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男の子を叱るときには筋道立てて

ロジカルに叱る

女性は感覚的にものごとを受け容れますが、男性は理屈で割りたがる傾向があります。これは子どもであっても変わりません。女の子は感情的に叱りつけても理解してくれますが、男の子には感情論は通用しないことが多いです。男の子を叱るときにはどんな工夫をすればいいのかについてチェックしてみましょう。

 

女の子は感覚的に叱っても大丈夫だけれど……

ことさらに指摘するまでもないことですが、あらゆるものには原因とそれに伴う結果がつきものです。例えば、子どもの成績が前よりも下がったというような場合であっても、何の原因もなくそうなるということはありません。例えば勉強をサボっていた、授業に集中していなかった、他のことに気を取られていて勉強がおろそかになっているなど、何らかの原因があるはずなのです。

 

料理の話になりますが、調味料の使い方に「さしすせそ」と呼ばれる基本的なやり方があります。料理で調味料を使うときには、砂糖、塩、酢、醤油、味噌の順番に使うようにする、というものです。これは経験的に正しいというだけのことではなく、きちんとした理由があります。例えば塩の分子は砂糖の分子よりも小さく、先に塩を使ってしまうと具材の中に砂糖の味が入り込みにくくなるため、砂糖は塩よりも前に使う、といった具合です。

 

このようにものごとには原因や理由がかならずあるものですが、女性の多くは理屈はどうでもよく、体験的に、あるいは感覚的にものごとを捉えたがる傾向があるようです。

 

先ほどの「さしすせそ」についても、砂糖を使う前に塩を使ってしまうとあまり味がしみないから、といったようにきちんとした理由ではなく体験でその順番を把握している人であったり、「理由なんか知らないけどとにかくその順番なんでしょ」といったようにそもそも理由に興味が無いという態度を取る人が多かったりします。

 

これに対して、男性の多くはものごとに理屈を求めたがります。「さしすせそ」についても、前述のような根拠を示されるまでは納得しない、というような人が多いのです。

 

こうした傾向は大人だけでなく子どもの時にも見られます。男の子は、どんなことであってもまず「どうして?」と考えてしまうのです。キッチンでお母さんが料理をしている時、「鍋の蓋はぜったい取らないで」と言われて素直にそんなものかと納得できるのは女の子で、男の子は理由を聞かないと納得できません。

 

例えばオーブンでシュークリームを作っている時。生地がふくらみかけている途中でオーブンの蓋を開けてしまったりすると、生地がふくらまずしぼんで失敗作になってしまいます。お母さんがキッチンで難しい顔をしている時、女の子はすぐに余計なことをして邪魔しない方がいいなと感じ取ることができるものです。しかし、男の子の場合はそうはいかず、好奇心に突き動かされてオーブンの蓋を開けてしまったりすることがあります。

 

子どもがそんな行動に出たとき、つい感情的になって頭ごなしに「何やってるの、邪魔しないで!」と叱りつけてしまうこともあるでしょう。叱られたのが女の子の場合、たとえ感情的なしかり方であっても、自分が何かまずいことをしでかしたんだ、と悟ってくれます。

 

しかし、これが男の子の場合はそう簡単にはいかず、なんで怒ってるの? とか、僕は何か悪いことをしたの? と考えるのが関の山なのです。そして、何かしたときに感情的に叱られるという体験を積めば積むほど、男の子は親に対して距離を置くようになってしまいます。

 

このことは勉強するときでも同じです。親が勉強しなさいと叱った時に、女の子がつべこべ言わずに机に向かうのに対し、男の子はそうはいかず「今日は遊びに行きたいのに何で勉強しなきゃならないの」と考えるものです。そこでヒートアップして「毎日ちゃんと勉強しなさいっていつも言ってるでしょ!」などと怒鳴っても結果は同じです。

 

女の子は、「また怒られるから先回りして宿題やっちゃおう」ぐらいに考えて行動に移しますが、男の子に感情論は通用しません。そのたびに「よくわかんないけど怒ってる」ぐらいにしか捉えてもらえないと理解しておかないと、ストレスばかりためることになります。

 

男の子に接するときには少々理屈っぽく

だからといって、やってはダメなことを教えたり、きちんとした勉強の習慣をつけるように指導するのは親の仕事です。「この子は怒っても聞かない」「どんなに言ったって分からない」などとあきらめてしまったら親としての役割を果たしていないと言われても仕方がないでしょう。どうにかして理解させる必要があります。

 

最初に、「どんなに言ったって分からない」というのは親側の怠慢であるということを認識することです。「どんなに言ったって分からない」のではなく、「子どもが分かるような言い方で言っていない」にすぎないのだと考えを改めねばなりません。

 

お母さんは女性ですから、女の子については自分の感覚である程度理解できます。同じ女の子だからこんな言い方である程度通じる、というところが見えるわけです。しかし男の子は小さいといっても異性ですから、どんなふうに言えば通じるのか本質的によく分からないのも無理はありません。

 

男の子を叱るときに大事なのは、理屈を通して分からせることです。男性というのは大人も子どもも、理屈を通してでないと理解しようとしない存在です。何かが分からないときに、どうしてそうなるのかということが理解できないとダメなのです。

 

これは親に叱られた際でも同じです。どうして自分が叱られたのかが理屈で理解できないと、それがいけないことであるというふうに理解が進まないのです。女の子は「怒られたイコールそれはいけないこと」という理解ができますが、男の子はそれでは理解できないと考えるといいでしょう。

 

シュークリームを作っている時に好奇心でオーブンを開けてしまった時の例で言えば、「何やってるの、邪魔しないで!」で通じるのは女の子です。男の子の場合、「シュークリームはね、オーブンでいっぺんに熱を加えないときれいにふくらまないの。途中でやめると、そんなふうにぺちゃんこにつぶれてしまうのよ。だから、焼いているときには絶対にオーブンの蓋を開けちゃダメなの、わかった?」というふうに筋道立てて教える必要があります。

 

さらには、オーブンで調理するとシュークリームが膨らむ理由まで説明できればもう完璧です。男の子であっても、そういう形で理解すれば今後は邪魔することはなくなります。

 

このようなやり方は一見面倒かもしれませんが、幼いころから理屈立ててものを考えることで男の子はあらゆることを理論的に考察する傾向を身につけていきます。そしてそれは結果として男の子の頭を良くし、勉強の方にもいい影響を与えることになります。感情的になって怒鳴ってばかりいるとこうした傾向が育たず、男の子は学習能力を伸ばす機会を失うという考え方をするようにしてみて下さい。

 

男の子は理屈で生きる生き物ですから、接するときにはこちら側も多少理屈っぽくする必要があります。理屈で理解させるには説得力のある表現が大事になってきます。完全に理解できないまでも、ものごとには原因と結果があるのだということだけでも理解させればOKです。そうやって培った理論的な考察力により、男の子は理系的な強みを発揮できるようになっていくのです。

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