脳科学が解明する夫に赤ちゃんのおむつ交換をしてもらう方法
夫に頼む赤ちゃんの世話として、一番おすすめしたいのが沐浴です。赤ちゃんに慣れることができるうえ、スキンシップにもなりますし、何より男性の大きな手は、沐浴させるのにはぴったりですから。
沐浴の方は、言い方をちょっと工夫すれば、きっとスムーズに手伝ってもらえることでしょう。でも、夫に頼みたいのは、沐浴だけではないですよね。忙しい時、赤ちゃんのおむつ替えを手伝ってもらえたら…と思ったことはありませんか?
おむつ替えを手伝ってもらうのは、実はちょっと大変なことなのですが、これを頼めるようになったら、夫の父性育てとしてはかなりステップアップしたと言えるでしょう。ちょっとしたポイントをおさえれば、おむつ交換をしてもらうことも可能になりますよ。
おむつ替えは夫にとっての大きな壁
手が離せない時に、赤ちゃんのおむつを替えてもらえたら、とても助かりますね。赤ちゃんのお世話の基本ともいえるおむつ替えですが、これは夫にとっての大きな壁となりがちです。
実際夫におむつ替えを頼んでみるとわかるでしょう。「絶対に嫌だ」と拒む人や、「おしっこなら何とかやるけれど、うんちだけは勘弁して」とお願いする人、一応どちらもやるけれど、本当に嫌そうな顔で恐る恐るオムツに触れているという感じの人…。いずれにしても、楽々手伝ってくれる夫などほとんどいないはず。
でも、だからと言って赤ちゃんに対する愛情がないとは、一概には言えません。どうやら男性は女性に比べて、排せつしたものに対する嫌悪感が非常に強いようなのです。その理由の一つとして、男性にはない毎月の生理というものが、男性にはないということも挙げられます。
女性の生理も、いわば排泄物。おむつを当てるのではないにしても、それと似た仕組みのナプキンを当て、毎月処理をしているわけで、男性よりは排泄物の扱いに慣れているのです。ですから、夫がおむつ替えに抵抗感を示したとしても、それは仕方のないことともいえるというわけです。
脳の仕組みを上手に使って、夫のおむつ替えに対する嫌悪感をなくす!
排泄物に対して嫌悪感を持つのは当然だから、おむつ替えは手伝ってもらえない…と早合点しないでくださいね。攻略法はあります!
その説明の前に言っておきたいことは、嫌悪感のあるものに対しての行動を無理強いすると、余計にその行動から逃げるようになるものだ、ということ。ですから、どうにかおむつ替えをさせようと押し付けすぎると、なおさら拒むようにもなりますし、育児そのものからも逃げ出そうとしてしまうかもしれません。
特に、いつもおむつ替えを嫌がっているのに、わざわざうんちの時を選んでおむつ替えを強要することは、一番よくないことです。「おむつ替え=絶対にしたくないこと」という風に、夫の脳に刻み込まれてしまいます。どうかこの点にだけはご注意ください。
さて、ではどうやって夫におむつ替えをお願いすればよいのかについてです。
これは、脳の仕組みをうまく使ってやれば、うまくいきます。
そもそも何かを不快に思う気持ちは、脳にある扁桃核というところに支配されています。扁桃核は、本能を司っている大脳辺縁系に所属しています。つまり、不快に思う気持ちも本能的なものであるということ。ということは、不快な気持ちを根本からなくすことは難しいのです。
でも、人間は感情をコントロールすることができます。脳の前頭葉には前頭前野という場所があり、ここでは理性が育てられます。そして理性は、人間の様々な感情や行動にブレーキをかける機能となり得るのです。
つまり、「排泄物やおむつ替えが嫌だ」という気持ちを、理性の力でストップさせることができればよいということ。それには、「赤ちゃんの排泄物は汚くないのだ」という、論理的な説明が必要になってきます。
次のように言ってみて、まずはオムツの中をのぞかせてみましょう。
「赤ちゃんって、ミルクしか飲んでいないでしょう。だから、大人のようにおしっこやうんちが臭うということがあまりないのよ。」
「それに、赤ちゃんのおしっこやうんちは、健康かどうかを知るための、大事な目安なの。観察することで、大事な赤ちゃんの健康状態が分かるのよ。」
こうした論理的な説明に加えて、愛すべき自分の子どもの笑顔がそばにあったら、次第に夫の脳も「赤ちゃんのうんちを嫌だと思ってはいけない。これは自分の子どもにとって大事なものなのだ」という理性が働くようになるでしょう。そうなれば、少しずつ排泄物に対する嫌悪感が薄れていくはずです。
最初はオムツの中を見るだけでOK。それほど嫌がらず覗きこめるようになれば、次のステップ、おむつ替えを頼んでみても大丈夫でしょう。