小学生に「勉強しなさい」は禁句!勉強が楽しくなるよう導くのが親の役目
小学生で「勉強が楽しい」とか「勉強大好き」と言う子供はほとんどいないでしょう。ところが、やり方を工夫すれば、勉強が楽しくなり、勉強が好きになってくれるはずです。そして、親が「勉強しなさい」と声をかけなくても、自分から勉強するように変わることが出来るのです。
我が子は勉強してくれない!宿題すらやろうとしない!どうすれば良いのか
保護者の皆さん、あきらめないで!どんな子供も勉強するように変わる!
小学生になると、幼稚園や保育園時代と違い、子供達は宿題をやらなければいけなくなります。学校から帰って、遊びに行く前に、親としては、宿題をやり終えてから、好きなことをやってほしいと願うのですが、子供は、なかなか自分から宿題をしないという家庭も多いのではないでしょうか。
親に口うるさく言われて、仕方なく、宿題だけはやるものの、それ以上の授業の復習どころか、予習なんてやるはずもなく、市販の問題集を買い与えてみても、三日坊主で終わってしまいます。
予習復習は無理でも、せめて宿題だけは、自分から進んで取り組んでほしいと思うものです。なぜ、自分から勉強に取り組むことが出来ないのでしょうか?
自発的に勉強しない理由を、自分の子供は「勉強が苦手」とか「勉強が出来ない」と、頭ごなしに決めつけることはしないで下さい。ちょっとした工夫で、どんな子供も勉強するようになります。
今成績が悪くても落ち込まなくて大丈夫!その子は伸びしろが大きい子!
当初、成績が下位の方で、勉強に対するやる気があまりない子供が、どんどん成績が上がり、小学校卒業時には、名門の私立中学を受験して合格したというケースもあります。
これは実際にあった話ですが、算数が大嫌いで、計算問題を解くのも億劫がっていた子供が、自分から「もっと計算問題を解いてみたい!」と計算することが大好きになりました。
100問の計算を、2ヶ月経つと2分で解けるようになりました。さらに、3ヶ月経過時には、1分30秒で、4ヶ月経過すると、さらに速くなって1分10秒で回答出来ました。計算するスピードもどんどん速くなり、理解出来ていなかった九九も、覚え方のコツをマスターしたら、次々に問題を解いていけるようになりました。
算数だけではありません。国語も同じです。漢字を覚える時、覚え方を工夫することで、子供は、漢字ドリルをあっという間にやり終えてしまいます。
自分から勉強するようになるまでに、時間がかかる子供もいます。個人差があります。しかし、いつまで経っても、勉強が出来ないままの子供はいません。
子供自身も親も両者が、「勉強が出来るわけがない」と決めつけていたのですが、ある先生の授業を受け始めてから、1ヶ月経過すると、子供は徐々に心を開いてくれるようになり、勉強に取り組むようになってきました。
他の子供達と同じように、10マス計算や音読を真面目にやるように変わってきました。今まで、やっていなかった宿題も忘れないようになりました。そして、その結果がついに実るのです。
学校のテストで100点を採ることが出来ました。もちろん、その子にとって人生初の100点です。両親も100点に大喜びです。100点のテスト用紙を部屋の目立つところに貼り付けました。
音読も上手にスーッと読めるようになりました。何を書いたら良いか迷っていた作文も、書けるようになりました。お母さんも、もう自分の子供のことを、勉強が出来ない子だとは言わなくなりました。
「勉強が出来ないのは遺伝だ」と思っている人もいるかもしれませんが、それは関係がありません。勉強しないと、「うちの子供は勉強の能力が乏しいのか」とか「うちの子は、勉強が嫌いで・・・」という親もいますが、それでは子供達がかわいそうです。
勉強が出来ないと思われている子供は、伸びしろが大きい子供です。大人の日常の気持ちのあり方次第では、今後、どんどん伸びる可能性を秘めています。
「宿題しなさい」と「勉強しなさい」の2つはNGワード
叱るのは我慢!やる気がなくなってしまう
小学校から子供が帰って来て、学校の話をしたり、おやつを食べたり、一段落すると、親は「宿題しなさい」とか「勉強しなさい」と言います。親が何も言わないと、ずっとやらずに遊んでいるのではないかと心配するから、親は子供に声をかけるのです。
しかし、親に「宿題しなさい」と言われて、「はい、今すぐやります」と素直に宿題に取りかかる子供は少ないでしょう。「やるよ」と返事はしても、なかなか実行しなかったり、「ちょっと待って」と先延ばしにしたりするものです。学校のある日は、多くの家庭で、ほぼ毎日、このやり取りが繰り返されているのではないでしょうか?
