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ものの形はいつ頃から分かるようになる?

形を認識する赤ちゃん

赤ちゃんについての研究は1960年代ぐらいに始まり、いままでさまざまな研究結果が発表されて進歩を遂げてきました。ここでは、赤ちゃんがものの形を認識できるようになるのはいつごろなのかということについて見てみたいと思います。

 

進む赤ちゃんの脳研究

1998年、イギリスのロンドン大学に心理学認知発達研究センターが設置されました。ここでは赤ちゃんの脳が持っている機能や赤ちゃんの行動などについての最先端の研究が行われており、1年に500人以上の赤ちゃんと保護者の協力を得て研究が行われています。

 

このセンターではさまざまな研究が行われています。例えば、赤ちゃんが1種類の絵を飽きずに眺めていられる時間はどれくらいになるのか、といったようなものであったり、赤ちゃんの脳波がどういった特徴を持つのか、あるいは年齢によってどんなふうに変わってくるのか、といったような内容の研究をしています。

 

赤ちゃんについてのこういった研究は、1980年代にかけて世界各地で広く行われるようになってきた新しい研究分野です。まだ話すこともできない0歳児の脳がどんなふうに発達していくのか、といったことについて、行動学的な視点から研究をしたり、脳科学に関連する実験をしたりして解明しようとする試みです。

 

そうした研究の成果は徐々に出てきており、たとえば生まれてから6ヶ月目の赤ちゃんと8ヶ月目の赤ちゃんの間にはものの形を知覚する際に大きな違いが見られる、というようなことが分かってきています。6ヶ月から8ヶ月の2ヶ月の間に、赤ちゃんの脳では何か大きな変化が起こっている、というようなことがだんだんと分かってきたのです。

 

6ヶ月目と8ヶ月目では大きく違う

心理学認知発達研究センターでは、生後6ヶ月の赤ちゃんと8ヶ月の赤ちゃんを対象にして、ものの形に対して赤ちゃんの脳がどう反応しているかを見る実験を行いました。

 

実験では、それぞれ11人ずつの赤ちゃんに対し、赤ちゃんの脳波を安全に測定できる特別な装置を装着してもらい、ある図形を見せながらそれを赤ちゃんがどう認識しているのか、ということを脳波の動きから調べるということが行われました。

 

使われた図形はカニッツア図といわれるもので、正方形の4つの角に1つずつ円を配置し、その上で正方形の部分を取り除いたようなものとなっています。つまり、図形としては欠けた円が4つのみ描かれていることになるわけですが、大人がこれを見ると錯覚により中央に正方形があると認識するのです。

カニッツア図

 

赤ちゃんにこれを見せたところ、生後8ヶ月の場合には大人と同じような脳波の動きを示すのに対し、生後6ヶ月の場合にはそうした動きがまったく見られないということが分かりました。つまり、生後8ヶ月の赤ちゃんは大人と同じような感じでものの形を認識しているのに対し、6ヶ月の赤ちゃんはそうではないということが裏付けられたというのです。

 

こういった脳の機能に関する実験や、赤ちゃんの目の動きや何かをじっと見つめるといった行動学的な側面からの観察により、この6ヶ月と8ヶ月の間に大きな認識の差異があるということが分かってきました。

 

まだ完全に解明はされていませんが、おそらくこの時期に人間の脳はさまざまな部位が発達して活動を開始しするため、ものの形その他の部分で認識が進むのではないかと考えられています。つまり、この時期は人間が脳を発達させるのに非常に重要な時期であるということができるわけです。

 

こうした研究が進むことにより、人間の脳がいつどの部分が発達するかが分かるようになっていくことでしょう。そうすれば、ある時期の赤ちゃんにどんなふうに接するべきなのか、あるいは効果的な知育の方法などが明らかになっていくことになります。

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