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正しい鉛筆の持ち方と矯正の方法

正しい鉛筆の持ち方で字を書く

あなたは、そしてあなたのお子さんは、正しい鉛筆の持ち方ができていますか?

 

「勉強の内容には関係ないのだから、鉛筆の持ち方なんてどうでもいいのでは?」と思う方も多いかもしれません。しかし、勉強をスムーズに進めるには、正しい鉛筆の持ち方が大きく関わってくるのです。

 

そこで、正しい鉛筆の持ち方と誤った持ち方を正す矯正方法などについて詳しく解説していきます。

 

正しい鉛筆の持ち方ができている子供は1割程度

いくつかの小学校で、正しく鉛筆が持てているかどうかを調べた調査によれば、正しい鉛筆の持ち方ができている子供は1クラスに1割ほどしかいないという結果になりました。

 

残り9割は、「少し直す必要がある子供」と「最初から丁寧に直さなければならない子供」です。前者は、おおよその形はいいけれど若干指の位置が違うというような場合で、全体の3割ほどを占めています。

 

後者は完全に違う持ち方である場合です。多くは、人差し指だけでなく中指も鉛筆の上に載せているという持ち方ですが、他にもびっくりするような持ち方の子も少なくありません。このような子供たちが、全体の6割をも占めています。

誤った鉛筆の持ち方-1誤った鉛筆の持ち方-2誤った鉛筆の持ち方-3

 

注目すべき点は、どの学年でも同じような結果になるということです。ということは、学年が小さい時に正しく持てない子供は、成長したら正しく持てるようになるかというと、そうではないということです。

 

鉛筆を正しく持てないと勉強がはかどらない!?

「子供には、正しい鉛筆の持ち方を教えましょう」と聞かされてすぐに「よし、やろう!」と考える親御さんは少ないかもしれません。鉛筆を正しく持てないとどうなるか、デメリットをいくつか挙げてみましょう。

 

・鉛筆がスムーズに動かないため、形の整った字が書けない。

・指に力が入りづらいため、濃くしっかりとした字が書けず、書いた文字が読みにくい。

・間違った持ち方は疲れやすい。つまり、勉強が長続きしない、長くやれても集中力やモチベーションが低下し学習効果が低下する。

・書いている部分が見えにくい持ち方もあり、見ようとして姿勢が悪くなる。

 

勉強をするうえで、「書く」ということは必要不可欠な動作です。それがうまくできなかったり、長く続けられなくなったりするということは、勉強自体がはかどらないということになりかねません。

勉強がはかどらない子供

 

正しい鉛筆の持ち方をすれば、美しく、読みやすい字が書けるようになります。そして疲れにくく長く書き続けることもできます。さらに、姿勢よく勉強をすることもできるというわけです。

 

こう考えてみると、鉛筆の持ち方はスポーツに通ずるものがあります。バッティング練習も、柔道の投げ技も、正しいフォームがとても大切になってきます。それは、正しいフォームで行うことで、より成果が上がるからに他なりません。勉強も同じです。美しく読みやすい字を書きながら勉強をスイスイ進めるためには、鉛筆を正しく持つ必要があるのです。

 

正しい鉛筆の持ち方

正しい鉛筆の持ち方ができれば、きれいな文字が書けるだけでなく、長時間書いても疲れにくいので、勉強がスムーズに進みます。「それなら、子供に正しい持ち方を教えなければ」と思った親御さんのために、正しい鉛筆の持ち方をご紹介しましょう。

正しい鉛筆の持ち方

 

①鉛筆を挟む部分は、親指の先と中指の爪の根元です。これが一番大事なことです。この2本の指で鉛筆を挟むのが、一番安定します。この2本だけでも何とか字が書けるほどです。中指は、爪の根元に近いところが鉛筆に触れるようにします。鉛筆の上には人差し指が自然に載ります。人差し指は力を入れすぎないこと、鉛筆が落ちないように軽く支えているイメージです。

 

②残りの指は軽く丸めましょう。小指の先っぽは紙にそっと触れさせる感じです。そうすると手首がぐらぐらしません。

 

