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「貸して」「どうぞ」が上手にできる子にするには

おもちゃの取り合いをする子供達

子供が家の外に出て遊ぶようになると、決まって親の頭を悩ませることは、おもちゃをめぐるトラブルです。中でも多いのが、自分が遊んでいるおもちゃを独り占めしてしまうということではないでしょうか。

 

遊びに出るたびにこのようなトラブルを対処しなければならず、ストレスに感じている親御さんもいることでしょう。しかし諦めないでください。親が根気よく、上手に働きかけることで、おもちゃの貸し借りは必ずできるようになっていきます。

 

「貸せない」イコール「悪い子」ではない

ごく幼い子供は、自分が遊んでいるおもちゃを友だちには貸せないものです。自分が遊んでいるものは自分のものだと思っているし、誰かに貸すということはすなわち、そのおもちゃをあげることだと思っているからです。というわけで、おもちゃをめぐってのケンカは子供にはつきものです。

 

しかしそれも3歳くらいの頃までの話。それ以降になってくると、だんだんと「貸して」「どうぞ」ができるようになってくるものですし、それにつれて、おもちゃをめぐるけんかもなくなっていくでしょう。

 

もちろん、4歳を過ぎても、自分が遊んでいるおもちゃをなかなか貸すことができない子供もいます。だからといってその性格はいけないものということではありません。独り占めしたい気持ちや一つのものにこだわる気持ちが強いということは、裏返せば、物を大事にすることができ、すぐにはあきらめない強い心を持っているともいえるからです。

 

親御さんとしては「うちの子はいつまでたっても人に貸すということができない」と悩んでしまいがちですが、その子の性格そのものを否定してしまうことのないように気をつけなければなりません。その子の良いところにもしっかりと目を向けつつ、徐々に「貸して」「どうぞ」というやり取りを教えていきましょう。

 

回数を重ねれば、物の貸し借りに慣れていく

子供は誰しも、自分が遊んでいるおもちゃには執着するものです。それに、貸しても後で戻ってくるということを、まだよくわかっていません。ですから、我が子がおもちゃを友だちに貸せなかったとしても、心配しすぎることはありません。

 

おもちゃの貸し借りができるようになるには、子供がそのことに納得する必要があります。なぜなら、物の貸し借りはルールとして守らなければならないことではなく、思いやりや譲り合いといった優しい気持ちから起こることだからです。ですから、子供がおもちゃを独り占めしようとしたとしても、「貸さなきゃダメでしょ!」と無理やりに取り上げて友達に渡しても、貸し借りできるようになるものではありません。むしろ、「取られてなるものか」と必死になってしまうでしょう。

 

物の貸し借りを覚えさせる第一歩は、同じくらいの年齢の子供たちとたくさん遊ばせることです。「同じくらいの年齢」というところがポイント。相手が大人だったりお兄さん、お姉さんだったりすると、小さい子の方は貸してもらうばかりになりがちですから。同じくらいの年齢であれば、物をめぐってのトラブルが発生しやすいというわけです。

 

さて、実際にトラブルが起こり始めたら、まずは親が手伝いながら、解決する練習をしましょう。親が仲立ちしつつ「今これは使っていないから、どうぞ」と貸してあげたり、「さっき貸してあげたおもちゃ、使わせてくれる?」と返してもらったりするのです。

 

遊ぶ機会が多いほど、貸し借りの機会も増えます。すると子供は、一旦貸したとしてもまた返してもらえることや、借りたら返さなければならないことを知るのです。それに、「貸したり返したりすれば友達と楽しく遊べるんだ」ということも覚えられ、徐々に貸したり返したりするのが上手になっていくのです。

 

「貸して」「どうぞ」を親子間でもたくさん体験させる

「貸してあげたら喜んでもらえた、ありがとうと言われてうれしいな」という体験をすることで、より物の貸し借りがスムーズにできるようになります。ですから、親子で貸し借りする場面を設けてみましょう。

 

いきなり大切なおもちゃから貸してもらおうとせず、その子のハンカチや色鉛筆などから始めましょう。そして借りたらすぐに返し「どうもありがとう」としっかりお礼を言います。それに慣れたら、徐々におもちゃなどその子にとって大事なものにもチャレンジしていきましょう。「そのおもちゃ、お母さんも遊んでみたいな。貸してくれる?」などと言って借り、遊び終わったら「とても面白かった!貸してくれてありがとう!」とお礼を言うのです。

 

このように貸し借りを親子間でたくさん体験することにより、「貸したら感謝された」という経験を積むことになり、物を貸したり返したりすることに慣れますし、「自分は感謝される存在なのだ」と感じられて、自分に自信を持つこともできるのです。それは、大人になってからもその子の中に残る、大切な軸となるでしょう。

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