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左利きの子は左利きのままでよし!

左利きの子ども

あなたのお子さんは右利きですか?それとも左利きですか?

 

左利きの人は、全人口の10パーセントほどだと言われています。ほとんどが右利きなのだと知ると、左利きの子どもの親としては「右利きになるように矯正すべきなのかしら?」と迷うものです。それに、右利き用のはさみの方が多く流通しているので、左利き用のはさみがすぐに手に入らないなどの不便は確かにあります。事実、左利きの子どもは右利きに直されていた時代もありました。

 

しかし今は少し考え方が変わっているようです。つまり、左利きなら左利きのままでよしと考えられるようになってきたのです。一体それはなぜなのでしょうか。そして、右利きに直したことで生じるデメリットや、左利きのままでいることで困ることというのはあるのでしょうか。ご一緒に考えていきましょう。

 

左利きを右利きに矯正することで生じるデメリット

今の世の中には左利きで活躍している著名人がたくさんいますし、左利きということそのものがその人らしさとして認められるようになってきました。また、左利きの人は右脳と左脳がバランスよく成長していくため、空間把握をする力に長け、形術面での才能があることが多いなど、良いイメージの情報が知られるようにもなりました。さらに、はさみなど、左利きの人が使いやすいように作られたものが一般的に普及するようにもなってきています。

 

このようなことから、今では左利きの子どもを無理に右利きに直させる必要性が薄らいできているようです。そして、左利きのままでいさせた方が良いという考えにはもう一つ、大きな理由があります。それは、右利きに矯正したことで生じるデメリットがあるということです。

 

そのデメリットとは何かというと、矯正させられた子どもの自己肯定感を低くさせ、矯正させようとする大人との関係がうまくいかなくなることが予想されるというものです。まず、右利きへの矯正と子どもの自己肯定感についての関係についてご説明しましょう。

 

自然なままでいて左利きだったのに、それではいけない、右手を使わなければと言われた子どもは、そこでまず、自分はありのままではダメなのだととらえてしまう可能性があります。それに、子ども自身が頑張ってやったとしても右利きへの矯正はそう簡単にはできませんから、努力しているのにできない自分に対して失望したり、努力が足りないのだと責めてしまったりするかもしれません。

 

また、利き手でない手を使って作業をするわけですから、生まれつき右利きである子どもがやるよりも、どうしたって時間がかかります。他の子との差が生まれ、ますます自分に自信が持てなくなることが考えられます。

 

左だとうまくいくけれど、右を使わないと怒られる、そう思ってしまった子どもは、大人の目を盗んでこっそりと左手で作業をするかもしれません。そうなると、隠れていけないことをしている自分に対して自己嫌悪になるかもしれないのです。このように、右利きに矯正されられている子どもは、自分を肯定できなくなる可能性が高いのです。

 

では次に、矯正しようとしている大人との関係の悪化についてご説明します。先ほど述べましたが、無理に矯正させられた子どもは、左の方がうまく作業できるために、大人が見ていないところでこっそり左手の方を使ってしまう場合があります。そうなると、「どうして自分はこそこそと左を使わなければならないんだ」という思いに駆られ、矯正しようとしている大人に対して反感を持つようになるかもしれないのです。

 

また、右利きにしてやらなければという大人の思いが強ければ強いほど、「右でやらなければいけないと言っているでしょ!」「どうしていつまでもできないの!」と叱ってしまうことが多くなるものです。そうなれば、子どもとの関係が悪化するのは言うまでもないことでしょう。

 

こう考えてみると、左利きを右利きに直そうとすることは、とても大きなデメリットを持っているということに気づくことができます。そして実のところ、何とか右利きに矯正できた人の中には、自己肯定感の低さや他人に対する信頼感の低さに、ずっと悩まされ続けている人がかなりいるのです。これらのデメリットは決して軽く考えられるものではありません。

 

左利きだっていいじゃない!親は自信を持たせてあげよう

世の中には、左利きだと不便に感じることがたくさんあります。もともと文字というのは、右手で書くと書きやすいようにできていますから、左手で文字を書きづらいものです。それに、共同で使うために用意されたはさみはだいたい右利き用ですから、そんな時にはとても作業がしにくくなってしまいます。

 

だから、子どもが左利きだと「右利きに直させようかしら…」と思うのも当然ですが、左利きを右利きに矯正することには、大きなデメリットがあります。それは、本人の自己肯定感が低まり、矯正させようとした人との信頼関係が崩れる可能性があるというものであり、左利きであることによる不便さをしのぐほどの大問題です。

 

ですから、左利きを一つの個性ととらえ、そこが良さなのだと受け止めてみてはいかがでしょうか。今は、一人一人の個性が尊重され、個性を伸ばす考え方が主流なのですから。まずは親御さんの方から、左利きであることの良さや魅力を探し出していってもらいたいものです。

 

スポーツの分野では、左利きの選手がたくさん活躍しています。野球を例に挙げれば、左利きのピッチャーやバッターは試合に有利だと言われています。サウスポーは少数派なので、打つ側にしてみればその打球になれていないのです。それに、左利きなら一塁により近い位置から打つことができるのです。

 

サッカーやラグビーといった競技においては、左手や左足を自在に動かすことができるので、左サイドで活躍することができ、特別に「レフティ」という呼ばれ方までされています。また、展開スピードが速い競技ですから、一瞬の判断が大切になってきます。そんな時、右脳の働きが良い左利きの選手は重宝されるのです。

 

ボクシングの世界でも、左利きの選手はそれだけで優位に立てます。なぜなら、たいていの選手が右利きであるわけですから、左からの攻撃には慣れていないからです。

 

