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子どもがまずい癖を持っている場合はこう対処しよう

わがまま

一口に子どもと言ってもそれぞれ千差万別であり、肉体面でも精神面でもいろいろな特徴を持った子がいます。しかし中には少々困った特徴を身につけてしまう子どもも存在します。自分の子どもがそういった「困った子」にならないように注意したい点をいくつかピックアップしてみました。

 

思い通りにならないときにすぐに怒り出す子ども

子どもは、何かが自分の思い通りにならないと突然怒り出して手足を振り回し、泣きわめいたり暴れ回ったりすることがあります。また、2歳から3歳ぐらいにさしかかった子どもは「自分」というものを持つようになり、それまで親が言うとおりに行動していたものが言うことを聞かなくなります。そして何でも自分一人でやりたがるようになり、親が小さな赤ちゃんにするように接しようとすると怒り出すこともあります。

 

この頃の子どもはいろいろなことを自分一人でやってみたいと思いはじめるのですが、一方でまだ身体の発達が十分ではないため手や足を上手に使うことがまだできません。そうなると、やりたいことがあるのに思うようにいかないため、じれてしまって不機嫌になり腹を立ててしまうということも起こってきます。

 

また、この時期に入ると、子どもは関心があることについて相当な時間集中することができるようになってきます。ものごとに集中する能力がつくのはいいことなのですが、子どもは未発達なのでまだ集中する加減がよくわからず、時折やりすぎて疲れ切ってしまうことがあります。疲れてきたら休憩を取ればいい、といったようなことがまだ分かっていないためですが、疲れで不快感を感じるあまりここでも不機嫌になり、怒り出してしまうことがあります。

 

子どもが感情的に不安定になり、怒り出したり癇癪を爆発させたりする時には、上で述べたように何らかの理由があります。これが大人であれば、感情を爆発させてしまう前に事態に対処することができます。例えば、自分なりに打開策を考えたり、感情を抑えるように努めたり、他の人に話すことで憤懣のはけ口を見つけたり、といったようにすることができるのです。しかし幼い子どもはそういったやり方を取ることができず、結果としてそうした行動を取ることになってしまいます。

 

子どもが家の中で騒ぎ始めた場合にはまだましですが、プライベートではない公共の空間でこうした感情的な爆発を始められてしまうと問題が生じることがあります。というのも、周囲に迷惑がかかってしまうのではないか、であるとか、人の目が気になって恥ずかしいから、というような思いから、子どもの言うとおりにしてしまう親が多いのです。

 

その場はそれで収まるかもしれませんが、子どもは怒って騒ぎさえすれば思い通りの結果が得られるという誤ったメッセージを受けとってしまいます。結果として、何かあると頻繁に感情を爆発させるという困った性癖がなかなか直らない、ということにつながってしまいます。逆に、単純に叱りつけるだけも意味がありません。むしろ子どもの不機嫌さや怒りがより増してしまうだけになってしまうでしょう。

 

子どもが感情的になって大騒ぎを始めた際、その理由が何かを思うとおり上手にできずに苛立ってのものであったり、疲れによる不快感からのものであるような場合には、親としてできるのは子どもをしっかりと抱きしめ、スキンシップをしながら慰めることです。

 

また、子どもがどうして感情的になったのかを口で表現することができるぐらい大きくなっている場合は、子どもが怒ったり悔しがっていることを聞き出して、それに理解を示して共感を示すことが大事です。親に自分の怒りや悔しさを理解してもらえたと感じることができれば、子どもの感情は安定していきます。

 

子どもが怒り出して泣きわめく、というと困ったことと感じがちですが、視点を変えれば、その子どもは自我というものをしっかりと持っている子どもである、と見ることもできます。自ら感じていることをきちんとした言葉で外部に表すことができるように子どもを育てていきたいものです。

 

泣き出す子どもへの対応は

子どもにもいろんな性格がありますが、中にはよく泣き出すような子もいます。おおざっぱに言えば、3歳以下の子どもというのはまだうまく言葉で自分の意志を伝えることができないために頻繁に泣き出すものです。何かをしたいと思ったとき、何かをして欲しいとき、何かが欲しくなったとき、不快だと感じた時など、それを言葉を使って周囲にうまく伝えられないので泣くことによって伝えようとするのです。

 

あるいは、幼いころから過保護な親に育てられてしまうと、子どもは頻繁に泣くようになります。これは、幼いころから泣きさえすれば自分が求めるものが手に入る環境でずっと育ってきたためです。年齢が上がって言葉で意志を伝えることができるようになったとしても、こうした子どもは自分の要求ごとを伝えるのに言葉を使わずに泣いて訴えようとするようになります。そのときになって子どもを叱って泣いてはダメだと言ったとしても無意味になってしまいます。

