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子供の心が成長する叱り方

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子供を叱る母

子供を持つ親なら誰もが感じることかもしれませんが、子供を叱ることはとても難しいものです。ただ怒鳴るのは簡単かもしれませんが、叱ったことで子供に悪影響を及ぼしてしまったり、親自身が自己嫌悪に陥ったりと、なかなかうまくいかないことが多いものです。子供の心が成長できる上手な叱り方について見ていきましょう。

 

どうして上手に叱れないのか

子育て相談でよくある内容が、子供を叱ることについてです。「子供がする些細なことにすぐ腹を立てて怒ってしまう」「体罰をしてしまう」など、子供の叱り方について悩み、自分を責める親御さんはたくさんいます。

 

実は、現代日本の子育てにおいて、叱ることはとても難しいことになっています。今の親世代の人たちや、その前の世代の人たちは、自分が上手に叱られてこなかったからです。

 

さらに、そのまた前の世代の人たちが親であった時代は、日本の伝統的な家父長制にとって代わって、民主主義に基づいた仕組みが始まったばかりだったので、新しい時代に合った叱り方に慣れていなかったという背景もあります。つまり、日本の親たちは3代にわたって、うまい叱り方を知らないといことになります。

 

友達のような親子関係が素敵であるかのように言われている今日、特に父親は昔のように理論的にきちんと叱る経験を積んでいません。父親がそうであれば、母親がうまく叱れるわけがありません。教育的に叱るというよりは怒りをあらわにする行為に終わり、ひどくなれば子供に暴力をふるうことも、当然起こり得るのです。

 

また、親が子供をすぐに叱ってしまう理由をうかがい知ることができるデータがあります。平成19年に内閣府は「低年齢少年の生活と意識に関する調査」を公表しました。この調査では、子供の気持ちが分からないことについて「不安に思う」と答えた保護者が24%もいるということが分かりました。また、子供が困っていることや悩んでいることをあまり知らない、もしくは知らないと答えた保護者の割合は49.3%でした。

 

子供の心の中が分からないのですから、子供のちょっとしたことが目についたときに一方的に叱ってしまうのも、当然起こりうることです。

 

このような現代の状況により、親は上手な叱り方が分からず、やみくもに怒ってしまいがちになっています。今の時代の子育て事情は、本当に厳しいものだと言えます。それでも、何かの縁で親子になったのですから、これを機会に上手な叱り方について考えてみてはいかがでしょうか。

 

子供を叱ってしまうのはどんな時?

子供はほめて育てましょう、という言葉は、どんな親御さんでも一度は聞いたことがあるでしょう。しかし実際子供と向き合っていると、叱らなければならない場面は必ずあるものです。子供を叱る場面としてよくある状況を挙げてみましょう。

 

ケガをしたり事故に遭ったりしそうだった

子供を取り巻く環境には危険がたくさん潜んでいます。お散歩中の道路には車や自転車が通りますから、周りを注意せずに遊んでいれば事故に遭いかねません。ぬれた路面は滑りやすいため、走ると転んでけがをする可能性があります。滑り台の下で遊んでいたら、上から滑り降りてくる子供にぶつかることでしょう。また、逆も然りです。

 

このように、ほんのちょっと注意が足りなかったために事故に遭ったり遭わせたりする状況が、子供の周りにはたくさんあります。これでは1日中子供を叱っていたという日があっても無理はありません。

 

子供が約束を破ってしまった

「今日はおもちゃを買わないとあれほど約束したのに、おもちゃコーナーの前を通ったら『買って』と駄々をこねて困った」「ゲームは30分だけと約束したのに、いつまでたってもやめようとしない」など、子供が約束を破ってしまうことはよくあることです。

 

きちんと時間をとって約束について話をしたのにあっさり破られてしまっては、怒りの感情がわいてきても仕方がありませんね。

 

