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やり抜く力は勉強にも社会に出てからも必要!子供のやり抜く力を育てる親の心構え

ルービックキューブでやり抜く力を鍛える親子

人が物事を成し遂げるには、やり抜く力が必要です。チャレンジ精神があっても、途中で投げ出してしまっては、何かを成し遂げることはできません。やり抜く力とはどんなものなのか、見ていきましょう。

 

やり抜く力を支える達成感と忍耐力

やり抜く力とは、物事を最後まで成し遂げる力です。それには、達成感と忍耐力が欠かせません。何かをやり遂げたときに感じる達成感と、やり遂げるまでに出会う様々な困難に打ち勝つ忍耐力です。

 

山登りを例に見てみましょう。山に一度でも登ったことがある人は、頂上に着いたときの達成感を知っています。初めての人は、経験者から話を聞いたり、上を見上げたりしてイメージを膨らませることができます。

 

達成感は、経験の有無に関わらず、そのときに取り組んでいる物事をやり遂げたときの気持ちを強くイメージすることから始まります。達成感という強い気持ちが、山を登る原動力になります。

 

しかし、達成感を味わうには、たくさんの困難が伴います。そのときに必要となるのが、忍耐力です。登り始めは意気揚々と足取りも軽く、ウキウキしています。3合目、4合目と進むうちに、だんだん疲れ、会話も少なくなっていきます。雨が降りだしたり、ロープを使って登るような岩場に遭遇したりすることもあるでしょう。

 

そんな困難に立ち向かう強さ、辛くても我慢する力が忍耐力です。仲間と励まし合ったり、自らを鼓舞したりして乗り越えます。どんなに辛いときも、自分ならできると信じて一歩一歩と歩を進める強さが求められます。

 

このように、達成感を原動力にし、忍耐力を困難に立ち向かう盾にして、物事をやり遂げるのです。何か1つ、やり遂げることができれば、そのときの達成感を糧にして、次の目標に向かうことができます。何かをやり遂げるという経験がやり抜く力を強くしていくのです。

 

やり抜く力が成績を伸ばす

やり抜く力を持っている子は、難しい問題を前にしたとき、決して人から教えてもらおうとはしません。すぐに正解を気にする子とは正反対です。誰かが正解を導き出しても、頑なに答えを聞かず、自分で考えようとします。自分で答えを導き出したときの達成感を知っているから、何としてでも自分で頑張りたいのです。

 

自分で考え抜くことができる力は、成績が伸びる条件の1つです。すぐに答えを聞くのではなく、自分で考えて抜いて、それでも分からなければ答えを聞くという態度が学習には必要です。自分の頭で限界まで考えているから、答えを聞いたときの理解も深くなります。

 

強固なやり抜く力は、元の頭の良さを凌駕します。要領がよく、授業だけ聞いていればテストでそこそこの点数を取れる子よりも、わからない問題をとことん追求するやり抜く力を持っている子の方が、成績は伸びます。

 

やり抜く力は、何かをやり遂げる度に強化されます。山登りやサイクリング、マラソンなど、どんな経験でも構いません。勉強で言えば、算数の文章問題や国語の長文読解もあります。日常生活では、夏休みに毎日ラジオ体操に行くことや1冊のノートを使い切ることです。

 

何かをやり遂げるためには、嫌な思いをしたり、投げ出したくなったりするものです。それでも頑張ろうと思えるのは、その先にある達成感を知っているからです。やり抜く力を育てるためには、子供の頃からたくさんの経験をさせることが大切です。

 

算数や国語で求められるやり抜く力

算数や国語では、読解力が求められます。国語の長文や算数の文章問題を読解するには、精読力が必要です。精読力は、文章(特に長文)を読む際のやり抜く力と言えます。やり抜く力がなければ、途中で投げ出してしまったり、諦めてしまったりします。

 

精読力は、自分の好きな本を読んでいるときとは違い、一字一句読み飛ばさず、正確に理解する力が求められます。

 

精読力というと、国語で求められる力だと考えられがちですが、算数においても欠かせません。むしろ算数の方が、より高度な精読力が求められることもあります。次の問題は、筑波大学附属駒場中学の算数の入試問題です。

 

「あるお菓子を作る機械が3台あり、それぞれが一定の速さで休まずにお菓子を作ります。機械によって作る速さは異なり、機械Aだけを使って60個のお菓子を作ると、ちょうど3時間かかります。また、機械AとBを使うと1時間12分、機械AとCを使うと1時間で、作りかけを出すことなく60個のお菓子を作ることができます。次の問いに答えなさい。」

 

この後に更に3つの小問が続きます。実際に読んでみると、大人でもかなりの注意力を持って読まなければならないことが分かるでしょう。このような問題に対応するためには、一字一句正確に理解する力が必要です。単に言葉として読めるだけでなく、状況をイメージし、問われている内容を理解しなければなりません。

 

そのためには、精読力が求められます。試験の時間は限られていますから、問題を一度で理解できるだけの精読力が必要です。細心の注意を払って、読み切るだけの意志力も必要です。

 

