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これでOK!思春期男子の取扱い方

思春期のカップル

思春期の男の子というのは、自立へ向けて様々な準備が精神的にも肉体的にも行われる時期です。単に一言「反抗期」と片付けてしまうのはあんまりです。息子さんも自分で自分に驚いてしまうような事が日々起こるのです。

 

そんな繊細で微妙な時期ですから、取扱い方を間違えると反抗期が長引いてしまったり、余計な火種を作ってしまったりしかねません。そこで今回は、思春期男子の取扱い方について見ていきたいと思います。

 

思春期に応援したい事

子育て本には、思春期を「乗り切る」というような言葉で表現されている場合があります。「乗り切る」というと、思春期のマイナス面しか見えておらず、なんだかネガティヴなイメージになってしまいます。

 

確かに、反抗期になれば困った言動や行動も増えてくるでしょう。しかし、思春期には胎児の成長時期にも匹敵すると言われるくらいの成長が起こるのです。そんな、とてつもない成長の時期ですが、親にはどうすることもできません。ただただ静かに見守り、安心してその成長期を過ごせるように環境を整えてあげましょう。

 

文部科学省が行なった「平成28年度体力・運動能力調査結果」によると、20〜64歳の人で中高時代に運動部で体を鍛えていた人は、そうでない人たちと比べると5〜15歳程度若さを維持しています。

 

思春期にはテストステロンが大量に分泌される時期です。運動し、栄養をとり、睡眠も十分に取って成長ホルモンの分泌を促しましょう。思春期に体を鍛えることで、その後も高いレベルの体力を維持する事ができます。普段からお母さんたちはご飯を作り、洗濯をし、と息子を応援していると思いますが、思春期にはその応援が何より大切です。

 

女の子は初潮がきたら赤飯を炊いたりしてお祝いしてもらえます。しかし、男の子はなかなかそうはいきません。思春期が来たことを喜ばしい事としてお祝いしてはもらえません。そこで、息子さんが壁に穴をあけてしまったらお祝いして見てはいかがでしょうか。

 

思春期に男の子が壁に穴をあけることは健全に成長している証しです。お祝いされた本人もびっくりするでしょうが、そんな自分も受け入れてもらえた、という安心感を感じることでしょう。

 

もちろん、壁に穴をあけるというのは、あくまでやんちゃの一例ですが、息子に親が丸ごと受け入れてくれる、という安心感を与えることは思春期において大切なことです。

 

思春期は褒めて何でもやらせて、失敗させる

思春期には褒めて何でもやらせてあげましょう。例え失敗したとしても、男の子は失敗から学びますから、逆に失敗が成功です。

 

思春期に友だちを連れて来たら、大いにもてなしましょう。思春期の友だちは息子にとってとても大切な存在です。家に連れて来てくれるということは、なんだかんだで家の事が好きという証拠です。友だちを親に認めてもらえると、態度や言葉には出さないかもしれませんが「自分を認めてもらえた!」というくらいに嬉しいと感じます。

 

また、息子の友だちを見ていれば息子が外でどんな感じなのかも分かります。いわゆる「つるんでいる」友だちは息子の分身です。馴れ馴れしいと思われると敬遠されてしまうので、適度な距離を保っておもてなししましょう。

 

おもてなしをするのは息子が彼女を連れて来た時も同じです。彼女を連れて来たからといって「取られてしまう」なんて気持ちを持たないようにしましょう。別に息子はそんなつもりで連れてくるわけじゃありません。

 

お母さんに彼女のことを知ってもらい、仲良くなって欲しいと思っているからわざわざ家に連れてくるのです。彼女のマイナスな部分ばかり見て、そのことを指摘したりしようもんなら、もう彼女を紹介してもらえなくなりかねません。

 

お母さんも彼女も息子にとっては両方大切な存在なのに、どちらか片方しか選ばないといけないなんて可哀想です。連れて来た彼女を大いに褒めましょう。心配はいりません。思春期に付き合っていた彼女とそのまま結婚、なんてことはほぼありません。その事はお父さんお母さんもよく分かっているはずです。

 

それに、家族公認となれば若い二人だってバカな暴走はしたりしないでしょう。付き合いに反対された時に突っ走って暴走してしまうケースがほとんどです。心配であれば、付き合いに反対する事なく、公認の関係を築き、何でも相談してもらえる環境を作りましょう。

 

男性という生き物は、女性から見ると「バカだなぁ」と思ってしまうような事でも、実際にやって失敗してみなければ分からない生き物です。失敗から学んでいるのです。思春期にはそのおバカっぷりが増します。

 

お母さんからすれば、きっと意味が分からない事も多々あるでしょう。アレコレ口出ししたくもなるでしょう。しかし、他人に迷惑をかけてしまう場合や危険を伴うような事でなければ、おバカをやらせてあげましょう。

 