規則正しい生活習慣が身に付かない

早寝早起きすること、食事を三食きちんと食べることなど、身に付けさせたい生活習慣はたくさんあります。にもかかわらず、親がいくら言ってもきちんとできないことは多いものです。結果的に朝から晩まで叱りっぱなしになるというわけです。

 

生活習慣については、おやつを食べすぎたら食事を十分にとれなくなり、ちゃんとご飯を食べていないからお腹が空いておやつをたくさん食べてしまう、というように、悪い循環ができてしまいがちなのが厄介なところです。

 

社会のルールが身に付かない

きちんと挨拶をする、順番を守るなど、人間社会には他人とうまくやっていくために欠かせないルールがいろいろあります。これらが身に付かないと社会の中で生きていけませんから、親は子供にしっかり守らせようと思うあまり、つい厳しくなってしまうことでしょう。

 

子供が親の想像通りに育たない

子供の発達の早さは一人一人違うもの。親がここをしっかり理解できないと、子供がまだ発達途中なのに「まだ○○ができない」と考えて心配になったりイライラしたりしてしまいがちになります。

 

乳幼児であれば、育児書に書いてあることや、同じくらいの月齢の子供と比べて自分の子の発達が遅いと、非常に心配になってついきつく叱ってしまうことがあります。

 

成績が悪い

小学生になると成績が気になることでしょう。成績は数値で表されますから、勉強ができないのが一目瞭然になります。するとそれが親は気になって、叱ることが増えてしまいます。成績だけが子供を測る物差しではないことを、親はいつも心に留めておきたいものですね。

 

自分より弱いものをいじめる

妹や弟、下級生の子、同級生でもおとなしい子、障害を持っている人、虫や動物など、自分よりも弱い立場の者をいじめるのは、人間として許されることではありません。子供にこういうところが見られたら、これは叱らざるを得ません。

 

親の方にストレスがある

親も人間ですから、いろいろな悩みがありストレスを抱えることもあって当然です。しかしそういう精神状態の時はイライラしているので、子供のちょっとしたことに対しても、つい厳しく叱ってしまいがちです。この場合は八つ当たりであり、子供を叱る理由にはなりません。

 

どうですか?「あるある、こんなとき」と頷けるところがたくさんあったのではないでしょうか。子供を叱ってしまうのは何も親である自分だけが悪いのではなく、今の世の中には叱らねばならない状況がたくさん隠されているというのも、叱りすぎの原因になっているのかもしれません。ですから、「叱ってばかり…」と自分を責めすぎないことです。

 

叱ること自体が悪いのではありません。大事なのは叱り方です。要は、叱られることで子供が親の愛情をしっかりと感じられれば良いのです。「なるべく叱らないように」と考えるよりは、「上手な叱り方をしよう!」と考えてみてはいかがでしょうか。

 

間違った叱り方は子供に悪影響を与える

あなたは普段、子供をどのように叱っていますか?叱る方法もいろいろあります。

・1つ目は、怒鳴ること

・2つ目は、体罰を与えること

・3つ目は、罰を与えること

・4つ目は、何が悪かったのか理解できるように説明し、子供自身にも考えさせること

叱り方は大きくこの4つがあります。

 

子供を叱るときに「体罰」という方法をとる人は多いようです。2014年に育児情報誌「miku」が行ったアンケート調査によると、「子供を叩いたことはない」と答えた人は、全体の38.5%だったという結果が出ています。しかし、叩く側の親としても「これでいいのだろうか」と迷いながら叩いているのが実情です。

 

また、1つ目に挙げた「怒鳴る」という方法を用いる人も多くいます。最近は、学校で先生が柔らかな物腰で子供たちに話しかけてもなかなか注目されず、逆に大きな声で怒鳴りながら話すと子供たちは一瞬で先生の方に注目すると言われています。日頃子供が家庭で怒鳴り声を聞き続けているために、穏やかな働きかけでは注意を向けられなくなっていると考えられます。

 

先ほど挙げた4つの叱り方の中では、子供自身に考えさせる方法が最も良いと言えるのですが、残念ながらこの方法で叱っている人は一番少ないのが現状です。しかしそれは親のせいばかりではありません。子供が今置かれている現状のせいでもあります。

