叱るのを減らし、たくさん褒めよう

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子供を褒める

腕の良い料理人とは、食材の良さを十二分に引き出せる人のことだという話があります。食材のそれぞれに感謝の気持ちを持つことができ、その良さを伸ばしておいしく料理することができなければならないというのです。

 

子育てについても似たようなことが言えます。自分の子どもが持っている長所やよいところを上手に引き出すことができ、それを伸ばすことによって子どもはよりよく成長できるのです。ここでは、そんなふうに子どものよさややる気を引き出して伸ばすにはどうすればいいかについてみていきましょう。

 

 

叱りすぎには要注意!

子どもを育てる際、こんなふうな人間になって欲しいという理想像を抱いて子どもを育てている親も多いかと思います。両親がそれぞれ思い描く像がある場合もあれば、自分たちの思いを互いに話し合ってすりあわせをしているような場合もあるかもしれません。いずれにしても、親たちはそこを目標にして、自分の子どもにしつけをすることになります。

 

その際には、子どもを褒めてばかりいてもダメなものですし、逆に小言ばかり言い続けていてもいい子が育つことはありません。大事なのは「褒める」と「叱る」を適宜織り交ぜることであり、そうすることによって子どもをいい子に育てることができるのです。

 

「褒める」と「叱る」のバランスを取るには、たいていの親は子どもを叱りすぎるきらいがありますので、叱る回数を減らす工夫が必要です。そんな工夫として3つほど例をあげてみたいと思います。

 

まず、なぜ叱ろうとしているのかを考える

子どもを叱りつける時のパターンの1つとして、外出しようとして急いでいるときや、何か急いで作業を終わらせなければならないようなとき、子どもが関係のないことを話しかけてきたりするような時があげられるかと思います。親とて人間ですから、イライラしているときにそんなことをされたらついカッとなることもあるでしょう。

 

こういうときについつい感情的になって子どもを叱ってしまう、ということにお悩みの場合、叱ろうと思った時にまず一息ついて、いま自分はなぜ子どもを叱ろうとしているのか? ということを自分に問うてみるようにするといいでしょう。

 

そうすることで、感情に突き動かされるままに叱りつけてしまう回数か格段に減ります。また、ほんとうに叱る理由があったときでも感情的ではなくきちんと意味のある叱り方ができるようになります。

 

叱ってもどうしようもないことで叱るのをやめる

子どもが何かよくないことをしでかした時であっても、叱ってもどうしようもない場合というのは存在します。例えば、よくあるケースとして子どもがオネショをしてしまった場合があります。子どもの中には小学校に上がってもまだオネショが治らないような子もいます。オネショをしてしまうのは確かに困ったことなのですが、本人も何もしたくてしているわけではないのです。

 

むしろ、小学生ぐらいにもなれば、本人が一番オネショをしてしまうことを気にしているものです。親に叱られるまでもなく、本人が一番したくないと思っているのに、それでもやってしまうわけです。

 

そんなところにオネショをしたと叱られれば、オネショをしてしまって辛い思いをしているところに、さらに追い打ちをかけられる状態になってしまいます。それでストレスを溜めてしまうと、かえって悪循環に陥ることすら考えられます。そうならないようにするためにも、子どもの気持ちに追い打ちになるような叱り方をしないことが大事です。

 

言い方に工夫をしてみる

例えば子どもが靴をいつも脱ぎっ放しにしてそろえないような場合に、「なんべん言ったらわかるのよ! 靴はちゃんとそろえなさいって言ってるでしょ!?」といったように頭ごなしに叱りつけてはいないでしょうか。こんな言い方をされれば子どもだって面白くはありません。

 

言いつけを守れなくてよくないことをしてしまったと感じていたとしても素直に謝る気分でなくなってしまうかもしれません。結果、「ギャーギャー言わないでよ!」とか「そろえりゃいいんでしょ!」といったように反抗的な態度につながってしまうかもしれませんし、靴を放り投げたりして、それがまた小言の原因となる……といったような堂々巡りにつながってしまうこともあります。

 

そんなふうにならないためには、叱る側が言葉を工夫する必要があります。頭ごなしに叱りつけるのではなく、「お父さんが帰ってきたときに脱ぎにくくて困っちゃうから、靴はちゃんとそろえおいてね」といったような言い方で自分の思いを子どもに投げかけてみるというやり方もあります。

 

そんなふうに言われれば、子どもも素直にいうことを聞いてくれるかもしれません。そうやって言い方を変えるだけで、売り言葉に買い言葉的な叱りつけもなくなりますし、叱ることそのものの回数を減らすこともできるのです。

 

ポジティブ思考で子どものやる気UP

コップの中に半分ほど水が入っているのを見た際、あなたは「もう半分しかない」と考える性格でしょうか、それとも「まだ半分もある」と考える性格でしょうか。

 

前者の場合はものごとをネガティブに捉えがちな人で、後者の場合はポジティブに捉えがちな人ということになります。後者のようなポジティブ思考をすることでストレスを溜めないようにしよう、というような話の引き合いによく出される話ですが、これは子育てについての考え方にもあてはまります。

 

子どもが何かに取り組み、なかなかうまくいかないような時など、「ダメねぇ、まだできないの?」と考えるよりも「がんばれがんばれ、もうすぐできるわよ」と考えた方がいいというように、ポジティブにものを見た方が子育てはすんなり進みます。

 

