キレる子供にしないためにはどうするか?
最近の若者や子供の特徴として、「キレやすい」というのが挙げられることが多いですね。我が子をキレやすい子に育てないようにするには、一体どうしたらよいのでしょうか。
しつけでキレない子に育てる
そもそも、「キレる」とはどういうことなのでしょう。ただ単に「怒る」のとは違います。あることをきっかけに、一瞬のうちに怒りが頂点に達し、その怒りをそのまま行動にして表すことを「キレる」言います。
単に「怒る」という時には、「相手がした行為に対してこう感じられたので腹が立った」というように、頭で考える時間があります。「荒れた学校」というのもよく使われる言葉ですが、これもキレる子供がたくさんいるのではなく、落ち着かず問題行動を起こす子供が多くいる状態が、ある程度長く続いている時に使います。
「キレる」という状態は、子供の時だけ起こるものではなく、大人でもそういう人はいます。また、「キレる」とまでは言えないにしても、カチンときたときについ大声で怒鳴り散らしたり、相手を殴ったり、物に当たったりする人もいます。感情のコントロールができないのですね。
しかし、だいたいの大人たちは、何かムカッとくることがあったとしても、すぐに怒りをあらわにして行動に移すことはせず、怒りの感情をコントロールすることができるものです。それは、多くの人たちが親からちゃんとしつけられてきたからです。
そう、キレない子に育てるには子供の頃のしつけが必要です。といっても、厳しく叱りなさいとか、怒鳴ったり叩いたりしなさいということではありません。自分の心に湧き上がる様々な感情や衝動、欲求などを抑制することを教えるのが、キレない子に育てるためのしつけです。
幼いころから「人を傷つけるのはいけないことだよ」と教えられていれば、例え怒りに任せて相手を殴ってやりたいという衝動にかられたとしても、何とか自分の感情をコントロールし、殴るのをこらえることでしょう。してはいけないことをしたくなった時に、我慢することを教わっていなければ、頭にきたらすぐ相手に暴力をふるってしまうことにもなりかねません。
暴力を我慢するだけではありません。「欲しい」と思ったものがとても高価なものだった場合、抑制する力をしつけられていれば、自分のお小遣いをよく考えて、貯金して買うなり買うのをあきらめるなりするでしょう。
しかし、小さい頃から何でも買ってもらっていた人や、我慢を教えられてこなかった人は、あまり深く考えずにカードローンを使ってすぐに買ってしまうかもしれませんし、その欲しい物を盗んでしまうかもしれません。
キレない心を身に付けるには、時間がかかります。小さいうちから継続して、我慢することややってはいけないことについて教えられて初めて、自分の感情をコントロールできるようになるのです。
直接体験の多さが判断力を養う
キレない子供を育てるには、自分の感情をコントロールすることを、小さい頃からしつける必要があります。もう一つ、キレない子にするために大切なことがあります。それは、直接体験を多くさせるということです。
人間は、直接体を使って経験して知識を得る他に、本を読んだり誰かに教わったりして間接的に知識を得ることもできます。しかし、間接的に得た知識に頼ってばかりで、直接自分の体で経験することが少ないと、自分の感情を抑制する力が育たず、キレやすくなってしまいます。
感情や行動をコントロールできないなんて動物と一緒だなどとよく言われますが、野生の動物も行動をコントロールしています。それは生きていくために必要な力です。
例えば、肉食動物はやみくもに走り回って獲物を狩るわけではありません。藪に身を潜めてじっと機会をうかがい、一瞬のうちに相手をしとめようとします。もちろん、目の前に餌となる動物がいるのですから、飛び出していきたい気持ちはあるでしょう。その気持ちをじっとこらえてチャンスを待っているのです。そんな力は、親から直接狩りの方法を教わり練習することで、身に付いていきます。
人間も同じです。本を読んだり勉強したりすることでしか知識を得ていないと、生きていく中でいろいろな状況に陥った時に、正しく判断したり行動したり、時には我慢をしたりする力が身に付きません。応用力がないとも言えます。体で直接体験することで得る知識が多ければ、いざという時に臨機応変に対応することができるのです。
更新日:2019/11/29|公開日:2017/02/05|タグ:キレる