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夏にかけて注意しておきたい病気

夏

保育園・幼稚園に子どもを通わせるようになると心配になってくるのが「うつる病気」です。夏にかけて発生数が多くなる「うつる病気」についていくつか見ていきたいと思います。

 

りんご病(伝染性紅斑)

りんご病はウイルス性の疾患で、飛沫感染によって感染します。春から夏にかけてよくみられる病気だったのですが、最近では一年中見られるようになってきた病気です。もっとも感染力は比較的弱いため、短期間で大流行するような性質のものではありません。

 

病気に感染すると2週間程度の潜伏期間を経て、左右両方のほっぺたに蝶型の赤い発疹がでてきます。その後発疹は腕やおなか、太ももやお尻に順に広がっていきますが、もうこの時点では他の子どもなどに感染を広げることはなくなっています。

 

この発疹やそれによるかゆみ以外に目立った症状は出ないことと、特に治療しなくてもそのうちに治ってしまうことから、りんご病はうつる病気の中でも比較的軽い部類に入るものとみてよいでしょう。

 

かゆみが強い時のみかゆみ止めの薬が処方されることがありますが、かゆみがある以外は特に日常生活には支障がなく、食事もお風呂もいつもどおりにすることができます。

 

ただし、お風呂や運動などで体が温まった時や太陽光に当たった場合などにかゆみが強くなることがありますので少し注意した方がいいでしょう。

 

りんご病は感染力が弱いだけでなく、1回感染したらもう1度発症することはありません。かりにかかったとしても特に症状を感じずに治ってしまい、本人も知らないうちに免疫を獲得しているようなこともある病気です。

 

一方、妊娠中期の妊婦さんがりんご病にかかった場合、お腹の中の赤ちゃんの造血細胞が壊れてしまって貧血を起こしてしまうことがあります。心配に感じる方は産婦人科でお医者さんに相談してみるといいでしょう。

 

水いぼ

水いぼは7歳以下の子どもに多く、アトピーなどで皮膚が弱くなっている場合に感染しやすいといわれています。もっとも感染ルートはよく分かっておらず、春から秋にかけてよくみられる病気です。

 

胸や脇の下、ひじやひざなどにできたいぼいぼがやぶれ、そこにあるウイルスが飛び散ると、触れたところの皮膚にうつっていきます。肌が直接触れあうプールなどでうつると言われるのもこのためでしょう。

 

プールでうつるというのも実際の確率などはまだはっきりしておらず、かりに感染しても1年以内に95%の人が自然に治ってしまいます。そこまで長引くこともまれで、多くの場合数ヶ月で治ります。

 

感染するとできる水いぼの数も人によってさまざまで、たくさんできる人もいればそうでない人もいます。

 

水いぼの治療では、特殊なピンセットなどでつまんで除去したり、薬を使ったり、なにもしないなどお医者さんによって治療方針が分かれることがあります。

 

平成11年に、水いぼは登園停止などの措置は不要であるとされ、また原則としてプールを禁止するにもあたらない病気であるということが明確にされました。

 

また、本人的には特に痛くもなくかゆみも感じない病気ですが、見た目が気持ち悪いということで気にする親御さんもいます。そのため保育園や幼稚園などの対応もさまざまで、治療していぼを取るように求めるところもあればシャツ着用でプールに入れるようなところもあります。

 

とびひ

とびひは正しくは伝染性膿痂疹という病気で、皮膚に細菌が感染して発症します。冬場よりも夏に発症することが多く、小さな子どもがかかることの多い病気です。

 

とびひでできた水ぶくれを掻き壊すと、そこから飛び出した細菌が掻いた手を介して全身にひろがり、次々と水ぶくれができていきます。その様子が家事で火の粉が飛び火する様子に似ているためにこう呼ばれています。

 

とびひは自分の体のある場所から違う場所へとうつるというのが一番の特徴です。いちおううつる病気ですので、他の子どもにうつることもありますが、これは水ぶくれ部分が乾いてきたらガーゼなどでおおいをすることである程度防止できます。

 

他人にうつさないためにも自分の体に飛び火させないためにも、大事なのは患部を掻かないようにすること、爪を切って手指を洗い清潔を保つこと、体全体の肌を清潔に保つことといった対策を取るといいのですが、一度かかってしまうとなかなかうつるのを防ぐことはできません。

 

そのまま放置するとどんどん広がってしまいたいへんですから、かかったらなるべく早くお医者さんに診てもらって治療を行うようにしましょう。

 

なお、治療は基本的に抗生物質を飲む形で行われ、治療を始めてから数日で治ることが多いようです。

 

プール熱

プール熱は正確には咽頭結膜熱と呼ばれ、アデノウイルスというウイルスが原因で発症します。症状としては高熱、結膜炎、のどの痛みや鼻水・鼻づまりといったものが出ます。場合によっては頭痛、吐き気、下痢などを訴える場合もあります。

 

