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数学的センスは日常生活の中で身に付ける

数学的センス

物の数、重さ、大きさなど、数学的なセンスは算数の時間に習えばよい、あるいは就学前にドリル的なものをやっておけばよいと思っていませんか?学校に入る前の子供でも、ドリルなどやらずに数学的センスを身に付けることが可能です。幼い子供の日常生活にも、数学的センスを身に付けやすい場面がたくさんあるのです。

 

数学的センスは就学前から身に付けさせよう

物の大きさや数、重さ、量など、数学的なセンスを、ぜひ幼いうちから積極的に刺激させてあげましょう。もちろん、計算の仕方を教える必要はありません。「こっちの方が大きそう」「あっちの方が長そう」など、おおよそのことが分かるようになっていればよいのです(「センス=感覚」とはそういうものです)。

 

しかし、計算の仕方を教えるのであればドリルなどで対応できるのですが、どうやったら数学的センス、つまり「だいたいのこと」が分かるようになるのでしょう。それには日常生活での場面を大いに利用するのが一番です。

 

例えば、「このボールは、蹴って遊ぶには小さすぎるね。もっと大きいのを持ってきてごらん」というように、日常生活で自然な形で「大きい」「小さい」とか「長い」「短い」という言葉を使ってやりとりしていくのです。そうすることで子供はだんだんと、それらの塩梅が分かるようになっていきます。

 

ただ一つ、注意してもらいたいことがあります。先ほどの例のように「大きい」「小さい」であれば、どちらもボールというように同じものにしてください。つまり、同じもので比較します。ボールと風船というように、他の要素が入ってしまうと、小さい子供の頭は混乱してしまいます。子供に大きさの違いが分かりやすくなるよう、比べる対象物は同じ種類のものにするよう心がけましょう。

 

数学的センスを鍛えやすいのはおやつや食事の時間

おやつや食事の時間には、数学的センスを鍛えるチャンスがたくさんあります。例えば、みかんがおやつの時、みかんが入っている箱から好きなのを選んできていいよと言えば、みかんが大好きな子供であれば、どれが一番大きいのかを必死で考えることでしょう。こうやって大きさの感覚を身につけていくのです。

 

お弁当を持って出かけた時に、お父さんのおにぎりと子供のおにぎりの大きさ、または数を比べさせて、どっちが大きいか、どっちが多いかを考えさせるのもいいですね。買い物の時、買い物袋を持つお手伝いをさせて、「ママのと○○ちゃんの袋とでは、どちらが重いかな?」などと言って重さ比べをするという方法もあります。

 

どんな比べ方にしても、同じ種類のもの同士で比べるというのが基本です。例えば、おにぎりの数とプチトマトの数という比べ方ではなく、おにぎりならおにぎり同士で比べるということです。幼いうちは、「多い」「少ない」以外の要素はなるべく排除したほうが分かりやすいからです。

 

このように、日常的な場面を捉えて、「だいたいのこと」が感覚的に分かるようにするとよいのです。

 

就学前には、計算しなくてもだいたいどちらが多いかが分かるなど、数学的センスを身につけておきたいものです。「こちらの方が多そう」「あちらの方が大きそう」といった感じで比べられて、しかもそれがだいたい当たっているようにすることを目指しましょう。

 

数学的センスを身につけると何がうれしいのか?

ところで、「幼いうちから、大きい/小さい、多い/少ないなどがパッと見て分かるようになって、何がうれしいのか?」と思っていませんか?

 

大きい/小さい、多い/少ないぐらいであれば、何もせずともいずれ身に付きます。しかし、それはあくまで初歩の初歩です。

 

算数・数学の問題は、きちんと計算したり、きちんと証明したりして正しい解答を出さないと正解はもらえませんが、計算や証明をする前に「だいたいこんな感じで解けそう」というアプローチが見えてこないと(思いつかないと)手が付けられません。「だいたいこんな感じで解けそう」と思いつき、実際手を動かして計算、証明してみたら正しかったという流れです。

 

この「だいたいの感覚」の初歩の初歩が、上記のような事柄であり、幼いうちに身につけておくと、どんどん発達していきますので、数学が苦手になりにくくなります。(いかなることにおいても、初歩は大事です)

 

大きい/小さいの話の流れで、1つ例を挙げます。

「円周率は3.05より大きいことを証明せよ」

東大の2003年の入試で出された1行だけというシンプルな問題です。

 

円周率とは何か(定義)がきちんと理解できていて、一般的な数学的センスがあれば、「だいたいこんな感じで解けそう」というアプローチがいくつかすぐに思いつきます。(数学の勉強法については「数学が得意になる勉強法!数学が苦手な小中高校生必見」に詳しく解説していますので参考にしてください)

 

入試問題を解くのが目的ではありませんが、社会生活を送る上でも細かい計算ではなく大局的な視点は重要であり、「たいだい」という数学的センスは幼いうちから身につけどんどん発達させていきたいものです。

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