学校での様子を子どもから聞き出すマル秘テクニック
あなたのお子さんは、学校でのことをよく話しますか?親としては学校で起こったいろいろな話を聞きたいものですよね。しかし残念ながら、家に帰って学校でのことをあまり話さないというお子さんは、結構いるものなのです。
親の見えないところでどんなことがあったのか、何もわからないと不安になりますよね。どうして彼らは、学校でのことをあまり話そうとしないのでしょうか。そして、そんな子どもからうまく話を聞きだす方法はあるのでしょうか。
子どもが学校でのことを話そうとしない理由とは
「うちの子、家では学校の事をほとんど話さないのよね…」そんな悩みは多いようです。いったいなぜ彼らは、学校で起きたことを話そうとしないのでしょうか。理由は2つあります。
あまり多くを語らない性格だから
子どもによっては、外で起こったことを家に帰ってから逐一話すのが面倒に思えたり、家に帰ってまで考えたくないと思ったりしてしまうことがあります。それはその子の持って生まれた性格なのです。ちなみに、男の子の方がそのような性格であることが多いようです。
このことがあなたのお子さんにも当てはまるようなら、心配無用です。逆にあまりに探りすぎると、煙たがられてしまうことも多いのです。お子さんの様子が心配なら、帰ってきたときの子どもの表情や実際の行動をよく見るように心がけましょう。
家庭が話しにくい環境だから
グサッとくるかもしれませんが、これもありうる理由です。では具体的に、どのようなことが原因で、話しにくいと子どもが感じるのでしょうか。いくつかケースを上げてみましょう。
【ケース1】
親御さんの中には、子どもの言葉をさえぎって自分の方が話しすぎる方もいらっしゃいます。つまり、子どもが自発的に話す言葉を待つことができないのです。矢継ぎ早に質問攻めにしたり、まだ答えてもいないのに答えを予想して言ってしまったりするので、子どもが言葉を発するすきがないというわけです。
【ケース2】
子どもが話そうとしているのに、うわの空だったり、何か作業をしながら聞き流したりしていませんか?真剣に聞いてくれていないと感じると、子どもは話さなくなってしまいます。
【ケース3】
子どもがなんとか話してくれたのに、それに対してお説教で返してしまう方がいます。例えば、「今日、忘れ物をして困っちゃったんだ」「まあ!だから昨日のうちにちゃんと準備しておきなさいといったでしょう」という具合に…。どうせお説教になると思えば、子どもは何も言えなくなります。
【ケース4】
子どもの話をつい否定してしまっていませんか?「休み時間は本を読みたかったから図書室に行ったよ」「せっかく天気がいいのに外で遊ばなかったの?」とか、「給食で嫌いなものが出たけど、時間が過ぎても頑張って全部食べたよ」「時間内に食べられるようにしないといけないね」などなど。自分の気持ちを否定され続けていては、話す気が失せてしまいます。
思い当たるところはありましたか?話した後に「話してよかったな」と子ども自身が思えなければ、自ら話すようにはならないものです。ですからまずは、子どもが話すことを真剣に聞き、丸ごと受け止めてやってください。
うなずいたり「それでどうしたの?」などと相槌を打ったりして、何らかのリアクションを返してあげるとか、子どもが言った言葉をそっくりそのまま返したり親の言葉で言い換えたりしてあげると、子どもは「わかってくれた!」と感じ、「話してよかったな」と思えるのです。
例えば、「今日、突然漢字テストがあってびっくりしたよ」と子どもが話しかけてきたとしましょう。そうしたらひとまず家事の手を休めて「そうなの?突然のテストは驚くよね」と共感してやったり、「それはびっくりしたね」と繰り返してやったりするのです。
子どもが「焦っちゃって、なんだかいやな汗が出てきちゃったよ」などとうまい表現をした時には、「そうかあ、それ、焦った気持ちがすごくよく伝わる言い方だなあ」などと、ほめてあげてくださいね。これも「また話してみよう」という気持ちにさせるテクニックです。
子どもの話に対する親の受け答え方がうまいと、子どもは自分を振り返ることができ、頑張る気持ちを育てることもできます。
例えば、「今日、音読発表会で上手に読めなかったんだ」と言ってきたとしましょう。「それは残念だったね」と共感するとともに、「音読発表会は次もあるんだよね。どうする?」「今度は残念な思いをしたくないから、音読練習を毎日やるよ」「えらいね!もともと上手なんだから、練習をたくさんすればきっと次は上手にできるよ!」という風に話を進めていくのです。
子どもが自分を見つめなおし、自発的に努力するようなところまで目指したいなら、「どうすればよかったかな?」など、自分で考えさせるような問いかけをしてみましょう。それと同時に、「あなたならできる」というメッセージを言葉にして伝えれば、頑張る気持ちになれるのです。
でもこれは上級編ですから、まずは子どもが自然に話してくれる環境作りから始めてみましょう。ポイントは3つ。相手に神経を向けてしっかりと聞く。話したことを丸ごと受け止める。うまい表現で言い表した時にはほめる。そうすればきっと「話してよかったな」と子どもは思い、次も話そうとしてくれるでしょう。
子どもが突然学校でのことを話さなくなったらどう聞き出す?
