facebook Twitter Google+ はてなブログ feedly

新聞は知識だけではなく様々な力を養う知恵の宝庫である

Pocket
LINEで送る

新聞を読む子供

あなたは新聞を読む習慣がありますか?新聞を読めば、知識が増えるだけでなく、書く力や読む力や考える力、さらにありとあらゆる感覚が磨かれます。ここでは新聞を読む事で磨かれる力の具体例を挙げて、身になる新聞の読み方を考えていきます。

 

新聞を読めば「社会力」が育つ

私たちが社会に出て自立するためには、自分の身の周りの事が分かり、社会についてよく知っているという意味での、「社会力」が必要です。ただ身の回りの事がよく分かるというだけでなく、それが常識としてのものであるという感覚にまでなっていないと、社会的に見て常識に反する行動を取ってしまいます。

 

学校は、そういう「社会力」を身に付けるためにありますが、その力は新聞からも学ぶ事が出来ます。新聞の内容には政治や経済、外交、事件、環境、また家庭についてや健康についてなど、あらゆる種類の社会での出来事が取り上げられます。

 

ですから新聞を読んでいる人は当然社会について詳しく、社会で起きているあらゆる事柄について身近に感じる事が出来ます。そういう人は、他国での紛争やテロについて聞いた時や、株の急落について聞いた時、他人事に感じるのではなく、自分の国は大丈夫だろうか、日本経済への影響はどうだろうかと、まず身の回りについても気が向きます。

 

そういう、社会で起きているあらゆる事柄を自分と結び付けて考える感覚が、「社会力」の根本に必要なのです。そうした感覚の無い、「社会力」の無い人は、国際的に大変な事件や問題が起きても、自分とは関りが無いと思って完全に第三者として物事を捉えますし、最悪、そんな事が起きているとも知らない場合もあるでしょう。

 

自分が現況無事で給料をもらえていれば良いというような、経済や政治については全く無関心な大人が増えると、社会に対しての判断力の無い人間ばかりになって、社会は衰退してしまいます。そうなれば日本経済の状況が悪くなったり、より身近なところで戦争などが起きるようになったりして、結果的に経済的にも治安的にも自分自身が危うくなります。

 

そうならないために、常日頃から社会で起きている事についてよく知っておいて、身近な事として捉えておく事が大切なのです。社会で起きている事を常に身近なものとして危機感を持つ事は難しいですが、そうした感覚を鍛えるのに新聞を読む事はよいトレーニングになります。

 

新聞には毎日新しい事が書かれていて、一つの事件、問題についてであっても、次々新しい情報が入ってきます。そうして毎日情報が更新されていくのを追っていると、どんどん社会常識が培われていきます。

 

就職活動や転職の際、「社会力」が欠けている事はすぐに露呈してしまいます。経営者たちは特にニュースが好きで、新聞に載っている事なんて当然知っているので、面接に際して質問された時や、いざ採用されてコミュニケーションを取った時に、新聞に載っている事くらいはこちらも知っておかないと、恥をかく事になりかねません。

 

もちろん「社会力」を身に付ける目的やメリットは、就職のためだけではありません。新聞を開くと、多くの掲載記事の中にはさほど興味関心が持てない記事もあるわけですが、毎日新聞を見ていると、こちらの興味に関わらず様々な見出しが目に入ってきます。

 

それらに興味が無かったとしても、世界のあらゆる所でテロが発生している事や、ヨーロッパではシリアから押し寄せる難民について紛糾している事、中国経済が崩壊の危機を迎えている事などが、おのずと知識として頭の中に入ってきます。

 

そのように世界で起きているあらゆる問題を知ると、客観的に自分の状況を見る事が出来るようになります。世界ではこんなに大変な事が起きている、自分の小さな問題でうじうじとしている場合ではない、という風にも思えてくるでしょう。

 

世界から見た日本について考えたりして、自分やその周りだけの狭い範囲での、思い込みや偏見を伴ったものの考え方から抜け出して、他人に寛容になったり、社会に対し働きかけを行わなければいけないといった問題意識まで持てるようになります。

 

四半世紀も遡れば、みんなが新聞を読んでいる時代でした。そういう社会では社会の常識が共有され、みんなが社会に対して働きかけようとし、国をより民主的に導いていこうという意識がありました。

 

