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カンガルーケアで親子の絆を育む

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カンガルーケア

近年、多くの産科で「カンガルーケア」なる取り組みが行われるようになってきました。はじめは保育器などが不足している開発途上国において、赤ちゃんをお母さんの体温で温めるためのケアとして始まった取り組みですが、現在では赤ちゃんとお母さんとの間に強い絆を育むことができるということで注目され、各地で導入が進んでいます。どういった取り組みなのかについて見ていきましょう。

 

カンガルーケアとはどういうものか

カンガルーケアは、「生まれたばかりの赤ちゃんをお母さんの裸の胸にぴったりとつけて包み込む形で抱く」というやり方で行われます。その様子が、腹部のポケットに赤ちゃんを入れて育てるカンガルーの親子のようだということで、こうした呼び方がされるようになりました。

 

なお、母親だけでなく父親も行うことができ、お父さんとしての自覚を呼び覚ましたり、夫婦間の関係を深めたりするのに役立つと考えられています。

 

カンガルーケアは、お金をかけられない環境下でも赤ちゃんの体調を落ち着かせることができ、また感染症対策にもなるということで始められた取り組みですが、最近では先進国でも親と赤ちゃんの間でコミュニケーションをとる手段の一環として利用されています。カンガルーケアは、日本においては平成7年ごろから導入が始まりました。

 

カンガルーケアを行うことで、赤ちゃんはお母さんのお腹の中に戻ったような感覚を得て安心することができます。それによって子供の体温や心拍、呼吸が落ち着き、泣き止むといった効果があります。また、この時に赤ちゃんにお母さんのおっぱいを吸わせて覚えさせると、「お母さんのおっぱいは、これ!」という刷り込みがされ、後の授乳がすんなり進む場合が多くなります。

 

一方、出産直後に赤ちゃんに乳房を吸われることにより、お母さんの母乳の出がよくなるという効果もあります。それだけでなく、早産によって低出生体重児を生んでしまったようなケースでは、お母さんが自責の念にかられることを防ぎ、心理的なケア効果も見込めると考えられています。

 

カンガルーケアによって育まれる親子間の絆

こういった様々な効果を赤ちゃんとお母さんに及ぼすカンガルーケアですが、その中でも最近一番注目を集めているのが親子間の関係性です。

 

日本の産科医療は世界一の技術水準を持っており、このために新生児死亡率は世界最低を誇っています。しかし一方で、赤ちゃんは生まれた直後から手厚い看護を受けるため、お母さんの出番は少ないのが否めません。

 

特に生まれた赤ちゃんが早産であった場合や低出生体重児であるような場合、赤ちゃんの容態を集中的に管理したり治療したりするために、新生児特定集中治療室に入れられることになります。こういった場合は、しばらくお母さんからも隔離されることになってしまうため、お母さんは子供が産まれたという喜びを感じつつもその後の育児に不安を持ってしまったり、子供に対してうまく愛情を抱くことができなくなってしまうような場合も少なくありません。

 

こうしたことを防ぐため、生まれたばかりの赤ちゃんとお母さんの間で感情的なやりとりを図ることができるカンガルーケアが重要になってきます。生まれたばかりの赤ちゃんを肌に直接触れる形でお母さんの胸にのせると、赤ちゃんはだんだんとよく動くようになり、50分もすると自分でお母さんの乳首を見つけ出して吸い付きます。お母さんは我が子のそうした姿を見、身体の温かさを感じてものすごく感激し、母性を感じるようになります。

 

赤ちゃんを生んだばかりのお母さんは、強い覚醒作用の効果を受けた状態になっています。また、胎盤がはがれることによって、プロラクチンという母乳を出すホルモンが分泌されるようになります。ここで、赤ちゃんに乳房を吸われた感覚を感じることにより、精神的にも肉体的にもより母親になります(母性を感じ、母乳の分泌が更に促されます)。

 

逆に赤ちゃんの方は、出産という体験を通して強いストレスを感じているため、生まれてすぐは頭がはっきりしており、目もしっかり覚めています。このため、このタイミングであれば、自分で乳首を見つけ出して吸うのです。

 

それを示すかのように、赤ちゃんの具合を見たり身体の大きさを測ったりするために、お母さんのもとからいったん離し、1時間ぐらいしてから再びカンガルーケアの態勢に戻したとしても、自発的に乳首を吸うという行動はもうしなくなる場合がほとんどです。

 

こういった親にとっても赤ちゃんにとっても素晴らしい体験は、出産直後のほんのわずかな時間にしか体験することができないものです。カンガルーケアを行うことによって、お母さんは心に母性を抱くようになり、赤ちゃんとの間に強い絆を持つことができるようになるのです。

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