 

怒鳴る方法や、叩いたり蹴ったりといった体罰を加える方法、ゲームを取り上げたりおやつ抜きにしたりといった罰を与える方法で叱っていると、子供に以下のような悪影響が出る傾向が高くなります。

 

強い恐怖心をもつ

日常的に親から体罰を受けている子供は、他の大人が子供の頭を撫でようとして手を出すと、「叩かれる!」と思って反射的に身を縮ませたり逃げだしたりすることがあります。

 

親の機嫌を気にする

親の顔色をうかがいながら行動するようになります。

 

自分のストレスを他人にぶつける

家庭で普段から体罰を受けていると、恐怖や不安からストレスを感じます。するとそのストレスを、自分より立場が弱いものに対してぶつけるようになります。これはいじめのきっかけにもなり得ます。

 

動植物を粗末に扱う

きれいな花でも平気な顔で踏みつけたり、犬や猫をいじめたりするようになります。

 

集中力散漫になる

落ち着いて何かに取り組むことができず、学校でも自分の席に座り続けることができない子になります。また、人の話を聞くことができなかったり、忘れ物ばかりしたりします。

 

嘘をつく

自分が悪いことをしても、叱られないようにするために嘘をついても、平気でいられます。

 

力や立場が強い子につこうとする

その人の考え方が正しいかどうかではなく、力や立場が強いかどうかで人を判断するようになります。

 

大人が見ていないところで悪いことをする

悪いことをしてもばれなければ叱られません。ですから、大人の前では良い子を演じ、大人が見ていないところで悪事を働くようになります。

 

協力できない

周囲と力を合わせて何かをするということができなくなります。ですから、他の子たちの協力心が育っていけば、その子は必然的に周囲から浮いた存在になります。

 

間違った叱り方を続けていると、こんなにも子供に悪影響を与える危険性があります。子供のために、一度ご自分の叱り方を振り返ってみませんか?

 

叱られた子供が愛情を感じられれば大成功

今の時代、子育てに自信がある親御さんはほとんどいないでしょう。ほとんどの親御さんがいつも自分の子育てに迷ったり悩んだりしています。そして、思い通りに子供が行動しないと怒りがわいてきて、体罰は良くないと知りつつ叩いたり、激しく怒鳴りつけたりしています。

 

昔の日本なら、子育てはこんなにも孤独ではありませんでした。地域では、様々な年代の大人がその辺で集まって立ち話をしていましたから、情報集めには苦労しませんし、悩み相談もすぐにできました。核家族が多い今の時代と違って、家庭にはおじいちゃんやおばあちゃんがいましたので、親も安心して子供を育てることができました。

 

現代日本は、昔あったような家庭や地域の中でのつながりが薄くなっています。誰もがイライラとした気持ちを抱えていますので、子育て中の親が不安になったり悩んだりするのも無理はありません。

 

しかしだからと言って、親が子供に体罰を与えたり怒鳴り散らしたりすることを容認するわけではありません。そのようなやり方で叱っていては、子供が自分のストレスを他にぶつけるようになったり、常にビクビクと委縮するようになったりするので、私たちはこれを重大な問題として捉える必要があります。

 

自分の子だけを見続けるのをやめ、少し外に目を向けてみましょう。先輩ママが近くにいるようなら、自分の悩みを打ち明けアドバイスをもらうといいですね。子供は地域の中で育っていくものと考えましょう。そうすれば今よりもっと気持ちが軽くなります。

 

叱るのは悪いことではありません。大事なのは叱ることで子供に何を伝えるかを知ることです。そうすればおのずと、良い叱り方ができるようになります。

 

親が叱るとき、子供に何か大事なことを伝えたいと考えているはずです。だから、叱られても子供が「お母さんは僕を愛してくれているから叱るんだ」と理解できれば、その叱り方は大成功だったと言えます。