ですが今は新聞を読んでいる人が減り、社会の常識は通じなくなり、自分たちだけの世界でおしゃべりに興じ、社会に対する感覚の育たない、そういうこわい社会になってきています。

 

私たち一人一人、またその子供たちも、日本で生活する一国民として、それぞれ早いうちから新聞を読んで「社会力」を身に付けるようにしていきたいものです。

 

新聞記事を読む時に疑問を持てば「質問力」が高まる

新聞を読んでいても、ただ漠然と読み進めて、しばらくして内容を忘れてしまうようではせっかく新聞を読んでいるのにもったいないですし、自分の身になりません。

 

新聞を読む時に、記事の内容に対して「この問題はなぜこういう結果になったのか」「背景には何があったのか」といったように、質問を考えるくらいまで読み込むと、記事の内容もよく記憶されますし、「質問力」が磨かれます。

 

以前朝日新聞に掲載された、ツタヤ図書館に関わる記事について考えてみます。ツタヤ図書館というのは、民間企業のカルチュア・コンビニエンス・クラブが手掛ける、新しいタイプの図書館です。

 

ツタヤ図書館は従来の図書館と大きく異なっていて、館内には小さな音量で音楽が流されており、飲食物を持ち込む事も出来て、普通の図書館に比べると開館時間も長い、さらにはカフェが併設されているなど、あらゆる居心地の良さを追求した図書館です。

 

最初に開設された佐賀県の武雄市のツタヤ図書館の初年度の利用者は92万人にもおよび、武雄市の計算では経済効果も年間で約20億円という事です。

 

これだけ聞くと、どこの地域の人でもツタヤ図書館を開設したいのではと考えられますが、愛知県の小牧市でツタヤ図書館を開設しようという運びになった際、住民投票が行われ、反対多数で開設は白紙となりました。

 

朝日新聞の記事では、「ツタヤ図書館 住民投票で『ノー』のなぜ」という見出しが付けられ、この問題についての疑問や意見を述べています。街がツタヤ図書館を開設しようとした意図や、小牧市民が開設に反対した理由、また他のツタヤ図書館で起こった問題などについて言及し、専門家の意見も紹介して、住民投票の結果の理由を探っています。

 

この記事は「ニュースQ3」というコーナーの記事で、コーナー自体が、質問を投げかけ、答えを探るという形式のものです。記事を読んでいくと、市の説明が不十分であった事や、民間企業の運営によって利益優先になる恐れがある事、武雄市のツタヤ図書館の蔵書に関して問題が発生していた事が分かります。

 

こういうコーナーの記事でなくとも、読みながら「なぜ」と考えて読むと、記事に書かれた問題や事件の背景が見えてきて理解が進みますし、「質問力」も鍛えられます。

 

新聞各社の立場を理解して「バランス力」を養う

新聞各社や、その発行する新聞にも立場があり、その傾向は大きくは「保守」と「革新」の二つです。新聞記事を冷静に読んでみると、事実を述べながらも、新聞社の立場によって意見が織り交ぜられている事が分かるでしょう。

 

「保守」は現行の体制を保っていく立場、「革新」は現在の政権の舵取りや政治を否定し、より新しいやり方を目指す立場です。双方の間には、かなり大きな考え方の隔たりがありますが、新聞記事にもそういう立場による考え方や主張が反映されているわけです。

 

そういう立場を意識せずに読んでいると、自分の考え方まで一つの新聞社の意見に引っ張られかねません。ですから、各紙の立場をよく把握して新聞を読み、自分は自分なりの考え方を持つようにバランスを取ると、ずいぶん公正で大人な考え方に近づけます。

 

人と政治について話す時にも、相手の立場や考え方について意識する事は大切です。配慮無く相手の政治的立場に対立するような事を言ったり、自分の立場を晒したりすると、相手と言い合いになる場合もあります。そういう意味では、必要のない場では、不用意に政治的な議論をするのは危険とも言えます。

 

同じ問題についていくつかの新聞を比較して読んでみると、新聞社それぞれの立場がなんとなく分かるようになります。新聞を通してあらゆる立場や考え方の人がいる事を知って、その主張や、どうしてそう主張しているのかといった事まで理解しておくと、世の中に出た時にバランスが取れて、人と言い合いになる事も減るでしょう。

 

議論の必要がある時も、言い争うのではなく、相手側の立場や考えも理解して尊重しながら自分の考えを伝え、これからについて相談するというような、「バランス力」がとても重要です。