 

このように頻繁に泣いてしまう子どもに対応するには、まずはスキンシップをしながら子どもが泣きたいと感じているその思いを受容するようにすることです。そしてその次に、子どもがどうして泣くのか、何が悲しくて泣いているのか、といったことを言葉を使って伝えてみるように促します。当然ながら、1度や2度で子どもが泣くのをやめることはありません。親の側はぐっとがまんして、子どもが自分の意志を言葉で伝えることができるまで待つことが肝要です。

 

何度もそのようにして促し、子どもが自分の言葉で求めることを伝えることができたときには、親はそのことを褒めてあげるようにして下さい。何か伝えたいことがあるとき、要求したいことがあるときなどにはきちんと言葉を使って言うことが大事である、という意識を根付かせるためです。その上で、大きくなったのにいつまでも泣いてばかりではおかしいということや、泣くだけでは親も周りも要求を聞き入れてはくれなくなってくるということを言い聞かせるようにするのです。

 

そうした例とは逆に、いつもはほとんど泣かない子どもが泣き出してしまったようにどう対応すればいいかについても見ておきましょう。そういう子どもが泣くというのは何かよほどのことがあったのではないかと思われますので、まずはきちんとスキンシップを取り、気がすむまで泣かせてあげることが大事になってきます。

 

子どもが泣き止んできたら、いったい何が原因でそんなに泣くことになったのかを穏やかな調子で尋ねるようにします。そのようにすることで、子どもは親に自分の悲しみや辛さをきちんと受け止めてもらえたという安心感を得ることができ、どうして泣いたのかについて素直に伝えてくれるようになります。

 

子どもが泣く、というと厄介な行動と捉えがちですが、見方を変えれば、その子どもは繊細な感受性を持っているとも言えますし、性格が優しい子であると見ることもできます。このように、子どもが泣くことはすべて悪いことということではないことをまず認識しておくようにしましょう。

 

とはいえ、大きくなっても頻繁に泣き出すようではやはり問題があります。子どもが自分の感情や意志をきちんと言葉で表現できるように、泣いてもいいがちゃんと言葉で伝えることが大事だというふうに親は子どもを導いてあげるべきでしょう。

 

子どもがわがまま放題な時には

子どもが2歳ぐらいになると、いわゆる第一次反抗期が始まります。このころの子どもは少々情緒不安定な様子を見せるようになりますので、怒り出したり、少々泣いて暴れたりしたとしてもそれほど不安視する必要はありません。しかしながら、そうした様子が5歳になっても続くような場合には少々問題となってきます。

 

親が子どものわがままを認めてしまって何でも言うことをきいてしまっていたり、同年代の他の子どもと遊んだ経験が少ないような場合に、得てして子どもはわがままな態度を身につけてしまいます。こうなると、何か気に入らないことがあったり、望み通りにならなかったりした時に感情的な反応をしてしまいやすくなりますし、友だちともうまくやっていくことができなくなってしまったりします。

 

自分の子どもにそういった傾向が見られる場合の対応としては、いつも通っている幼稚園や小学校などとはちょっと違った雰囲気の人間関係の中に入れてみる、というやり方があります。例えば地域の児童会館のように普段あまり接することのない子どもたちが多く利用するような公共の施設に連れて行ってみたりするわけです。どうしてこうすることがいいかというと、普段接することのない同年代の子どもとたくさん接する機会が生まれるからです。

 

同年代の子どもたちと接することで、子どもはなんでも自分の思い通りにしてくれない人と出会うことになります。時には何か意地悪なしうちを受けることすらあるかもしれませんが、むしろそうした経験をすることが重要になります。そのようにして他の子どもたちと接する中で、自分のしたいことや意見を相手にきちんと伝えるべきシーンがある一方で、自分の思いは脇に置いて相手に合わせなければならないシーンもある、ということを肌感覚で感じ取っていけるようになります。

 

もし常に自分のしたいことや意見ばかり振りかざしていれば、あいつはわがままだからほっとこう、ということで他の子どもたちから距離を置かれるようになるでしょう。逆に常に相手に合わせてばかりいるような子どもは、つきあっていてもつまらない奴、ということでやはり敬遠されるようになっていくものです。このように主張すべき時とそうでない時を見極める技術は親が教えようと思って教えることができるものではありません。実際に他人と接する中で実地で学び取っていくものなのです。

 

