口内炎の原因と治し方、知っておきたい市販薬、簡単にできる予防法

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口内炎ができて痛がっている人

ほとんどの人が、口内炎で痛い経験をしたことがあるのではないでしょうか?

 

2012年に10代~50代の男女1万人に実施した調査によれば、過去1年間に口内炎が発症した割合は53%、年間の平均発症回数は6.5回となっています。人口にすると、1年間に口内炎ができる人は約4000万人となります。性別では女性、年代では若い世代に多く発症しています。

 

今回は、多くの人が経験している口内炎の原因、予防法、治し方、市販薬などについて詳しく解説していきます。これを機に口内炎とサヨナラできることを願っています。

 

 

口内炎の原因

口内炎とは、口内粘膜に発生した炎症を総称した病名で、以下の3つに分類されます。

① 一般的な口内炎(アフタ性口内炎)

⇒原因:後述

② 一般的でない口内炎(アフタ性口内炎以外の口内炎)

⇒原因:物理的な刺激や傷(詰め物、矯正等)、感染 etc.

③ 口内炎と思ってしまいがちだが、口内炎でない病気(ウイルス疾患、口腔がん etc.)

 

③は口内炎ではないですが、口内炎と間違いやすいため、念のため分類に含めました。②、③の場合は、病院で治療の必要があります(見分け方は後述)。

口内炎の分類

 

「一般的」「一般的でない」という表現には賛否両論あるかと思いますが、「口内炎ができた」という場合、ほとんどの場合アフタ性口内炎で発症が最も多いため、分かりやすさを優先して上記のように表現しました。(以下、一般的な口内炎である「アフタ性口内炎」について詳しく説明していきます)

アフタ性口内炎

 

一般的な口内炎である「アフタ性口内炎」の原因は、正確には解明されていませんが、以下のメカニズムで発症すると考えられています。

アフタ性口内炎の発症メカニズム

 

つまり、生活習慣や体質などの口内炎になりやすいベースとなる原因に、体力低下・ストレスが加わることで、口内の細菌が増えたり、粘膜修復能力が低下して、口内炎が起こります。

 

年がら年中、口内炎という人はいないと思います。食生活の乱れ、不衛生、・・・などの習慣化された行動を続けていても、普段は口内炎を防いでいます。しかし、口内炎を引き起こすキーとなる原因「体力低下・ストレス」が発生すると口内炎になってしまうわけです。

 

病気や疲労などで体力が低下していたり、強いストレス状態が続くと、病気などの治癒能力が低下します。つまり、口内炎のでき始めで治癒する能力(粘膜の修復能力)が弱く、炎症化してしまうわけです。

 

では、体力低下やストレスによって口の中の細菌がなぜ増えてしまうのでしょうか?

 

それは、ずばり口の中が乾燥するからです。つまり唾液不足の状態になってしまうからです。そもそも口の中にはたくさんの細菌が存在していますが、過剰に増えてしまわないように、唾液に含まれる物質により殺菌してくれています。従って、唾液不足になると細菌が増えてしまいます。

 

唾液の分泌は自律神経が支配しています。自律神経は、「交感神経」「副交感神経」の2つから成りますが、交感神経が働くと唾液が減り、副交感神経が働くと唾液が増えます。体力低下・ストレス状態になると、交感神経が優位となるため、唾液不足になります。

※厳密には、交感神経優位となると「ネバネバした唾液」の分泌が多くなり、副交感神経優位となると「サラサラした唾液」の分泌が多くなります。交感神経優位となると、全体としての唾液量は減ります。

 

とはいえ、身体に良くないのは分かっていても、体力低下・ストレスは、どうしようもないという場合が多いと思います。逆に考えると、体力低下・ストレス状態でも、口の中が乾燥しなければ口内炎にならないように、ある程度予防できるといえます(予防法については後述します)。

 

唾液不足の現代人

唾液不足で口の中が乾燥状態になると、口内炎が発生しやすくなりますので、唾液不足にならないようにしたいものです。しかし、唾液のメリットは他にもあります。

 

唾液の主なメリット(口内炎予防以外)

① 歯周病を予防する

咀嚼された食べ物と唾液が混ざり合い、口内の粘膜や歯に当たることにより、口の中が機械的に掃除されます。また、唾液の水分が食べかすや歯垢(プラーク)を流すため、歯周病の予防になります。

歯周病

 

② 虫歯を予防する

唾液タンパクが歯の表面に膜を形成し虫歯を防ぎます。健康な人であれば、1ヶ月くらい歯磨きをしなくても、唾液パワーで簡単には虫歯になりません。

虫歯

 

③ 口臭を抑える

口臭は、口の中に存在する細菌が、食べかすや汚れを分解したときに発生させる気体です。従って、唾液の殺菌作用で細菌が増殖しなければ、口臭を抑えることが可能です。

口臭

 

④ 歯を修復する

唾液に含まれるカルシウムやリン酸により、歯を修復する再石灰化作用があります。

健康な歯

 

⑤ 肌を美しくする

成長ホルモンの一種の「バロチン」という美肌成分が唾液には含まれているため、たくさん分泌することで肌を美しくする効果があります。

美肌

 

