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幼児のそばにいつも親がいれば、自立の土台を築ける

幼児と親

子育てのゴールは、子供を自立した大人に育てることです。そのための親の仕事は、生まれてすぐに始まります。まだ何も分からない小さな子供であっても、この時期に絶対にやっておかなければならないことがあります。それは、親がとにかくいつも子供のそばにいることです。それがどのような意味を持つのか見ていきましょう。

 

親がそばにいることで幼児の心は安定する

心理学者のハリー・ハーローは、子ザルの死亡率を下げるために、生まれたばかりの赤ちゃんザルを母親から離し、人工的に育てることを試みました。人間がしっかりと世話をすることで死亡率が下がり、子ザルは健康に育つと考えたのです。

 

しかし結果は驚くべきものでした。死亡率に変化がなかっただけでなく、母親から引き離された子ザルは問題行動が多く、周囲に興味をもったり働きかけたりする行動も見られなかったのです。

 

ハーローは次に、針金に毛布を巻いて母ザルに似せた人形を、母親から引き離された子ザルの檻に入れました。すると子ザルはその人形にくっつくようになり、次第に問題行動がおさまってきました。

 

さらに、毛布をまかず針金だけの人形に哺乳瓶を括り付け、そこからお乳を飲めるようにしたところ、子ザルはおなかが空けば哺乳瓶からお乳を飲むけれど、1日のうちのほとんどを毛布のある人形と一緒にいたというのです。

 

この実験からは、生まれて間もない子供にとっては、親のぬくもりが何より大事だということが分かります。人間性の基礎が出来上がる乳幼児期は、人間にとって最も重要な時期ですが、この時期に親ができるだけそばにいて関わることが大事だということです。

 

ハーローの実験からわかる通り、子供は本能的に親のぬくもりを求めているわけですから、親はその欲求を叶えてやり、それを通じて愛情をたっぷりと感じさせてやる必要があります。そのためには、なるべく親子は一緒に過ごすことです。

 

いつでもそばに大好きなお父さん、お母さんがいて、ぬくもりを感じられることで、子供の心は安らぎ、安定します。すると、子供の人間性の基礎がしっかりと固まり、次なる成長へとつながっていきます。

 

仕事をお持ちの方もいらっしゃいますから、もちろん365日24時間ずっとというわけにはいきませんが、できる限り子供と一緒にいることをおすすめします。一緒に遊ぶだけでなく、買い物や食事作りなどの家事も子供と一緒にやってしまいましょう。

 

幼児と言っても、やれることはたくさんあります。混ぜるだけのホットケーキを一緒に作って、一緒におやつタイムにしたり、スーパーでは小さなカゴを持たせて一緒にお買い物をしたりと、子供を巻き込んでいろいろやってみましょう。仕事を任された子供は「私は家族の役に立っている」と思うことができ、それが自信を持つためのきっかけになります。

 

もちろん、子供と一緒にはできない家事や仕事もたくさんあります。それは子供が寝ている間にやることになるでしょう。しかし、続けるうちに限られた時間で効率的に仕事をこなす力が、親の方についてくるはずです。

 

子供が自ら離れるまで焦らずに

子供を自立した大人に育てることが子育てのゴールだと、冒頭で言いました。しかしそのことばかり考えていると、なかなか親と離れようとしないタイプの子供だった場合、心配になる親御さんもいるでしょう。

 

「周りの子供たちは親から離れて自由に遊んでいるのに、うちの子は成長が遅いのでは…」と不安になり、無理やり子供を自分から離そうとするかもしれません。

 

しかし実際そうしたとしても、子供は親から離れていくものではありません。逆にもっと必死になって親にくっついてくることでしょう。大人の思惑で引き離そうとしてもうまくいきません。子供が自ら「もうお母さんと一緒にいなくても大丈夫だ」と思った時に、自然と親から離れることができるのです。

 

その時期が早く来る子もいれば、なかなか来ない子もいます。つまり、人それぞれというわけです。ですから大人が勝手に時期を決めて引き離すべきではありません。反対に、子供が親から離れようとしているのに、親の方がいつまでもべったりくっついているのもよくないことです。目の前にいる我が子の様子をよく見て、今はどんな時なのか判断するしかありません。

 

しっかりと定まったマニュアルがないことは不安に思えるかもしれませんが、子供をよく観察していればおのずとわかってくるものです。一人目のお子さんの時はそれこそ試行錯誤の毎日でしょうが、二人目のお子さんにもなれば何となくわかってくるのか、焦ることなく子供の発達の時期を見極められるようになることが多いものです。

 

大事な我が子のことです。毎日接していれば、その成長具合を見て心配になったり焦ったりするのも無理はありません。しかし、一番大切なことは、目の前にいる我が子が次のステップに移るその時まで、十分にそばにいてあげることです。

 

親といつでも一緒にいなければならない時期は幼児期しかなく、その時期に逆戻りすることはできません。だからこそ、何よりも優先して子供と一緒に過ごすようにしましょう。幼児期は自立の基礎を作るとても大事な時期なのです。

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