そうするときに大事なポイントとしては、子どもが友だちどうしで遊んでいて喧嘩がおきてしまってもなるべく放っておくということです。喧嘩が起きるたびに親が介入していたのでは、子どもたちが自分たちで問題を解決する機会を奪ってしまうことになります。

 

その上で、友だちとやりとりする中で子どもが自分の思い通りにならなくても我慢することができたり、相手に合わせて行動することができたようなときには、そうできることがいいことだということを分からせるために、親は子どもを褒めてあげることが大切です。

 

その他にも、子どもの食事に気を遣うことで状況を改善できるかもしれません。重要なのは栄養バランスのよい食事を取れているかどうかです。インスタント食品をよく与えているというような場合や、肉類中心の食事になっていたり、糖分の摂取量が多くなってしまっているような場合、人間は集中力が落ちていらつきやすく感情的になりやすくなるとされています。

 

子どもの食事を用意するのは親の役目ですから、子どもの食事にいちばん気を遣えるのもまた親ということになります。食事はおいしさや楽しさだけを追求していればいいものではありません。必要な栄養分をバランスよく取るのもまた大事なことなのです。

 

とはいえ、学校給食の栄養士が立てる献立のように、栄養学的に厳密に沿った内容でなければならないということではありません。そこまで難しく考えなくとも、さまざまな食材をバランスよく摂取するということにさえ注意していれば大丈夫です。よく言われる「一日30品目」というところを目安にして毎日の食事を考え、メニューの中の白、赤、緑、黄色といった色味のバランスをも取れたものを作って与えるようにしてみましょう。

 

子どもの判断力や理解力を伸ばすには

幼いころから親や周囲の大人の言うことにきちんと素直に従う子どもは「いい子」と言われ、日本ではいまだに子どもの理想的な姿と位置づけられるところがあります。しかし、そういう子どもほど、何かを自分で判断したり、ものごとを順序立てて理解したりすることが苦手なものです。

 

というのも、そういう「いい子」はいつも周囲からの指示を受けて行動してきているので、自分一人でものごとを考え判断するという癖がついていないからです。

 

自分の子どもにそういう傾向が見られると感じた時には、まずは周囲の大人が考え方を改める必要があります。子どもの感情や要求を先回りして先にやってしまうのをやめ、子ども本人が自分の感情を言い表し、要求ごとを周囲に伝えるように仕向ける必要があるのです。そうするには、子どもが言葉でそうした内容を表現しやすいような雰囲気を作っていくことが大事です。子どもに優しく言葉をかけながらリードしていくようにしましょう。

 

自分の感情や要求ごとを言葉で表現することが苦手な子どもの場合、得てして話をさせてみても要領がつかめないことが多いものです。そこで苛立った態度を見せたり、先をせかしたりしてはいけません。時間がかかっても、分かりにくかったとしても辛抱強く耳を傾け、話しあぐねるようなときには適宜合いの手を入れて話の先を促すなどの工夫を重ねていくことが大事です。

 

逆に、子どもが他人の話をうまくのみこめていないような場合です。こういうときに子どもを「しっかり聞いてないからダメなのよ」などと叱りつけてしまう人がいますが、これをやってはいけません。しっかり聞け、と叱られてばかりいると、子どもの意識は話をしっかり聞くほうにばかり向かってしまい、話の内容を咀嚼して理解する方向に向かわなくなってしまうからです。さらには、しっかり聞かないとまた怒られる、ということばかり気になり、逆に話をしっかり聞けないという悪循環に陥ることさえあります。

 

子どもが話をうまくのみこめないということは、子どものレベルまで理解しやすさを落とせていないということかもしれません。どういう言い方なら子どもが理解できるだろうか、という点に常に意識を置いて、話す時には子どもの立場になって考えるようにすることが大事です。そして、ちょっとしたことでも面倒くさがらずに子どもと話をしましょう。その際には、大人の側が言って聞かせたり指示したりするだけではなく、子どものほうにも考えや思いを表現させる機会を必ず作りましょう。

 

親子で会話をするようにするだけでなく、本を読ませることでも子どもの理解力を向上させることができます。子どもの理解力を上げるためだから、といって難しい内容のものを読ませる必要はありません。むしろ、子どもが興味や関心を向けやすいようなものを題材にした本を選ぶようにするといいでしょう。星が好きな子どもには星について書かれた本、野球が好きな子どもなら野球の本、といったような具合です。子ども一人で本を読むのではなく親も一緒になって読むようにし、読んだ後に親子で感想を出し合ってみるようにしてください。

 