親は、なかなか宿題に取りかからない子供に、我慢が出来なくなり、つい、大声で怒鳴ったり、叱ったりしてしまいます。叱られて、仕方なく、子供はゆっくりと宿題や勉強をする準備を始めます。
親の方も、言いたくて「宿題しなさい」「勉強しなさい」と言い続けているのではありません。宿題をしていかなかったら、学校の先生に怒られたり、勉強についていけなくなったり、そもそも子供自身が困ってしまうから、そうならないように必死に声かけをしているのです。子供のため、将来のためを一番真剣に考えているからこその注意なのです。
ところが、「宿題しなさい」「勉強しなさい」は、NGワードです。子供から進んで勉強しなくなる、やる気がなくなるワードです。勉強するどころか、逆効果なのです。
子供達は、決して勉強嫌いなのではありません。自分の意思を尊重してほしいのです。「やりなさい」と一歩的に強制されて、楽しく感じる人はいないはずです。大人だって、自分の意思を無視して「~しなさい」と言われるのは、嫌な感じがするでしょう。
叱られて勉強しても、自分の意思ではないので、無理矢理やらされているという思いが強くなってしまい、ノルマをこなしているだけで、少しも身につきません。
叱る前に親子の信頼関係を作ろう!
「宿題しなさい」と言わずに、「宿題は?」と軽めの感じで聞いてみるのはどうでしょうか。これなら、叱っていないので、子供はやる気になるかと思いますが、これも、実は、子供からしてみれば、「宿題しなさい」と叱っているのと何ら変わらない受け止め方をしてしまします。
毎日親に叱られてばかりいると、子供は、自分に自信を失くしてしまいます。そして、ますます勉強しなくなってしまいます。まずは、子供の心を安定させてあげましょう。そうすれば、勉強しようという気持ちが湧いてきます。遠回りのようですが、親子の信頼関係をしっかり築くことから始めましょう。
子供は、「また叱られるのかなあ」とか、「いつも否定されてばかりだなあ」とか、「自分のことを分かってくれないなあ」と、不安になっているのです。親は、自分を信じてくれていると思ってくれれば、「頑張ろう!」とポジティブな気持ちで、安心を得られるのです。
最近では、働くお母さんも増加して、仕事と、家庭と、育児の両立を皆さん頑張っていらっしゃいます。しかし、帰宅後の忙しさも便乗して、宿題や勉強のことを気にし過ぎて、つい、叱ってしまう場合もあります。信頼関係を構築するためには、まず、無理強いしないことが重要です。とにかく信じて待つことです。
難しいかもしれませんが、この際、「宿題しなさい」と「勉強しなさい」をNGワードとして、子供に決して言わないようにしましょう。
楽しくなければ勉強しない、楽しくなれば必ず自分から勉強するようになる!
本来勉強はゲームやテレビのように楽しいもの!