 

人は、誰かがそばで自分の事を見守ってくれている、愛されていると感じることができれば、安心感をもてます。幸せだと感じられます。子供も同じです。親から大事にされているんだなと感じられれば、うれしく思いますし、安心して過ごせます。

 

どんなに幼くても、逆に高校生くらいになっても、子供は一人ぼっちになることを何より恐れています。思春期真っ只中の子供は、周囲の大人から離れて自立に向かおうとします。しかし完全に自立できるわけではありませんから、大人から離れようとしても一人ぼっちではいられずに、友達と深い関係を築こうとします。そんな時期にもしもいじめられるなどして一人ぼっちになってしまったとしたら、自ら命を絶とうとしても無理はありません。

 

子供はいつだって、安心して寄りかかれる場所を必要としています。自分の事を心から愛してくれて、いつもそばで見守ってくれている人を。幼い子供であればそれはイコール、親ということになります。親の愛を実感できるのなら、叱られたとしてもそれは子供に悪影響を及ぼさず、むしろ子供にとって喜ばしいこととなるのです。

 

子供が失敗をバネに成長できる叱り方

失敗して叱られたにもかかわらず、自分の失敗を認め、自分に自信をもってまた頑張ることができる…信じられないかもしれませんが、そんな叱り方があります。

 

当然ながら、叱られたということは、子供が何かしら悪いことをしたということです。しかし、叱られることで「自分は悪いことをしたのだ」と気づくことができ、「次はやらないように頑張ろう」と思うことができれば、自信も生まれるのです。

 

例をあげて説明します。子供が友達をからかったり仲間外れにしたりしたとしましょう。その時に「友達をいじめるのは決してやってはいけないことだよ。でも、以前は叩いたり蹴ったりしていたのに、最近は暴力をふるうことはなくなったよね。あなたはちゃんと成長している」と、叱りながらも子供が成長した部分を探してそこを認めてやります。

 

すると子供は、自分がやってしまったことを反省しつつも、自分が成長した部分を知って自信をもち、親がその部分を認めてくれたことをうれしく感じるでしょう。こうすれば、叱られても自分に自信を持つことができ、失敗をバネに次に向かって頑張る力を持つことができます。失敗したからこそ、より大きく成長できるようになるのです。

 

そう考えれば、子供が失敗して叱らなければならない状況が来ても、もう嫌ではなくなります。叱ることで子供に自分の愛情を伝えることができ、子供が自信をもって前に進むことができるよい機会になるようにしましょう。

 

子供が「良い子」にならざるを得ない叱り方

怒鳴ったり叩いたりする叱り方はもちろん良くありませんが、穏やかな叱り方だけど決してやってはいけない方法もあります。それは、子供の言動を良い方向へ向かわせるようコントロールする叱り方です。

 

どういうことかというと、子供が何か悪いことをしてしまった時に、「そんなことをするのは良い子じゃないわ」「○○ちゃんはそんな悪い子じゃないわよね」などという言い方をして叱るのは良くないということです。

 

このようなやり方で叱っていると、子供は親が言う「良い子」になるために行動するようになっていきます。親が喜ぶことをし、親が勧めるままに自分の道を決定するような子になるでしょう。

 

はたから見たら、成績も良いしリーダーシップもとれるし、スポーツだってできる、完璧な子供のように感じられるかもしれません。しかしだんだんとそんな良い子を演じることに疲れ、ストレスを爆発させて思わぬ悲劇を生み出さないとも限りません。子供が「良い子」になるように操作する叱り方はやめましょう。

 

上手な叱り方のコツ

子供が親の愛情を感じ、失敗しても自分を信じてまた前に踏み出せる…そんな叱り方をしたいものですね。上手な叱り方のコツを挙げてみましょう。

 

子供に何があったか話させる

子供が悪いことをした時、親がどんな状況だったか知っていたとしても、まずは「何があったの?話してみて」と尋ねましょう。そう訊かれると「お母さんは私を信じて話を聞こうとしてくれている」と感じられます。

