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牛乳は身体に良いという神話を考える

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牛乳

「牛乳はカルシウムがたっぷり含まれているから、きちんと飲むべき」「牛乳は栄養満点だから体に良い」多くの人が、こう信じて疑いません。しかし実は、そうとも言い切れないのです。詳しくみていきましょう。

 

カルシウムが摂れるのは牛乳だけではない

世間には「牛乳を飲めばカルシウムが摂れる」という神話があるようです。だから、学校給食では牛乳が当然のように出されます。カルシウム補給のために毎朝の牛乳は欠かさないという方も多いでしょう。では実際、牛乳にカルシウムはどのくらい含まれているのでしょうか。

 

牛乳100g中、カルシウムの量はおよそ110ミリグラムです。コップ一杯飲めば200ミリグラム以上のカルシウムを摂ることができます。厚生労働省によれば、小学校低学年くらいの子どもの1日のカルシウム所要量は600ミリグラムですから、およそ1/3を牛乳コップ一杯で摂ることができると言えます。

 

こういうと、やはりカルシウムといえば牛乳ではないかと言われそうですが、そうでもないのです。干しエビ大さじ1杯で568ミリグラム、小松菜は1/4把で170ミリグラムのカルシウムが摂れます。つまり、決して牛乳だけが飛び抜けてカルシウム含有量が多いわけではないのです。

 

その他、ヒジキや切り干し大根、煮干しやいわしの丸干しなどにたくさんカルシウムが含まれています。そしてこれらは、和食によく使われる食材なのです。日本人は昔から、カルシウムもきちんと摂ることができる食生活を送ってきたのです。「カルシウム=牛乳」というわけではないのです。

 

牛乳は本当に体に良いのか

牛乳はたんぱく質が豊富だし、カルシウムもたっぷり含まれている。だから体に良いのだと考える方は多いことでしょう。しかし、本当に牛乳は体に良いのでしょうか。まずは、牛乳を飲めばカルシウムがしっかりとれるのかどうかということについて、考えてみましょう。

 

ご存知の通り、人間を始めとする全ての哺乳類は、自分の母親のおっぱいを直接吸い、母乳を飲んで育ちます。ところが人間は、母乳だけでなく、牛の乳も飲んでいます。この場合、直接口をつけて飲むのではなく、人間の手で搾り取って飲んでいます。ここに大きな問題があります。

 

牛の乳を搾ってから店頭に牛乳として並ぶまでには、何日もかかります。その間何もしないでいたらいろいろな菌が繁殖してしまいますので、絞った乳はまず殺菌しなければなりません。

 

この時、63度で30分加熱殺菌するか、それと同時殺菌効果のある方法をとるよう決められています。63度より高い温度で加熱すれば短い時間で済み、大量に商品を作ることができるのですから、業者はそちらを選択することが多いのです。実際、市場に出回っている牛乳の9割が、120度から150度という高温で数秒間加熱されたものです。

 

こうすることで、作り手としては短い時間でたくさんの商品を作ることができるので効率的だと言えるのですが、このやり方が牛乳の質を大きく変えてしまいます。牛乳にはもともと吸収されやすいカルシウムがあるのですが、それがほとんど壊されてしまうのです。また、水溶性のカルシウムが熱によって不溶性のカルシウムに変化してしまい、吸収されにくい形となるのです。

 

これでは、いくら牛乳をたくさん飲んでも、カルシウムは体に吸収されないことになってしまいます。牛乳を飲めばカルシウムが摂れると、単純には言えないというわけです。

 

高温での殺菌方法による成分の変化は、まだほかにもあります。絞ったばかりの牛乳には豊富な乳酸菌も含まれていますが、それらは高温殺菌によって全てなくなります。また、チーズを作るときに、固形物から分離した液体状のものをホエーと呼び、低脂肪で高たんぱく、消化も良いものなのですが、こちらも高温殺菌によって8割ほどなくなってしまうと言われています。

 

高温殺菌により牛乳の香りも変質し、飲んだ人の中にはそれに気づく人もいるのだそうです。牛乳の高温殺菌はこのようにいろいろな変化をもたらしてしまいます。そのためか、ヨーロッパやオーストラリアの牛乳の多くは、低温殺菌法を用いて作られています。

 

さらに、牛乳そのものが日本人の体に合わないと指摘する意見もあります。「牛乳を飲んだ後はお腹が緩くなる、お腹が痛くなる」そんな症状を訴える人が、日本には少なからずいます。このような症状は、腸の中にある乳糖分解酵素がなかったり、その酵素の働きが低下していたりして起こります。

 

赤ちゃんは毎日おっぱいやミルクを飲んでいるためこの酵素はきちんと作られるのですが、大人になるにつれ酵素の働きが弱まってきます。牛の乳を飲む文化がなかったために、日本人はもともと乳糖分解酵素の働きが弱く、この症状を訴える人が多いと言われていますが、その数は日本人全体のおよそ4割と言われています。

 

ということは、日本人にとって牛乳は、必ず飲まなければならないものではないと考えられます。考えてみれば、牛乳を飲まなかった時代の日本人も、特に健康を害すことなく生きていたのです。

 

ですから、子どもに無理に牛乳を飲ませる必要はありません。もしも飲ませるなら、低温で長い時間かけて殺菌された牛乳を選んでもらいたいですし、それを毎日コップ一杯などと考えず、時々楽しみとして飲むようにすれば十分なのです。

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