子供達は、ゲームをしたり、テレビや動画を見たりするのは、夢中になってずっとやっています。長時間やり過ぎて、「やめなさい」と注意しても、なかなかやめないほど好きです。それは、ゲームやテレビや動画が、とても楽しくて魅力的だからでしょう。楽しいと感じることは、自分から進んでいくらでもやります。楽しくなければ、見向きもしません。
子供に限らず、大人だってゲームやテレビや動画が楽しくて、ついつい夢中になってしまうこともあります。ゲームやテレビなどは、娯楽であり、楽しくなるように、夢中になるように、研究して製作されています。それに引き換え、「勉強は楽しくないもの」と子供達は、既に決めつけているのです。
なぜ、勉強が楽しくないと思う子供が多いのでしょうか?それは、「やりなさい」と親から言われて強制されたり、間違えた時に、叱られてしまったりして、楽しくないからです。ゲームやテレビを超えるようなワクワク感や、楽しさ、魅力が、勉強にあれば、子供達の意識も変わってくるでしょう。
本来、勉強と言うのは、自分の知らないことを知ることが出来、知識が増えることによって、出来なかったことが出来るようになったり、「もっと知りたい」「もっとやってみたい」と探求心が生まれてくるものです。そう言った、真の勉強の楽しさ、良さに気づけば、ゲームやテレビや動画より、ずっと興味が湧いてくるはずです。
真の勉強の楽しさを理解するところまで到達するには、すぐには無理かもしれません。少し時間がかかるかもしれません。まず、とっかかりが大事です。ゲームやテレビのように、簡単で理解しやすい「楽しさ」を味わいながら勉強してみることから始めるのが良いでしょう。
勉強は遊び感覚で楽しくやろう
小学校での1つの授業時間は45分です。45分と言う時間は、特に低学年の子供達にとっては、かなり長いと感じる時間でしょう。その45分間が、「長いなあ。早く終わらないかなあ。」と感じるか、「もう終わりか」と感じるか、それは、退屈して、つまらないと思うか、授業に集中して面白いと思うかの違いです。
「学習」という言葉は、授業がつまらなくて嫌になってしまうような場合は、「我苦習」になってしまいます。ところが、授業が楽しくて好きになっていく場合は、「楽習」と呼べます。常に授業が「楽習」になれば、45分間があっという間に感じられることでしょう。
学校の勉強でも、家庭での勉強でも、教科書にのっとって、真面目に学ばなければいけないという決まりはありません。方法は問わないので、勉強が楽しいと思えて、だんだん好きになっていき、自分から勉強したくなるようになれば良いのです。子供を引き付けるような工夫をたくさんして、飽きさせないように楽しいと思える方法で良いのです。
子供達の流行を取り入れてみるのもお勧めです。ある小学校で実際に行われたものをいくつか紹介します。
社会科の授業では、教科書や参考資料の本を開きながらの授業ではなく、地図記号のカルタを皆でやりながら、地図の勉強をしました。
以前、妖怪ウォッチの「ようかい体操第一」が流行った時は、体育の授業で、皆でようかい体操第一を歌いながら体操しました。
算数の授業では、遊戯王のカードバトルや、ポケモンカードゲームが流行っている時には、カードを使った計算遊びを取り入れて、遊びながら計算を繰り返し行い、計算をマスターしました。
子供のそれぞれの興味があること、好きなことをきっかけにして、勉強につなげてみると、そこから、興味がどんどん広がっていき、遊んでいるようでも、実はそれが勉強になっていることでしょう。
普通に「今日はこのドリルの3ページを頑張ってやってみなさい」と言うと、子供はやる気をなくしてしまいます。
好きなテレビのキャラクターの話から、漢字の勉強をしてみるのも楽しいでしょう。「ドラえもん」の「のび太の太の漢字の他の読み方知ってる?」とか、「登場人物の名前を漢字で書ける?」「野比のび太」「源静香」「剛田武」「骨川スネ夫」など、分からなかったら、漢字辞典で調べながら勉強するのも楽しいです。
「これで合ってる?」とか、「どうやって調べるの?」とか、「これも調べてみたい」とか、「もっと問題出して」と食いついてきたら、知りたいという意欲が出てきた証拠です。これこそチャンスです。
ダンスが好きな子なら、「計算問題を繰り返し解くのは、ダンスの振り付けを覚えるのと同じだよ。毎日、何回も繰り返して踊るでしょ?1回だけじゃ覚えられないでしょ?計算も同じだよ。何回もやることが大事で、やればやるほど身につくよ。」と、例を出してみましょう。
このように、工夫次第で、勉強も興味が持てることから始めれば、楽しいと思えて、気持ちが向いていくのです。「勉強しなさい」と親が言わなくても、勉強してくれるようになります。
「実力がついてきた」という実感が、やる気の源
「どうして勉強しなくてはいけないの?」とか「なぜ宿題は毎日しなくちゃいけないの?」とか、質問する子供もいます。これは、やりたくない時の言い訳です。この質問には、大人は真面目に答えなくて大丈夫です。「神様が言っているからだよ」とか適当にかわして下さい。
子供達は、この質問に対して、真の回答を求めているわけではありません。勉強が楽しいと思っていたら、こんな質問はしてきません。
同じことを繰り返し反復練習をしていると、普通にドリルなどをもくもくとやっていくやり方では、飽きてくる子供もいるかもしれません。やり方に工夫を凝らして、楽しく勉強出来れば、文句を言うこともなく、自分の実力が向上していることに気づき、自信が持てるようになるでしょう。
前より出来るようになったということを身をもって体感できれば、反復練習は大事なことなんだと、理解出来るようになり、勉強することの大切さが分かってきます。漢字を繰り返し書く練習や、同じテストを何回も実施しても、文句を言わなくなります。真の勉強の楽しさに気づくことが出来た証拠です。
「前よりぐんぐん伸びている」という実感が、やる気の源です。それに気づくことが出来たら、あとは、自分から進んで勉強するようになります。そのレベルまで、持っていってこそ「楽習」となるのです。
宿題きちんとやっているのに、真面目に塾に通っているのに、なぜか成績アップにつながらない?