発症している子どもの目やにやのどからの分泌物、便などからの飛沫感染および接触感染が感染ルートです。名前にもあるとおり、プールの水の塩素消毒が弱かったりするとその水を介して他の子どもに伝染します。

 

この病気は子どもがかかることが多く、大人は免疫を持っている人が多いのでまずかかりません。治療としては、アデノウイルスを直接たたける薬はないので対症療法が行われます。

 

プール熱を予防する際には手指を清潔にするほか、家族にうつすことのないように洗面器やタオルを別にし、洗濯も分けて行います。症状がなくなっても便や唾液などにまだウイルスはいますので、赤ちゃんなどがかかった際にはおむつ交換の後にしっかり手を洗うようにするといいでしょう。

 

なお、プール熱にかかると高熱が出ますが、それ以上重い症状が出たり合併症を発症するようなことは殆どありません。安静にしていれば1週間ほどで治る病気です。

 

手足口病

手足口病は、名前の通り口の中や手のひら、足の裏などに口内炎や発疹ができる病気で、1日~3日ほど38℃程度の熱がでることもあります。

 

原因となるのはエンテロウイルスというウイルスですが、このウイルスはかなりたくさんの種類があってしかも似たような症状を引き起こすため、症状だけ見ていると何度も何度も同じ病気にかかっているように見えることがあります。

 

エンテロウイルスは腸内で増殖し、便の中に潜んでいるウイルスです。このウイルスは手足口病の症状が消えても2週間から4週間、あるいはそれ以上の期間まだ便に残っていることがあるので、感染した子どもの便の取り扱いには注意が必要です。

 

手足口病は感染力が強いので、せきが出る場合にはマスクをしたり、タオルを共用するのを避けたり、まめに手を洗ったりすることで周囲にうつすのをある程度予防することができます。

 

それでもやはりうつされるのを防ぐことは難しい病気ですので、何度かかかることになると考えておいた方がいいでしょう。

 

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナの症状は手足口病によく似ています。手足口病は高熱が出ると共に口の中と手足に口内炎や発疹がでますが、ヘルパンギーナは高熱が出ると共にのどの辺りに水ぶくれや口内炎ができるという点が少し異なっています。

※手足口病やヘルパンギーナで口内炎の症状が出ますが、ほっておいても治る一般的な口内炎(アフタ性口内炎)とは別の病気です。手足口病やヘルパンギーナは、ウイルス疾患ですので病院での診察が必須です。口内炎については、『口内炎の原因と治し方、知っておきたい市販薬、簡単にできる予防法』に詳しく解説していますので参考にしてください。

 

ヘルパンギーナを引き起こす原因ウイルスは手足口病をおこすエンテロウイルスの仲間で、コクサッキーA群ウイルスというウイルスです。原因が近いためか症状も似ており、1日~2日ほど高熱が出ます。

 

ヘルパンギーナは手足口病のように手足に発疹ができたりしないのでちょっと地味に見えるのですが、のどに水ぶくれができるために子ども本人は結構辛い思いをします。

 

のどが痛いため子どもが食べたり飲んだりするのをいやがることが多く、注意しておかないとすぐに脱水症状を起こしてしまいかねません。子どもが食べやすいように、ゼリーやプリンやそうめんといった食べやすいものを要してあげるようにしましょう。

 

ヘルパンギーナを直接たたける薬はありませんので、基本的には子どもが自分の体の力で治していくことになります。

 

風疹

風疹は、症状としてはまず発熱があり、次の日ぐらいから小さく赤い発疹が出始めます。発疹は顔から始まり、体の片側に出るのがよくある出方です。熱や発疹はおよそ3日ほど続き、ほとんど同時になくなることが多いようです。そのほか、耳の後ろや後頭部のリンパ節が腫れて痛んだり、関節痛がおきたりすることもあります。

 

風疹ははしか(麻疹)に症状がよく似ているため三日はしかとよばれることがあるのですが、原因となるウイルスは違いますのでまったく別の病気です。風疹による発疹は細かい形のものですが、はしかによる発疹はつながって出ますのでそこで見分けがつきます。

 

風疹はわりあいに感染しやすく、感染力のある時期は発疹が出始める数日前から発疹が消えるまで、およそ1週間ほどになります。

 

風疹は子どもがかかってもそんなに重くならないのですが、大人がかかると39℃以上の高熱を出したり、熱が1週間近く続いたりして重くなることがあるので油断のできない病気です。

 

そして何より、妊娠20週までの妊婦さんがかかるとお腹の中の赤ちゃんにかなり深刻な影響を残すことがあるので注意が必要です。この時期に風疹にかかるとお腹の中の赤ちゃんが先天性風疹症候群を起こすことがあるのです。

 

先天性風疹症候群になると、おなかの赤ちゃんは心臓に障がいを持って生まれたり、難聴や白内障などをもって産まれてきたりします。子どものころにかかったから大丈夫と思っていても実は違う病気だったり、免疫が下がっていたり可能性もありますので、妊娠の予定があるなら免疫があるのかどうかを確認するようにしておいた方がいいでしょう。

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