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子供の自己肯定感を高めよう!

自己肯定感の高い子供

日本は他の国に比べ、自己肯定感の低い子供が多いと言われています。「ありのままの自分でよいのだ」という気持ちが持てなければ、自分を大事にすることができず、目標に向かって頑張るエネルギーも持てません。子供の自己肯定感を高めるために、親は一体どのようなことができるのでしょうか。

 

失敗した子供の気持ちを受け止めて

親というものは、子供が良い方向へ伸びていくように願い、そのためにできる限りのことをしようと頑張るものです。その気持ちがあるから、親は理想の子供像を描き、それに我が子を近づかせようとして、毎日奮闘しているのでしょう。

 

でもその気持ちが強すぎると、我が子に完璧な子供の姿を求め、そうなるように強要するようになりかねません。親が厳格であればあるほど、子供が犯した小さなミスや未熟な部分を見過ごすことはできないものです。

 

そんなことをしたら子供がどんどん悪い方向へ行ってしまうと思い込んでいるのです。つまり、子育てに強い責任を感じ、生真面目に取り組んでいる人ほど、子供に甘えを許さず、おおらかに接することができないというわけです。

 

しかしそのやり方では、子供の「ありのままの自分でよいのだ」と感じる気持ち、つまり自己肯定感を高めることができず、自分を大事にする気持ちも生まれません。そうなると子供は、チャレンジ心を失い頑張るためのエネルギーも持てなくなります。

 

それだけではありません。家庭で強い無力感とストレスを感じることにより、学校では友達をいじめるようになることもあります。子供の自己肯定感が低くなるのは、子供の発達に様々な悪影響を与えるのです。

 

子供の自己肯定感を高めるには、まず第一に、親の確固たる「こうあるべき子供像」を子供に押し付けるのをやめることです。そうすることで、子供だけでなく親も楽になれることは間違いありません。

 

「子供は失敗するものだし、その失敗を繰り返すもの。まだ成長している途中の段階なのだ」と考え、失敗をバネにして子供が大きく成長できるようサポートしてあげましょう。そうすれば、たとえ失敗してもその失敗を自ら反省し、次に失敗しないようにどうすればよいのか考えられるようになります。

 

どうしてそうなるのかというと、「失敗したけれどお母さんは自分の気持ちを分かってくれた」と感じられれば、子供は安心し、「もう失敗しないぞ、次こそうまくやるぞ」という気持ちが心にみなぎってくるからです。

 

宿題を忘れたことを反省している子供に対して、あなたは何と声をかけますか?「もう二度と忘れちゃだめよ!忘れたらゲームを取り上げるからね!」などと言ってしまう方も多いかもしれません。しかしこの時「人間だもの、忘れることもあるよね」と言ってあげたとしたらどうなると思いますか?こう言われた子供はむしろ「いや、それじゃやっぱりだめだよ。次こそは忘れない!」と、強く心に思うのではないでしょうか。

 

子供が失敗したらまずは話を聞こう

子供が失敗してしまった時、子供の話も聞かず一方的に叱ってしまうことはよくあることです。しかし、子供が失敗したらまずは子供の言い分をしっかりと聞いてあげてください。

 

例えば、毎朝家から給食袋をもって行くのを忘れてしまう子供の場合。何度も続けば、親としてはつい、言い分も聞かずに叱ってしまいがちです。でもここで、あえて子供に言い訳をさせてみてください。子供は「明日こそ忘れないぞと思って、昨晩のうちにランドセルと一緒に置いておいたの。でも、今日は朝会があるから早く行かないと、と焦っていたら忘れちゃった…」と言うかもしれません。

 

子供の言い訳を聞けば、親が知らなかった子供の努力に気づくことができるかもしれません。そうすれば、叱るどころか褒めることができます。「よくよく聞いてみたら、我が子もいいところあるじゃない」と思えるかもしれません。このように、子供が自由に言い訳できる親子関係はとても大事です。

 

簡単なことです。子供の話に耳を傾け、相槌を打つ、それが第一歩です。子供の話を聞くということは、子供の気持ちを聞くということ、気持ちを受け止めてもらえた子供は元気を復活させます。アドバイスしなければ、教えてあげなくてはと気張る必要はありません。ただ話を丁寧に聞いてあげるだけで、子供の心は元気を取り戻します。

 

気持ちを受け止め合い、理解し合う体験は、素晴らしく気持ちの良いものです。そんな体験ができる関係は、特別なことをしなければ築けないものではありません。ありふれた毎日の会話によってできるものです。「失敗したけれど自分の気持ちを分かってくれた」この気持ちよさを子供に何度も味わわせてあげましょう。親子のそんな関係作りがとても大切なのです。

 

子供が何でも話してくれるようになるには

親が子供の気持ちを理解できないでいると、不安や焦りばかりが高まり、自分の考えを子供に押し付けようとするものです。「テレビばかり見てないで、ちゃんと勉強しなさい」というふうに。

 

