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子供は外で遊ばせるべき?それとも紫外線から守るべき?

外で遊ぶ子供

昼休みの学校の校庭は、楽しそうにはしゃいで遊ぶ子供たちであふれている。子供は太陽の下で元気に遊ぶもの。そんなイメージがありますよね。しかしそのイメージとは裏腹に、最近では紫外線による深刻な悪影響について指摘されることが多くなっています。子供たちは外でたっぷりと遊ばせるべきか、それとも紫外線から守ってやるべきか…。このことについて考えてみましょう。

 

日光を浴びることのメリットとデメリット

晴れた日はとても気持ちのいいものですね。特に春や秋など気候の良い時期は、どんどん外に出たくなるものです。もちろん、子供たちにとってもそうでしょう。日光を浴びることは、とても大切なメリットがあります。そしてその反対に、デメリットもあるのです。日光を浴びることのメリットとデメリットをまとめてみましょう。

 

日光を浴びることのメリット

日光を浴びると、自律神経がバランスよく働くようになります。ここで少し、自律神経についてご説明しましょう。自律神経には、交感神経と副交感神経があります。人の体を活発に動かす時に働く神経が、交感神経です。逆に、心身共にゆったりと落ち着いている時に働く神経が、副交感神経なのです。この2つがバランスよく働くと、人は明るく元気に毎日を過ごせるのです。

 

しかしこの自律神経は、ストレスなどちょっとしたことからバランスが崩れてしまいがちです。そんな時、精神を穏やかに保ち、ストレス耐性を強くしてくれるのが、神経伝達物質である「セロトニン」。このセロトニンがしっかりと分泌されていれば、自律神経がバランスよく働くようになるのです。

 

そしてこのセロトニンは、日光に当たることできちんと脳から分泌されるようになります。つまり、日光に当たってセロトニンが分泌されれば自律神経が整い、昼間元気に活動することができるようになるのです。

 

さらに、セロトニンは夜になるとメラトニンという物質に変化します。メラトニンは寝つきを良くしてくれる上に、睡眠の質をアップしてくれるのです。つまり、しっかりと日光に当たると昼間は活発に過ごせて、夜になると自然に眠くなり、質の良い睡眠をとることができるというわけです。

 

また、質の良い睡眠というのは、入眠してすぐにノンレム睡眠(深い眠り)になり、朝方はレム睡眠(浅い眠り)となって自然に目が覚めるような眠りのことですが、このことは、子供の成長にとても良い影響をもたらします。

 

というのは、子供の体はノンレム睡眠の時に、成長ホルモンが分泌されるからです。また、レム睡眠の時には副腎皮質ホルモンという、過剰なアレルギー反応を抑えてくれる物質が分泌され、これも子供の体にとってはとても大切なものです。

 

日光に当たることで子供の自律神経がバランスよく働くようになり、昼間は元気いっぱい過ごせて、夜になるとぐっすりとよい睡眠をとることができるようになる。そして、寝ている間に、子供には欠かせない成長ホルモンや副腎皮質ホルモンがしっかりと分泌されるようになる。これが、子供が日光を浴びることのメリットだと言えます。

 

日光を浴びることのデメリット

これはもうご想像がつくことでしょうが、紫外線による影響が最大のデメリットだと言えるでしょう。地球は、オゾン層によって紫外線から守られているのですが、そのオゾン層が今、破壊されつつあります。このことによって、人類は紫外線(特にB波)の脅威にさらされるようになったのです。

 

紫外線B波は日焼けを起こさせるだけでなく、皮膚がんや白内障の原因にもなります。ですから、必要以上に日光に当たって紫外線を浴びることは、決しておすすめできることではないのです。

 

春や夏は、一年の中でも一番紫外線が強い時期です。この時期には紫外線の浴びすぎに最も注意しなければならないと言えるでしょう。特に子供の肌は弱いですから、私たち大人が守ってやらなければなりません。帽子を活用したり、日焼け止めクリームを塗ったりして、紫外線からの悪影響をなるべく受けないようにしましょう。

 

このように、日光を浴びることには大きなメリットと大きなデメリットがあります。子供が元気に生き生きと過ごせて、すくすく成長していくには、日光に当たることは必要なことです。しかしだからと言って、無防備に紫外線に当たらせるわけにもいかないのです。子供は日光に当たらせるべき、いや日光には当たらせてはいけない、というように極端な結論を出すことはできないというわけです。

 

人は太陽に当たると明るい気持ちになるもの

太陽からの光は、セロトニンやメラトニンの分泌を促し、自律神経を整えたり、心地よい眠りにつかせてくれたりします。このことは、成長ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌にも良い影響を与えます。

 

日光が人の体に与える良い影響については、様々な研究が行われており、その結果、他にもいろいろとメリットがあることが分かっています。例えば、カルシウムの吸収をよくするビタミンDは、日光を浴びることにより体内で作られます。また、たんぱく質の代謝を促進したり、ホルモンの分泌を正常にしたりすると言われています。

 

太陽の光の驚くべきパワーについて、きっとこれからも様々な研究がなされ、いろいろな発見があることでしょう。しかし、研究者ではない私たちにもすでに知っている、日光の効果があると思いませんか?それは、「日光には、私たちの心を明るく元気にし、澄み切った気持ちにしてくれる」ということです。

 

経験したことはありませんか?空がどんよりと曇っていたり雨が続いていたりすると、どうも調子が出なかったり、やる気にならなかったりすることを。そして、朝から天気が良くてお日様の光がぽかぽかと温かいと、なんだか心も穏やかになり、元気が出てきたということを。

 

太陽の光は、多く当たりすぎると私たちに良くない影響をもたらす紫外線が含まれています。ですから、多量の紫外線からは体をガードしなければなりません。しかしその一方で、私たちは経験から、太陽の光を欲してもいるのですね。身体的にも精神的にも、人間には太陽の光が必要なのです。

 

日光のパワーを上手に取り入れよう!

オゾン層破壊による紫外線の影響は、決して甘く見て良いものではありません。今の地球に生きる私たちは、過剰な紫外線から体を守ることを余儀なくされているのです。しかし反対に、太陽の光は恵の光でもあります。自律神経を整えてくれたり、ビタミンDを体内に生成させてくれたりと、体に良い効果をもたらしてくれるほか、心も安定させてくれます。

 

ですから、紫外線から身を守るために完全に日光を浴びない生活をするのでもなく、どんな季節でも無防備に日光に当たり続けるのでもなく、今の地球に降り注いでいる太陽の光と、もっとうまく共存していかなければならないのです。紫外線の浴びすぎには十分注意しつつ、日光の素晴らしいパワーを上手に取り入れようではありませんか。

 

今は、優れたUVカット効果を持っていたり、子供の肌にも使える優しい成分でできていたりする日焼け止めクリームがたくさん出回っています。紫外線は防ぎつつ、さらりと涼しい素材の長袖シャツなどもあります。そういったものをうまく使い、またそうするように子供に言いましょう。紫外線が及ぼす悪影響とその対策をきちんと教えるのです。

 

その一方で、日光を浴びることの良さについてもよく教えてあげましょう。そして、紫外線の浴びすぎに気をつけながらも、ほどほどに日光に当たるようにさせましょう。日光に当たりすぎてもだめ、当たらな過ぎてもだめなのです。何事も、「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。

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