 

一人や一つの立場では、長い目で見て正しい決断を下せると限りません。問題が起きた時にその都度意見を交換し合い、バランスを取って、より良い選択肢を模索していくのが理想です。

 

新聞を読んで責任を持って投票に臨む

2016年に「18歳選挙権」が施行され、投票権年齢が20歳から18歳に引き下げられました。18歳と言うと、高校3年生で誕生日が来ればその年齢になります。高校生のうちから選挙権が持てるというニュースは、大人にとっても高校生の当人たちにとっても、かなり驚くべきニュースでした。

 

高校生と一口に言っても、様々な人がいます。新聞を読んで色々と社会について考えている高校生もいれば、政治や経済についてなど全く考えた事も無いという高校生だっています。ですから、大人も、政治について詳しくない高校生当人たちも、選挙権を得るという話を聞いて不安に思ったわけです。

 

ですが、もう18歳から選挙権が持てるというのは決まった事ですし、実際に投票も始まっています。大人たちが今するべきは不安がる事ではなく、18歳の若者が選挙権を持った事で新しい意見が反映され、社会が良い方向に動くよう、高校生たちに政治について色々と教えていく事です。

 

何から教えたら良いのかと言えば、具体的には、やはりまずは新聞を読んでもらう事が一番だと思います。社会科の授業で学ぶ歴史的な知識ももちろん必要ですが、新聞には選挙にすぐに関わってくる新鮮な教材が毎日掲載されていますし、選挙が近付けば選挙関連の記事が増えて、必要な情報がたくさん入ってきます。

 

学校で教える時に特に気を付けなくてはならない事は、偏った意見を押し付けてはならないという事です。中学校や高校の先生で、特定の政党を支持して、授業の中にその考え方を織り込んでいくようなやり方をする先生がいたら、大変な事になります。教わった子供たちは、その考え方がスタンダードなものだと感じ取ってしまうかも知れません。

 

政治的な色の付いた授業をしてしまうと、選挙でも公平さを欠く事になってしまいます。授業では、もしくは授業でなくとも、子供に政治や選挙について教える時は、公平な立場で教え、またあらゆる立場の意見に触れる事が出来るように、複数の新聞を読めるような形にすると良いでしょう。

 

これから選挙権を持つという人も、個人の意見に飲まれないよう、様々な立場や意見があるという事を前提に学び、新聞からバランスよく情報を収集して、選挙に臨むと良いでしょう。

 

本来選挙権というのは、それだけの判断力があり、責任が持てる人に与えられるもので、昔は税金を払っている人だけが選挙権を持っていた時代もありました。国は税金によって成り立っており、そして政治の大切な役割の一つが、その税金の運用方法を決める事だからです。

 

ですが収入が少なく税金が納められない人たちに選挙権が無いのはどうなのかという事になって、今のように、一定の年齢を迎えると選挙権が持てるようになったのです。

 

たいていの18歳の人はまだ働いていないために税金を納めるという義務を果たしておらず、しかし選挙権という権利は持っている、という事になります。高校生の人は、その事をしっかりと理解して、権利には責任が付いてくるという事まで自覚した上で投票すべきです。そうして投票する事で、日本社会はもっと若い人にも暮らしやすいものになるでしょう。

 

今の日本は高齢化が進み、さらに20代の投票率よりも高齢者の投票率の方が高いので、政策にしても予算の分配にしても、あらゆる事が高齢者への対策に傾きがちです。すると当然少子化対策などの政策が手薄になってしまうので、どんどん少子化が進んでしまいます。

 

また、今は日本の金融資産の6割強を60歳以上の高齢者の人が所有しています。若い人はそもそも貯金の機会や期間が少ない上に収入も少なく、また住宅ローンや育児での出費がかさむために貯蓄が少なくなるもので、さらに高齢者が増加している事もあり、こうした状況になってしまいました。

 

高齢者はお金を出来るだけ使わないようにしますし、出費の機会もそう多くありませんので、お金が停滞して動きが鈍くなって、経済が回らなくなってしまいます。ですが若い人に収入が増えれば、若い人はお金を使うので、日本の経済は良くなると見込まれます。

 

そのために、若い人が責任を持って投票し、若年層にももっと予算が分配されるようにして、子育ての環境も整備されるようにすれば少子化も緩和され、日本の状況はより良くなっていくでしょう。

 

