子供を伸ばす上手な叱り方
子供を一度も叱ったことがないという親御さんはいないでしょう。中には、毎日毎日叱ってばかり…という方もいるかもしれません。叱るのは子供の成長のためであるはずなのですが、上手に叱らないと逆効果になってしまいます。子供を伸ばす上手な叱り方について見ていきましょう。
子供そのものを否定する叱り方はダメ
親が何気なく言った一言でも、子供の心には深く突き刺さることがあります。親はそのことに気が付かないことが多いので、子供に言葉かけをする時にはよくよく注意しなければなりません。特に叱る時には、親が軽い気持ちで発した言葉が、子供を深く傷つけてしまうことがあるものです。
例えば子供が、幼稚園や保育園、学校に行く支度が遅く、いつも遅刻しそうになっている時、あなたならどのように言葉をかけますか?意外によくあるのが「どうしてあなたはそんなにグズなの!」「本当にあなたはダメなんだから」「グズグズしている子は大嫌いよ」などという言葉です。
もちろん、親御さんとしては子供をしつけようとして発した言葉なのでしょう。しかし、このような言い方をしては子供にその意図は伝わりません。なぜなら、これらの言葉は子供の行動を叱っているように見えて、子供の性格そのものを非難しているからです。
このような言葉をかけられた子供は、自分という人間そのものを否定されたと受け取ります。すると、自分に自信を無くし、頑張る気持ちがなくなってしまいます。
子供の悪い行動を直したいと思ったら、その行動だけに焦点を当てた叱り方をしましょう。その上で、どうしたらよい行動ができるのかを伝えるのです。「支度が遅いと遅刻して、楽しい活動も少ししかできなくなるよ」「朝の支度をする時はテレビを消して集中しようね」という風に言えば、子供の性格を責めることがないので、子供は素直に聞くことができるでしょう。
良くない行動への罰を作ったなら実行すべき
子供を叱る際に、そのよくない行動への罰を言い渡す人がいます。例えば、何度言っても子供が部屋を散らかしっぱなしにする時、「今度出しっぱなしにしていたら、そのおもちゃは捨てますよ!」というような感じです。
このような場合は、そのあと子供がまた片づけをしなかった時に、言った通り本当にそのおもちゃを捨てなければなりません。どんなに思い出のあるものでも、どんなに価値のあるものでも、です。なぜなら、「捨てる」という言葉が本気でないなら、子供に親の「片付けてほしい」という強い思いは伝わらないからです。
「捨てますよ」と宣言したのに実際は捨てない、ということが続けば、「どうせお母さんは捨てるはずがない」と子供は思ってしまいます。こうなってしまっては、叱ったことは意味をなさなくなってしまいます。
捨てられないのであれば、このような言葉は言うべきではありませんし、言ってしまったのであれば、約束通り捨てなければなりません。子供には約束を守らせたいですよね。そうであるなら、大人も約束は守らなければならないし、守れないような約束はしてはならないはずです。
人と比較して叱らない
親はつい、周りの子供と目の前にいる我が子とを比べてしまいがちです。きょうだいと比べるのもよくあることです。だから「お隣の○○ちゃんはいつもきちんと挨拶できるのに、あなたはどうしてできないのかしら」と言った叱り方をしてしまうのでしょう。
しかしこれはおすすめできません。他の人ができることがあなたにはできない、と言っているようなものです。子供は「人と比べて自分はダメだ」と思うようになり、「どうせできない」という気持ちから、物事に対して消極的になりますし、チャレンジする気持ちもなくなります。
誰々はできているのにあなたはなぜできないのか、という言葉は、子供のできないことを非難している言葉です。今できないことを非難せず、今できていることをほめて応援していれば、「きっとできる」と思うようになり、やる気も生まれます。そしてついにできた時には、思い切りほめてあげましょう。できるようになってうれしいという親の気持ちも伝えましょう。
子供に悪い行動があると思った時は、その行動だけを捉え、決して子供という人間性を否定しないこと。叱らないで済むのであれば叱らずに、今できているところまでを認めて、ちゃんとできるようになるよう応援する。そのようにしていけば、子供は自信を失うことなく、やる気をもって物事に取り組むようになります。少し難しいことにチャレンジする気持ちも生まれてくるのです。
更新日:2019/11/29|公開日:2016/12/27|タグ:叱り方