ただ宿題をやるだけでは意味がない!集中しよう!
学校からの宿題は、毎日きちんと忘れずにやっているのに、テストの成績は良くならないと、悩まれている家庭も多いようです。先生から言われた宿題を確実にやっていれば、大丈夫と思い込んでいませんか?宿題第一で真面目に取り組んでいるのに、なぜ、成績に結びつかないのでしょうか?
子供の宿題に取り組む時の態度は、どうでしょうか?先生や親に「やりなさい」と言われて、強制的にやっていたり、自分からやっていたとしても、宿題は忘れるわけにいかないので、仕方なくノルマとしてやっているのではないでしょうか。宿題をする時、「とにかくやればいいんでしょ」「宿題さえ終われば、次は何して遊ぼうかな」と思っていませんか?
勉強は、集中して、心を込めて取り組んでいないと、実力になりません。嫌々やっている勉強は、長時間やろうとも、たくさん問題を解いたとしても、身につきません。一夜漬けの暗記で何とか次の日のテストには、役立つこともあるかもしれませんが、テストが終わったら、頭から抜けてしまって、忘れてしまいます。
その場しのぎで日々の宿題をやったり、勉強を誰かにやらされている状態では、成績は向上しません。子供自身が、「もっとやりたい」「さらに知りたい」と探求心を高めて、自分の力になると自信を持って、楽しく勉強に取り組むと、同じことを同じ時間やったとしても、両者の結果は、明確に違ってきます。
取り組み方次第で良くも悪くもなる宿題
そもそも宿題とは、何のためにあるのでしょうか?宿題は、家庭学習における習慣づけのためだとよく言われます。学校から家に帰って来て、毎日宿題をすることで、家庭で勉強することの習慣がついていきます。しかし、習慣づけのために、無理矢理やりたくないのに勉強するのでは、残念ながら、本来の勉強の取り組み方を取り違えています。
理想としては、「勉強が楽しい。勉強を継続する。毎日やる。習慣となる。」となりたいものです。
学校の授業をきちんと聞いて、その日習った内容が身についていれば、宿題なんて必要ありません。ところが、近頃、学校の授業時間内に、時間が足りなくなってやりきれなかった問題を、宿題でやらせようとする傾向が増えています。授業が理解出来ておらず、授業時間内に問題を解けなかった子供が、家に帰って自力で続きの問題が解けるでしょうか?
そもそも分からなくて行き詰ってしまっているのに、強制されてしまうから、どんどん宿題をするのが嫌になってきます。それより、「この1問だけやってみよう!」とか「5分だけやって終わろう」とか、問題数や時間を区切って取り組むのが効果的です。
ただ塾に通っているだけでは成績アップにつながらない
「塾に行っているのに、成績が上がらない」とか「通信教育できちんとテキストや提出問題を取り組んでいるのに成績が上がらない」という悩みもよく耳にします。これらの悩みは、宿題と同じ原因です。
真面目に塾に通っている子供も、「親に行けと言われて」とか「友達が行っているから」と、自分の意思ではなく、仕方なくやっている子供が多いです。通信教育でも同じことが言えます。
中には、仕方なくの塾通いであっても、テストの点数だけ見ると、点数が上がってくる子供もいます。しかし、自分から進んで楽しく取り組むという姿勢ではないので、テストの点数が上がった子供も、全く点数が上がらない子供も、結果としては、勉強嫌いになってしまう場合があります。
よく、東京大学合格者の親は、「子供に勉強しなさいと言ったことはありません」とか「子供が自分から意欲的に勉強していました」などと発言しています。東京大学に限らず、進学校や有名大学に塾に行かずに合格する子供達もいます。その子供達は、「小さい頃から親に勉強しなさいと言われた覚えはありません」という発言が多いです。
幼い頃から、知らず知らずのうちに、遊びの中で自然と、勉強に触れる機会があったのかもしれません。家族と一緒になって数のパズルをやってみたり、ジグソーパズルやルービックキューブで競争したり、お父さんの趣味の数独を一緒になって解いてみたりしていた子供もいます。
読書が好きな子供は、たくさんの本を読んでいるうちに、学校で習っていない漢字も知ることが出来ました。ふりがなのない難しい漢字が出てきて読めない時は、親に聞いて読み方を教えてもらったりしました。
遊びの延長線上に勉強があったり、家族とゲーム感覚で競争しながら楽しくやっているというところが共通している点です。子供は楽しいことに興味を示し、必死になり、夢中になり、集中して、真剣に、そして継続するのです。
塾に行くのが悪いと言っているわけではありません。「ただ決められているから通っているだけ」という状態にはならないようにして下さい。「塾に行かせておけば、もう安心だ」とたかをくくるのは危険です。
重要なのは、子供の勉強は親が見てあげることです。小学校の低学年はもちろんのことながら、中学年も、出来ることなら高学年も、親が勉強を見てあげて下さい。親の手に負えないところは、塾に助けてもらうという立場を取るのが良いでしょう。
家庭で親が勉強を見てあげて、その上で塾を上手に活用して、塾のスキルで上手に教えて頂けば、子供の成績も上がってくるはずです。
小学生から基礎学力を家庭勉強で身につけておこう!中学校に行ってからでは遅い!
