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思春期男子の子育てを楽しもう!

肩を組む思春期男子

今まで可愛い男の子だった息子が思春期を迎え、どんどん「男」になっていくのを見るのは、お母さんとしては頼もしくもあり、淋しくも感じるでしょう。その上、反抗期を目の当たりにして「どうしたらいいものか」と途方に暮れているお母さんもいるかも知れません。

 

しかし、長い目で見るとたったの数年間です。「耐える」のではなく、どうせならその思春期期間も子育てを楽しみましょう。半人前でも一人前の大人として「紳士」として扱えば、紳士らしくなってくるものです。心の中で「小さなジェントルマン」と思って、息子の成長を微笑ましく見守りましょう。

 

今までの子育てが思春期に反映される!

息子さんは思春期になる前「いい子」だったでしょうか。専門家によると「いい子」であった子ほど、思春期以降に問題行動が増えるそうです。小さい頃、手のかからなかった子ほど思春期に手がかかり、小さい頃に手のかかった子ほど思春期はすんなりと終わったりするそうです。

 

個人差があるにせよ、子供は「いい子」という仮面を被っています。思春期になると、その仮面に気づき仮面を剥がそうともがきます。仮面がなかなか剥がせなければ、その分激しくもがきます。それが反抗となって現れるのです。

 

もし「うちの子の反抗期はちょっと他の子よりも激しいかもしれない」と感じたら、小さい頃「いい子」だったのではないでしょうか。もしそうであれば、ちょっと「いい子」を求め過ぎたと反省し、これからは本人の意思を尊重するようにしてください。

 

「いい子」は心理学的には「過剰適応」と言い、不自然な状態です。親の言う事なんて聞かないはずの普通の小さな男の子が、親のために「いい子」を演じていたのです。実は子供が親に合わせてくれていた、と言うようなケースほど思春期には手を焼きます。

 

思春期にはそれまでの子育てが反映されるのです。息子が激しい反抗期を迎えているお母さんは心配になるかもしれませんが、心配する必要はないのです。思春期を境に今までの親子関係から、新しい親子関係へと親子の関係を新しいものへしていけばいいのです。

 

思春期に今までの子育てを息子に評価されたのです。採点が終わったらもう昔のことは忘れて、新しい一人の男性としての息子と関係を築き直しましょう。

 

今までも「いい子」で思春期を迎えてもなお、息子が「いい子」のままだと喜んでいるお母さんはいませんか。そんなのん気な事を言っている場合じゃありません。このままでは息子さんは、パラサイトシングルの予備軍になってしまうかもしれません。

 

激しい反抗期を迎えているのであれば、大丈夫です。それだけ力があると言う事です。本当に心配なのは思春期でも「いい子」な子です。反抗する力すらないのです。親に反抗する力もないのに、社会に出てやっていけるでしょうか。反抗期がなければ親子関係を見直すチャンスもやってきません。

 

のん気に「いつまでもうちの子はいい子」なんて言っていると、息子の自立心がいつまでも育たず、親子共々自立の機会を失ってしまいます。

 

思春期は子離れのチャンス

子供は親から「愛されている」と感じる必要があります。親からの愛を感じることで、自分は「必要とされている」「生きている価値がある」と思えるようになります。そしてそれが自信へと繋がり、一人立ちへと繋がって行くのです。

 

親からたくさんの愛情を注がれれば、その分自信を持って一人立ちが出来ます。親の愛情と言っても人それぞれだと思いますが、親のレールの上に子供がいるのではなく、その中心は子供です。

 

子供の成長に合わせて、必要な時には親がサポートをします。思春期には特にお節介は焼かず、ただただ見守るというサポートが必要です。

 

子供が親元から自立しようとしているのに、親がその手を離さないと子供はいつまでたっても飛び立てません。よその家庭のことはよく見えるのに、自分の息子がその状況になっても親はなかなか気付けません。

 

そうなると、親の手を振りほどく為に反抗期は悪化し長引きます。息子が心配なのはどの親も一緒です。思い切って手を離し、もしまた戻ってきたら優しく迎えたらいいのです。親が子供の手を心配という理由から離さなければ、子供はいつまでたっても自立出来ないのです。

 

思春期のその先を見る

「子供を手放す」これはとても大切な事ですが、「ものわかりのいい親」と思われたいのか子供に嫌われたくないのか、何でも子供の言う通りにしてしまうと、これはまた別の問題が発生してしまいます。

 

思春期には「親との意見の対立」が必要と言えます。なぜなら、親と大いにぶつかり合い、それを乗り越えると言う経験が必要だからです。その「乗り越えた」と言う経験が成長した時にも本人の自信に繋がります。

 

