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赤ちゃんはいつごろから自他の区別がつくのか

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自他の区別をする赤ちゃん

1970年代ごろには、赤ちゃんは何も分かっていない存在であると考えられていましたが、いまではそうした考え方をする学者はいなくなっています。かなり幼い段階であってもものを考えたり学んだりしているということが分かってきたからです。

 

赤ちゃんをはじめとして、子どもというものは大人から見ればたいへん謎めいた存在ですが、その小さな頭の中でどんなことが起きており、発達が進んでいっているのか、いくつか例をあげて見てみたいと思います。

 

1歳6ヶ月ではもう区別ができている

生まれたばかりの赤ちゃんは、自分と他人の区別が付いていませんが、おおよそ1歳6ヶ月ぐらいになるころには区別が付くようになるとされています。それは、次のような実験で裏付けることができます。

 

赤ちゃんの前に容器を2つ用意し、片方には赤ちゃんが好きなお菓子を入れ、もう片方には赤ちゃんが嫌いな野菜を入れます。そして赤ちゃんの目の前で、大人がお菓子の容器から1つ取り出して食べてみせ、しかめっ面をして「うわぁ、まずい!」とやってみせます。次いで野菜の容器からも同じように1つ取り出して食べ、にっこり笑って「まあ、おいしい!」とやってみせます。

 

それから、赤ちゃんに「ひとつちょうだい?」と手を差し出してみせると、赤ちゃんの年齢によって行動が変わるのです。

 

1歳6ヶ月に満たないぐらいの赤ちゃんの場合、お菓子に手を伸ばしてそれを渡してくれます。自他の区別がまだ明確にできていないため、自分が好きなお菓子を他の人にもあげてしまうのです。これが1歳6ヶ月の赤ちゃんになると、相手が野菜が好きだということを理解し、野菜の方を手渡してくれるようになります。

 

つまり、1歳6ヶ月の赤ちゃんは、自分はお菓子が好きだけど目の前のこの人は野菜が好きなんだ、ということを理解して行動することができるのです。

 

言語圏によって発達の順番も変わる?

子どもは2歳ぐらいまでにはさまざまなことができるようになりますが、それよりも前の発達の段階においては、どんな言語圏で育ったかによって発達の順番や程度が変わってくるのではないか、とする研究があります。

 

例えば、1歳6ヶ月ぐらいの赤ちゃんについて、母国語が英語の母親を持つ子どもと、母国語が韓国語の母親を持つ子どもとを比較すると面白い違いが見えてきます。

 

母親が英語を話す場合、子どもに話しかける時に名詞が多くなり、韓国語の場合には動詞が多くなるという特徴が出るのですが、話しかけられたほうの子どものしゃべり方を研究すると、母国語が英語の母親を持つ子どもは名詞が多くなり、母国語が韓国語の母親を持つ子どもは動詞が多くなるという違いが出るというのです。

 

こういった違いは話し方だけにとどまりません。遊びの場面でも違いが出るといいます。たとえば、母国語が英語の母親を持つ子どもは違った種類の玩具を分別するのが得意ですが、一方で母国語が韓国語の母親を持つ子どもは自分の手では取れない遠くの玩具を熊手状の道具を使って自分のところまでたぐり寄せるといった動作がうまい、といった具合です。

 

赤ちゃんが成長して2歳ぐらいになると、どちらの子どもも分別もたぐり寄せも上手にできるようになりますが、まだ生まれて間もないころの発達ということに限ってみれば、どういった言語に囲まれて育ったかでこうした違いが生まれます。

 

学者の中には、ものごとを認知する能力がどういった順番で発達するかは、その子どもがどういった言語の中で育つかによって影響を受けると考えている人もいます。つまり、まだろくに話すこともできない年齢の幼い子どもであっても、言葉を耳にして自分の頭で考えているということが分かります。考えているからこそそこから影響を受け、言語が違うと異なる発達の仕方をするようになるわけです。

 

学びは早いほうがいいのか

このように、赤ちゃんがごく早い段階からものを考え、周囲の刺激から学習をしているという証拠がいくつも報告されてきています。このような話を聞くと、熱心な親の中には0歳児のうちから赤ちゃんに何かを学習させた方がいいのではないか、と考え、幼児教室や塾などを探そうとする人が出てくるものです。

 

しかし、子どもが健康ですくすくと育ち、健全に発達を遂げていくために重要なのはそうした教室や塾で早めに学びを始めることばかりではありません。日々の生活の中で玩具を手にして遊んだり、乗り物に乗ったり、動物とふれ合ったり、公園でさまざまな刺激に包まれて駆け回ったり、といったように、以前からどこの国でも見られたようなごく普通の行為がすべて大事になってくるのです。

 

日本では一時期三歳頃まで母親のもとで子どもを育てないと将来子供の発達に悪い影響を残す場合がある、といったようなことが言われたこともありました。こうした考え方は欧米にもないわけではありません。しかし現在では、仮に生まれてから3歳までに何か問題が起きたからといって、それがよほどのことでもなければ挽回できないようなものはないという考え方が主流になってきています。

 

あまり幼いうちから「唯一正しいあり方」を探さずとも、少し寄り道をしたところで問題はないしたいした差も起きないわけです。よかれと思って子どもを塾などに入れて、逆にストレスを溜めさせてしまった、というような話も耳にします。それが本当に必要なことなのかどうか、少し冷静に考えてみる必要がありそうです。

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