精読力と意志力の基礎となるのがやり抜く力なのです。論理的思考においても国語の基礎となる漢字や語彙を身につけるためにもやり抜く力はなくてはなりません。やり抜く力は全ての学習において欠かせないものです。

 

社会に出てからも欠かせないやり抜く力

社会で働くとき、やり抜く力はなくてはなりません。任された仕事を途中で投げ出してしまっては、一人前の社会人として認められません。最後まできちんとやり遂げることが当たり前のこととして求めまれます。

 

「石の上にも3年」という言葉があります。石の上でも3年続けて座れば暖まるという意味から、辛抱することの大切さを表すものです。仕事も初めはうまくいかなくても、最低3年が頑張ってみるように言われたものです。しかし、最近では結論を急いでしまう人が少なくありません。

 

社会人1年目、希望を持って働き始めます。1ヶ月、2ヶ月と働くうちに、思い描いていた社会人のイメージと現実のギャップに気づきます。ある人は、「新しいイベントを企画して、地域を盛り上げたい。」と希望して入社しました。しかし、回ってくる仕事は雑用ばかりで、やりがいを見いだせません。

 

先輩の企画の手伝いや上司の書類整理など、自分でなくてもできると思えるような仕事ばかりです。それでも与えられた仕事を愚直にこなすうちに、仕事のコツを掴んでいくものです。仕事ぶりを認められれば、新しい企画を任されることもあるでしょう。

 

どんな仕事でも、初めから思い通りにいくことはありません。それでも3ヶ月、半年、1年、3年とやり抜く力が必要です。「石の上にも3年」と辛抱して、働き始めのことを振り返ると、自分がどれだけ未熟だったかに気づくはずです。

 

社会で必要とされるやり抜く力を子供のうちから身につけさせたいものです。やり抜く力は、1つの物事をやり遂げる度に強化される後天的な力です。親は、物事に取り組む忍耐とその後に待っている達成感を味わわせる体験を多くさせてほしいと思います。

 

やり抜く力を育むために親が見本を見せる

子供のやり抜く力を育てたいと思えば、まずは親が見本を見せることです。仕事でも遊びでもとことんやり抜く姿を見せてください。特に、子供と一緒に過ごす休みの日はやり抜く姿を見せてほしいと思います。つまり、子供と一緒に思いっきり遊ぶことです。

 

休日に公園に出かけると、多くの家族連れを目にします。しかし、子供と一緒に遊んでいる親は半数にも満たないのではないでしょうか。親同士の話に夢中になっていたり、一緒にはいるものの、見守るだけだったりする親が多くいます。中には、スマートフォンをいじっていたり、隅でタバコを吸っていたりする親もいます。

 

子供と過ごす時間ほど、思いっきりやり抜く姿を見せなければなりません。時間は30分でも1時間でも構いません。親自身がやり抜いたと感じるまで、思いっきり子供と遊ぶことが大切です。鬼ごっこでも、かくれんぼでも、子供と一緒に100%の力で遊ぶのです。

 

特にここは父親の力の見せどころです。父親も童心に戻って子供と本気で遊んでほしいと思います。鬼ごっこをするとき、子供相手だからと手を抜く必要はありません。全力で走り、追いかけ、タッチする方が、子供は喜びます。

 

子供が親と遊びたいと思うのは、ほんの一時期です。小学校、中学校と年齢が上げるにつれて、友達と過ごす時間が増えたり、部活動で遊ぶ時間自体が減ったりします。親と遊びたいと思うのは、幼児期から小学校低学年にかけてくらいまででしょう。その時期に遊びを通じて、親が見せたやり抜く姿は、子供の心にしっかり刻まれているはずです。

 

最近では、頑張ることが格好悪いと思う子供がいますが、親が何かに夢中になっている姿を見たことがある子供は、そうは思いません。趣味のジグソーパズルでも、草野球でも、料理でも、親自身が好きなことを夢中になってしてほしいと思います。親が夢中になっている背中から、一生懸命やることの格好良さを学ぶのです。

 

親自身が見本になって、子供にやり抜く姿を見せることが、子供のやり抜く力を育てます。何か特別なことが必要なのではなく、一緒に遊ぶこと、夢中になる姿を見せることで十分なのです。

 

目標を達成する度にやり抜く力が強くなる

ビジネスでもスポーツでも、その世界で活躍している人にはある共通点があります。それは、目標を設定し、それを1つ1つクリアする度に、力をつけているという点です。やり遂げた達成感が次の目標へと駆り立て、気づいたら大きなところに行き着いたという具合です。

 

大相撲で活躍するある力士は、地域の小さな相撲大会で優勝したことが相撲の世界に入るきっかけだったとインタビューで答えていました。そこから、相撲の面白さに目覚め、プロを目指すまでになったのです。

 

どんなに小さな目標でも1つ1つ達成する度に、喜びを感じることができます。目標を立て、努力し、達成する経験を多く積むことが大切です。達成感を得る体験が多ければ多いほど、やり抜く力は強くなっていくのです。

 

やり遂げた経験が自信になる

ある小学校での話です。A君は、運動が苦手で小学5年生になっても、跳び箱を跳ぶことができませんでした。何度やっても跳び箱の上に座ってしまい、跳び越すことができません。体育は苦手でしたが、その中でも跳び箱の授業は嫌で嫌でたまりませんでした。

