楽しく歌って脳を活性化させよう!
ピアノやバイオリンなどの楽器の練習をすると、脳が活性化します。しかし、もっと手軽に脳の活性化ができる音楽もあります。それは、「歌」です。歌うこともまた、脳を活性化させてくれるのです。詳しく見ていきましょう。
歌を歌うと脳がこんなにも活性化する!
歌うことは、脳を活性化させるよい方法です。歌でも楽器演奏でもそうですが、音楽を学ぶと、脳の中の音に関する部分がどんどん活性化します。音についてのいろいろなことが理解できるようになり、音に関する処理能力も高まります。
ここで大切なのが、言葉も音の一種であるということです。つまり、音についての理解が深まり音の処理が上手になるということは、言葉もうまく使えるようになり、コミュニケーション能力が高まるということにつながるのです。
逆に、ただ言葉を学んで使っていれば音楽的な部分が発達するかといえば、そうはいきません。音楽が好きなわけでなく、日頃音楽に触れることのない人は、言葉をいくら学んでも、音楽的なことが上手になることはありません。それなのに、音楽をやっていれば、言葉の領域も発達していくのですから、面白いものです。
話をするときには、脳がどんなタイミングで、どのくらいの大きさの声で、どんなことを話すかということを瞬時に判断して命令を下しています。音楽を学んでいる人は、この判断と命令のシステムがうまく働くということが、実際、研究によって明らかにされつつあるのです。
また、音楽にはリズムも必要ですが、言葉を話すうえでもまた、リズムというのはつきものです。リズムに関する感性は、音楽に触れることでしか身に付けられるものではないのです。言葉と音楽との間には、切っても切れない関係があるのですね。ちなみに、言葉の他にも、一定の速度で走ることやスキップすること、同じ動きを繰り返す編み物などでもリズム感を育てることができます。
歌うことが脳を活性化させる理由は、まだ他にもあります。歌うことは、一種の運動とも言えます。自分の意志で自分から音を出すのですから、これはまさに、人間が行う運動の一つなのです。運動するには脳を使いますから、そういった意味でも歌は脳を活性化させると言えるでしょう。
さらに言うと、大きな声を出して歌うということも、脳に良い刺激を与えます。カラオケで大きな声で歌った後は気分がすっきりするという経験は、多くの人がお持ちなのではないでしょうか。そのような気持ちになると、脳からドーパミンという物質が分泌されて、脳内を刺激してくれるのです。
このように、歌うという行為は、様々な角度から脳を刺激し活性化させてくれるのです。
子供の脳のためには、生活にもっと音楽を!
言葉というのは一種の音です。ですから、歌を歌うなどの音楽活動を続けることによって、脳内の言葉に関する処理能力を高めてくれます。しかし、言葉を話すことと歌を歌うこととの間には、決定的な違いがあります。それは、歌うのを頑張って上手になったり、ほめられたりすることで、脳内の働きがさらに活発になるということです。
言葉を使うこと、つまり話すことについては、うまいかうまくないかということは分かりにくいものです。それに対して歌や楽器演奏は、上手さ加減がすぐにわかります。ですから、上手になりたいと強く思いますし、そのためには頑張って練習もするでしょう。
その努力のかいあって、歌や楽器演奏が上達したときには、大きな喜びがあるはずです。周りから「上手になったね」とほめられれば、それもとてもうれしく感じるはずです。その気持ちは快楽物質であるドーパミンを分泌させ、その働きによって脳全体が活性化されるのです。
ですから、子供のうちから思う存分歌わせましょう。そして音楽にたくさん触れさせましょう。
ここでちょっと振り返ってみてください。あなたのご家庭では、日頃から音楽に触れる習慣がありますか?残念ながら、乳幼児に聴かせる歌と言えば子守唄くらいしかないというご家庭が非常に多いのです。
子守唄というのはそもそも、頭を休めて眠りにつかせるものですから、その音楽はスローなものです。音楽で脳を活性化させたいなら、昼間起きているうちに、子供がつい口ずさんでしまうような楽しい音楽を、たくさん聴かせましょう。そして、それに合わせて親子で歌いましょう。
ごく幼いうちからでもできることです。様々な音楽を聴かせ、音の出るおもちゃで遊ばせましょう。そうすることで、音楽が日常的なものとなり、自然と音を認識したり処理したりする力がついていくのです。