新聞の社説を見比べて「思考力」を深める

新聞を読む時に社説も読むようにすると、「思考力」が鍛えられます。社説はある問題や事件に対しての新聞社の意見を述べるものです。

 

新聞は事実を伝えるだけでなく、世の中に新聞社としての意見を伝えるための手段でもあります。社説で意見を述べ、ある時には批判もする事で、新聞は権力者を抑制する働きを持っているのです。

 

独裁者は報道を自分の意のままにしようとする事があります。独裁国家においては情報統制が徹底され、報道は権力者を称え絶賛する口上から始まり、流される映像もそういう風に編集されて、逆に権力者を批判したりする不都合な内容は取り上げられません。権力者を批判したテレビ局や新聞社はすぐに潰されてしまいます。

 

日本でもかつて戦後の頃はこうした傾向がありましたが、それを反省し、今ではメディアは権力を監視して立場によって批判したりするという働きも担っています。

 

社説を読むと、新聞社の立場がよく伺えます。民主主義社会においては新聞社によって立場が違い、それぞれで違う意見を発表するというのは、とても意味のある事です。権力は公正に抑制され、読み手も様々な意見の社説を比較する事で、バランス良く情報を集め、様々な考え方を知る事が出来ます。

 

新聞各社の社説を毎日見比べるのは大変な事ですが、大きな事件や問題があった時だけでも複数の新聞の社説を見てみると良いでしょう。そこで述べられた意見が自分の持つ考えと違っていても良いのです。あらゆる意見が尊重され、全体として見てバランスが取れた社会というのが、民主主義の目指すところだからです。

 

ある新聞社の社説に賛同する人もいれば、別の新聞社の社説の方が共感出来るという人もいます。そういう中で、では自分はどうなのかと思考し、個人としての考え方を深め、価値観を磨き、判断力を増していくと、「思考力」を育てていく事ができるでしょう。

 

「見抜く力」を磨けば自分の身を守る力になる

それぞれの新聞記事にはそれぞれを書いた新聞記者がいます。新聞社に立場があるように、記者それぞれにも、書きたい文脈があります。同じ事件について書いていても、記者によって強調する部分は異なってくるのです。見出しには、そういう違いが特に顕著に表れます。

 

見出しだけでなく、記事本文も注意を払って読めば、記者の意図するところに導こうという流れのようなものが見えてきます。そういう事を意識して新聞を読むと、「見抜く力」が磨かれます。

 

記者が付ける見出しや記事のまとめ方には、しばしばとても強引なものがあります。著名人や知識人にコメントを求めて、相手が話した事を聞き取り、後から原稿にするというやり方が一般的ですが、いざ記事になって見ると、言った事が歪めて書かれていたり、妙な部分を見出しにして強調していたり、あるいは言ってもいない事を加えられていたりもします。

 

記者は、記者自身の言いたい事に上手く沿ってきそうなコメントが欲しいので、逆にその意図に沿うようにコメントを組み替えてしまう事があるのです。ですから読む側としても記事の意図を見抜いて読む事が大切です。

 

「見抜く力」は普段の生活の中でも活きてきます。自分の意図する方向に誘い込もうとして話す人と対峙した時に、自分を守る力になるのです。要は、おかしな勧誘に騙されない力です。

 

社会に出るとあらゆる勧誘を受ける事になりますが、勧誘する側はこちらを引っ張り込もうとして、情報を上手い事整理して提示してきますし、場合によっては勧誘であるという意図すら隠す事もあります。そうした時に「見抜く力」があれば、話を少し聞いただけで「なんだか変だな」と気付く事が出来ます。

 

この「見抜く力」はそう短期間では身に付かないので、早いうちから新聞を読む習慣を持って「見抜く力」を磨き、社会に出た時に泣きを見ないようにしたいものです。

 

新聞のグラフや数字に向き合えば「総合力」が育つ

文系の人の中には、あらゆるグラフを見ただけで思考を止めてしまう人もいます。ですが、グラフを読み取れるように努力すると、「総合力」が磨かれます。新聞にもグラフや図表がたくさん登場する上に、記事できちんと解説がなされるので、グラフに慣れる訓練にも新聞は向いています。

 

表や図の添えられた記事を見付けたら、記事を読む前に、まずは表や図から意味や背景を読み取ろうとしてみると、良い訓練になります。新聞を通じてグラフに慣れておけば、例えば仕事などでグラフや表を見た時に困りませんし、数字にも強くなれます。

