facebook Twitter Google+ はてなブログ feedly

男の子はものごとを自分の体で学ぶ

Pocket
LINEで送る

遊ぶ男の子

女の子とは違い、男の子は直接的な体験からものごとを学ぶという特徴を持っています。このため、少々危険なことをしていてもある程度大目に見て、少し離れたところから見守るという姿勢が大事になってきます。そのあたりについて簡単に見ていきましょう。

 

男の子は実体験からものごとを学ぶもの

公園の砂場で、自分の息子と友だちが遊んでいます。そのうちになにやら言い合いを始めたかと思うと、手を振り上げてケンカを始めました。友だちの方は何も持っていませんが、息子は砂だらけの玩具のスコップを振り回しています……。

 

こんな場面に出くわしたとき、親としてはどうするでしょうか。慌てて叱りつけてやめさせる、という方がいるかもしれません。あるいは、息子がスコップを持っている手をおさえて、そんなことをしてはだめ、とやんわりとしかし断固とした態度で教え諭すという方もあるかもしれません。はたしてどちらが正しい対応でしょうか。

 

教育学の観点から言うと、いずれの対応も正しいとは言えません。ではどのような対応をするべきかですが、ここは何もせずに見守るのが正解です。

 

何もせず放っておけば、息子は友だちをスコップで叩いてしまうでしょう。相手の子は砂だらけになって泣き出すかもしれません。それでも間に入ってはいけません。友だちが泣き出してとまどったところ、その友だちは泣きながら息子を突き飛ばしてめちゃくちゃに殴り始めるかもしれません。そして二人とも砂と涙でぐちゃぐちゃになりながらつかみ合いの大げんかになり始めた……親が間に入るとすればこの辺りにすべきでしょう。

 

当然ですが、手に持っていたのが玩具のスコップではなく金属製の本格的なスコップであった場合や、相手の目に砂を投げつけるといったように、一歩間違うと大けがにつながるようなことを子どもがしようとしたときにはこの限りではなく、すぐに割って入って止める必要があります。しかしそうでない場合はすぐに仲裁に入らず、ある程度成り行きに任せた方がいいと考えられています。

 

昔の子ども同士のいさかいとは違い、最近では親同士の間でいろいろと言われてしまうことを恐れて、自分の子どもが誰かに暴力的なことをはじめようとしただけで割って入ってしまう親が多くなっていると言われています。しかしそんなふうにしてすぐに止めてしまっていると、少なくとも男の子についてはいい結果にはつながらない場合が多いです。

 

(大けがにつながるような場合を除いて、ですが)ケンカやとっくみあいといった体験を通じ、男の子はいろんなことを学ぶことができます。例えば、殴られたら痛いということ、そして、そういった行為を突き詰めてしまうと危険なことになるということを学ぶことができるのです。それを体感できずに大きくなってしまうと、相手を殴ったときに加減することができずに殺してしまった、などという事件を起こす羽目になったりします。

 

女の子とは違い、男の子は直接的な体験からものごとを学ぶことが多いものです。言い換えればものごとを自分の体で学ぶと言ってもいいかもしれません。自分がやったことがどんな結果をもたらすのか、ということを学ぶ際にも、ある程度実際にやってみないと理解できないのです。

 

女の子であれば、ケンカの時にスコップを振り回したら何が起きるかをある程度想像することができます。そして、想像の結果大ごとになりそうだと思ったら実際にそうすることはありません。しかし、男の子はそういう考え方ができず、実際に振り回して大騒ぎになり、自分も痛い思いや嫌な思いをしたという経験をしてはじめて「もうこういうことをするのはやめよう」となるのです。つまり、男の子は実際の体験を、それが失敗につながるものであるならばなおさらしておくことが大事になってきます。

 

母親の場合は自分が女性ですので、男の子はものごとを自分の体で学ぶものだという感覚が今ひとつ分かりにくいかもしれませんが、そこはそういうものなんだと分かっておく必要があると言えます。

 

少々危険な遊びも大目に見ることが大事

男の子は大きくなってくると乱暴な遊びを始めるものです。例えば、階段の高いところから飛び降りては喜んだりします。はじめは2段目からしか降りれなかったものが、だんだん高いところから飛び降りることができるようになり、それに達成感を感じるのです。男の子はこういう体験を繰り返すことで、今の自分の能力ならどこまでが可能でどこからが不可能か、どのように工夫すればものごとを達成できるのか、どれぐらいを超えたら危険な目に遭うのかという判断力を培っていくことができます。

 

一方、そんなことをしている我が子を見て、飛び降りに失敗して頭を打ったりしたら危険だからとそうした行動をやめさせてしまったりすると、こうした判断力を培う機会を失ってしまいます。結果として、自分はどれぐらいまでなら飛び降りることができるのか、飛び降りたときに上手に着地するにはどんな体勢を取るべきかといったことを理解できずに育ってしまいます。そして、学校などで友だちにそそのかされていきなり高いところから飛び降り、それこそ大けがをしてしまうことになりかねません。

 

小さいころから数多くの実体験を重ね、いろいろと小さな失敗を積み重ねた男の子は、自分の体の感覚でどこから先が無茶なのかということをつかんでいます。このため、大けがをするような無茶なことはしなくなります。新たな事態に出会ったときにどう行動すべきか、行動した結果どんなふうにことが運ぶかを予想することもできるようになります。

 

このような行動や予想の指針になる実体験をたくさんさせるという意味でも、少々危ないことをしているからと言って目の色を変えてそれを止めるようなことは避けるべきです。それにより、男の子は物事に柔軟に対処する能力や危険を自ら避ける能力を培っていくことができるのです。

Pocket
LINEで送る

このページの先頭へ