運動に勝負を取り入れることで脳は急速に発達する

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野球大会

脳は、運動をすることでバランスよく発達していきます。ですから、子供のうちはたくさん運動をさせたいものです。しかし、ただ楽しみとして運動をやっているよりも、もっと効果的な方法があります。それは、運動の場面に勝負を取り入れるということです。人と競争したり勝負をつけたりすることは、脳をさらに鍛えてくれるのです。どういうことなのか見ていきましょう。

 

運動に勝負を持ち込むと脳が活性化する

同じサッカーをやるのでも、ただボールをけって運ぶだけでなく、チームに分かれて勝ち負けを競うことにすると、脳は一層活発に働くようになります。なぜなら、勝つにはそれなりに作戦が必要ですから、どうしたら点を入れられるかを考えるでしょう。また、強くなるにはどんな練習をすればよいのかも考えるはずです。

 

それだけでもかなり頭を使いますが、実際それで試合をしてみて勝った時には「うれしい」という感情が湧き出るでしょう。すると人間の脳からはドーパミンという物質が分泌されます。このドーパミンが脳内のいろいろなところを巡って活性化させていくので、ますます脳全体の働きがよくなるというわけです。

 

頑張って練習をしたり作戦を立てたりした甲斐があって勝てた、次もまた勝つぞ、と思うようになれば、次からはさらに一生懸命取り組むようになることでしょう。良い循環が作られるようにもなるのです。

 

ですが、勝つために練習したり、勝つための動きをしたりするのは、なかなか難しいものです。ですから、始めは基礎練習をたくさんやらせましょう。ゲームや練習というよりは、遊びながら運動に取り組むくらいで十分です。楽しくやらせましょう。試合に出ることを考えるのは高学年になってからでも遅くはありません。

 

どんなスポーツでも、最初はおそらく上手にはできないはずです。周りの大人は焦らずに、少しでも上手になったらすかさずほめて、本人のやる気をアップさせてあげましょう。ただし、運動というのは一朝一夕にうまくなるものではありません。うまくなるまでには、そして「楽しいな」と感じられるようになるまでには、ある程度の時間が必要です。

 

無理やり何かをやることは、脳にとってあまりよい影響を与えるものではありませんが、運動の場合はどうしてもこの「ある程度の時間」はかかってしまうものなのです。

 

うまくなるまでに「もうやりたくない」「つまらない」と思う気持ちが強まるようでしたら、子供にとって近しい立場の人と一緒にスポーツをやらせるとよいでしょう。親やきょうだいでもいいですし、友達でもいいですね。そのことがよい刺激となって、うまくいかなくても続けられるようになるでしょう。

 

子供にやらせるのはどんな運動でも構いません。特別な道具を必要とせず、今日からでもすぐにやれるジョギングも、手軽だという点ではおすすめです。この場合も、親子で取り組めばよいコミュニケーションの場となるでしょう。

 

また、今は各地域に少年野球チームやサッカーチームがあったり、大手のスポーツクラブがあったりして、子供を運動させる場はたくさんあります。そのようなところに見学に行ってみるのもよいでしょう。同じような年齢の子供たちと一緒にできるので、よい刺激となるはずです。

 

大事なのは、続けて取り組み、運動を習慣づけることです。始めるのはいつからでも構いません。もちろん運動によってはやらせられる年齢がだいたい決まっているものもありますが、幼い子供でもできる運動はたくさんあります。

 

歩き始めの子供にとっては、まさに歩くことが一番よい運動なのです。どんどん体を動かせて、脳を発達させてあげましょう。そして、高学年くらいになったら、本格的に試合や大会を目指すよう導いてあげてください。

 

試合に負けるとさらに脳は発達する!?

