指しゃぶり、爪噛み、おねしょ…、なかなか直らない癖をどうする?
指しゃぶりが気になる、おねしょが直らないなど、何とかしたい子供の癖はいろいろあります。でも、アプローチの仕方を誤ると、直らないどころかひどくなったり、他にも悪影響を与えてしまったりすることにもなりますから、慎重にやらなければなりません。どのように対処していったらよいか見ていきましょう。
指しゃぶりや爪噛みなどの癖を直すには
誰にでも、癖になってしまっているものはあります。自分でも分かっていて直したいけれど直せない癖、誰かに指摘されて初めて知った癖など、いろいろなものがあるでしょう。それらすべての癖を直さなければならないというわけではありません。放っておいても問題がなければそのままでよいのです。
しかし、子供の癖の場合、見た目が良くなかったり他に問題をきたしてしまったりするものもあるので、親の方が直したいと思うケースは多々あることでしょう。指しゃぶりや爪噛みなどがその代表的なものです。
ストレスがないかどうか調べてみる
ごく幼い子供は、指しゃぶりや爪噛みをすることで安心感を得ている時があります。だから、眠たい時や暇な時によく指をしゃぶったり爪を噛んだりしているのです。このような癖であれば、成長するにしたがっていつのまにかしなくなっていきます。放っておいても構わないでしょう。
注意が必要なのは、四六時中指をしゃぶり続けているとか、爪を噛み過ぎてけがをしてしまうという場合です。そんな様子が見られるなら、その背後に何らかのストレスが隠されているかもしれません。子供の生活をよく観察してみて、ストレスになるようなことがないかどうか、調べてみましょう。
夢中になれる遊びに誘う
気になる指しゃぶり等の癖というのは、本人が遊びに集中している時には出にくいようです。「あ、しゃぶってる…」と大人が気づいたら、それを指摘するのではなく、子供が夢中になれそうな楽しい遊びに誘うのも一つの方法です。それを繰り返すことで、気になる癖は見られなくなっていくでしょう。
親子の触れ合いで子供の心を安定させる
何らかのストレスが原因で指しゃぶりや爪噛みなどの癖が出ている場合は、まずは子供の心を安定させる必要があります。一番よいのは、肌と肌とで触れ合うことです。抱っこするもよし、ひざに乗せて本の読み聞かせをするもよし。「温かいな、気持ちがいいな」と思うことで、子供の心は安定するはずです。
「ほらまた指しゃぶりして!」「爪噛みばかりしないの!」と厳しく非難されると、子供の心は不安定になり、癖が重症化してしまう可能性があります。そればかりか、頻繁な瞬きや首振りといったチックの症状が、新たに見られるようになることもあります。気になるからと言って、それを責めたり叱ったりするのはやめましょう。
おねしょを直すには
おねしょには、おしっこの量が多過ぎることが原因で漏らしてしまうケースと、膀胱が小さすぎて漏らしてしまうケースの2つがあります。どちらにせよ、正常な排泄ができるまでに身体が発達すれば、自然と治りますから、あまり心配しすぎる必要はないでしょう。
「しつけが悪かったのかしら…。脳の発達に遅れがあるのかしら…」などと考える人もいますが、それは原因ではありませんので、ご安心を。それを念頭においたうえで、おねしょをしてしまう子供には、次のような対応をすることをおすすめします。
おねしょについて叱っても直らない
「子供がおねしょをすると、つい叱ってしまう」という親御さんも少なくないでしょう。何しろ、おねしょの後始末は大変なのですから。シーツやパジャマは洗わなければならないし、布団は干さなければならない。朝はそれでなくても忙しいのに…と、イライラしてしまいますね。
しかし、叱ってもおねしょは直りません。それどころか、ますますひどくなってしまう場合もあります。なぜなら、叱られることで子供にストレスがかかり、おねしょがひどくなるのです。
子供がおねしょをした時は叱りたい気持ちをぐっとこらえ、「大丈夫!みんな大きくなれば自然としなくなるんだから」と明るく声をかけてあげてください。子供もホッとすることでしょう。
とはいえ、やはりおねしょの後始末は気が重いもの。できるだけ後始末が楽になるように、寝るときだけはオムツを使用することにするとか、布団が濡れないように防水パッドを敷くとかして、工夫してみるとよいでしょう。後始末が楽であれば、叱る回数も減るのではないでしょうか。
おねしょの話はお母さんとの間だけで
どんなに小さな子供であっても、自分のおねしょを人に知られるのは、恥ずかしいと思うことですし、自尊心が傷付くものです。ですから、おねしょの話は、お母さんと子供以外の人の前ではタブーです。
他の人が聞こえる声で「あ~、またおねしょしちゃったね」などと言ったり、他の人がいるところで「おねしょしちゃうから水の飲み過ぎに気をつけようね」などと言ったりするのもダメです。おねしょの話題は、お母さんと子供との間だけでするようにしてください。
塩分や水分を摂りすぎないように
おねしょをしないようにするためには、夕方から口にするものにも気をつける必要があります。水分を摂りすぎないようにするのはもちろんのこと、のどが渇きすぎないように塩分を控えることも大切です。夕食に味噌汁を飲むのをやめるとか、だしをきちんと取って薄味でも満足できるようにするとか、いろいろな工夫をしてみましょう。
寝る前にお風呂に入ると体が温まるので、おすすめです。しかし、お風呂上りにのどが渇いてしまう可能性もあります。その場合は水を飲むよりは氷を一粒口に含ませてやる方が良いでしょう。少ない量でものどの渇きが癒されます。
ただし、全体的な水分摂取量が減ってしまわないよう、夕方になるまでは存分に水分を摂らせてやってください。
起こしてまでトイレに行かせるのは逆効果
「おしっこの量が多いから漏らすのであれば、おしっこが出る前に起こしてトイレに行かせればよいのでは?」と考える人もいます。確かにそれなら、おねしょを防げて楽かもしれませんが、実はそれではおねしょは直りにくくなるばかりです。
人間の体には、睡眠中に分泌されるホルモンの力によって、寝ている間のおしっこの量をセーブする働きがあります。無理やり起こされると、ホルモン分泌のリズムがくずれるため逆効果です。
それに、夜中に起こされてトイレでおしっこをしたとしても、子供は半分寝ているようなものですから、子供側の認識では、おねしょをしたのと同じなので、癖が余計につく可能性もあります。
親はおねしょを気にしすぎないこと
おねしょ対策として一番大切なのは、親が気にしすぎないことです。「まあ、大人になってもおねしょをする人はほぼいないのだし」と気長に考えてください。就寝前にトイレに何度も誘ったり、おねしょの話ばかりしたりしないようにしましょう。
おねしょの事を意識しすぎるとうまくいかないものです。気にしないでいるうちに、ふと気づいたらおねしょをしなくなっていた、ということはよくあることなのです。
ただし、小学生になっても毎朝パンツを濡らしてしまうとか、水分や塩分を控えても一向に変わらないという場合には、小児科を受診することも考えてみましょう。もしかしたら思わぬ病気が原因となっているのかもしれません。また、薬によっておねしょを改善することもできますが、それは医師の処方によるものです。
小学生も学年が上がってくると、宿泊学習が入ってきますから、その時になって子供が困らないようにと考えるなら、一度小児科で相談してみるのも一つの方法です。
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更新日:2019/11/29|公開日:2017/04/10|タグ:発達