その親という壁がなければ、乗り越えるも何もありません。反抗期に反抗ができないのです。別に親子ゲンカを推奨しているわけではありません。親と息子、どちらの意見が正しいかなんて話はどうでもいいのです。

 

息子の本気を確かめることが大切で、その為に親は一度「待った」をかけることが大事なのです。なんでも「はい、はい」と息子の意見を聞いていたのでは本気度を確かめることができません。

 

親にちょっと反対されて諦めてしまうようだと、成長して社会に出た時に一人で世の中を渡っていけないでしょう。何度親に反対されても、あの手この手で親を説得しにかかってくるようなら本気度が伝わるというものです。

 

そのくらいになるまで、何度も追い返しても構わないと思います。成長すれば何度も壁にぶつかるでしょうが、その時に思春期の親子のやり取りが役に立つのです。子供が自分の中で一生懸命考え、自分なりの議論を完成させ、決意を固めるというプロセスが大切です。

 

もの分かりのいい親なんて、思春期には必要ありません。我が息子をしっかりと自立した男性へ育てたいのであれば、息子にとっての壁となり敢えて息子の前に立ちはだかる事が大事です。

 

親が子供から「手を離さないといけない」と言っても、それは子供が最低限のことを判断出来るようになってからです。最低限のこと、それは「取り返しのつく事とつかない事の判断が出来るかどうか」です。

 

取り返しのつかない事、それは犯罪に関わるようなことや、他人や自分を傷付けてしまうようなことです。子供が取り返しのつかない事をしようとしていた場合、親はそれを絶対に阻止しなければいけません。阻止した上で、どうして阻止されたのか、その理由を本気で説明し子供に理解してもらわなければなりません。

 

本人が本気でやりたい事なら親は失敗すると分かっていても、チャレンジさせてあげるというのが思春期の本来のあるべき姿ですが、取り返しのつかない事をやろうとしていた場合には、それを阻止するのも親の役目です。

 

それは自立の邪魔ではなく、子供が自立する為に必要な判断力を身につけてもらう大事な過程です。子離れできていない事とも違います。

 

しかし、「取り返しのつかない事」はそれぞれの親の価値観で異なってきます。何が取り返しのつく事なのか、何が取り返しのつかない事なのか、中には取り返しのつかない領域が広い親御さんもいます。

 

そういう方は安心第一、安全第一でリスクの少ない人生を歩んでこられた方が多いようです。反対に、取り返しのつかない事の領域が狭い方もいます。そういう方の場合には、楽しいが第一、自分の好きなことややりたい事を第一に考え、リスクが多くてもそちらを優先して人生を歩んでこられた方が多いようです。

 

どちらがいい悪いという話ではなく、思春期男子はだいたいがリスクの多い方を選びたがります。冒険したいのです。そうすると、安心安全第一で過ごしてきた親からすると「危ない選択」に見えてしまうことがあるという事です。

 

そうすると、それが原因で息子とぶつかることもあるでしょう。そんな時、子供の判断力を下にみるのではなく、今までの自分が歩いてきた道を振り返って見ると気付く事があると思います。

 

安心安全第一でリスクのない道を歩んできたかもしれませんが、それがいいとされてきた時代だったかもしれませんが、これからは違います。しっかりと自分を持った、チャレンジ精神溢れる人材が必要とされるでしょう。思春期のその先を見ることも大切です。

 

そして、思春期の先を考えた時に、親も今まで自分が気付かないうちに囚われていた呪縛から解放されるのです。それも思春期がもたらしてくれるプレゼントです。子供も思春期を越えれば立派に成長し、親も成長でき、親子関係もリセットしてくれる。

 

そうポジティブに考えると、数年間の思春期、反抗期も悪くない時間だと思えるようになるでしょう。

 

思春期の子供はたくさんの壁にぶつかり、時には「どうしようもない」ことにもぶち当たるでしょう。大人ならそんな「どうしようもない」ことにぶち当たったとしたら、どう対処するでしょうか。

 

理想の大人の姿は、あたふたと動揺せず「どうしようもない」ことについては、そのままを受け入れることです。騒いだところで状況は変わりません。これは思春期男子を持つ親の心構えといってもいいでしょう。

 

親も人間です。そして、子供はだいたい親の思い通りにならないものです。思春期男子に手を焼き、動揺する事もあるでしょう。そんな時でも騒がず、大きく構えて子供を受け入れるのです。どうにもならない息子をあるがまま受け入れるのです。思春期には親も試されているのです。

 

そして、あるがまま受け入れることが出来るようになったら、心に平安が訪れたら、新しい親子関係が始まります。きっと嵐のように過ぎ去っていく思春期を抜けた先に、また大人対大人の付き合いが待っています。