 

設問を作る側ならば、新聞のグラフに書き込まれた文字を穴埋めの問題にしたり、「グラフのこの部分から分かる事を述べよ」といった問題にしたり出来ます。こういう問題は相手の総合的な考える力を計る事が出来ます。文章の読解力だけでも、数字を把握する力だけでもいけませんし、グラフの種類によっては、社会科の知識も必要でしょう。

 

普段から新聞のグラフに接していると、数字に強くなれるだけでなく、グラフから意味や背景までも読み取る力が磨かれ、「総合力」が養われます。

 

また新聞は常にデータに基づいているので、あらゆるデータについて知識を得る事が出来ます。データに基づいて考え、思い込みを避けて議論する事は討論の基本ですから、人との議論や会話の中でデータを具体的な数値として挙げる事が出来れば、より分かりやすく伝わり、信頼をおいてもらえます。

 

新聞のコラムの文章構成から「スピーチ力」を鍛える

皆さんは学校でも社会でも、長さや種類の違いはあれども、スピーチを求められる場面に多々出くわす事かと思います。自己紹介のスピーチから、お祝いの席でのスピーチ、また会社に入って立場が上になればなるほど、スピーチの機会は増えていきます。

 

そういう場面で、コンパクトかつ内容の面白い、みんなが興味深く聞いてくれるようなスピーチが出来たら素敵です。そういう「スピーチ力」を磨くのには、新聞のコラムを読む事をお勧めします。

 

コラムでは「引用」「社会的な事象」「自分の経験や意見」の三つが結び付けられて書かれています。これをスピーチにも活かすと、情報が詰まっている感じがあり、かつその人個人らしさのある、良いスピーチになります。

 

まず引用を入れると、内容に深みが出ます。特に引用がしやすいのは名作古典の言葉や、プラトンなどの哲学者の言葉、『論語』そして『聖書』などの言葉です。そういう古くからあって今も大切にされている本には普遍的な事が多く書かれているので、いつの時代でも学ぶところが多くあります。

 

次に、「今」らしさがあると、より実感が持てます。その時その時に問題になっている事や、話題になっている事など、社会的な事象を「今こんな事が問題になっています」とか「最近こういう事が流行しています」などと話題にすると新鮮さがありますし、身近な事として想像できます。

 

そしてそれらに、自分の意見や経験を絡めて話すと、短いながらも内容の濃いスピーチが出来ます。

 

新聞のコラムはこの三つが上手く織り込まれ、また簡潔に書かれているので、コラムを読んでその文体に慣れておくと、そういう文章の組み立て方が自然に身に付いてきて、簡単なスピーチでも焦らず気の利いた事を話せるようになるでしょう。

 

新聞の用語解説で「用語力」を養う

文学書や専門書を読んでいて、難しい用語につまずき、読むのが嫌になってしまったという経験は無いでしょうか。今の新聞では、難しい用語には解説が付いています。ですから難しい用語に混乱してつまずく事も少ないですし、そうした用語解説を読んでいるうちに「用語力」が養われます。

 

自分の苦手な分野についての本を読むのは大変な事ですし、その分野について取り上げた新聞記事を読むのも難しいかも知れません。そういう時、まずは用語解説の部分だけでも目を通してみましょう。一般常識が身に付きますし、後からも非常に役に立ってきます。

 

その分野に関連する専門用語を少し知っているだけで、新聞記事を読む事がとても楽になりますし、興味が持てて、面白くなります。関係のある記事を読んだ時にもつなげて考える事が出来るので、新聞に載るような専門用語を学ぶ事に損はありません。

 

またニュースも聞きやすくなるでしょう。文字の媒体で分からない言葉に出会った時はその場でなくとも後から調べて読めばまだなんとかなりますが、ニュースはどんどん進んでいってしまうので、一つ分からない言葉があると、置いてきぼりにされかねません。分からない用語が一つでも二つでも減れば、普段のニュースもぐっと頭に入りやすくなります。

 

新聞記事は「実用的な日本語を書く力」のお手本になる

文章の中でも、だらだらと書かれていて内容がよく分からないものは実用性が低く、逆に、簡潔かつはっきりと意味が伝わるものは、実用的な日本語と言えます。そういう意味で、最も実用的な書き方をしているメディアが新聞です。

 