例えば、子どもが星についての本を読んで、「太陽は地球の109倍も大きいんだって」と言い出したとしましょう。そうしたら、「すごい大きいんだねぇ。ママそんなこと知らなかったなぁ、すごいすごい」と、子どもが興味を示したことを受け容れて褒めてあげましょう。そうすれば、子どもは新しい知識を得るというのは楽しいことで、すごいことなのだという意識を持つようになります。

 

こうした経験を何度も積むことにより、子どもは何かを理解しようと努め、そうできるようになっていきます。それが将来の学校での勉強の理解力につながっていくのです。

 

集中力のない子どもへの対応は

まま見られる行動ですが、一つのことをずっと続けていられなかったり、まとまった時間集中して物事に取り組むことができなかったりする子どもがいます。このように子どもが集中力が足りないという場合には、大きく分けて3種類の原因がみられ、それぞれ対応の仕方も異なってきます。

 

まず、好奇心が旺盛であるために行動に落ち着きがなくなる場合です。こういう子どもはさまざまなものに興味や関心を惹かれるため、ある活動を始めてもすぐに別のことに関心を移してしまいます。これは子どもがまだ小さい時にはよくあることで、もうちょっと大きくなれば自分が一番したいことは何かということがよりはっきりとし始め、それによって解消していきます。

 

このため、こういう子どもを持っている場合、親としては「もう少し待ってみる」という対応が正解です。その上で、ある行動を長続きさせることができ、何かに取り組み最後までやり遂げたような時には親はそのことを褒めるようにすべきでしょう。

 

また、玩具を出して遊び、興味の赴くままにすぐに別の玩具を取り出すという行為を繰り返していたとしても、「使わないのなら今のは片付けて、それから次のを出して遊びなさい」といったような叱り方はしないでください。まだ遊んでいる途中であれば、ある程度大目に見ることも必要です。

 

次に、自分が何に興味を持っているのかまだ分からないという場合です。こういったケースの場合、興味を向ける対象にまだ出会えていないのが原因ですから、そうした対象に出会えるように機会を作ってあげればいいわけです。それには幅広くさまざまなことを体験させることに尽きます。

 

幅広く体験を積ませるには、活動の幅を広げることです。家から外に連れ出してみる、散歩の機会を増やす、キャンプ活動に連れて行く、子どもが興味を向けそうなものが集まっている場所(博物館や展示館、動植物園、水族館など)に連れて行く、といったようなことが考えられます。

 

そういったところで何かに関心を示した時には、その分野に関連する本やものを買ってあげると良いでしょう。そうすれば家にいるままでも追加で経験や知識を得ることができるようになるからです。

 

ここで大事なのは、ただ出かけっぱなしにしないということです。一緒に出かけた後、親子でそのことについてよく話し合う機会を設けるのです。何が楽しかったか、わくわくしたのはどんなところか、不思議だなと感じたことはあったか、よく分からなかったことはなかったか、などということを出し合い、それについてさらに突っ込んで調べたりしてみてはどうでしょうか。

 

また、例えばお母さんと一緒に出かけた場合など、後でお父さんにも何を見てきたのかについて報告してもらうようにしても面白いでしょう。お父さんに話すために楽しかった経験を思い出すことになりますので、より興味関心が向くようになります。

 

最後に、幼稚園や学校などにおいて先生の話をじっと聞いていることができないようなケースです。こういう子どもは得てして忘れ物をしがちで、決まりごとを守るのが苦手であるという傾向があります。こうしたケースでは多くの場合親の接し方に問題が潜んでいることがあります。こういう子どもがいる家庭では、子どものやることに事細かに注意をする親がいるケースが多いのです。

 

何かをしようとした時に、ああしなさい、こうしなさい、それはだめ、そこはこうして、ちゃんとしなきゃだめでしょ……といった具合に何かにつけて言われる状況を想像してみてください。そんな注意にすべて対処しようとしたらものすごくたいへんだとは思いませんか? 子どもも同じで、日頃からのべつ幕なく注意を受けていると、いちいちまともに対処しようとすると身が持たないので、他の人が話すことそのものをある程度聞き流すような癖がついてしまうのです。

 

こうした癖がついてしまうと、例えば学校で先生が重要な連絡事項を話していた時や、勉強で大事なポイントを教えているような時でも話を聞くことに身が入らず、結果として大事なことを聞き逃してしまうことが増えます。そしてそのために提出物を忘れ、必要なものを持って行くのを忘れ、成績も今ひとつ伸び悩む……といったことが起きてしまうのです。

 