③紙と鉛筆の角度は、40度~60度が適当です。鉛筆を寝かせ過ぎないようにすると、鉛筆の運びが良くなります。また、鉛筆のとがっていない方は、自分の右の肩よりも少し外向きになっているとよいでしょう。

正しい鉛筆の持ち方

 

このやり方で子供に教えると、鉛筆を持つ位置を具体的に伝えられます。また、鉛筆の先に最も近い部分に親指がきている持ち方は、間違った持ち方によくある形ですが、このやり方をすればそのようなことにはなりません。

 

まずはご自分で、このやり方を試してみてください。正しい持ち方を理解しやすいですし、実際持ちやすく、書きやすいはずです。納得できたなら、ぜひお子さんに教えてあげてください。

 

鉛筆の持ち方の流派は3つある!

鉛筆の持ち方については、鉛筆メーカー、書写協会のような団体などが、各々主張しており、調べていると分かりますが、主に3つの流派があります。見た目はどれも同じで、親指・人差し指・中指で三角形を作るようにして、その中に鉛筆が入ります。

親指・人差し指・中指で三角形を作って鉛筆を持つ

 

しかし、メインとする指(意識する指、力を入れる指)の違いにより、3つの流派に分かれます。

①親指、人差し指、中指の3つで挟む(親指・人差し指・中指すべてメイン)

②親指と人差し指で挟んで、中指は支える(親指・人差し指がメイン、中指はサブ)

③親指と中指で挟んで、人差し指は支える(親指・中指がメイン、人差し指はサブ)

 

自動車の運転の仕方のように、法律で規定されているわけではありませんので、どれが正しいということはありません。箸の持ち方と同じように、歴史的な流れで、いくつか流派があるという状況です。

 

前述した通り、当方としては「③親指と中指で挟んで、人差し指は支える」をオススメします。

 

どの持ち方が正しい/間違っているというのはありませんが、合理的な持ち方というのは考えられます。

 

正しく字を書くには、鉛筆が安定していることが最低条件となりますが、見た目は同じですので、安定感についてはどの持ち方もさほど大差はありません。そこで、少し欲を言えば、身体的負荷(疲れにくい等)や脳的負荷(思考に影響しないよう意識せずに持てる等)が少ない方がベターです。

 

このようなことは、大学の工学部などで、人間工学や認知科学の知識をベースに計算(検証)されています。学術的なことを述べると話が長くなりますので割愛しますが、簡単なテストで感覚的に検証することが可能です。

 

【A】親指・人差し指・中指3本全てを意識して持つのは難しいです。3本全てで均等な力で挟もうとすると、持つことに意識が行き過ぎて、書くことや考えることに集中できないのが分かるかと思います。意識せずに自然に持つには、メインは2本の方が良いことが分かります。

 

【B】親指・人差し指・中指の3本ありますので、メインとする2本は(親指,人差し指)、(親指,中指)、(人差し指,中指)の3パターンが考えられますが、この3つのうち疲れにくく安定するのは(親指,中指)というのが分かります。実際、3本で持たず2本で持ってみて(3本で持った状態から1本外して)、疲れにくく安定するのは(親指,中指)のみです。2本で字を書いてみれば、(親指,中指)以外はまともに字が書けないことが分かります。

 

以上、【A】【B】のテストから、3つの流派のうち「③親指と中指で挟んで、人差し指は支える」がベター(3つのうち合理的な持ち方)と考えられます。

 

子供の誤った鉛筆の持ち方を矯正する!とっておきの秘密兵器とは?

「三角鉛筆」をご存知ですか?通常は鉛筆の軸と言えば、六角形や円になっていますよね。三角鉛筆は、軸が三角形になっている正しい持ち方指導用の鉛筆なのです。自然と正しい持ち方になるので、これから鉛筆に親しませたいという時に、とてもおすすめの鉛筆です。

三角鉛筆

 

子供には、鉛筆を最初に持たせるときから、正しい持ち方をきちんと教えるのが一番です。ですが、全ての親御さんが、子供に鉛筆を持たせる時までに、正しい持ち方について知っているとは限りません。多くの親御さんたちは「正しい鉛筆の持ち方を教えたいけれど、もうすっかり悪い持ち方が癖になってしまっていて…」と困っているのではないでしょうか。