男子校の先生方も、男子校だと女子生徒の目を気にしなくても良いので、どんどんおバカをやらせるそうです。おバカをして、例え失敗してもそこから思春期男子たちは成長するための何かを学んでいるのです。おバカな行為をやめさせてしまうと、それはつまり成長出来るチャンスも摘んでしまうことになります。

 

おバカをやってみて、もちろん失敗もします。大人は見ていて「やっぱり」と思うことでしょう。しかし、「やっぱり」と口に出してはいけません。思春期は失敗してナンボです。

 

「成功」の対局は、「何もしない事」と言えます。「失敗」はチャレンジしたから失敗しているので、成功の対極ではありません。成長してからも何事にもチャレンジするようになるには、親が失敗という結果についてとやかく言うのではなく、チャレンジしたこと自体を褒めてあげる事です。

 

失敗して落ち込む姿を見るのは親としてはツライかもしれませんが、息子の成長の為には、我慢してそっと見守りましょう。

 

思春期になると、息子は自分の考えを親に分かって欲しいという想いが強くなります。親は親なりによかれと思って、教えてあげたいと思いますが、なかなかうまくいかずケンカになってしまう事もあるでしょう。

 

思春期には親子ゲンカが増えるものです。大ゲンカをしたあとには、息子の事を認めてあげましょう。お互いにお互いを傷つけたいわけじゃありません。ただ、ケンカの最中には冷静になることが出来ず、余計な事も言ってしまいます。親だって人間ですから、頭に血が上っている時に冷静になんてなれません。

 

しかし、ケンカの原因がなんであれ、解決出来ていなくても、お互い冷静になれたらケンカはやめです。親の方から息子に歩み寄りましょう。例えば、息子の意見に賛成出来ない場合でも「賛成は出来ないけれど、真剣に考えている事は分かったよ」などと伝えてみましょう。

 

思春期の息子がいうことですから、賛成出来ない意見も多いかもしれませんが、だからといってケンカの後は放置せずに認めているということを伝えてみましょう。息子さんも冷静になれば親の気持ちも理解してくれるはずです。

 

思春期の時期には色々な世界を見せてあげよう

思春期は自立への準備期間です。色々な世界を見る事はその後の人生にも大きく影響して来ます。ちょっとだけ一人旅をさせて見るのもいいでしょう。家の中では生意気な態度をとっている息子も、見知らぬ土地に一人で行ってみると自分の無力さを感じるでしょう。

 

しかし、無力さを感じさせることが一人旅をさせる目的ではないので、あまりハードルの高い一人旅にならないように気をつけてください。例えば、遠方におじいちゃんやおばあちゃんが住んでいるようであれば、おじいいちゃんおばあちゃんの家に行かせてみる。もしくは、中高生が対象の宿泊を伴うようなイベントに参加させるのもいいでしょう。

 

無力さではなく、「一人でもなんとかなる」という自信を少しでも付けて戻ってきてくれれば大成功です。「親のありがたみ」は成長すれば自然と感じるものですから、この時期の一人旅では感じなくていいのです。

 

また、費用がかかってしまいますが家族全員で海外旅行へ行ってみるのもいいでしょう。さすがに一人旅で海外は思春期には危険ですが、家族と一緒なら安心です。海外旅行は時に、それまでの世界観をぶち壊してしまうほどのものです。なんせ、今までは日本という国しか知らないのです。

 

ニュースやネットで情報を得る事は出来ても、どこか他国の出来事です。それを実際に肌で感じるとショックを受けるでしょう。自分が住んでいる日本とは全く違う文化、趣味趣向、宗教など、日本にいては体験する事は出来ません。

 

お母さんやお父さんはもしかするとリゾート地に行きたいかもしれませんが、なるべく先進国よりは発展途上国を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

日本がいかに恵まれた環境か、実感する事でしょう。綺麗なトイレに、時間通りにくる公共交通機関、コンビニだって今の子供たちには当たり前のものです。これらが世界的にいかに凄い事かを思い知るでしょう。

 

視野を広げて、世界に通用するような自立心を育てるためには、世界には日本とは全く異なる国がたくさんあることを知り、日本という環境がいかに温室であるかを経験し、ハングリー精神を持って毎日をタフに過ごしている同世代の子供たちがいることを実感させることが大切です。

 

色々な世界、それは愛だって例外ではありません。しかし、愛というものは目には見えませんから、お父さんとお母さんが「夫婦の愛」を息子へしっかりと見せましょう。両親がどのような関係を築いているかは息子さんが将来異性とパートナーシップを築く時に大いに影響します。

 

夫婦には色々なカタチがあります。それは別に問題ではありません。ただ、両親が互いに互いを思いやっている、二人のやり取りの中に「愛」を感じることができればいいのです。ケンカする場面を見せてしまっても、ラブラブな場面もまた見せているなら問題ないでしょう。

 

息子さんがお父さんとお母さんをみて、何となくでも「愛ってすごい」って感じることができればいいのです。そうして、二人の関係を見て愛があったから自分が誕生した、ということも感じるかも知れません。