家であまり学校でのことを話さないという子どもは、多くはあまり話をしない性格だったり、家庭が話をする環境になかったりすることが原因になっています。しかし、いつもはよく話してくれるのに、最近突然話をしなくなったという時には、少し注意が必要です。なぜなら、そういう時子どもは、何か困った事態に置かれているからです。
具体的には、友達関係がうまくいっていないということが理由になることが多いようです。子どもにとっては、友達との世界はとても重要な位置を占めています。だからこそ、何か様子がおかしい時には、十中八九、友達との関係に原因があるのです。先生や親に注意されてもちっとも平気な子どもでも、友達とうまくいかないとへこむものです。
親としては自分から話してほしいものですが、そういうことになると話せないという子どももいるのです。もしお子さんがそのようなタイプであれば、日常的に、帰ってからの様子や行動をよく見ておかなければなりません。
よくあるのは、この間までいつも一緒に遊んでいた友達と、最近はあまり一緒にいない、会話の中にその子の名前も出てこないというケースです。こんな時は、上手に話を切り出してみましょう。「最近あの子と遊んでいないけど何かあったの?」とズバリ聞いてしまうのはあまりおすすめではありません。さりげなく、「○○ちゃんは最近どうなのかな、元気にしてる?」などと切り出しましょう。
子どもと言えども、自分が悩んでいるということを知られたくないという思いもあります。親に相談せず、自分で何とかしたいと思っているかもしれません。「こんなことを言ったらきっとお母さんは心配するだろう」と思う子もいるのです。ですから、ズバリと訊き出すような言い方をされると、本当のことを言わないかもしれないのです。
それに対して「○○ちゃんはどうしてる?」という訊き方は、その子の様子を尋ねた内容であり、「お母さんは私の悩みを聞き出そうとしているのでは」と疑われずに済むのです。だから自然とその子の話になるわけですが、その話し方にはきっと、お子さんの、その子に対する気持ちが含まれているはずです。それをうまく聞き取りましょう。
「○○ちゃんはちょっと最近勝手なんだ」と言えば、「勝手だ」と感じさせる出来事があったと推測されます。「どんな行動が勝手なの?」と尋ねれば、具体的な話が聞けるでしょう。
でもこの時、親は忘れてはいけないことがあります。それは、その話はお子さんの主観的な言い分であるということです。裏返せば、相手にも相手なりの事情があるかもしれないということです。これを忘れると、自分の子の言うことばかりが頭に入ってきて、もしかしたら我が子にも落ち度はあったかもしれないのに、そこに意識が向かなくなることがあるのです。
親は誰でも自分の子どもがかわいいですし、自分の子が一番です。ですから、こうなってしまうのは非常に当たり前のことと言えます。だからこそ、「子どもの話すことは、あくまでこの子サイドの見方なのだ」ということを頭のかたわらにおいて、子どもの話を聞かなければならないのです。
学校での様子を知りたいなら、子どもの友達から聞くのも良い方法
「学校でのことをわりと話す方だったのに、近頃何も話さないわ」という時は、注意が必要です。何か困ったことになっているのかもしれません。特に、友達関係でのトラブルが心配されます。こんな時、子どもは自分からは話さないことが多いものです。どうやっても話をしてくれない時は、子どもの友達に尋ねてみるのも一つの方法です。
この子とトラブルになっているのかも…と思い当る節があるなら、その子に直接尋ねるのもありです。ただし、「うちの子と何かあった?」などとダイレクトに訊くような尋ね方はおすすめできません。きっと本当の事は話してくれません。あくまでさりげなく「最近うちの子、学校で楽しくやってるかしら?」などと尋ねてみましょう。
また、当事者ではなく、周りで見ているような子どもに訊いてみるのも良いですね。場合によってはその方が、両者の立場を冷静に見た意見を話してくれるかもしれません。
担任の先生に、我が子の学校での様子を尋ねてみる
学校での子どもの様子を知りたければ、担任の先生に聞いてみるという方法もあります。先生にしてみても、親から相談を受けることで、先生の目から見た以外の情報を得ることができ、どうしたらよいのかを考えやすくなります。
担任とはいえ、子どもの全てを知ることはできません。友達関係のトラブルは、多くは大人の目の届かないところで起こるものです。親が相談してくれることで、担任も早くその事態に気づくことができます。
もちろん、担任の方が早く、子ども同士のトラブルに気づくこともあります。つまりは、親と先生とのコミュニケーションも大事にしていかなければならないということです。
親としてはどうも学校は敷居が高いと思ってしまったり、先生も忙しいかなと考えてしまったりして躊躇することもあるでしょう。担任の先生にしても「もう少し様子を見てから伝えたほうがいいかな」などと足踏みすることもあります。
しかし、そうこうしているうちに事態が悪化してしまうこともあります。「おかしいかも」と思ったら、お互い早めに情報交換するようにしましょう。
更新日:2019/11/29|公開日:2015/12/21|タグ:学校