 

しかし、既に誤った持ち方で定着していても、まだ遅くはありません。こんな時の秘密兵器となってくれるのも、やはり三角鉛筆なのです!鉛筆を正しく持つには、親指・人差し指・中指の位置が特に重要となりますが、この三角鉛筆を持つと各々の指が三角形の各面にちょうどよくフィットして、正しい鉛筆の持ち方に自然になります。

三角鉛筆を持つ手

 

また、誤った持ち方が癖付いた子供に正しい持ち方をさせると、逆に書きにくさを感じさせてしまうものです。しかし、三角鉛筆なら3本の指が鉛筆の軸の各面にきちんとフィットしてずれにくいため、書きにくさが軽減されます。

 

この三角鉛筆は文房具店で探すこともできますし、ネットショッピングサイトでも見つけることができます。「三角鉛筆」と一度検索してみてはいかがでしょうか。

>>amazonで「三角鉛筆」と検索した結果

 

輪ゴム1つで正しい鉛筆の持ち方に矯正する!

もうすでに鉛筆の持ち方を間違って覚えてしまっている子供に、どうやって正しい持ち方を身につけさせるか、多くの方が悩んでいるようで、そのための道具や方法はちゃんと研究されています。

 

例えば、鉛筆の持ち方を矯正するための専用器具は三角鉛筆以外にもあります。これについては様々な形のものが販売されており、どれが良いとは一概に言えません。あえて言うなら、その子にしっくりくるものを選ぶということでしょうか。つまり、いろいろと試してみないと、合うものが分からないということです。

鉛筆の持ち方を矯正する器具

 

そのような道具を買わなくても、輪ゴム一つで矯正する方法もあります。これも、全ての子供に合っているかというと、そうではありません。ですが、中指の位置が正しくない子供には合っているようです。どのように輪ゴムを使えばよいのか、ご説明します。

 

まずは一つの輪ゴムを二重、もしくは三重にして小さな円にします。子供の中指の太さに合わせて、きつくなりすぎないよう調節しましょう。その輪ゴムを中指に通して、中指の爪の根元あたりに持ってきます。

輪ゴムを用いて鉛筆の持ち方を矯正する場合の輪ゴムの位置

 

次に、手の甲側から、中指と輪ゴムとの間に鉛筆を差し込んでください。鉛筆の削ってある部分が全て差し込まれるくらいに入れましょう。そうしたら、親指と中指で鉛筆の軸を挟み持ちます。人差し指は軽く鉛筆の上にのせて支える感じです。

輪ゴムを用いて鉛筆の持ち方を矯正する場合の鉛筆の入れ方輪ゴムを用いて鉛筆の持ち方を矯正する場合の親指・人差し指・中指の位置

 

つまり、中指と鉛筆を固定させるわけです。中指と親指ではさんでいないというのが、間違った持ち方の多くです。これを必然的に中指を使わざるを得ない状況にするわけです。

 

矯正器具を買うか輪ゴムで済ませるかは、その子にもよりますし、親御さんの判断でもあるでしょう。いろいろやってみて、その子にぴったり合う方法を探ってみてください。

 

本人が「直したい」と思わなければ鉛筆の持ち方は正しくならない

鉛筆の持ち方を一度間違えて覚えてしまうと、矯正するのはなかなか難しいことです。正しい持ち方を教える方法はいろいろとあります。絵や写真を使って正しい持ち方を具体的に説明するのもいいですし、市販の矯正器具を使うのもいいでしょう。しかし、何と言っても本人が「直さなければ」という必要性を感じなければ直りません。

 

正しい持ち方にする必要があるのかといえば、それはあります。正しい持ち方は長く字を書き続けることができますし、美しい文字を書くこともできます。姿勢も良くなります。

 

しかしそれを知るだけでは、誤った鉛筆の持ち方は直りません。子供自身の「鉛筆を正しく持たなければならない」という強い気持ち・意識があってこそ、正しい持ち方が身に付くのです。

鉛筆を正しく持たなければならないという強い気持ちを持つ子供

 