 

すると子供は安心して、正直に自分の過ちを話してくれるでしょう。親は自分を受け入れようとしてくれている、と子供が実感できるようにすることが大事なポイントです。

 

親が叱ろうとするとき、大抵その判断は正しいことが多いです。だとしても、始めから一方的に子供の間違いを責め立てる言い方はすべきではありません。そのように叱ってしまうと、子供は自分をダメな人間だと思うようになってしまいます。また、心では反省していないのに、口だけで「ごめんなさい」を言って、その場をおさめようとするようにもなります。

 

「何があったか話して」と問いかけて、子供の口から説明させることは、子供という一人の人間の人格を認めたやり方です。子供の立場に立った行動だと言えます。

 

辛い気持ちを受け止めてやる

子供が何か悪いことをした時「何があったの?」と問いかければ、子供は自分がやってしまったことを正直に話すでしょう。そして「いけないことをしてしまった」と、失敗して辛い気持ちを打ち明けたなら、「そうか、自分でちゃんとわかっているんだね。それならいいんだよ」と、子供の気持ちを受け止めてやりましょう。

 

すると子供は安心し、逆に自分に対して厳しくなるものです。「ううん、やっぱりいけないことだった。このままじゃいけない。もう絶対にしないよ」と、親から言われるまでもなく、自分できちんと反省するようになります。

 

子供の失敗の中にある良さを見つけてやる

子供が悪いことをしたら、当然親はその行動の悪いところを見て叱ります。ですがよく見れば、失敗の中にも良かった点があるものです。それを見つけて、叱りつつもその点は認めてあげましょう。

 

まずは「どんなことがあったの?」と尋ねて、事の経緯を子供の口から話させます。自分がやってしまったことを話してくれたら、その失敗の中にある良さを探します。

 

妹をいじめてしまったけれど、手は出さなかった。友達を叩いてしまったけれど、ケガをしないようにて加減はした。こんな風に発見できたら「口ではひどいことを言ったけど、今日は叩かなかったね」と言葉で伝えましょう。

 

子供はついカッとしてやってしまうことがよくあるものです。しかし、悪いことをしても、最悪の事態にならないようにどこかで加減するところがあります。こちらが注意深く観察すれば、そういうところがきっと見つかるはずです。

 

良かった点を親が認めて話してやれば、子供は自らをきちんと反省でき、「もう二度としない」と心に誓うことでしょう。親が「もうしないと約束しなさい」などと言わなくても、自分からそう思うことができます。

 

大好きな親から自分の良さを認められたことで、子供は親に対する信頼感が高め、自分に向けられた愛情を実感できます。だからこそ、親から強制されずとも、自分を冷静に振り返り「このままではいけない。もう絶対にやってはいけない」と自分に厳しくもなれるのです。

 

逃げ道を作ってやる

子供が何か悪いことをしてしまったら、親としては当然、もう二度としないと誓わせたくなります。しかし、「もう二度としない」と約束するのは必ずしも良いこととは限りません。なぜなら、もしもまた同じ過ちを繰り返してしまった時に、子供は悪いことをしてしまったことと、約束を破ってしまったことの2つの罪に苦しめられてしまいます。

 

ですから、親は「もう二度としないと約束して」と言うべきではありません。子供の方から「もう絶対にしない」と言ったとしても「そう、えらいね。でも何度も同じ過ちを繰り返すことは、人間にはよくあることだから、あまり強くそう思いすぎない方がいいよ」と、逃げ道を作ってあげましょう。

 

失敗する前に、してはならないことを教える

親というのは、子供が何か失敗する、親が叱る、それで子供が悪いことだと覚えて成長する、この流れで子供をしつけることが多いものです。しかし、事前に予想できるのであれば、子供が失敗する前にしっかり教えておくべきです。

 

「忘れ物をすると次の日自分が困るから、今日のうちに明日の準備をしておこうね」とか「食べ物をこぼして服につくと落ちにくいから、お茶碗をもってゆっくりと食べようね」などというように。