 

ある日、先生が「クラス全員が跳び箱を跳べたら、みんなでお祝いパーティーをしよう。」と言いました。盛り上がるクラスをよそに、A君は、「僕のせいでお祝いパーティーなんてできないよ。」と思っていました。

 

体育の授業では、クラスのほとんどの友達が跳び箱を跳んでいきます。A君もチャレンジしますが、やっぱり跳べません。授業の後、先生が跳べなかった子供達を集めました。「みんなは跳び箱が跳べるようになりたい?」と先生が聞きました。

 

A君も心の中では跳びたいと思っています。A君は小さな声で「はい。」と答えました。「じゃあ、昼休みに練習しよう。」と先生は言いました。それから毎日昼休みに練習をしました。助走をつけたり、手を付く位置を伸ばしたり、体重を支える練習をしたりと毎日毎日練習しました。

 

一緒に練習していたクラスメイトは、1人2人と跳べるようになりました。友達ができるようになるのは嬉しい半面、A君は「やっぱり僕はできないんだ。」と悲しい気持ちになっていました。

 

「みんな跳べるようになったから今日の練習は1人かな。」と考えながら、体育館に向かうと、たくさんのクラスメイトが応援にきていました。「A君ならできるよ。」「私も頑張ったらできたから、A君も頑張ろう。」と声をかけられ、A君もやる気になりました。

 

そして、ついに、A君は跳び箱を跳ぶことができたのです。「A君おめでとう!」「やったね!」「みんなでお祝いパーティーをしよう!」とクラスメイトから次々と声をかけられました。A君の顔は、満面の笑顔と感動の涙でくしゃくしゃになっていました。

 

それから、A君は何事にも一生懸命に取り組むようになりました。授業中で積極的に発表したり、分からない問題も諦めずに自分で解こうとしたりするようになりました。家では、自分から手伝いや片付けをするようになりました。

 

跳び箱を跳ぶという成功体験が、A君にとって大きな自信になったのです。目標を達成するために、困難を乗り越えて一生懸命頑張ったというやり遂げた感覚が、次の目標への原動力となりました。

 

1位になる、表彰を受けるなどの人より抜きん出た結果でなくても、何かをやり遂げる体験でやり抜く力を強化することができます。苦手なことを克服する、できないと思っていたことができるようになるという体験は、子供にとって大きな財産なのです。

 

親の甘やかさない態度が忍耐力を育てる

子供に忍耐力を持たせるためには、幼いうちにダメなことはダメとしっかり教えることが大切です。子供のわがままを何でも聞いていては、子供は何でも自分の思い通りになると勘違いをしてしまいます。自分の思い通りにいくことばかりではないと子供に自覚させなければなりません。

 

スーパーやデパートで「買って!買って!」と親にせがむ子供がいます。そんなときに、子供のわがままに付き合ってはいけません。ダメなものはダメだと、はっきりと教えなければなりません。

 

簡単に何でも買い与えてしまうことは、後に大きな問題を引き起こします。子供が大きくなり、体力もついてきた頃に、親に暴力を振るう事態に発展した家庭があります。子供部屋には、1つ何万円もするおもちゃやブランドものが所狭しと、置かれていたといいます。

 

幼い頃から何でも買ってもらえたという体験は、何でも自分の思い通りにいくという間違った感覚を子供に与えてしまいます。もちろん、買い与えだけでなく、他の場面でも子供を甘やかしてしまった結果が、家庭内暴力という大きな事態を招いたのでしょう。

 

子供に忍耐力をつけるためには、親が甘やかさないことが大切です。それに加えて、何かを毎日継続させることも効果的です。手伝いでも勉強でも、継続するには困難が伴います。気分が乗らない日や体調が悪い日もあるでしょう。そういう日も含めて毎日続けることに意味があります。

 

親は、「今日はやりたくない。」という子供の甘えに屈せず、頑張らせる態度が必要です。買い与えでも手伝いでも「今日だけよ。」という一言が、子供を甘やかすことになります。自分で自分を甘やかさない人間にするために、親は厳しさを持ってほしいと思います。

 

子供の頃に厳しくすることは、子供の将来を思ってこそです。親には子供の将来をイメージする力が必要です。大人になれば自分のしたことは自分で責任をとらなければなりません。いつまでも親がそばにいるわけではないこと、いつかは自立しなければならないことを親も子も自覚しなければなりません。

 

子供のうちは、親や学校がある程度のことは守ってくれます。人のうちの物を壊しても弁償するのは親です。友達に怪我をさせても、学校で処理されることがほとんどです。しかし、大人になれば自分で責任を取らなければなりません。物を壊せば自分で弁償しなければならず、怪我をさせれば警察沙汰になることもあります。

 

我が子が警察のお世話になることなど、望む親がいるはずもありません。子供の将来を想像し、現在我が子にどう接するのがいいのかを考えてほしいと思います。我が子が自立し、周りの人から好かれる大人になるために、心を鬼にしてダメなものはダメと言うことも大切なのです。

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