子供が成長してきたら、試合や大会に出るようにさせましょう。そこで勝ったりうまくできたりした経験は、脳に良い刺激を与えます。では、負けたりうまくいかなかったりした場合はどうなのでしょう?勝てなければ、試合や大会での経験は脳に何の影響も与えないのでしょうか。

 

いいえ、そんなことはありません。実は、負けたりうまくいかなかったりした時も、脳は成長するのです。脳内には前帯状皮質という部分があり、失敗してしまった時に働いて、アドレナリンというホルモンを分泌させます。するとそのアドレナリンが、脳を活発に働かせるようになるという仕組みがあるのです。

 

さらに、うまくいかない経験が続くと、脳はそれを生かして、どうしたときにうまくいかなかったかを学び、他のやり方にしようと判断するようになります。つまり、失敗の経験によって脳が成長したということになります。

 

試合に負けたり失敗してしまったりすれば、誰だって悔しい気持ちになるでしょう。しかしそれは決して、脳にとって悪いこととは言えません。そのことによってアドレナリンが分泌されて脳全体が活性化し、もう同じ失敗は繰り返さないようしっかりと脳に刻み込まれ、次こそはうまくやろうと手立てを考えるわけです。

 

つまり、成功しようが失敗しようが、試合や大会に出ることは、脳は大きく成長させるということなのです。

 

しかし、運動をする子供たちの全てが、大会や試合に出られるかというとそうではありません。実力がなければ出られないとか、練習に対する姿勢がよくなければ出られないとかいうことはあるでしょう。

 

その場合は、試合や大会に出るための勝負であると考えればよいのです。次の試合に出るために頑張ることができれば、実際望みがかなった時には、試合で勝てた時と同じような仕組みで、脳が活性化されます。

 

そして、残念ながら出場できなかったときも、試合で負けた時と同様に、やはり脳は成長するのです。試合や大会に出ることを目指して努力したということは、本人にとってかけがえのない財産になるはずです。それに、実際に試合の場には出られなくても、ベンチで一生懸命チームを応援するということも、別の意味でとても貴重な経験です。

 

こう考えていきますと、運動というのは脳を発達させるだけでなく、人間として大事ないろいろなことを、子供に経験させることができるのです。

 

それに、運動というのは自分で考えて自分の体を動さなければできない活動ですから、極めて主体的なものだと言えます。そんな主体的な運動を続けていれば、他の全ての物事に対しても主体的な姿勢で取り組めるようになると考えられるのです。

 

大会や試合を目指す経験や実際に出場する経験は、脳だけでなく子供の全てを成長させてくれるというわけです。

 

運動の習慣こそ、親が子供に与えられる一番の財産

運動をすることで人間の脳は活性化します。また、運動に勝負を取り入れることで脳はさらに成長しますし、人間として貴重な経験をたくさんすることができます。ですから、子供のうちから運動をすることは、とても重要なことなのです。

 

では、もしも運動しなかったらどのようなことになるのでしょう。幼いころから遊びや運動よりも勉強だと言われて、塾に通うのも車で送り迎えしてもらい、塾のない日はマンガやテレビ、ゲームで過ごしていたとしたら、どのようになってしまうのでしょう。

 

運動というのは、主体的な活動です。自分で考えて判断し動かないと、運動はできません。ただでさえ、小学生は勉強面では受動的であることがほとんどでしょう。なぜなら先生から教わったことをただ覚えるとか、先生や親から言われて勉強することがまだ多いからです。それでいて運動の機会がないのであれば、なおさら主体的な活動が少なくなってしまいます。

 

そのような子供が成長していくと、誰かから課題を与えられればそれは上手に解決できるが、自分の頭で判断し実行するという力に欠けた人間になってしまうのではないでしょうか。そのような人は、少し困難な状況に立たされただけでもどうしたらよいかわからなくなりがちです。最悪、引きこもりになってしまうことさえあるのです。

 

もちろん、引きこもりの時期が無駄であるとか、引きこもりにさえならなければよいと言いたいのではありません。とはいえ、おそらくすべての親御さんが自分の子にはそうなってほしくないと願い、自分の人生を自分の足でしっかりと歩んでほしいと思っているでしょう。

 

運動が人間に与えるよい影響についての研究は確実に進んでいます。軽いうつ病であれば、運動をすることで改善すると言われていますし、認知症になりかけの段階であれば、運動することでそれ以上悪化しないようにすることもできます。

 

運動が子供の脳にどのような影響を与えるかについては、いまだはっきりとした研究結果が出ていません。しかしもっと研究が進めば明らかになってくることでしょう。多くの人の経験からも、運動したほうが勉強にも良い影響を与えるということは、理解しやすいことなのではないでしょうか。

 

子供が運動を習慣づけるには、そのような環境が整っていないと難しいことでしょう。子供の将来のことを考えるなら、ぜひ小さいうちから運動に親しめるような環境を整えてあげてください。

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