左利きの人は、スポーツ界においてだけ活躍しているのではありません。芸術家の中にも左利きの人がたくさんいると言われています。右脳は直感や創造を得意としていますが、左利きの人はこの右脳がバランスよく発達しているのだそうです。ですから、芸術面での才能が秀でることが多いと言われているのです。また、右脳と左脳の情報伝達が早いので、頭の回転がよく、天才肌の人が多いとも言われています。

 

左利きのお子さんにはぜひ、これらの事を話してあげてください。またその際、左利きの著名人の名前を挙げて説明すると、よりわかりやすくなり、きっと左利きである自分に対する自己肯定感がアップすることでしょう。

 

ちなみに、左利きの著名人には、次のような人がいます。

・中村俊輔(サッカー選手)

・内海哲也(野球選手)

・レオナルド・ダ・ヴィンチ(画家、建築家、解剖学者など)

・アインシュタイン(科学者)

・ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)

・バラク・オバマ(第44代アメリカ大統領)

 

左利きの人は、全ての人が過ごしやすい社会を作ることができる

バリアフリーという言葉はすでに社会に浸透していますが、実際のところはどうでしょうか。いまだ全ての人が過ごしやすくなっているとは言えない部分が、たくさんあるのではないかと思われます。車いすの人やベビーカーを押す人、目や耳が不自由な人など、少数派である人たちが過ごしにくい環境が、まだまだたくさんあります。

 

少しの段差、エレベーターのない建物、スロープまでが遠い入口…。どうして世の中が完全なバリアフリーになっていないかと言えば、そのような人たちに対する思いやりが、いまだ足りないからだと言えるのではないでしょうか。

 

そして、この世は左利きの人にとっても暮らしにくい部分がたくさんあります。それもまた、左利きの人への思いやりが不足しているからだと言えます。世の中を、全ての人が過ごしやすいものにするために、ぜひ左利きの人たちは声を上げてほしいものです。社会が右利きの人たちだけが使いやすいものであふれていると。そうでないといつまでも気づかれません。

 

左利きの人たちが、いかにこの世は左利きの人が過ごしにくいように作られているかを訴えれば、右利きの人にもそれが理解され、どんなものを作る時にも、利き手がどちらかということに関わらず使えるようにと配慮されるようになるでしょう。

 

それが当然なことになっていけば、これが発展し、どんな人でも使いやすいものを作るということが当然になり、本当の意味で、誰もが生活しやすい社会になっていくはずです。世の中が完全なバリアフリーになっていないのは、「バリア」というものがいまだに存在しているからです。

 

一番よいのは、バリア自体がなくなることです。どんな人でも使えるものばかりになり、どんな人でも過ごしやすい社会には、バリア自体がないのです。まず左利きの人がまず声を上げることで、右利きの人たちは今までどれだけ思いやりがなかったかに気づくでしょう。その気付きが、ひいては体の不自由な方への気づきとなるはずです。

 

ですから、ぜひとも左利きの人たちは、自分が左利きであることをマイナスにとらえず、自分たちが声を上げていくのだ、自分たちが社会を良いものにしていくのだと思ってほしいのです。親御さんたちには、無理に右利きに直さず、左利きの子どもの自己肯定感を上げてもらいたいものです。そうなれば、いずれどんな人でも幸せに暮らせる社会が実現するのではないでしょうか。

 

左利きの人が過ごしやすい社会にするために

今は、左利きの子どもを無理に右利きに矯正させることが減っているようです。しかしその裏、左利きの人が不便に感じることも、いまだたくさんあるのです。

 

例えば、駅の改札。左手の人が切符を通したりICカードをかざしたりするには、腕をクロスさせなければなりません。レードルの注ぎ口も、左手の人には使いにくい側に作られています。電子レンジの操作ボタンは右側にある場合が多いので、左利きの人は使いにくいそうです。

 

この世は、どんな人でも暮らしやすく作られていくのが理想です。ですから、左利きの人も苦労せずに生きていけるようにしていかなければならないのと思います。まずは、この世がいかに右利きの人のために作られているかを知るべきでしょう。

 

「ぎっちょ」という言葉を聞いたことがありますか?これは、右利きではない人の事を称した言葉ですが、左利きの方の多くが、この言葉を差別用語だと感じているそうなのです。ですからこの言葉を使うのは、もうやめた方が良いでしょう。わざわざ「ぎっちょ」と言わなくても、左利きと言えばよいだけですし、スポーツの世界では「サウスポー」や「レフティ」という言葉もあるのですから。

 

また、子どもに「右はどっち?」と訊かれて「お箸を持つ方よ」などと何気なく答えることはありませんか?でも、左利きの人にとっては、箸を持つ手は左手ですから、この答え方は間違っているのです。ましてや尋ねた子どもが左利きであれば、右と左を混同してしまうに違いありません。

 

子どもにこのように訊かれた時は、「あなたが今着ている服の胸ポケットの方が右(左)よ」などという言い方をすればよいでしょう。左利きの子どもが混乱しないように、また、子どもの自己肯定感を低くさせないために、大人は注意を払う必要があるのです。

 

そして、ものづくりを仕事としている人たちには、ぜひとも左利きでも使いやすいかどうかを考えながら、商品を開発していってほしいものです。左利きの人は、全人口の10パーセントを占めています。それらの人たちが必ず買うと思えば、左利きでも使いやすい商品の売り上げは、確実に伸びると思うのですが、いかがでしょうか。

 

いろいろな側面から、左利きの人が過ごしやすく、堂々と生きていける世の中にしていきたいものですね。

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