⑥ 食事をおいしく楽しめる

唾液は、食べ物の味を味覚センサーに伝達する働きもしているため、唾液不足だと味を感じにくくなります。また、唾液不足で、口の中がカラカラもしくはネバネバ状態だと食べ物が飲み込みにくく食事を楽しめません。

食事を楽しむ女性

 

このように、口内炎予防以外にもメリットの多い唾液ですが、近年、唾液不足の人が増加しています。唾液不足で口の中が乾燥することを医学的には「口腔乾燥症」と呼んでおり、いわゆる「ドライマウス」です。

 

ドライマウス(唾液不足)の推定人口は約800万人と算出されており、特に女性に多く、ほとんどの女性が予備軍とされています。最近では、唾液の分泌を促進させる薬やグッズなども販売されているほどです。

 

以下の項目に1つでも当てはまる人は、唾液不足の可能性大です。

 

唾液不足チェックリスト

・口内炎がよくできる

・口臭が気になる

・舌に歯形が付く

・唇が渇く、唇がカサカサ

・ほっぺをよく噛む

・滑舌が悪い

・パンやクッキーが食べにくい、飲み込みにくい

・虫歯が急に増えた

・歯肉が腫れている、出血している

・口や喉が渇くという理由で、仕事や勉強中に絶えず水、茶などを飲んでいる(ダイエット、美容目的などで意識的に摂っている場合は除く)

・特に好物でもないのに、ガムや飴をしょっちゅう食べている

 

なお、唾液不足になると、上記の「唾液の主なメリット」の逆が発生しやすくなりますので、注意が必要です。

 

唾液たくさん分泌マッサージ!簡単にできる口内炎の予防法

唾液不足は、口内炎の発症率を上げるだけではなく、様々な弊害が発生するというお話しをしました。口内炎ができてしまったら、なんとか治すしかないですが(→治し方は後述します)、とはいっても、できると痛いので、できればできないように予防したいものです。

 

そのためには、唾液不足の現代人は意識して唾液を出していく必要があります。簡単にできる唾液をたくさん分泌することができるマッサージを紹介します。

 

まず、マッサージする場所を確認しましょう。唾液をたくさん分泌させるには、「大唾液腺」といわれる場所を刺激すると効果的です。大唾液腺は、「舌下腺(ぜっかせん)」「顎下腺(がくかせん)」「耳下腺(じかせん)」の3つあり、場所は以下の図の通りです。

舌下腺、顎下腺、耳下腺の場所

 

唾液は、

・サラサラ唾液(サラサラしているタイプ)

・ネバネバ唾液(ネバネバしているタイプ)

の2種類があります。

 

サラサラ唾液は、口の中を洗浄したり、殺菌したりする効果があります。一方、ネバネバ唾液は細菌を絡め取ったり、粘膜を保護・保湿したりする効果があります。ネバネバしているのは、納豆やオクラのネバネバ成分「ムチン」が含まれているからです。

 

舌下腺を刺激すると、ネバネバ唾液が出ます。出る量は少ないですが、保湿効果大です。

顎下腺を刺激すると、サラサラ唾液+ネバネバ唾液少量が出ます。唾液の約70%が出る場所で、唾液を最も多く分泌します。

耳下腺を刺激すると、サラサラ唾液が出ます。唾液の約25%が出る場所で、美肌成分の「バロチン」が多く含まれている唾液が出ます。

 

マッサージする場所が確認できたら、マッサージをしてみましょう。マッサージの方法は以下の通りです。

 

舌下腺マッサージ

粘膜を保護するネバネバ唾液が出る場所です。

顎(あご)の骨の下を真上に10回プッシュ!

親指の腹で、顎の骨の下を押し上げます。痛くならない程度の力で10回行います。

舌下腺マッサージ

 

顎下腺マッサージ

唾液の出る量No.1の場所です。

顎(あご)の骨に沿ってくぼみを30回プッシュ!

顎の骨から首へ向かう途中に柔らかい部分が左右にあります。そこに親指の腹を当てて、優しく押していきます。唾液がたくさん出る場所ですので、他の唾液腺より入念に、左右30回行います。

顎下腺マッサージ

 

耳下腺マッサージ

美肌成分「バロチン」を多く含む唾液が出る場所です。

耳下腺を前後10回マッサージ!

指を広げ、人差し指と中指の間に耳が入るようにし、手のひらに耳下腺部分が当たるようにします。顔に少し圧をかけて、筋肉が動くように回します。前回し10回、後ろ回し10回行います。

耳下腺マッサージ

 

食前には必ずやろう!

