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アトピー性皮膚炎は本当に除去食が必要か?

アトピー性皮膚炎

近年、アトピー性皮膚炎に悩む子供が増えてきていると言われています。そして多くのアトピー性皮膚炎の子供が、その症状を引き起こしているのではないかと考えられる食べ物を除去しています。その除去食が、実は必要ないケースもあるのです。詳しく見ていきましょう。

 

アトピー性皮膚炎の原因は食べ物だけではない

子供がアトピー性皮膚炎だと分かると、多くの親御さんは子供のためにいろいろと勉強します。今は情報化社会ですから、かかりつけ医からの話だけでなく、様々な書物やインターネットなどから実にたくさんの情報を得ることができます。

 

しかしそれが逆に親御さんたちを振り回してしまう場合も多々あります。たくさんの知識を持ってしまったがゆえに、医師から説明された治療法に不安をもったり、言われたとおりに実践できなかったりすることがあるのです。

 

例えば、アトピー性皮膚炎である我が子には大豆にアレルギーがあるらしいから、和食の代表ともいえる豆腐や味噌は使えないとして、和食中心の食生活にすることを拒むケースもあるのです。

 

調べれば調べるほど、アトピーの原因が青魚にあるかもしれない、卵にあるかもしれないと深みにはまっていき、普通のスーパーでは手に入れられないものばかりが必要になってしまって、毎日の食材調達にへとへとになってしまう親御さんも多いようです。

 

そんな親御さんたちの多くは、子供に何らかの食物アレルギーがあり、そのせいでアトピー性皮膚炎になっているのだと思っているようです。つまり、アトピー性皮膚炎は食物アレルギーにより引き起こされるという考えです。

 

でも実は、アトピー性皮膚炎を引き起こす要因は食べ物だけにあるわけではありません。持って生まれた体質やストレス、自律神経の不調、皮膚に触れる何かによる刺激、気候…。10以上の原因が考えられるという医師もいます。それらの無数の要因が複雑に絡み合って、アトピー性皮膚炎を発症させているのです。

 

日本の伝統食に戻せばアトピー性皮膚炎はほぼ治る!

アトピー性皮膚炎の本当の原因はどこにあるのでしょう。多くの人がアレルゲンとなる食べ物にあると考えがちです。それはアトピー症状を引き起こすきっかけとなったにすぎません。

 

卵や大豆、牛乳などにアレルギーがあるとなれば、それらを除去すればアトピー症状がおさまると考えてしまいがちですが、本質的な原因はもっと他にあるのです。その1つに食生活の大きな変化があるとする専門家が多くいます。

 

戦後、日本は高度経済成長期を迎えました。それと同時にアトピー性皮膚炎に苦しむ人が急増したと言われています。それ以前にもアトピー性皮膚炎の子供はいたものの、大きくなるにつれていつの間にか直るケースがほとんどだったのです。

 

それが、高度経済成長期が10年ほど続くと、成長してもなかなか治らないようになってきました。それどころか、だんだんと思春期の子供や大人でアトピー性皮膚炎が重症化するケースが増え始め、平成に入ると大人のアトピー性皮膚炎り患者数はピークを迎えました。

 

終戦を境に、私たちの生活は激変しました。それにともなって、アトピー性皮膚炎に苦しむ人が増えてきたのです。

 

アトピー性皮膚炎を引き起こすきっかけとなるものは、人によってそれぞれです。大豆や卵、牛乳などの食品である人もいれば、ダニやハウスダストがきっかけになる人もいます。しかし、もっと本質的な原因となるのは、戦後の食生活の大きな変化だと彼らは考えます。

 

戦後、私たちの食生活は欧米風に切り替わってきました。かつてはご飯を中心に味噌汁や漬物、少しの魚といった食事だった日本人が、油脂類と砂糖類をたっぷり使う欧米風な食事をとるように変わってきたのです。そこに、本質的な原因があるのです。

 

お子さんがアトピー性皮膚炎であるなら、食生活の見直しは必須です。しかし、それは除去食を意味するのではなく、欧米風になってしまった食生活を根本的に見直す必要があるということなのです。

 

最近では、本当に除去食を必要としている子供はわずかであると言われています。血液検査でアレルギー反応が出た食材があったとしても、実際にそれを食べることがアトピー症状を引き起こしているかと言うと、簡単には判断できません。ですから、血液検査の結果だけで、すぐに除去食を考えなければならないわけではないのです。

 

例えば血液検査によって大豆にアレルギーがあるかもしれないという結果が出た時、考えてほしいのはそれ以前に大豆製品を口にした時、100%アレルギー症状が出たのかということです。日本人が普通に食事をとっていれば、醤油や味噌を全く口にしないことはないはず。今までは何もなかったけれど今回は発疹があったから、もう大豆製品は食べないようにしよう、というのは早合点しすぎです。

 

アトピー性皮膚炎のお子さんには、特定の食材を除去するのではなく、欧米風になってしまった食生活の見直しをするということです。。つまり、ご飯とみそ汁、漬物、野菜料理や魚料理を中心にした、日本の伝統食に戻すのです。

 

ご飯をしっかりと食べていれば、子供はそうそう甘いものを欲しがりません。おやつに甘いお菓子やジュースを口にしなくなれば、自然と油脂類や砂糖類の摂取も減るでしょう。また、日本人はもともと、乳製品を食べてこなかった民族ですから、日本の伝統食を食べていれば、チーズや牛乳なども自然と使わなくなるはずです。

 

除去食を必要とする子供も、少ない数ではありますが、いることはいます。ですから全ての子供に言えるのではありませんが、多くの子供が日本の伝統食を食べ続けることで、アトピー性皮膚炎を克服しているのも事実です。

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