「読み書き計算」を甘く見てはいけない!小学校時代にしっかり基礎を固めよう
小学生のうちは、勉強なんかぜずに、のびのび遊ばせてあげる方が、子供のためだと思っている大人も多いようです。外で元気良く遊ぶことも、もちろん大事なのですが、基礎学力を身につけるための勉強はきちんとしておかないと、のちのち、その子供が中学校や高校へ進学した時に、困ることになります。
中学校を受験する子供も、年々多くなっているかもしれませんが、全体からすると少数派です。高校の受験となると、皆が挑戦することになります。中学生になると、1年生の時から、高校受験を意識して、学校のテストで良い成績を取ろうと勉強に励まなければなりません。
最近では、小学校でも英語の授業がスタートしていますが、中学になると、英語は本格的に正式科目として重要科目に変わります。算数は、数学と名称を変えて、高度になり、国語も、文法や古典など新しい分野が加わってきます。
中学校では、全ての科目が、小学校の時より難しくなっていくのは歴然です。難しい内容を理解するためには、小学校で既に習っている基礎知識がベースになって、その上に、新しく中学校で習うことを積み重ねていかなくてはいけません。しかし、その時に、小学校で習得しておくべき基礎学力が身についていないと、中学校の授業でつまづいてしまいます。
小学校の間に身につけておくべき基礎学力の中でも、「読み書き計算」がとても重要です。昔から「読み書きそろばん」と言われたものです。
読み書きが身についていないと、国語はもちろん困ります。さらに、算数の文章問題を読み解くことが出来ません。理科や社会も字が読めずに理解しづらい状況になってしまうでしょう。回答をテスト用紙に書くことにも影響は及ぶでしょう。
語彙力が不足している場合も困ります。要は、言葉の力が足りているかということです。日常生活の中でも、最近の子供達の中には、「死ね、ウザい、バカ、ヤバい」などの言葉を多発する子もいます。自分の感情を表現する際に、言葉を知らないために、このような言葉で全てを済ませてしまおうとするのです。
読み書きをマスターして、さらに語彙が増えれば、他人の言葉を理解できるようになります。そして、自分が言葉を発する時も、豊かな感情表現が可能になります。そうなれば、結果として、思考力が備わってきます。
計算に関しては、算数が苦手な子供は、どのレベルの計算を理解出来ていないかを見極めて、その理解出来ていない箇所から、確実に基礎をマスターすべきです。
1ケタの計算は出来ますか?小学校1年生で習う内容ですが、もし、これが理解できていなければ、繰り上がりの計算は出来ません。次に、繰り上がりの計算は出来ますか?ここが分かっていないと、たし算やひき算が出来ません。もちろんかけ算の九九やわり算も理解出来ないでしょう。
6年生の中にも、算数が苦手な子供で、実は、繰り上がりのところで、つまづいている場合もあります。すると、おのずと算数嫌いになってしまいます。その子供が、中学校に進学し、難易度の高い数学を学ぼうとしても、輪をかけてついていけなくなってしまうでしょう。
中学校になってから、つまづく子供も同じです。小学校の基礎がきちんと理解出来ないまま、ここまで来てしまって、あやふやな部分を残しながら、小学校の勉強をこなしてきたのかもしれません。小学校の1、2年生レベル、もしくは3、4年生レベルでつまづいており、それがずっと、影響しているのでしょう。
勉強もスポーツだと思って反復練習しよう!
