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言語を身につけるには大事な時期を逃さないこと

喋る

何もしなくても赤ちゃんは次第に言葉を話すようになる。そう思っていませんか?
実はそれは間違いです。人間が言葉を得るためには、それ相当の刺激を脳に与える必要があり、また、その時期も非常に重要になってくるのです。

 

脳の成長には適切な時期に刺激を与えることが必要

脳が成長するには、それに適した刺激を与えなければなりません。しかもその刺激を与えるべき時期も決まっています。

 

このことを表す事件として、インドで発見されたオオカミ少女の話があります。

 

時は1920年のこと。インドにおいて、オオカミに育てられた人間の少女たちが見つけられました。少女たちは姉妹で、姉は8歳、妹は1歳半でした。この子たちはまるでオオカミそのものでした。四つ足で歩き、人間を警戒して唸り声を出すところまでそっくりでした。

 

残念ながら妹の方は、発見後しばらくすると亡くなりましたが、姉の方は9年間ほどは生き続け、その間、人間らしく生きられるようにと訓練が実施されました。その結果彼女は、二足歩行ができるようになり、衣服を着用する習慣も身につけました。ですが言語の方はというと、完璧に話すことができないまま亡くなってしまったのです。

 

体の動きについては人間らしくできるようになったのに、なぜ言語だけは獲得できなかったのでしょう。それは、発達心理学における「臨界期」というものが過ぎ去った後の訓練だったからだとされています。

 

臨界期について説明しましょう。人間の脳は、刺激によって発達します。しかしその刺激は決まった時期に与えられないと意味をなしません。そして、この時期が終わる前のぎりぎりの時を「臨界期」というのです。

 

オオカミ少女の事件は、脳の発達における臨界期というものを証明しているといえます。

 

さて、臨界期は何も、言語においてだけ存在するのではありません。例えば、物を見るための力というものにも、臨界期があります。

 

生まれたての動物の赤ちゃんの瞼が開かないよう、縫い付けたまま1週間を過ごさせた実験が行われたことがありました。するとその赤ちゃんは、生涯目の見えない子どもとなったのです。

 

そしてこれは実験ではありませんが、まだ幼い子どもが眼帯をして視界をふさがれていると、視力がどんどんと下がっていくということも知られています。臨界期というものがどれだけ重要な意味を持つかが、分かると思います。

 

子どもが言語獲得するために気をつけたい臨界期のこと

赤ちゃんが言葉を得るために刺激を与える際、2種類の臨界期が訪れます。まずは、聞こえてくる様々な音の中で、どれが言語に関わっている音なのかを聞き取る力を得るための臨界期です。この力を得るための刺激は、生まれた後5か月から6か月までに与える必要があります。

 

しかし、言語を本当の意味で獲得するには、この力だけでは足りません。聞き分けた言葉に、意味を含めて理解できる力が必要です。この力の獲得には、生まれた後9か月から10か月ころに臨界期を迎えます。

 

生後9~10か月の赤ちゃんに読み聞かせをしてあげることがとても大切だという理由は、ここにあるのです。読み聞かせをすることで、日常会話だけではない、いろいろな言語に触れさせることが、とても良い刺激となるのです。

 

親にとっては大変な苦労かもしれません。ですが、赤ちゃんが誕生してから9か月、10か月という期間に、一生懸命言葉による刺激を与え続けていれば、いずれ報われる時が来ます。それは、赤ちゃんが初めてしゃべる日です。

 

長い期間、言語獲得のためになる刺激を、こつこつと与えていた親にだけ、赤ちゃんがしゃべったことに対する大きな感動という形で、褒賞をもらえるのです。

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