子どもにうるさく注意をする親は、別に子どもが憎くてそういうことをしているのではないと思います。むしろ子どもが立派に育って欲しいと思えばこそそうして注意をしてしまうのでしょう。しかし、そのせいで逆に子どもに悪影響が出るのであれば意味がありません。

 

それを防ぐにはあまり事細かく注意をしないように気をつけることです。子どもを注意するのは1日に2回か3回までにする、といったように親の側で守るべきルールを決めてそれに従ってみるようにしてはどうでしょうか。

 

子どもの不器用を直したい時には

身長や体重、顔の作りなどには人それぞれ差があるように、人によって手先の器用さにも差があります。自分が小さかった時に不器用でいろいろたいへんな思いをした経験をお持ちの方もあるのではないでしょうか。

 

手先の器用さというのは、何かを作った時にはっきりとした形で見えてしまうものです。不器用な人の場合、まず何かを作る時にかかる時間が長くなってしまうことから始まり、できあがりを見てもなんとなく不格好で、器用な人の作品と比べると違いが一目瞭然だったりするのです。

 

親本人も昔不器用だったという自覚がある場合は、自分の子どもなんだからそりゃ不器用だよな、と大目に見ることもできるのかもしれませんが、なまじ親が手先が器用な場合はそうはいきません。自分の子どもなのになんでこんな不器用なんだろう、と腹を立ててしまったり、もたついている子どもをみて苛立つあまり代わりにやってしまったりすることになりがちなのです。

 

しかし、基本的に子どもは大人よりも不器用なものです。そしてその理由というのは積んできた経験の差によるところが大きいものなのです。器用な人もそうでない人も、自分が小さかったころのことを思い出してみれば分かると思いますが、最初から何でも器用にできたという人はいないはずです。

 

場数を踏む中で経験を積んだことによって前よりも上手にできるようになったことがいくつもあるはずです。子どもも同じで、上手にできなかったり何度も失敗したとしてもそれを糧にして経験を積み、だんだんと器用にできるようになっていくものなのです。親がそうした機会を奪うようなことをしてはいけません。

 

特に最近は、過保護気味に育てられる子どもが増えてきています。落ちたら危険だから木登りを禁止する親、刃物は危ないということで、ナイフやカッター、包丁、果てはハサミすら使わせない親というのがいたり、服を着替えるのも歯を磨くのにも手を貸す親がいたりするご時世です。しかしそんなふうにばかりしていると、子どもは自分の手や身体を使って何かをするという経験を満足に積むことができず、将来的に不器用な人間に育ってしまいます。

 

自分の子どもがそんなふうにならないようにするためには、多少不器用でも大目に見て、子ども自身が自分の手や身体でさまざまなことをやれるように配慮することです。親は手を出したくなってもじっとこらえて、子どもの成長を脇で見守るぐらいの気持ちが大事なのです。

 

また、できばえが不格好だったり下手なやり方をしていたとしても、子どもにそうした言葉をかけないということも大事です。何かをやろうとしている時に親から不器用、下手、といったネガティブな言葉をかけられ続けていれば、子どもは自分は不器用な人間でどうにもならないと思い込んでしまいます。そして最後には何かを自分でしてみようという意欲すら見せなくなってしまうのです。

 

子どもが自分一人でやると言いだし、それを最後まで完遂したのであれば、できばえややり方がどうであれまずは褒めることが大事です。無理に嘘をついて不格好なできばえや下手なやり方を上手だと言い張る必要はありませんが、自分一人でやり遂げたということは褒めることができるはずです。

 

子どものがんばりを認めた上で、その価値を認めてあげるようにしましょう。そうすることで子どもはだんだんと自信を身につけていくことができ、得意なものは伸ばし、苦手なものに対するチャレンジ精神を持つようになり、何かをすることがだんだんと上手くなっていくのです。

 

子どものイタズラに困ってしまうときには

子どもは3歳ぐらいになると好奇心を示すようになりはじめ、さまざまなことに興味・関心を向け始めます。それとともにいろんなものについて仕組みを知りたがったり、こうやったら何が起きるんだろう、というふうに考え始めたりし始めます。

 

一方、これぐらいの年齢になると身体や手足をそれまでよりも上手に扱うことができるようになってきます。そうなってくると、文房具や工具といった道具を使ってみたいという気持ちが起きるようにもなってきます。そしてこれら二つのことが合わさって、玩具を分解して壊してしまったり、本を切り裂いてバラバラにしたり、家具や畳、障子を傷つけたりする「イタズラ」をするようになってきます。

 