 

思春期男子との付き合い方は具体的に4つのポイントに分けられます。まずは息子と意見が食い違っても「勝ち負け」ではないので、どちらが正しいかなんて話はやめます。勝ち負けの構図にはしないのです。意見が違うのは当然のことですから、異なる相手の意見を尊重するようにします。

 

次に、人は他人から扱われたように振る舞うという習性があることが分かっています。ですので、思春期男子たちも「紳士」として扱いましょう。一人前の紳士として扱えば、紳士として振る舞うようになります。

 

そして、思春期男子が発した言葉を額縁通りに受け取らないことです。この時期には特に口が悪くなりますが、本心ではありません。いちいち振り回されていたらキリがないので、本心を見抜く、その言葉の本当の意味を悟りましょう。

 

最後に、どうしても子供に伝えておきたいことがある場合には、息子の目をまっすぐに見て本気で話しましょう。「自分でお金も稼げないくせに」なんて事を言ってはいけません。それはちょっと卑怯です。

 

思春期には子供の本気度を親も測ります。親も伝えたいことがあるなら正々堂々と息子に面と向かって話をするようにします。

 

思春期すら楽しんでしまおう!

息子にとって父親とは特別な存在です。それは、自分が超えなくてはいけない壁だからです。その父親の威厳とはどのようなものでしょうか。威張るだけの父親はカッコ悪く、超えたいと思えるような存在ではなくなってしまうかもしれません。

 

そうなってしまうと大変です。超える壁を見失ってしまったのですから、やり場のない怒りがこみ上げ、反抗期は悪化するばかりです。「僕の乗り越える壁はどこ?」と思春期男子にとっても悲劇です。

 

息子が乗り越えたくなるような、威厳のある父親とは、どのようなものでしょうか。例えば、お母さんが専業主婦であったとしても、家事は大変な重労働です。「一日家にいて気が楽だな」なんてことを言うような父親はカッコ悪くて目も当てられません。

 

毎日ご飯を作り、洗濯をし、買い物へ行き、もしかしたら家族分のお弁当を作っているお母さんもいるでしょう。家族のサポートをしてくれているお母さんがいるから子供は学校へ行き、お父さんは仕事へいけるのです。

 

そんなお母さんへ感謝の気持ちを忘れず、経済力や腕力を楯に取ることなく、気取らずに自分が悪ければ素直に謝る、そう言う人間力の高い大人に思春期男子たちは魅力を感じるのです。自分を大きく見せたり威張ったりすることなく、人として正しい行いができる強さ、優しさを兼ね備え、思春期男子にもブレずに対応する事が父親の役割です。

 

思春期を境に父親と息子は新たに大人の男同士の関係作りをはじめます。お母さんは息子と父親の間に入ることになるでしょう。そんな時にお母さんが父親の威厳を保つ為にも、ちょっとだけお父さんの肩を持ってあげると効果絶大です。

 

ちょっとだけお父さんの肩を持つと言うのは、息子の話を聞いている時にでも「あなたの気持ちは分かるけど、お父さんの言っている事ももっともよ」と言ってみるだけでいいのです。

 

お父さんお母さんが2人で息子のことをフォローしあえば、それを見ている息子は勇気が湧いてくることでしょう。息子とお母さんの関係がイマイチな時には、お父さんが間にたってちょっとだけお母さんの肩を持ってみてください。

 

思春期になると男の子は反抗期も相まって、口が悪くなり、お母さんのことを「クソババア」呼ばわりすることもあるでしょう。しかし、口は悪くたって何か失敗した時や傷ついたりした時は、お母さんに甘えたくなるものです。

 

「クソババア」呼ばわりされたって、そんな事は根に持たず息子の話をよく聞いてあげてください。アドバイスなんて求めていないのです。ただ話を聞くだけで、息子は安心することができ、勇気が出ます。帰るところがあると分かれば何度でも何事でもチャレンジでき、折れない心が養われていきます。

 

いつの時代にも子供にとってお母さんは「いつでも帰ることのできる安心できる場所」であって欲しいのです。

 

新生児の頃はあんなに小さかった男の子が、今やこんなに大きく成長しました。お父さんやお母さんから授かったタフな心や勇気を持って、彼らは思春期を終えて自立をして行きます。

 

将来どのような仕事に就くのか、これからどのように人生を歩んでいくのか、心配もあるでしょうが楽しみの方が大きいのではないでしょうか。子育てに勝るクリエイティブな営みは他にはありません。そろそろ子育ての総仕上げです。

 

男の子の思春期は大変かも知れませんが、たった数年間です。たった数年しかない子育てを楽しんでください。

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