新聞は紙面が限定されていて、字数も限られてきます。また今の新聞は昔の新聞に比べると年々文字が大きくなってきています。1980年ごろまで使われていた文字と2017年現在使われている文字を比べると、1文字で使う面積が2倍近くなっているほどです。文字が大きくなれば当然書ける字数も少なくなります。

 

それでも新聞記者はそこに収まるように記事を書かなくてはなりません。限られたスペースと字数の中で、事実を伝え、意見を述べなくてはならないのです。そういう環境の中で、新聞に書かれる日本語はどんどん実用的になってきました。

 

磨かれた実用的な日本語を毎日読めば、自分の「文章力」も鍛えられていきます。事実や必要な情報がしっかりと盛り込まれている新聞の文章を学ぶと、社会に出た時にとても役に立つ事は間違いありません。

 

仕事を始めると、メールで連絡を取り合う事がとても多くなります。現代のビジネスの連絡手段はほとんどがメールで、連絡メールには情報を漏らさず記入しなくてはなりませんし、そのうえ簡潔でなくてはなりません。つまり、新聞記事はビジネスメールの良いお手本になるのです。

 

新聞記事には、必要事項、日時、場所、今後の予定など、読み手が知りたい事が漏れなく書かれています。例えばスポーツの試合の結果についての記事だと、試合がどこで行われたか、選手の調子や活躍はどうだったか、結果はどうだったか、次の試合はいつどこで開催されるかなどが必ず書かれていますし、そうでなければ苦情が来てしまうかも知れません。

 

新聞記事の本文の前には、リードと呼ばれる、記事全体を要約した部分が付いています。記事を全文読まなくとも、リードを読んだだけで、記事の内容がだいたい分かるでしょう。その後本文が続き、また各所に見出しが置かれて、読みやすいように工夫されています。

 

自分がものを書く時もこれを参考にして、タイトルや見出しを付けるとか、最も伝えたい事を簡潔にまとめて冒頭に置いたりすると、より簡潔で伝わりやすい文章が書けるでしょう。

 

他にもビジネスメールならば、伝えたい内容の詳細や画像などファイルを添付する形で送り「詳細について、添付いたしましたファイルをご確認ください」などと書き添えるやり方もあります。こういう風に出来ると、メールの受け手も必要な情報が分かりやすく簡潔に理解できて気が利いています。

 

短く簡潔で必要な情報しか無くて冷たい感じがするというわけではなく、ビジネスメールの場合は、むしろそちらの方が親切なのです。ビジネスメールは、場合によっては1日100通以上も処理する事がありますから、学生のうちから新聞記事を参考にして「文章力」を磨いておくと、就職してから困る事が減るでしょう。

 

話題の問題に関係する記事を読むと「雑談力」になる

これからの時代は、聞いておくと少しお得な気がするような事を話せる「雑談力」も大切です。雑談の時にしやすい話と言えば、その時ニュースなどで話題になっている事です。

 

何か大きな話題があると、しばらくの間はニュースでも新聞でも、それに関する話がひっきりなしに取り上げられます。そういう時は、複数の新聞の記事を並べて比較してみると、情報がたくさん入ってきて面白いでしょう。

 

2015年のノーベル生理学・医学賞には日本人の化学者で北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれ、大村さんは一躍時の人となりました。新聞では大村さんについて詳しく伝えられ、新聞を何紙か読めば、来歴から研究内容、業績、さらに普段の生活まで分かりました。

 

ニュースでも新聞でも日本人がノーベル賞を取った事を大々的に取り上げましたし、立派でおめでたい事なので、あらゆる世代、性格の人がその事に関心を持ちました。そういう時に、詳しい情報を持っていて人に話せると「へえ」「そうなんだ」と思ってもらえます。

 

新聞には、大村さんが河川盲目症という熱帯地方で拡がる感染症の治療薬を発見し、年間三億人もの人々を救った事や、その治療薬についても、大村さんが行く先々で土を採取しているうちに、伊東市のゴルフ場で採取した土から見付けた細菌を共同研究相手のアメリカの製薬会社に送って開発されたとか、あらゆる事が書かれました。

 

また記事では大村さんの謙虚で真摯な人柄についても触れられ、その人柄が分かるエピソードも添えられていたので、そういう話を雑談に取り入れれば、こんな立派な人がそういう姿勢なのか、自分たちももっと頑張らなくては、という励みにもなります。