大抵の場合、子供は「勉強しなくちゃ」と思っているものです。しかし、疲れていたり勉強する意味が分からなかったりすると、なかなか机に向かえないこともあります。それなのに親から一方的に勉強するよう言われれば、口答えしたくもなるでしょう。自分でも重々わかっていることを言われると、人は反発心を持つものです。

 

勉強しなければならないのは分かっているのに、行動に移せないのは子供としても辛いものです。その気持ちを理解することなく一方的な押し付けばかりしても、親の言葉で子供の心が動かされることはありません。親の言葉に心が揺さぶられることがなければ、子供は親から遠ざかるようになり、自分の気持ちを話すこともなくなります。

 

今の時代、未来に希望の光が見えないのはよくあることです。それでも子供たちは未来に生きる存在です。私たち大人よりも子供の方がもしかしたら、鋭い洞察力で現代を見ているかもしれません。だから、今の世の中を良くしていくには、子供たちの声をしっかりと聞かなければならないのです。

 

でも、子供の声を引き出すにはどうしたらよいのでしょう。それにはまず、親が子供と同じ立場になってみて、子供なりの主張をきちんと聞く必要があります。不安定な今の時代、子供なりにストレスを感じ、不安感でいっぱいになっているものです。とりあえず子供の話をきちんと聞いてやれば、ストレスや不安感は軽くなっていきます。

 

また、子供の言い分に間違いがあったとしても、それをつつく前にまず、なぜそう考えたのかを尋ねましょう。「それは間違いだと思う」と言うのは悪いことではありませんが、親の価値観に従わせようとするのはいけません。良いのか悪いのか、自分の頭で考えさせる言い方をしましょう。

 

自分の考えを聞いてもらえた、ダメ出しもされなかった。そう思えれば、子供は次も自分の気持ちを話してくれるはず。そしてその経験の積み重ねで、子供は親になんでも話してくれるようになるのです。

 

子供の自尊心はどうやって高める?

最近の子供たちは、友達の意見や先生の指示といった他人の話を、しっかりと聞くことが苦手な傾向があります。もちろん先生としても、子供たちが私語をやめるまであえて話を始めないとか、話を聞かずに注意された人が多い斑には連帯責任で罰を課すなど、話を聞いてもらうためにいろいろな工夫はしています。一昔前はこの方法でもうまく行っていたかもしれませんが、学級崩壊が珍しくない今の時代では全く功をなしません。

 

なぜここまで子供たちが話を聞けなくなっているかと言うと、今の子供たちは自分の話をきちんと聞いてもらう経験が少なく、自分が受容される気持ちよさを知らないからです。「きちんと受け止めてもらうのは気持ちがいいな」と感じる経験を積んだ子は、先生が何の工夫もしなくても、聞かなければならない時にはきちんと話を聞くことができます。

 

学級崩壊だけでなく、陰湿ないじめやキレやすい子供など、今の子供の問題が目の当たりになるほどに、大人は子供たちの心の叫びから逃げ、ルールや訓練などで子供たちを一方的に押さえつけようとしてしまいます。これは、子供たちの話を聞くということの真逆の行為です。

 

人は誰でも、自尊心が低ければ他人に心のうちを明かそうなどとはしません。他者と協力して何かをしようとも思いません。できないことにもチャレンジしてもっと成長しようなどというエネルギーなど、わいてくるわけがありません。

 

子供の自尊心を高めることは、こんなにも大切なことなのですから、学校だけに任せず、親も社会全体も、子供たちの自尊心を高めることについてもっと関心を持つべきです。どうすれば子供の自尊心を育むことができるのでしょうか。

 

まずは、大人が考える「良い子」像を子供たちに押し付けないことです。子供たちは、教師からも親からも「こうあるべき」という理想像に近づくように言われています。学校では「友達と仲良くしよう」「自分で考えて行動しよう」などの目標が立てられていますし、家では「何でも残さず食べなさい」「進んでお手伝いしなさい」などと素晴らしい子供の姿が求められます。

 

もちろん、「高い目標は子供にとってストレスだから」と言って、何の目標も示さずにいればよいということではありません。目標はあるべきだし目標に向かって努力すべきだけれど、人間そんな簡単に目標をクリアできるわけではないよね、という感覚を大人がもっていることが大切なのです。

 

目標に向かって努力しつつも、失敗したり挫折したりし、それを繰り返す中で学び、目標達成に近づいていく、という経験を子供たちに積ませましょう。その経緯が、子供たちの他者に対する信頼感を育み、自信をつけさせてくれます。目標に向かって歩むその経緯が大切なのです。

 

教育というものは、単純なものではありません。人と人とが、考えと考えとがぶつかり合い、絡み合っていく中で、感性が磨かれ、心が豊かに育っていくものです。子供にいろいろな経験をさせることで自尊心を高めてやり、自分で考え行動し、その責任は自分でとるということを教えていく、これからの時代の教育はそういった姿勢が大切ではないでしょうか。

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