子どものこうした行動は、何も周囲の人を困らせようと思って行うものではありません。子どもなりの好奇心や探究心の結果なのです。このため、怪我をするかもしれない危険な行為であったり、誰か他の人のものを傷つけるような問題が起きないのであれば、ある程度大目に見るようにすることも必要になってきます。

 

何でもかんでも「禁止」ではなく、例えば子ども本人の持ち物なら分解して壊してもOKであるとか、子ども部屋の壁なら落書きしたり傷つけても何も言わないであるとか、子どもとの間で決まりごとを作るようにすると良いでしょう。

 

子どもが玩具や家庭用品などを分解したがるのは、中身がどんなふうになっているのかということを知りたいという気持ちがあるからです。そして実際に分解してみれば、なるほどこんなふうにできているのかと子どもなりの理解をすることになるでしょう。子どもはそこで本人なりに大きな発見をして喜んでいるのですから、親はそこで叱りつけたりせずに、その探究心をよい方向に伸ばすような対応をすべきでしょう。

 

具体的には、子どもが分解したものを一緒に調べて、それについていろいろと子どもと意見を交わしてみると良いでしょう。「こんなふうになっているんだね。この歯車があるからここが回るのかな?」といったような感じです。そして、「すごいことを発見したねぇ」などと子どもが何かを発見した時のうれしさや誇らしさに理解を示してあげるようにするのです。

 

その上で、何でもかんでも分解することが無いように手を打っておきます。子どもに理解を示した後で、「でもね、バラバラになっちゃったから、これもう使えなくなっちゃったね」であるとか、「壁に傷がついちゃって、お父さん困っちゃうんじゃないかな」とかいったような形で、イタズラをしたことによって誰かを困らせてしまうのだということをきちんと教えるのです。

 

そうすれば、子どもは好奇心が満たされ、親に理解を示してもらえたことをうれしく感じつつも、他の人が困るということを受け容れることができます。そうなれば、おそらく再び同じイタズラに手を染めることはないでしょう。

 

子どもがこういった行動を取り始めるようになったら、家族が大事にしている品物や、イタズラをすると危険なことになりかねないような品物については、予め子どもの目や手が届かないところにしまい込むようにすべきです。家の中はきちんと整理整頓し、子どもの好奇心をむやみにかき立てないように工夫することも必要なのです。

 

子どもの興味関心、好奇心というものはかなり強く、それを満たすためなら大人が考えつかないような突拍子も無いことをしでかすことがあります。大事なものを壊されてしまったり、子どもが大けがをしたりするようなことになる前に、こうした処置をしっかりと取るようにしましょう。

 

好奇心の旺盛な子どもは、上手に伸ばせば創造性や探求心あふれるクリエイティブな人間に育つかもしれません。ですから、何かイタズラをしたというので頭ごなしに叱りつけ、その芽を摘んでしまうのは非常にもったいないことだと言えます。

 

また、いつも好奇心を押さえ込まれた状態で育つと、満たされない感情が残り、何歳になってもイタズラばかりし続ける子どもになってしまうこともあります。こうなると、イタズラをとがめた時に嘘やごまかしを言うようになったり、親に隠れて悪さをするようにもなりかねません。そうした困った事態を招かないためにも、上手に対応することが求められるのです。

 

子どもが何をやらせてもノロいと感じる時には

近頃の風潮として、何かをする時には素早くやり遂げることこそが良いことであり、ノロノロしているのは良くないことだという考え方が一般的になりつつあります。そのためか、子どもの行動についても、素早い子はよくてのろまな子はダメといったような位置づけをする親が見られます。

 

しかし、ちょっと考えて欲しいのですが、何かをやる時にゆっくりであるというのは果たして悪いことばかりなのでしょうか。何かをやる時に時間がかかるのは、けっして手抜きをせずにじっくり丁寧に作業をしているからかもしれないのです。逆にできあがりが早いというのは単に拙速なだけかもしれないのです。

 

人間にはさまざまな個性があり、行動や考え方が機敏な人もいればゆっくりしている人もいます。それ自体はいずれが悪いというものでもありません。何ごとかをするときに丁寧にやるせいでゆっくりになってしまうような子どもの場合、その子はきまじめに物事をやるタイプのせいかくなのかもしれません。単にノロマと断じてしまうのではなく、そういう見方をすることはできないのか少し立ち止まって考えてみる必要はあるでしょう。

 

一方で、何かをする時にとにかく時間がかかる原因が、単にその子がやり方を良く理解していないだけということも考えられます。親のやり方と子どものやり方を比較してみて、子どもの作業や動作に無駄が多いように見受けられる場合には、そこを指摘して直してやればこの点は解消することができるでしょう。しかしそうする際にも注意すべき点があります。