実際、間違った持ち方が癖付いている子供は、指摘した時は正しますが、何も指摘しない時や書くことに集中している時は、元の間違った持ち方に戻っていることが多いものです。

 

ですから、大人がいくら直そうと躍起になっても、子供が身につけてしまった鉛筆の持ち方を直すのはとても難しいことだということを、しっかりと頭に入れておいた方がよいでしょう。

 

だからと言って、子供の頃に正しい鉛筆の持ち方について教えることは無駄なのかというと、決してそうではありません。子供の頃に直らなかったとしても、大人になってから正しい持ち方の必要性を感じ、直さなければと強く思った時に、幼いころ教わったことが初めて生きてくることもあります。

 

正しい鉛筆の持ち方はクレヨンを使う時期から教える

「正しい鉛筆の持ち方なんて、うちの子にはまだ早いわ」なんて思わないでください。実は、鉛筆を持たせるようになってから教えるのでは遅いのです!多くの子供は、鉛筆で何かを書く前に、クレヨンなどを使って絵を描くことでしょう。その時に間違った持ち方でクレヨンを持っている子供は、必然的に鉛筆も間違った持ち方になってしまう傾向があります。

クレヨンで絵を描く子供

 

正しい鉛筆の持ち方では、中指は鉛筆の軸の上には載せません。しかし間違った鉛筆の持ち方を身につけてしまった子供たちの多くは、この持ち方になってしまっています。さらに、この子たちのほとんどが、クレヨンもこの持ち方で覚えてしまっています。

中指を鉛筆の上に載せる間違った持ち方

 

厄介なことに、この持ち方でクレヨンを使っても、絵を描くうえで特に問題になることはありません。しかし、鉛筆を使って小さな文字・細かい文字を書くようになると、この持ち方は不便になります。

 

中指が鉛筆の下になる正しい持ち方では、中指は自在に動かせます。すると、鉛筆の先を細かく動かすことが可能になり、小さな文字でも形を整えて書けるわけです。反対に、中指が鉛筆の上に載ってしまっていては、鉛筆を自由に動かしにくく文字の形が整わないのです。

 

お子さんがクレヨンを持つようになったら、その時から正しい鉛筆の持ち方で、クレヨンを持つように教えましょう。鉛筆のような持ち方では、クレヨンの色がはっきりと出ないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、そのような心配は無用なことが、やらせてみれば分かります。

正しいクレヨンの持ち方

 

クレヨンを持つ時期というのはまだ幼い頃ですから、「持ち方についてそんなに神経質にならなくても…」と思う方が大半でしょう。しかしその持ち方が小学生にまで尾を引き、それがもとでスムーズに勉強を進めることができなくなると聞いたらどうでしょうか。クレヨンの持ち方が、いかに大切かをお分かりいただけるでしょう。

 

始めからあまり形にこだわらせたくないという考えもあるでしょうけれど、クレヨンにしても鉛筆にしても、持ち始めの頃が一番正しい持ち方を身に付けやすいのです。また、もうすでに間違った持ち方が身に付いてしまっている場合でも、根気よく教えるのは決して無駄なことではありません。大人として、伝えるべきことはしっかりと伝えましょう。

 

とはいえ、前述の通り、正しい持ち方になるかどうかは本人次第です。だから、うまくいかない場合も多いということを頭の隅に入れておきましょう。あまりしゃかりきにならないことも大切です。

 

ちなみに、正しい持ち方で持たせたら、いきなり字を書かせるよりも、線を横向きのらせん状に描く練習に取り組んだほうが良いでしょう。くるくると円を描くように動かすのです。右回りで円を描いたら、次は左回りに、という風に変えてみるとより効果的です。

横向きのらせん状の線

 

くるくると書くことに慣れたら、次は線の練習です。まずは縦の線を書きましょう。長さは1センチほどでOK。縦の線が上手に書けたら、次は横の線、次は右肩上がりの線、次は左肩あがりの線というように、いろいろな線を練習します。

縦線、横線、右肩あがりの線、左肩あがりの線

 

このように練習することで、字を書くときに必要な指と手の動き・筋肉が養われますし、字を書く前の準備運動としても適しています。

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