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最近の子どもたちは背筋が弱い?

背筋力

昔に比べて子どもたちの背筋の力が弱くなり、姿勢が悪く猫背傾向があったり、足の指に力を入れることができないようなケースが増加してきていると言われます。子どもたちの背筋力の低下についてチェックしてみましょう。

 

子どもたちの背筋力が弱まってきた

子どもが発育するにあたって、背筋の力が発達するのは重要な意味を持ちます。背筋が弱いと正しい姿勢が維持できなくなるためです。そして子どもたちの背筋力は年々弱まってきていることが指摘されています。

 

文科省は1964年から子どもたちの体力や運動能力の調査を行っていますが、この調査結果を見れば背筋力の低下は明らかです。例えば、小学校四年生の男子の背筋力の数値を見ると、1970年に65kg付近で推移していたものが、1983年には60kg未満となり、以後は50kg台後半のあたりをいったりきたりしているという結果が出ています。

 

この調査は子どもが腰を痛めることがあったというような理由により1998年には中止され、現在ではより状況が把握しにくい状態になっていますが、低下傾向が改善しているとは考えにくいです。

 

筋力測定中に体を後ろ側にまっすぐ傾けようとしてもできずに反り返ってしまう子どもや、直立して立っていても膝が曲がってしまっているような子どもも目立っていました。

 

子どもたちの背筋力の低下は、実際の教育場面からも影響を懸念する声が上がっています。最近増えてきている落ち着きのない子ども、授業時間の間にきちんと座っていられなかったり、長い時間集中できないような子どもは、この背筋力の低下が影響しているのではないかという声も上がっています。

 

また、コンビニの店頭や駅、電車内などで地面に座り込んでいる若者の姿を目にすることがありますが、これも背筋力の低下によるものではないかという説があります。

 

大学生に対して行われる体力測定の際にも、測定のための準備運動をしている段階で疲れ切ってしまう学生が現れるなど、背筋力に代表される体力の低下がはっきりと見られます。

 

背筋力の低下の原因は運動の少なさにある

人間の背筋は、人間の行ういろいろな運動――立つ、歩く、走る、跳躍する、といったもの――に大きな影響を与えています。背筋力とはその人間の腰の力を示す指標であり、地球の重力に抗いまっすぐな姿勢を保つために必要な筋力だからです。

 

まっすぐ立った姿勢を維持するだけであれば、自分の体重と同等の背筋力を持っていれば足ります。しかし、そこからなにがしかの運動をする場合には、それだけでは足りずより大きな筋力が必要になります。

 

若い世代の背筋力の低下は、幼稚園から大学に至る広い年代において見られる現象になっています。このまま若い世代の背筋力が弱まっていけば、育児をしたり介護をしたりする際にかかる腰への負担に耐えられず、多くの人が苦しむような時代が来るのではないかという指摘もあります。

 

若い世代の背筋力が下がってきた原因もさまざま論じられていますが、一番は家の外で子どもたちが遊ぶことが減ったためではないかとされています。この傾向は30~40年前から現れ始めています。

 

30~40年前といえば各家庭にカラーのTVが普及し始めた時期です。その後TVゲームや車が普及したり、全国各地で都市化が進んだこと、受験戦争の過熱で塾通いをする機会が増えたことなど、いろいろな要因が複合的に絡み合っていると考えられます。

 

日々運動する量と背筋力の強さに関係があるかどうかを調べた研究があります。体をよく動かし運動している子どもと、屋内で遊びがちで運動が少ない子どもを数人選び、ある程度運動をしてもらった後で背筋が発する電気の量を調べるというものです。

 

調査の結果、普段から体をよく動かしている子どもの方が、運動が少ない子どもよりも1.5倍も活発に背筋が活動していることが分かりました。このことからも、運動をしないと背筋力が下がるということが分かります。

 

古い調査になりますが、幼稚園児が一日にどれぐらい歩いているかを調べた結果を見ても、1984年には平均19,500歩だったものが1997年には平均11,100歩となっており、十数年で40%以上も減っています。現在は更に減少していると考えられます。

 

どうすれば背筋力を鍛えられるか

子どもたちの背筋を鍛えて筋力をつけさせるにはどのようにすればいいのでしょうか?

 

重要なのは幼い時期にどのように過ごすかということです。歩き方が定まり初め、体が作られていく3歳から4歳ぐらいの時期に体を使って遊ぶことができるか、運動の機会があるかということが大事です。

 

特に難しいことをする必要はありません。家の外で走り回り、体を動かして遊ぶという全身の運動を日々行うことが背筋力を鍛えるためにはたいへん有効です。

 

もともと子どもたちの背筋力が低下した原因は周囲の環境が変わったことであったり、生活習慣が変化したことにあります。何か特別な病気があるわけではありませんから、逆に言えば改善するのも簡単です。

 

いずれにしても、子どもたちの背筋の低下は深刻であり、対策を講じる必要がある段階に来ています。学力面だけでなく体力面にも目を向けて子どもたちの成長を見ていく必要があるでしょう。

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