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女子の受験事情と詰め込み勉強の弊害

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受験勉強

このご時世、女の子はいい結婚さえできればいいから勉強はできなくてもいい、などと考えている親はほとんどいないと思います。それを示すかのように教育熱心な親が増えてきていますが、勉強の仕方を誤ると子どもを駄目にしてしまいかねないとする意見もあります。

 

入試と受験勉強の現状は

明治・大正期でもあるならともかくも、女の子はいい結婚ができればそれでいいので勉強なんかできなくても構わない、などと考えている親はほとんどいないと思います。こうした言うなれば時代遅れな考え方がなくなってきたのは、男性に負けずにビジネスの場で成功を収める女性が増えてきており、大きな会社の社長に女性が就任したり、女性が政治家や高級官僚になったりしても特に話題にもならなくなったことを見れば明らかです。

 

このように、社会の中で言われる女性のあるべき姿が変化していくに従って、最近の親世代はたとえ女性であっても学歴やキャリアは大事、と考えるようになっています。そうした考え方が浸透してきたためか、子どもが小さいころから幼児教室に通わせたり習い事や塾に行かせたりと、教育熱心な親が増えてきているようです。

 

いちおう私立の女子校というものは昔から存在し、そこに入るために受験勉強にいそしむ女の子がいないわけではなかったのですが、そうした私立の女子校の多くはいわゆる「お嬢さん校」と言われ、学業よりもどちらかと言えば入学した子どもを妻や母として優れた女性にするということを目標に掲げていました。

 

一方、最近の女の子たちは、良い大学に進学できそうな進学校を目指し、場合によっては小学校や幼稚園のころから厳しい受験勉強をしたりしています。昔に比べればはるかにたいへんな勉強をするようになっていると言えるでしょう。

 

となれば、偏差値を上げ、そういった厳しい受験を勝ち抜くために効果のある勉強方法が気になってきますが、いったいどういったやり方をすれば効果が上がるのでしょうか?

 

中には辞書を持ち込んでもよかったり、記述式の解答や小論文といった形で「考える力」を重視した受験をしている大学もありますが、そういったところはごく一部です。ほとんどの場合、多くの子どもたちが目指すいわゆる有名大学を受験しようとすると、どうしても何をどれだけ知っているか、といったことを問われることになります。

 

そうなれば、ものを考える力など後回しで、文法や単語、年号や用語、公式といったものをとにかくまずひたすらに記憶するということに重点がおかれるといったように、丸暗記や知識詰め込み型の勉強が幅をきかせるようになります。

 

詰め込み学習は子どもの才能を駄目にしかねない

しかし、こうした丸暗記や知識詰め込み型の勉強によって、本来子どもが持っているさまざまな才能が駄目になってしまうと指摘する専門家もいます。本来子どもというものは好奇心を満たすために行動するもので、そうした行動からさまざまなことを体験し、知識を得ていくものです。それによって実体験に基づく知識や真の教養といったものを体得していくのが、子どもにふさわしい教育だというのです。

 

確かに、厳しい受験競争を勝ち抜くためには、なるべく早いうちから勉強し、ものごとを暗記し、知識を増やさねばなりません。そうした現実を前にして、中にはさまざまなことを体験するのは大学に合格した後からでもできる、今はとにかく受験のための勉強をさせるべきだという意見の親もあるかもしれません。

 

しかし、子どもならではの好奇心の発揮と豊富な体験ということを封じ、ひたすら知識の詰め込みばかりを子どもにさせることは、やはり子どもの成長に大きな悪影響を及ぼしかねません。好奇心や自分のしたいことを圧殺してきたために自分の意見を持てなくなってしまった子ども、自分の周りの人間とうまくやっていくことができない子ども、勉強ができることを鼻にかけてプライドばかり肥大した子どもといったものにしてしまいかねないからです。

 

親としては、自分の娘が将来どんなふうになっていって欲しいのか、よく考える必要があるでしょう。たとえば、まだまだ男性が強い社会の中で鋭い知性をもって抜きんで、国の命運さえ担っていくようなエリートになってほしいのか、あるいはどんな人からも愛され、好奇心旺盛で、しかしものごとの本質をきちんと捉えることができるような賢い女性になってほしいのか、などです。

 

女の子たちの間で人気が高い上智大学を例に取ってみてみましょう。この大学に入るには、一般の入学試験に合格することの他に、推薦入試で入学する方法と帰国子女に割り当てられた枠を使って入学する3つのやり方があります。そのうち、一般入試のたいへんさはその道のプロさえも驚いてしまうほどだといいます。

 

上智大学の入学試験では選択式で解答する問題が出されます。一般に、選択式の場合には正しいものをA~Dの中から選べ、といったような形式で問題が出されますが、上智大学の場合にはそれに加えてどの選択肢も当てはまらない時に選択する選択肢がもう1つ追加されている場合も過去にはありました。また、一見簡単そうに見えて足をすくうようなひっかけ問題も多く、分からないからヤマカンで、というわけに行かない作りになっています。

 

このため、上智大学の入学試験はたいへんな難関になっており、ここに入りたいと思う子どもたちはなるべく早いうちから丸暗記や知識詰め込み型の勉強をして入試の対策をしなければならないというのが通説です。遊ぶ時間どころか、読書や音楽鑑賞、その他の趣味に割く時間など無くなってしますかもしれません。

 

そこまでして大学に合格したとしても、入学した後にあまり報われない結果になることもあります。一般入試枠で入学した成績のいい子どもの中には、大学内で友人ができず、孤立することがままあるというのです。

 

一例ですが、海外で長く暮らし、帰国子女枠で上智大学に入学した子などに言わせると、一般入試枠で入学した子どもたちは自分がしたいことを主張できないわりに難関の試験を突破したというプライドだけが高く、つきあっていてもつまらないので孤立するようになることが多いといいます。成績優秀な子ほどこうしたことになりやすいというのは、勉強以外のすべてを犠牲にしてきたツケだと言えるでしょう。

 

こういった例が見られるため、知識をひたすら詰め込む「だけ」の勉強をすると子どもが潰されてしまう危険性がある、というわけです。

 

暗記や知識を詰め込むやり方で勉強することがすべて悪いというわけではありません。特に学歴社会を乗り切っていくときには、こうした勉強をすることも確かに必要ではあるからです。

 

しかし、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしで、子どもならではの感性を磨くための活動や、子どもが楽しめる趣味などをすべて圧殺してまで勉強にかかり切りになることは明らかにやり過ぎです。子どもたちの学習環境を整えるに当たって、親のほうはこうした点をきちんと把握しておくべきでしょう。

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