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子供たちのために大人から変わっていこう!

植林のボランティアで自分を変える

「最近の子供たちときたら…」と渋い顔をする大人たちは多いものです。確かにため息をつきたくなるような子供たちの様子が、目についてしまうことはよくあります。しかし私たち大人は、そんな子供のことを批判するだけでいいのでしょうか?

 

大人が抱えている問題が今の子供たちの現状を作っている

今の子供たちや若者たちは、いろいろな言葉で批判されています。自己中心的だ。道徳心がない。生活習慣が乱れている。コミュニケーション能力が低いなどなど。確かにそういった子供や若者が多いことは事実です。

 

しかしこうなってしまったのは子供たちのせいなのでしょうか。答えはノーです。子供たちを取り巻く大人の社会が、このような子供たちを作り出してしまったのです。

 

私たち大人は、子供たちよりも先に生まれ、この社会を作っています。子供たちに悪影響を与えるような社会を私たち大人が作り、そんな社会に子供たちが後から生まれてきているのです。

 

しかし、子供たちが反論しないからと言って、子供たちの良くない現状について、大人は一方的にあれこれ批判しがちです。批判するだけでなく、大人の目線から子供たちを何とかしようと考えてしまいます。道徳心をもたせるためにボランティア活動を義務付けよう、罰を重くして少年犯罪の件数を減らそう、・・・。

 

子供たちを良い方向に導くのは、もちろん大人の役目です。でも、上から目線で子供たちに何かをやらせるのではなく、このような子供たちの状況を作ってしまった私たち大人が抱える問題を責任をもって解決していこうという考え方が必要です。

 

大人が抱えている問題とは何かというと、大きく分けて3つのことが挙げられています。

・1つ目は、自己中心的で道徳心を失った社会になりつつあるということ。

・2つ目は、家庭内の生活力が低下しているということ。

・3つ目は、地域社会とのつながりがない大人が増えてきているということ。

 

子供の問題を解決するには、その背景となっている大人の側の問題を解決しなければなりません。そういった考え方で、この3つの問題点について見ていきましょう。

 

社会の中での自己中心的な態度を改めよう

例えば、駐車場に停めるのは面倒だからと、自己中心的な理由から路上駐車している車をよく見かけます。そんな車がたくさんあると、見通しが悪くなって危険ですし、交通渋滞を招くことも多々あります。

 

ルールやモラルがきちんと守られている社会でなければ、子供に道徳心を学ばせることはできません。それどころか、道徳心のない、貧しい心を育ててしまいます。

 

また、公衆の面前で、あたかも自宅にいるようにふるまうのも、自己中心的な態度であると言えます。レストランやデパートで、子供がうるさく騒いでいるのを放置している親がいます。通勤電車の中や道端でメイクをする女性も多く見かけます。このような社会では、子供に、他人の目を気にする感性を身に付けさせることはできません。

 

他の人の目を気にする感性から、道徳心や倫理観が生まれるものです。私たち大人が、公衆の面前であっても他の人の視線が気にならず、自宅にいるようなふるまい方をしていては、「人に嫌な思いをさせないように」などという気持ちを育てるのは不可能でしょう。

 

家庭内の生活力を高めよう

あなたの家庭は、ただ仕事や学校から帰って、食べて寝るだけの空間になっていませんか?現代社会では、家庭内での生活力が低下してきているようです。昼夜問わず開いている店が増えてきていますので、いつでも手軽に必要なものが手に入ります。自宅で調理しなくても、出来上がった食べ物を買ってくれば、温めてテーブルに出すだけで食卓が整ってしまいます。

 

家庭は、私たちが生きていく土台であるはずです。その家庭での生活を、私たち大人が作っていくことができなくなってきているということです。これは大きな問題です。仕事をしてお金を稼ぎ、子供を養っているだけでは、子供に生きる力を身に付けさせたり、文化を継承したりすることはできません。

 

家庭生活には、子供の学びの場がたくさんあります。朝起きたら顔を洗うこと。決められた曜日に家の中のごみを集めて集積所に出すこと。洗面台を汚したら自分できれいにすること。きちんと生活していれば、家庭生活において子供が学べることは山ほどあるのです。

 

親が家でダラダラしてきちんとした生活を営む力がなければ、脳科学的な観点から子供も同じように育つのが分かっています。また、生活力が低いと感性も豊かに育ちません。きちんと生活することから身に付く感性がないことには、どれだけピアノを習わせても、絵画教室に通わせても、豊かな情操を育てることは不可能です。

 

生活することを通して身に付いた感性があってこそ、美しい音楽や絵画、自然との触れ合いが意味のあるものとなり、他者との生きたコミュニケーションが可能となるのです。

 

まずは大人の生活力を高める努力をしましょう。いきなり完璧にやるのは難しいでしょう。ゆっくりと、楽しみつつ力をつけていきましょう。親が先にやれるようにならなければと気負わずに、子供と共に学ぶ気持ちで前進していきましょう。

 

家庭内で生活力が身に付いた子供は、学校生活でもその力を発揮して、様々なことにチャレンジしたり、うまく自己主張したり、友達とコミュニケーションを上手にとったりといったことが、スムーズに行えています。

 

地域の中で生きる大人になろう

親が自己中心的な態度を改めたり、家庭生活をしっかりと営むようにしたりしても、子育てがうまくいかないことはよくあります。なぜなら、子育ては家庭内だけで行うものではなく、地域全体でやっていくものだからです。地域で子供を育てる機能が働かなくなっていると、家庭内で子供を育てるのもうまくいかないものです。

 

親がどれだけ子育ての情報を得て、一生懸命子育てをしていたとしても、それだけではなかなかうまくいきません。情報化社会の発達により、子供たちはメディアから様々なたくさんの情報を、ものすごいスピードで与えられます。親以外のところからも、大きな影響を受けて育っていくのです。

 

そんな状況下で、地域社会とのつながりが薄いという実態があれば、生活や人との関係が実体験として得られにくくなり、仮想体験であるはずの情報が、子供にとってはリアリティをもったものとして、心に刻まれていってしまいかねません。

 

現代技術の発達の影響を受けずに生きることはできませんし、便利なものの良さを上手に取り入れて生活していくべきです。そのためには、家庭や地域がいつもきちんと子供の周りに実在し、関わっていく必要があります。地域社会がしっかりと機能して初めて、家庭での教育が生きてくるのです。

 

地域社会の機能をきちんと働かせるためには、私たち大人が地域での自分の役割をしっかりと持たなければなりません。自分の家が単に寝泊まりするためだけの場所にならないように気をつける必要があります。

 

父親は特に、仕事人間になっていないかどうかをチェックするためにも、地域での自分の立場をしっかりと持っているべきでしょう。会社での立場と、地域での立場、どちらももつことが大切です。会社の中だけで自分という人間が生かされているようでは、アイデンティティをしっかりともって人生を過ごしているとは言えません。

 

大人たち一人一人が自己をしっかりともち、共に生きている地域では、子供の心が豊かに育ち、家庭内での子育てもうまくいきます。地域の一員である自覚をもって過ごすことが、家庭内の教育力を高め、子供たちの中に道徳心を育てることにつながっていきます。

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