 

こういう風に、聞いていて面白く、また聞きたいな、またこの人と話したいな、と思ってもらえるような話のネタを持っておくと、人間関係を円滑にしますし、仕事の場でも話のつなぎになって便利です。新聞を読んで「雑談力」を磨く事は、あらゆる種類のコミュニケーションを支える力になるのです。

 

新聞で国際問題について知り「グローバル感覚」を養う

2015年と2016年は、イスラム国、通称ISという過激派組織が国際的に社会を震撼させました。2017年現在も、前2年に比べると勢いは多少衰えたものの、その脅威は健在です。今中学生以上の人で、イスラム国を知らないという人には、そうそう出会えないでしょう。

 

イスラム国は、イラクとシリアを中心としてイスラム教を掲げてテロ行為を繰り返す、過激派組織です。2014年に独立宣言し「イスラム国」と自称していますが、歴史的に見てもあまりに残虐な行為ばかり繰り返すので、世界の国家はイスラム国を国として認めていません。

 

世界でのテロ行為、さらに日本人の拘束・処刑事件があってから、日本国内でもイスラム国への関心は一気に高まりました。新聞を開けば毎日イスラム国の動向が報じられていて、一度新聞を読めば基礎的な事はみんな分かり、世界情勢がどう変化しているのか理解出来ました。

 

イスラム国が勢力を強めたシリアは、それまで政権を持っていたアサド政権と、それに対立する反アサド政権による内戦で混乱していて、その中で割り込むようにしてイスラム国が支配地域を広げたという経緯があります。

 

国際社会は、イスラム国を認めないという点では一致しましたが、アサド政権を支持するか、反アサド政権を支持するかで意見が割れ、特にアサド政権を認めるロシアと、認めないアメリカとで衝突が起きています。こういう事が分かると、他の国際的なニュースにも関係してくる部分があって、新聞が読みやすくなります。

 

2015年には、ワールドカップの予選の日本対シリア戦が、オマーンの競技場で行われました。シリアでは内戦が続いていて、国際試合が行えないからです。シリアの内戦の状態や、それにイスラム国まで関わっている状況を知っていると、サッカーの試合が国内で行えないという事を聞いて、シリア国内の混乱がより実感的に分かります。

 

またヨーロッパで問題になっている難民問題も、シリアからボートに乗って命がけで脱出してくる人が後を絶たないためです。大人も小さな子供も、小さなボートに大勢で乗り込み、越えられるか分からない海を渡って、安全な場所へ逃げ延びようとしているのです。彼らは皆が助かるわけではなく、途中で命を落としてしまう人もいます。

 

そういう状況を知ると、日本で暮らしている自分たちがとても平和に日々を過ごせていると感じ取る事が出来ます。新聞を読むと視野が広がりますし、いずれ教科書に載るであろうというような大きな問題や事件について知ると、自分の暮らしの幸福にも改めて気付けます。

 

新聞と世界史は強い結び付きがあります。世界史の延長線上に今があり、今まさに世界で起こっている事が新聞に載っているからです。世界史を学べば新聞を読んだ時の気付きが増えて面白くなりますし、逆に新聞を読む事で世界史に興味が湧く事もあるでしょう。

 

例えば今、イギリスのEU離脱交渉が問題になっています。EUの発端が、第二次世界大戦の際にヨーロッパの国がお互いに戦争をした事への反省にある事を知っていると、イギリスのEU離脱問題が大変な事件であると分かります。

 

世界の問題に関心の無い人もいるでしょうし、世界史なんて勉強しても仕方無いと考える人もいるでしょう。しかし一人一人が世界のあらゆる事に対して知識、関心を持つ事で、世の中は良い方向へと変わっていきます。

 

世界の事というのなら、環境問題もそうです。日本人の環境問題に対する意識はずいぶん高くなり、子供でもゴミの分別はたいていきちんとしています。30年ほど前と比べると、環境の事を考える意識がとても強くなっています。これは、地球温暖化問題などが報じられ、地球が危ないという危機感をみんなが持つようになったからです。

 

新聞を開けば国際面があって、そこを見れば世界情勢がすぐに分かります。日本国内の事だけでなく、新聞を広げて世界の事へも目を向け、各人がグローバル感覚を養う事で、国際社会全体の問題も良い方向へ向かっていくでしょう。

Pocket
LINEで送る

このページの先頭へ