 

子育て中には、子供に伝えるべきことがたくさん出てくるはずです。日頃からきちんと言葉や態度でそれを伝えていってほしいですし、失敗してしまった子供を叱るときは「今が伝え時だ」という気持ちで叱ってほしいものです。そうすれば、必要以上にイライラして厳しく叱りつけることもなくなりますし、何よりも叱る時の気持ちが軽くなるはずです。

 

子供への虐待は他人ごとではない

叱り方を間違えたまま過ごしてしまうと、それがいつしか虐待へとつながってしまうこともあります。「我が子への虐待なんて一部の人がしているだけ」と他人ごとのように思わないでください。平成26年度に全国の児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談件数は88,931件もありました。

 

2003年に発表された「兵庫レポート」というものがあります。精神科医である原田正文さんによるこのレポートによれば「お子さんを叱るとき、たたく、つねるとか、けるなどの体罰を用いますか」という質問に対して、1歳半の子供のお母さんで「いつもする」「ときどきする」と答えた人は51%、3歳の場合は69%でした。2人に1人以上の割合で、我が子に体罰を与える親がいるという実態を表しています。

 

また、平成23年には日本小児保険協会による調査結果が発表されています。その中では「自分は子供を虐待しているのではと思うか」という問いに「はい」と答えた母親は全体の11%。10人に1人という割合で、子供に虐待しているかもしれないと悩んでいる母親がいると分かりました。

 

さらに、虐待をしているかもしれないと答えた人の中で「叩くなどの暴力」を用いている人は全体の47%にものぼっていました。ちなみに「しつけのし過ぎ」は18%、「食事制限や放置」は1%となっていました。

 

同調査では、半数以上の母親が、育児に自信をもっているとは言えないということも分かっています。育児にまつわる状況が、今、どうしてこんなにも厳しいものになっているのでしょうか。原因はいくつか挙げられます。

 

子育てに孤立感をもっている親が多い

地域のつながりが薄くなっていたり、核家族が多くなったりしているため、母親が一人で子供に向き合い育てている状況が増えてきています。

 

父親が子育てに参加することが少ない

自分の家で農業や商業を営むケースが多かった昔の時代には、父親の働く環境には我が子が必ずいました。最近は父親が育児をしやすくなる取り組みも進んではいますが、それでも昔の時代に比べれば、父親が子供と共に過ごす時間はずっと少ないと言えるでしょう。

 

早期教育を良しとする風潮がある

最近の子供は、まだお腹の中にいる段階から胎教という名の教育を受けています。幼児教育もいろいろなものがあり、早く始めないと子供の才能を伸ばすことができないような雰囲気があります。すると、発達段階から考えるとまだできなくて当然なのに、「なぜできないの」と子供に対してイライラしてしまう状況が生まれます。

 

早期教育に意味がないとは言いませんが、あまり夢中になるのは考えものです。子供にとってお母さんはすべてであると言っても過言ではありません。子供が才能を発揮することがあったとしても、子供にとってはお母さんに喜んでほしくて続けているだけなのかもしれないからです。

 

原因と考えられるこれらの状況とリンクするのですが、子供に対して虐待を行ってしまう母親によく見られる特徴は以下の通りです。

・子供と一緒に遊ぼうとしないし、話しかけることが少ない

・親も子供もテレビから離れられない。しかも子供と親は違う番組を見ている

・子育てしているとイライラし、疲れてしまう。育児が楽しくない

・夫が子育てをしないのが不満である

 

これまでに述べたような状況や親の精神状態がある中で、叱り方を間違ったままでいると、虐待に発展してしまう可能性が高まります。子供への虐待は決して他人ごとではありません。人間は弱い生き物ですから、どんなことが引き金となって虐待をするようになってしまうのか誰にも分からないことです。

 

子供とたくさん触れ合い、たくさんお話をし、子供との間に深い愛情関係を築くようにしていきましょう。

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