男の子のくだらない行動はじっと見守って
女の子と比べると男の子はいつもちょろちょろしていて、何にでも興味を示してはどこから思いついたのか、というようなどうでもいいことを熱心にやっているような傾向があります。こうした「性質」は親にとっては時に悩みのためになりますが、伸ばしていくことによって将来的に長所に変わると言います。どういうことなのか詳しくチェックしてみたいと思います。
将来有望なだけの男性では相手にされなくなってきた
近ごろの日本社会では女性の社会進出が進み、さまざまな場面や分野で女性の活躍を見ることが多くなってきました。今はまだ多いとは言えない女性議員も今後は増えることが見込まれますし、将来的には女性の総理大臣というものも出てくることでしょう。
こうした女性の台頭の予感は学校現場でもはっきり見ることができます。最近では、公立の中学校などでは成績のいい子どもはおしなべて女子であることが多いのです。
こうした現状を踏まえて、女の子が将来こんな人と結婚したい、とする男性の理想像も変化してきています。中学生や高校生に結婚相手の理想像について尋ねると、以前は経済力のある人という回答が多かったのに対し、最近では料理ができる人という回答が増えてきているといいます。
すなわち、男性に遜色なく仕事をし、家計を支えることさえできる女の子にとっては、自分がやりたいことを邪魔しない人、そして一緒に家庭を支えることができる人が理想の男性だということです。
つまり、勉強だけが得意で生活面はすべて母親に任せきり、といったような男の子は、今後は女の子に見向きもされない、という世の中になってくるかもしれないということです。ガリ勉だが成績はよく、将来の心配はなさそう、というだけの男の子にとってはたいへんな時代になってきたという言い方もできるかもしれません。
男の子は面白いことを見つけるのが上手
このように、女の子が力をつけてきた昨今であっても、まだ男の子のほうが秀でている能力があります。それは、面白いことを発見する力や創造力といったものです。
全体的に見ると、女性というのは決まり切ったことを間違いなくやり遂げることが男性よりも得意です。逆に、男性は決まり切ったやり方があるとどうしてもそこから寄り道したがる傾向があります。男性は女性よりも好奇心が旺盛であること、そして、それをやったらどうなるか、ということをあまり考えずにやってしまうという性質を併せ持っているからです。
例えば、花壇にチューリップを植えるという授業があったとしましょう。こういう場合、女の子はセオリー通り、花壇をちゃんと区画分けし、そこにきっちりと球根を植えていきます。花が元気に育つことができるように、球根どうしの間隔をちゃんとあけたり、咲いた時にきれいに見えるように色の配置に気を遣うなど、きちんきちんと植えるでしょう。
一方、男の子の場合はここでいろいろとよけいなことをし始めます。球根をぎちぎちにつめて植えてしまうといったことは序の口で、花壇の中央に土盛りして山を作ってみたり、穴を掘って池を作ろう! などとやり始めたり、思いつくままにいろいろとくだらないことをやり始めます。こういったことは花をきちんと咲かせるという点から考えれば不要なことですが、それでも好奇心に駆られてやってしまうのが男の子なのです。
結果として、ろくに花が咲かずにダメになってしまうかもしれませんが、無事に咲いた場合には、普通では見ることができないような面白みのある花壇ができあがります。セオリー通りにちゃんとした花壇を作るのが得意な女の子にはなかなかできないような花壇になっていることでしょう。
男の子は料理においてもこういった「面白いことを発見する力」を表します。女の子はこちらでもセオリー通りに料理を作り、まちがいなく美味しいものを作ります。対して男の子の料理はおおざっぱで思い切ったものになりがちです。そればかりか、おでんにカレー粉を入れてみるといったように突如妙なことをはじめてしまい、結果としてかつてないようなレシピを開発してしまったりします。
こうした行動は基本的に思いつきに基づいていますので、当然ながら失敗してとても食べられたものではないものができることも多くあります。カレー粉なんか入れたらおでんにならないでしょ、と女の子に言われつつも、もしかしたらうまいかもしれないだろ、とやってしまう男の子は、思いつくままに次々試してみるようなところがあるものなのです。そして、そうした思いつきの源泉になっているのは好奇心と衝動性という男の子特有の性質にあります。
男の子はこうした好奇心と衝動性に突き動かされて創造性を発揮し、またどんどん行動するアクティブさを持っています。そして、こうした能力は大人になってからすばらしい発見をしたり、何か優れたものを生み出したり、新しいビジネスを思いついたりするためにとても大事になってくるものです。
こうした創造性や行動力といったものは、研究開発や企業活動になくてはならない有用な能力であり、企業などはそうした力を持つ人材を常に求めています。そういった点を鑑みれば、男の子に見られる面白いことを発見する力や創造力といったものがかなり大事なものであるということが理解して頂けるかと思います。
男の子の創造力の芽を潰さないために
男の子はもともとこういった性質を小さいころから発揮しているものですが、そうした性質をダメにしてしまう場合があります。その原因は親、特に母親の干渉です。
男の子が玩具などを使って一人遊びをしているとき、その玩具の本来の用途とは違うやり方で使ったりすることが往々にしてあります。そんな時、特に母親は「その玩具はこう使うのよ」と思わず手や口を出してしまいがちです。
しかし、そんなふうにしてしまえば、玩具を通して独創性を発揮していた子どもの行為を邪魔してしまうことになってしまうばかりか、子どもは「決まったやり方以外では使ってはいけないんだ」というふうに発想力の発揮を抑制してしまうようになります。男の子が本来持っている長所をむざむざ潰してしまうことになるので、こうした対応には十分に注意すべきです。
男の子の長所を潰さずに伸ばすためには、一見本来の目的とは違ったくだらないと見えるようなことをやり始めたときに否定しないようにすることが大事です。むしろ「なになに、面白そうなことやってるのね」といったように肯定的な反応を見せるようにするといいでしょう。母親が自分のやっていることに興味を示し喜んでくれる経験を積むことで、子どもはますます創造性を発揮してもっと面白いことをやろう、見つけようとするようになります。
このように、男の子の持っている面白いことを発見する力や創造力を伸ばすことができるのは母親です。子どもが変なことをしていてもすぐに否定せず、興味を持って見守ってあげて下さい。創造力はそうした「どうでもいいこと」から生まれてくるものなのです。
更新日:2019/11/29|公開日:2015/10/12|タグ:くだらない行動