 

それは、子どもに指摘をする際には頭ごなしに指示したり命令したりしないということです。「こんなふうにするともっと早く上手にできると思うよ。やってみてごらん」というふうに、子どもに進んでやらせてみる態度が重要なのです。さらに、その結果上手にできた時には子どもをきちんと褒めてあげることも大事です。

 

気をつけたいのは、親の方が我慢できなくなって途中でいちいち指摘をしたり、脇から手を出してしまったりしないようにすることです。そんなふうにしてしまえば、子どもが自ら学ぶ機会を奪ってしまうことにつながります。最初から何でも素早く上手にできる人間などいません。どんなことでも練習を積まなければ上達しないものだからです。

 

きまじめに物事をこなすことが好きなタイプの子どもは、何かをする時にある程度雑でも早くやる、といったようなことができません。親としては、そういったタイプの子どもをノロマな子と断じてしまわないように注意したいものです。

 

そういった子に対してはあまりせかすことをせず、ゆっくりとではあっても物事をきちんきちんとこなすことができるという点に着目してそれを受け容れてあげることが大事です。丁寧にきちんとやれば時間がかかるのは当たり前ですし、物事をしっかりきちんとやることができるというのはそれはそれでよい個性と言えるからです。

 

それでもできあがりに時間がかかって気になってしまう、というのであれば、子どもにさまざまなことをやらせる機会をたくさん設けることです。たくさん経験を積み練習を重ねれば、子どもは上達してできあがりまでにかかる時間もどんどん短くなるものです。しかしそれよりも先にせねばならないのは、親の方が持っている「素早くやり遂げることこそが良い」という固定観念を取り払うことなのです。

 

子どもがたびたび嫉妬する

小さな子どもは、本質的に自分の兄弟や友だちなどに対して嫉妬することの多いものです。兄弟の間でさえ、自分と相手を常に比べており、時には親の愛情を奪い合うことさえあります。子どもの嫉妬には、大きく分けて3種類の原因があります。

 

まず、その子どもが性格的に負けず嫌いであるような場合が考えられます。負けず嫌いというのは、見方を変えればものごとに積極的であり、あきらめずに取り組むことができるということです。

 

何か一つの分野で成功し、世界にその名前を知られているような人というのは、多くの場合負けず嫌いで、他の人には絶対に負けないと念じて今のステータスを手に入れているものです。そこまではいかずとも、もっと良い成績を取ろう、もっと上手に運動できるようになろう、もっと上手く絵が描けるようになろう、といったような向上心というものは、他人に負けたくない、という気持ちから発することが多いと言えます。

 

次に、子どもが親の愛情に対して疑念を持っていたり、満たされていないと感じているような場合もあり得ます。こういう場合の処方箋はただ一つ、親がその子どもにきちんと分かる形で愛情を示すことです。まずは子どもが言いたいことや感じていることにきちんと向き合い、どうして欲しいのかをしっかりつかむところから始めましょう。親としてその子のことを大事に思っており、愛していて、何があっても味方であるということをしっかりと伝えることが大事です。

 

子どもが兄弟に対して嫉妬心をあらわにする場合、子どもたち一人一人に対して個別に向き合うための時間を作りましょう。兄弟というのは互いに互いを親の愛情を得るためのライバルだと思っているところがあり、親が誰により愛情を持っているのかを常に相手と比較して見極めようとしています。そして多くのケースで、自分以外の兄弟の誰かが一番愛され可愛がられていると錯覚するものなのです。それが嫉妬の原因になります。

 

親にしてみれば兄弟どの子も等しく愛情をかけているはずだと感じていると思いますが、子どもの側から見ればそういったとらえ方はしないということです。このため、そんなに長い時間でも良いので、子どもたち一人一人に対して時間を割き、愛情を伝えるようにすることが必要になるのです。

 

最後に、強い劣等感を心に持っている場合が考えられます。子どもがこうした劣等感を抱いてしまうケースについては、親が他の子どもと比較してその子を評価したり叱ったりしている場合が多く見られます。例えば上の兄姉であったり、子どもの友だちなどと比べながら、「どうして○○ちゃんみたいにきちんとできないの?」といったような叱り方をよくしている可能性があるということです。

 

こういった比較をする時には、自分よりも年長であったり得意なことがある人と常に比べられて大きくなることになりますから、自分に対する価値観が下がってしまい、自分はダメで出来損ないの子どもなんだという思いを強くしてしまいがちです。そうすることによって子どもは自信を失い、他人に対して常に嫉妬するようになってしまうのです。

