つことは、社会では必要不可欠なことです。会議では常に意見を求められます。担当する業務、取引先との交渉、新商品についてなど、常に自分の考えを持っていなければなりません。就職試験では、志望動機や入社後の展望など、自分の考えを問われます。

 

自分の考えを持たせるには、親はどうすればいいのでしょうか。第一に、子供の考えを認めることが大切です。例えば、図工のある日に、「新しいTシャツを着ていきたい。」と子供が言ったとします。親としては、図工の授業で絵の具や粘土がついて汚れてしまうことが予想できます。

 

しかし、頭ごなしに「ダメでしょ!」と言ってしまってはいけません。考えを認め、なぜ着ていきたいのかを尋ねるといいでしょう。その上で、親の考えを伝えることです。最終的な判断は子供に委ねてほしいと思います。

 

親が、子供が自分なりに考えて発した言葉を認めることで、子供は自分の考えに自信を持つことができます。親の目線で見ると馬鹿らしく思えることも、子供の目線で見ると面白いことです。親が時には子供の目線に下がって物事を見ることで、子供の考えを認めることができるでしょう。

 

感情を揺さぶる体験が考える力を育む

感動や驚きなどの感情を揺さぶる体験は、子供の思考に大きな影響を与えます。ある日、小学生の男の子が母親に「考古学者になりたい。」と言ってきました。突然のことにびっくりした母親が理由を尋ねると、学校に講演に来た考古学者の話に感動し、自分もなりたいと思ったということでした。

 

「どうして考古学者なの?」と聞いても、「すごいから。」「かっこいいから。」と言うばかりで具体的な理由は出てきません。実際には、何ヶ月もかけて遺跡を発掘したり、何年もかけて研究をしたりして、歴史を覆すような発見をすることに衝撃を受けたのかもしれません。

 

すぐには言葉にできなくても、子供が受けた衝撃は大変大きなものだったのでしょう。このような感動体験は、時間と共に思考に影響を与えます。自分の将来を考えるときに、感動体験は力を発揮します。

 

そのときに、「なぜ考古学者になりたいのだろう?」(小学生のときに聞いた考古学者の話に感動したから。)「なぜ感動したのだろう?」(長年の発掘や研究が認められて大発見につながるから。)「考古学者になって何がしたいのだろう?」(世紀の大発見をして、歴史に名を残したい。)と、考えを深めるきっかけになります。

 

星空を見上げる体験や、水平線まで広がる青い海を眺める体験など、自然の中での体験は感動や驚きでいっぱいです。機会を捉えて自然学校に参加させるのもいいでしょう。家族で流星群を見に行ったり、海水浴に行ったりする体験も積極的にさせてほしいと思います。

 

感情を揺さぶる体験は、感動と驚きだけではありません。友達とケンカをして悲しい思いをしたり、スポーツで負けて悔しい思いをしたりすることも、感情を揺さぶる体験です。友達とどうやって仲直りをしようか、なぜ負けたのだろうかと深く考えるきっかけになります。

 

子供の感情が大きく揺さぶられているとき、考えを深めるような言葉かけをしてあげてほしいと思います。体験の中から考えたことは、後に振り返っても心に残る出来事になるはずです。

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