原始反射を利用して脳トレをする方法
赤ちゃんは原始反射と呼ばれる反射による行動を取ります。この原始反射のうちいくつかを利用して赤ちゃんに運動をさせ運動能力をつけることができるだけでなく、そうすることで赤ちゃんの脳の発達にもいい影響を与えることができます。
反射を利用して手指・足指の体操をさせよう
生後2ヶ月目あたりまでの赤ちゃんは最低限の反射による運動だけをすることができ、これらを原始反射と呼びます。この原始反射には把握反射やモロー反射などがありますが、こうした反射をうまく利用してあげることで赤ちゃんに手指・足指の体操をさせることができます。
赤ちゃんは初めのうちはよく両方の手を曲げ、肩の辺りでぎゅっと手を握っています。手を開かせて指を伸ばそうとしてもけっこうな力が必要になりますが、こうなってしまうのは赤ちゃんの筋肉がこわばってしまっているためです。
腕を伸ばしてあげてから腕の内側全体をマッサージしてあげるとこわばりはほぐれますので、手のひらを軽く叩いたりなでたりすると握っている手を開きます。赤ちゃんが手を開いたら、開いた手の平に大人の指などを入れてやるとかなりの力で握ってきます。
このようにして指などを強い力で握ってくるのが把握反射で、指を握る力はかなり強く、指を入れた方が驚くほどです。このように反射を利用することで、手指を開いたり握ったりする運動をさせてあげることができます。また、指を握られた状態で赤ちゃんの両手をゆっくりと広げることで、腕の曲げ伸ばしの運動をさせることもできます。
もともと把握反射は、人間がまだサルに近かった頃に樹上生活をしていたころの名残とされています。外敵に襲われて木の上に逃げたり木の枝を伝って移動する時に、移動するお母さんの毛をつかんでしがみついていたからではないかとされています。この時しがみついているためには自分の体重をきちんと支えることができるほどの力がなくてはなりません。そのため赤ちゃんが把握反射で出す力はかなり強いというのです。
赤ちゃんの原始反射にはモロー反射というものもあります。首を支えながら床から少し頭を持ち上げて急にはなすと、赤ちゃんは自分の両腕を反射的に伸ばして抱きつこうとするような仕草を見せるのです。こうした行動もお母さんにしがみついて落ちないようにするために身についたものではないかとされています。
赤ちゃんの手に見られる把握反射は、足の指についてもみることができます。まず足首の部分をやさしくつかんで土踏まずを指で軽くなで、足指の付け根部分を裏側から指で押してやると足の指を閉じます。逆に足の甲を指で軽く叩いてやると足の指を反り返らせる行動を見せるのです。こうしてやることで、足の指の運動をさせることができます。
また、赤ちゃんを抱いている時に足の裏を床につけると、赤ちゃんは自動歩行と呼ばれる反射行動を行います。こちらの反射行動が出ると赤ちゃんは足を両方ともつっぱり、左と右の足を交互に持ち上げて足踏みのように見えることをするのです。この反射を利用すると赤ちゃんの足の運動になります。1日に2回から3回ほどこうした運動をさせると、早く歩いたりするという研究もあります。
赤ちゃんの大脳はまず運動に関するところから発達する
このようにして赤ちゃんに運動させても、確かに体の方は発達したとしても脳の発達につながるのか疑問に思う方もあるかと思います。ところが、赤ちゃんに運動をさせると体だけでなく脳の発達にもいい影響があることが分かっているのです。
赤ちゃんの大脳がどこから発達を始めるかというと、まず運動に関するところからであることが分かっています。前述した原始反射は赤ちゃんの大脳がまだ未発達でも大脳の働きに関係なく起きる現象ですが、この反射を使って運動をさせていると、刺激に対して自分の行動を修正するという脳の機能が発達してくるのです。
最初はほんの口元まで乳首をあててやらないとおっぱいを吸わなかった赤ちゃんが、何度もそれを繰り返しているうちに自分で乳首を探すようになるように、自分の行動を状況に応じて修正するという大脳の前頭連合野の機能がアップし、反射ではなくて学習によって身につけた自分で選んだ行動をするようになっていきます。これが知能の芽生えです。
このような大脳の発達を促進するためには、赤ちゃんの大脳が発達していくのにあわせて適切な刺激を与えてあげることが不可欠です。反射を利用した運動は、そうした刺激としてうってつけなのです。
こういった運動はおむつを替えるときなどのタイミングを利用して5分程度ずつさせてあげるようにするといいでしょう。
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更新日:2019/11/29|公開日:2015/03/16|タグ:原始反射