 

大きく3つに分けて子どもの嫉妬の原因を見てきましたが、いずれの場合でも大事なのは親が子どもが持っている良いところを見いだし、それを誰かと比べたりせずにそのまま受け容れて褒めてあげるということです。子どもが誰かに嫉妬しがちな時には、そうした点について見直してみる必要があると思います。

 

子どもの情緒面が不安

自分の子どもに冷血漢に育って欲しい、という親はまずいないと思います。優しさを持ち、他人の痛みに寄り添うことのできる思いやり深い人に育って欲しいと考えるのが普通でしょう。しかし、そのように育つように気をつけてきたはずなのに、自分の子どもが情緒面で問題を見せるようになったり、思いやりをあまり示さないことに気づいて愕然とした、というような悩みを訴える親がけっこういます。

 

そういったケースをいろいろと調べて見ると、幼児期から小学校低学年ぐらいのころに、幼児教室や学習塾などにいろいろと通わせていたということが多い傾向があります。幼稚園に上がる前にはひらがなをマスターしていたであるとか、簡単な計算はすでにできていたとか、小学校に上がりたてのころは他の子どもたちよりも頭一つ抜けるほど成績が良かった、といったケースが多いのです。

 

この時期に塾通いをしたりして勉強をさせることがすべて悪いということではありませんが、何事にも程度というものがあります。子どもの情緒面の健全な発達、という視点から見た場合、この時期の子どもには塾での詰め込み学習よりも重要視したいことが存在します。それは、友だちと一緒になって遊んだり、いろんな人と広く接してさまざまなことを話したり、といったような、他人とのふれあいの機会を得るということです。

 

親が子どもと会話をする場合にも、勉強がどうか、習い事は進んだか、といったようなことではなく、クラブ活動は楽しいか、クラスで飼っているウサギの様子、友だちの怪我はもういいのか、といったような、より情緒面に関わるような話題を扱うべきです。

 

小学校低学年までの年齢においてこういった話題を話した子どもは、その後も情緒的な問題を起こしたり、思いやりに欠ける子どもに育ったりすることは少ないのです。子どもを健全な心の持ち主にしたいのであれば、ぜひ気をつけて欲しいと思います。

 

子どもがチック症を起こして恥ずかしい

「チック症」と呼ばれる病気があります。筋肉の一部分に、突発的かつ無目的に、しかも不随意に急な運動が起きるといった症状を呈します。まばたきや首振りなどがよく見られる症状です。この病気は3歳ぐらいに始まることが多く、7歳から8歳ごろの学童期にピークを迎えます。どちらかというと男の子に多い病気です。

 

チック症というのは、子どもが不要なストレスを受けているために起こると言われています。心に負担がかかっていることを示すシグナルだという見方もできますが、子どもがこうした症状を呈すると親はむしろ恥ずかしく感じてしまうことが多いようです。その結果、どうしたらやめさせることができるだろうと悩んだり、悪い癖だとだけ考えてやめるように叱りつけたりと誤った対応をとってしまったりします。

 

しかし、チック症というのは上で紹介したように「不随意に」症状を起こしてしまう病気です。つまり、子どもがやろうとしてそうした動きをしているわけではないのです。このため、いくらやめるように厳しく言ったところで、子どもにも止めることができないということを知っておく必要があると言えます。

 

むしろ、チック症は子どもがストレスを感じているため起きるわけですから、毎日の生活を通して何か子どもに無理をさせていないか、あるいは子どもが嫌がるようなことを無理強いしたりしていないか、ということを見直す必要があります。

 

例えば、まだ幼いと言える年齢の子どもを毎日さまざまなお稽古事や習い事、幼児教室などに通わせているような親がいます。時には大人も顔負けの超過密スケジュールが組まれているようなことがあり、それが子どもの精神に余計な負荷をかけているのかもしれません。もしそういうことがあるのだとしたら、スケジュールを見直すことで子どもの負担にならないようなものにする必要があると言えます。

 

また例えば、下に姉弟が生まれたことにより、親が自分にもう興味を向けてくれなくなったと感じてしまっているかもしれません。こういった場合には、下の子にばかり時間を割くのではなく、上の子にもちゃんと向き合ってあげるようにすることで症状が治まっていくことが考えられます。

 

いずれにしても、チック症は「親が恥ずかしいから」治すべきものではなく、「子どものため」を考えて治療する必要がある病気です。親としてそのあたりを勘違いしないように注意すべきでしょう。

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