親の中には、「友だちの誰それちゃんはうまくやれるのに、あなたはどうしてできないの?」などと自分の子どもと友だちを比べて批評してしまうような人が結構います。親としては何より自分の子が一番であってほしいと思って言っている言葉なのかもしれませんが、言われる方の子どもにとってはたまったものではありません。

 

勉強については勉強が得意な友だちと比べられ、運動をしてはかけっこの得意な別の友だちと比べられ、といったように、常に自分よりも秀でている友だちと比べられて言われるわけですからなおさらでしょう。

 

たとえそれが友だちであれ、誰かと自分を比べられてできないことを批評されてしまっていると、子どもは何かができないことは良くないことだという意識を持つようになってしまいます。できて当然で、それができない自分にマイナスの評価をするようになってしまうのです。そうなれば、子どもは次第に自信をなくしていってしまいます。

 

そうならないようにするために大事なのは、現在の子どもの状態をまずは認めてあげる視点を親が持つことに尽きます。「何かがいまはできない、でもそれでもOK。がんばれがんばれ、もうすぐできるわよ」というようにポジティブなとらえ方をしてあげてほしいのです。

 

子どもに何かを手伝わせた時、それが初めてのことだったりあまりやり慣れていないことだったりした場合、当然ながら最初からうまくできる子はいません。場合によっては、作業そのものを台無しにしてしまうようなミスをする子どももいるかもしれません。そういうときに子どもを否定するような言葉、たとえば「まだ無理だったかしらね」であるとか、「下手くそねぇ」であるとか、「なんでこの子はこうダメなのかしら」といったような言葉をかけるのはやめにしましょう。

 

何かに失敗したとき、子どもはどうすればいいかはともかく、自分が失敗してしまったことは重々承知しています。そんなところに否定的な言葉でだめ押しをされてしまったら、子どもは親から見捨てられた、拒否されたと感じてモチベーションをなくしてしまうからです。

 

こういうときには、今回は失敗したけれども次はうまくやれる、という表現をするように気をつけましょう。その作業にどうして失敗してしまったのか、どういう点に気をつけるべきなのか、同じ失敗をしないようにするにはどうすればいいのか、ということについて子どもにも分かるように説明してあげた上で、次こそはうまくできるようがんばってみよう、と励ますのです。親からの励ましがありさえすれば、子どもは「次こそがんばるぞ!」とモチベーションをかき立てることになるものなのです。

 

その上で、子どもが見事その作業を成し遂げたときには、子どものことをきちんと褒め、子どもがやりとげたことで親が喜んでいるということや、誇らしいと思っているということを子どもに分かる形で示してあげるようにしましょう。そういう体験を通じて、子どもは自分を誇らしく感じ、それが自信へとつながっていきます。自信を持つことができれば、未知のものごとに対してもより積極的にチャレンジしていこうという積極性を身につけることができるようになっていくのです。

 

1日3回、子どもを褒めよう

他人とつきあうときに相手の良いところに注目してつきあうようにすると、不思議なもので、相手も自分の良いところを見てくれるようになります。人間は他人に認められたいという思いを持っていますので、他の人から自分の長所を認められたり褒められたりすれば気分が良く感じ、その相手に対して心を開いてくれるようになるからです。相手の良いところを見てつきあえば人間関係もうまくいくようになるわけです。

 

逆に相手の悪いところを見てつきあうと、「この人は嫌だな」という気持ちは必ず相手に伝わり、その人との人間関係がぎくしゃくすることにつながります。

 

こうしたことは相手が大人の時のみならず、相手が子どもであっても、そして自分の子どもに対してでも同じように働きます。特に自分の子どもの場合にこそ相手の良いところを見てそれを認め、褒めるというのは大切です。というのも、他人であれば嫌だと思ったらつきあわなければ済みますが、自分の子どもはそうはいかないからです。子どもは盲目的とさえ言えるほど親に信頼を寄せ、頼ってくるものだからです。

 

人間は誰しも長所と短所を持っています。良いところしかない人、あるいは逆に悪いところしかない人など存在しません。そして、相手の良いところに注目しようと意識してつきあっていると、自然とそういうところがめにつくようになるものです。特に相手が自分の子どもであれば、親に対して心を開いて接してくれるぶん、良いところを数多く見つけることができるはずです。

 

時には自分を少し振り返り、昨日一日で自分の子どもを何回褒めただろうか、と自問してみましょう。やってみると、毎日数え切れないほど小言は言っているのに、褒めたことはほとんど無かった、ということに気づいて驚くことになるかもしれません。

 

そういう場合、その日から毎日3回は必ず子どもを褒めよう、と思いながら子どもに接するようにしてみましょう。そう思って接するだけで、子どもを褒める材料はたくさん見つかるようになります。

 

いつも服を脱ぎ散らかしていた子どもがその日は脱いだ後きちんと服をたたむことができた……褒めてあげましょう。学校に行く準備が今日は完璧にできていた……これも褒めていいでしょう。遊んだ後の玩具を何も言われずに片づけた、1週間忘れ物をしていなかった……。

 

このように、子どものことを褒めようと思えばいくつも褒める材料など見つかるということが分かると思います。要は、親の方の「子どもを褒めよう」という心の持ち方が一番大事なのです。

 

こうしたことは親子間の関係にとどまりません。ちょっと気恥ずかしいかもしれませんが、夫婦間や友人間でも応用できることです。パートナーに対して行えば、家族関係がよくなって明るい雰囲気の家庭を築けるようになるでしょうし、友人や近所の人、担任の教師、子どもの友だち……といったように多くの場面で使うことができます。そのようにすることにより、相手との人間関係が円滑に回るようになるのです。

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