では、基礎学力である読み書き計算を、きちんと小学生の間に身につけるためには、どのようにすれば良いのでしょう。
学校の授業中に先生から話を聞き、教科書やノートを眺めて、復習終わりでは、習った内容を自分のものにすることは出来ていません。何回も繰り返し同じ問題をやって、目で見て、頭を使って考えて、手を使って書く、というこの3ステップが重要です。漢字や計算問題は、何回も繰り返してやっているうちに反射的に出来るようになってしまうものです。
勉強が苦手な子供や、問題を解くのに時間がかかりすぎてしまう子供達の多くは、頭と手の間に道筋が確立されていません。答えは頭の中では分かっていても、手が動かない状態となり、途中でストップしてしまうのです。よって、頭の筋力を鍛え、それを手で書いて覚えましょう。頭と手に道筋が出来れば、思ったことがスムーズに書けるようになります。
何度も何度も繰り返す反復練習は、面倒だと思われるかもしれませんが、道筋を確立するためには、最善のやり方です。繰り返すことで、理解も深まり、自信からやる気も出てきて、強い心も育ちます。
勉強には、反復練習が欠かせません。これは、スポーツと同じです。どんなスポーツでも、基本練習を繰り返し何回もやります。腕立て伏せや腹筋などの筋トレを毎日行って、体を鍛えます。
サッカーの場合は、パスやシュート練習を、野球の場合は、キャッチボールや素振りを、何回も繰り返し行います。体操やダンスの場合は、柔軟体操が毎日欠かせません。
基礎練習をこれでもかというくらい何回も繰り返し、本番の試合の時に、様々な場面で反射的に対応出来る道筋を日々作っているのです。勉強もスポーツも基礎を大事に反復あるのみです。
家庭での勉強は反復学習
基礎学力を身につけるためには、難しく考える必要はありません。低学年レベルの内容を、何回も繰り返しやっていくことで身につきます。漢字の場合は、1、2年生レベルの漢字を全部間違わないで書けるようになることを目標にして下さい。計算の場合は、10マス計算を100問解くのに2~3分で完了出来るようになることを目標にして下さい。
最も大事なことは、同じ問題を何回も繰り返しやって、間違えずに常に100点、かつ目標タイムで出来るようになることです。
同じ問題で良いのか、いろんな問題をやった方が良いのかと不安になるかもしれませんが、同じ問題で大丈夫です。繰り返し同じ問題をやることで、基礎学力が身につくだけでなく、達成感が味わえて、その子供の自信につながります。
子供自身がやれば出来ると認識出来てきたら、勉強の難易度が上がっても、つまづくことなく、困難に立ち向かって努力する子供になります。
反復練習を学校の授業時間内に行うことが出来たら、理想なのかもしれませんが、現状はそうもいきません。そうなると、反復練習は、学校から帰って来てから家で行うしかありません。
家庭での勉強は、反復学習です。この反復学習のやり方ひとつで、子供達のやる気が変わってきます。楽しく、やりがいのある反復学習をさせてあげるのは、親の役目です。
家庭での勉強習慣は低学年のうちにつけておこう!
小学生のうちに基礎学力である読み書き計算を身につけておくことが重要です。学校から帰って来て、家庭での勉強の習慣をつけておくことも、小学校の低学年からやっておきましょう。1、2年生のうちから、家庭での勉強習慣を1日の計画に盛り込んでしまえたら、一度習慣になってしまえば、親が声かけしなくても自分からやるようになります。
高学年になるほど、親の言うことを素直に聞かなくなりますので、放課後の時間もたくさんある小学生の低学年のうちから、家庭での勉強習慣をつけましょう。
中学生になってから、慌てて家庭勉強を習慣づけしようとしても、なかなか聞いてくれません。中学生になると、部活動も本格的になり、下校時間も遅くなり、もともと家庭での勉強の習慣がなかった子供は、ますます勉強しなくなります。小学生時代から家庭勉強をしていた子供は、ルーティンのように文句も言わずに勉強することでしょう。
更新日:2019/11/29|公開日:2017/11/22|タグ:勉強