できれば避けたい会陰切開!
赤ちゃんが頭を出そうとするとき、母体の会陰部が伸びて薄くなります。会陰部は、肛門と、膣の外陰部に挟まれた部位になります。
でも、会陰部の伸び方は、人によって柔軟に伸びたり、固くて伸びにくかったりといろいろです。ですから、赤ちゃんが頭を出す際に会陰が裂けてしまうことがあるのです。
出産時に会陰切開をすることがあります
一般的に、1度目の出産の方の会陰は固めで、裂けやすいと言われています。また、大きめの赤ちゃんだったり、赤ちゃんが出てくる向きが悪かったりすると裂けやすくなります。さらに、陣痛の程度が強くて、赤ちゃんの出てくる勢いが激しいと、いきなり強い力が会陰にかかってくるわけですから、この場合も裂けやすいといえます。
お産を手伝ってくれる助産師さんや医師は、会陰の裂傷を防ぐために会陰保護をしてくれます。会陰部を手やガーゼなどで押さえるのです。ですが、裂けてしまいそうなときは、会陰を切開することになります。
自然にできた裂傷は、会陰切開するよりは痛みが弱く、治りも早いです。でも、裂傷の場合はギザギザとした傷口であるために、縫合が難しいのです。それに、小さな裂傷ならいいのですが、場合によると直腸あたりまで傷が伸びていくこともあるのです。
また、会陰切開するのは、裂傷を防ぐためだけではありません。会陰が思うように伸びてくれないと、お産が進行せず、赤ちゃんに負担がかかることがあるので、そのような場合にも会陰切開をすることがあります。
つまり、その時の状態によって、会陰切開したほうが良いと判断されることもあるということになります。
会陰切開はどのように行われるか
会陰切開の方法についてご説明しましょう。
①切る方向について
会陰切開する時の方向には、いくつかあります。膣から肛門へという方向で、まっすぐに切ったり、膣の下から右斜め方向に、または左斜め方向に切ったりします。
②切るタイミングについて
お産で言うと、娩出期、つまり赤ちゃんの頭が完全に出た時に、会陰切開をします。この時会陰は、赤ちゃんの頭くらいには伸びていることになります。
③具体的な切開の方法
切開の時、および縫合の時には、部分麻酔をかけます。切る長さは、だいたい2~3㎝といったところです。赤ちゃんと胎盤が出きったら、縫合することになります。
お産の後4~5日で、抜糸をすることになりますが、これは普通の糸での縫合の場合です。縫合の糸は、次第に溶けてのちには体に吸収されていくものもあり、その場合は抜糸という処置がありません。
会陰切開って痛いの?
会陰切開で一番気になるのは、その痛みではないでしょうか。
会陰切開は、部分麻酔をかけてから行われます。その上、陣痛の激しい痛みがあるときに切開されますから、会陰の痛みを感じたという方はあまりいないようです。一方で、陣痛が去った後だからか、縫合の際にも部分麻酔をかけるにもかかわらず、その際の痛みは感じたという方は、かなりいらっしゃいます。
いずれにせよ、痛みの感じ方には個人差があるということは言えます。
また、縫合処置後は、糸が会陰部を引っ張るような痛みを感じることがあります。これは抜糸が行われればおさまります。
座るときに会陰部の痛みを感じることが多いので、そのような時は、ドーナツのように真ん中に丸く穴が開いたクッションを使用するのがおすすめです。
会陰切開を望まない時は
会陰切開は人工的な処置になります。そのため、できるだけ自然な形で出産したいという方は、会陰切開をしたくないと考えることが多いようです。もしもそのような気持ちがあるなら、あらかじめ医師及び助産師と相談しておくとよいでしょう。
とはいえ、やはり会陰の裂傷は、できるだけ避けたいもの。基本的に、会陰部の柔軟さはお母さんの体質によって決まるところがあるのですが、ケアをすることによって、会陰をある程度柔らかい状態にすることは可能です。
マッサージ用のクリームが販売されていますので、それを用いて会陰部をマッサージするのもいい方法です。
また、マタニティーヨガの姿勢の一つに、股を大きく開いてしゃがむというものがあります。これにより会陰が伸びて柔軟になります。具体的には、いわゆる「ヤンキー座り」とか「うんこ座り」といわれている座り方を背筋を伸ばして行います。
※ヤンキー座りは前かがみの人が多いですが、背筋は伸ばしましょう。バランスが取りにくい場合は、旦那さんに支えてもらうなど2人で行うと良いです。
注)30週を過ぎた段階で逆子と診断された方は、逆子が直るまではこの姿勢を取るのはNGです。
妊娠の時期に合わせて、マッサージクリームやヨガ姿勢を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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更新日:2019/11/29|公開日:2014/12/22|タグ:会陰切開