 

この時期に愛を何となく感じることができると、将来自分がパートナーシップを築く女性もお母さんのような女性がいいと思うようになります。

 

この世の中には、何億人という異性が存在していますが、結局その何億人の中の一人とパートナーとして一緒に歩んでいくことになります。そのたった一人に対する対応は映画やドラマにしてもいいくらい素晴らしいのに、それ以外の異性に対する対応がイマイチ、という男性は成人男性でも珍しくありません。

 

男女共同参画が推し進められている昨今においてそんなことでは、グローバルに活躍することが出来ません。女性に対する応対を一番間近に見ることができるのは、お父さんお母さんの夫婦の関係です。夫婦ゲンカをしても、その後で協力して物事に取り組む姿をみせましょう。

 

親が思春期男子に合わせてあげよう

思春期の男子は、自由に自分の価値観を表現し、認めて欲しいと強く思うようになります。それは親でもない、先生でもない、友だちでもない、利害関係のないナナメの関係の人です。

 

ちょっと前の日本では、おじいちゃん・おばあちゃんが近くにいたり、近所付き合いも盛んでしたから、近所のお兄さん・お姉さんなどと何かしら関係がありました。つまり、ナナメの人間関係の中で、自分の価値観を表現し認めてもらえる機会があったのです。

 

最近では、塾や家庭教師の学生の先生たちと、そのような関係を築いているケースが多いようです。しかし、お友だちの両親は、ナナメの関係を築くにはうってつけです。

 

仲のいい友だちの家に遊びに行くと、自分の両親とは違う価値観を持った大人と触れ合うことができます。そのお友だちに、お兄さんやお姉さんがいれば更に刺激になります。

 

大人にも色々な価値観を持った人たちがいると身を持って分かりますし、親は見たことのない息子の様子をお友だちのお母さんから聞くことがあるかも知れません。

 

もちろん、仲のいい息子のお友だちは、自分の家にも招待しましょう。自分の友だちと仲良く話す親の姿を、息子は頼もしく思うことでしょう。

 

そして、自分のお友だちに対する対応、つまり適度な距離感を持った対応が、思春期男子に対する正しい対応方法なのです。

 

思春期には、親が思春期男子に歩み寄ることも大切です。そして、息子は、(まだまだ半人前ですが)一人前の大人として扱って欲しいと思っています。

 

子供扱いされるのではなく、大人として対等に扱って欲しいのです。そのような適度な距離感を持った対応により、反抗期が長引かずに終息に向かいます。

 

また、親が息子に相談をしてみると息子との距離が縮みます。相談の中身は何でも構いません。例えば、仕事の人間関係を相談してみるもよし、おばあちゃんと喧嘩したことを相談してみるもよし、些細なことでもいいでしょう。

 

大人が自分に意見を求めてくるなんて、そうそうあることではありませんから、驚くかも知れませんが、外に出さなくても何だか認められた気がして嬉しいはずです。生意気に「それはさぁ」なんて言いながら、自分の意見を言ってくれるかもしれません。

 

もし、そのアドバイスを受けて、「いいな」と思うものがあったら、少し大げさに感謝してみてください。普段はこちらから距離を詰めると逃げていってしまいますが、この時ばかりは逃げたりしないはずです。そして、大人扱いされると、子供は無意味な背伸びをしなくなります。

 

思春期には考える事が山積みです。仕事でこれだけのタスクを渡されたら、大人もへこたれてしまうような量です。

 

そう考えると、思春期男子というのはすごいです。毎日何かに挑戦しながらも、部活のことや友だちのこと、勉強や遊びに、加えて進路のことなど、考えなくてはいけないことが次から次に出てきます。

 

子供は親が思っている以上に親を見ています。親が口では偉そうなことを言いながら、何も努力をしていない姿はバレバレです。子供はすぐに気付き、幻滅してしまうかもしれません。そこで、お父さんお母さんも何か新しいことに挑戦してみましょう。

 

毎日忙しいかもしれませんが、新しいことに挑戦している両親を見て、いくつになっても新しいことに挑戦していいんだ、お父さんやお母さんにでもうまくいかないことがあるんだと感じてくれることでしょう。

 

思春期の子供は、自分が思春期だと分かっていません。分からない状況で必死にもがいています。そんな息子を見ているのは辛く、「何か出来ないか」と思ってしまいます。しかし、思春期は自分の力でないと乗り越えられません。基本的には両親は見守るのが一番です。

 

大人は、「思春期はいつか終わるもの」だと分かっていますが、子供は自覚がないので終わりが見えず、参ってしまうことがあります。そんな時には、できればお父さんが、自分の思春期の頃の思い出について話してみてください。

 

上から目線の話ではなく、息子と同じ目線で自分が思春期だった頃の悩み事を共有してみてください。終わりがくること、自分だけが悩んでいるわけではないことが分かれば、なんだか勇気が湧いてくるはずです。

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