3ヶ所の唾液腺をマッサージすると、じゅわっと唾液が出てくるのが分かると思います。いつでもどこでもでき、短時間でできるので、唾液不足を感じたら実施しましょう。

 

マッサージは、いつ行ってもよいのですが、食事前はぜひ行っていただきたいと思います。先に説明の通り、唾液が口の中に豊富な状態の方が食事がおいしく感じられます。また、「唾液が増えると、噛む回数が増え、更に唾液が増える」という好循環になります。

 

口呼吸には注意!口内炎と口呼吸の関係

体力不足・ストレスが原因で、唾液不足になり、口内炎が引き起こされるわけですが、この他にも慢性的な唾液不足に関与している現代人の癖があります。それは、「口呼吸」です。口呼吸は、口の中の粘膜を直接乾燥させ、唾液も蒸発させてしまうため唾液不足になりやすいのです。

口呼吸

 

ほとんどの人が鼻呼吸していると思っているかもしれませんが、「日本人の半数以上、小学生以下では約8割が口呼吸をしている」という調査結果があります。

 

近年、無意識に口が半開きになっている人が多く、特に若い人に多く見られます。近年の子どもの口内炎の原因の1つに、これが考えられています。

アフタ性口内炎の発症メカニズムに口呼吸が加わった図解

 

つまり、口呼吸による慢性的な唾液不足の状態の上に、

・病気、疲労などによる体力低下

・学校での人間関係、受験などのストレス

により、唾液不足が加速すると共に、粘膜修復能力が低下して口内炎になっているというものです。

 

そもそも人間は鼻呼吸が基本です。口で呼吸すると、空気が気管に直接入るため、空気中のゴミや細菌も一緒に入ってきます。一方、鼻の場合は、粘膜や毛がゴミや細菌をストップさせ、鼻水で外に流し出します。つまり鼻呼吸の方が、きれいな空気を肺に送る機能を備えています。

鼻呼吸

 

ではなぜ、イレギュラーな口呼吸になってしまう人がいるのでしょうか?

 

口呼吸になる原因はいろいろありますが、

① 赤ちゃんの頃から口呼吸の習慣がついてしまっている※1

② 鼻が詰まっているor鼻が詰まっている時期が長く、口呼吸に慣れてしまっている

③ 口呼吸の方が楽なので(人によっては楽と感じる人がいるため)、口呼吸に慣れてしまっている

などが、主な原因と考えられています。

※1:日本では離乳の時期は1歳前後が一般的ですが、海外では4歳前後が一般的です。授乳、おしゃぶりを早くにやめてしまうと、鼻呼吸が習慣化する前に、口呼吸が習慣化する確率が高くなります。欧米では、口呼吸について早くから指摘され、3~4歳までおしゃぶりを使用する家庭も多いです(おしゃぶりの使用時期については、メリット/デメリット各々あり、専門家の考え方も様々ですので、欧米流が必ずしも良い/悪いとは言えません)。

 

「自分は、口がポカンと開いていることなんてない!大丈夫!」と思っていませんか?

 

実は、普通に生活している時(起きている時)は鼻呼吸でも、睡眠時に口呼吸になっている人も多いのです!

 

以下の項目に1つでも当てはまる人は、寝ているときに口呼吸になっている可能性大です。

 

■睡眠時に口呼吸になっている人の特徴

・朝起きたときに、口の中が乾燥していることがある(カラカラorネバネバ)

・朝起きたときに、喉がヒリヒリすることがある

・朝起きたときに、唇が乾燥していることがある(カサカサ)

・朝起きたときの口臭がヒドイ

・イビキをかく

 

起きている時であれば、上で紹介した「唾液たくさん分泌マッサージ」をすれば良いですが、寝ている時はマッサージしようがないため、鼻呼吸に改善が必要です。

 

鼻呼吸に改善する方法の1つとして有効なのが「マスクをして寝る」です。

 

マスクをして寝ることで、口の中の乾燥を防ぐことができ、鼻呼吸のトレーニングにもなります。マスクの付け方としては、風邪やインフルエンザ対策ではないので、鼻を覆う必要はなく口だけ覆うように付けます。呼吸も苦しくなるので、鼻は出しておきましょう。

鼻を出してマスクをして寝ている男性

 

口内炎の治し方と知っておきたい市販薬

初めに少し触れましたが、「自分で治せる口内炎か、病院に行く必要があるのか」をまず見極めなければいけません。

口内炎の分類

 

以下の項目に1つでも当てはまる場合は、病院(耳鼻咽喉科、歯科、口腔外科、皮膚科)で診察してもらってください。

 

■口内炎かな?病院で診察が必要かチェック!

・口内炎が口の中にたくさんできた

・水ぶくれが破れて口内炎になった

・口内炎の斑点が急に広がりはじめた

・皮膚の発疹など全身症状がある

・2週間以上たっても治らない

 

一般的な口内炎である「アフタ性口内炎」の場合、病院に行かなくても自分で治すことができます。自分でできる口内炎の治し方は、「我慢する」「薬を使う」の2種類あります。10年ほど前までは効果的な対処法がなかったため、治るまで我慢という人がほとんどでしたが、数年前より市販薬も出てきています。

 

口内炎の市販薬は主に、

・患部に直接働きかける薬(貼るタイプ、塗るタイプ etc.)

・飲み薬

・うがい薬

の3種類に分けられます。

※「患部に直接働きかける薬」には、ステロイド配合のものもあります。ステロイド配合薬は強い効果がありますが、副作用が生じることもありますので、使用する際は注意が必要です。

 

以下、市販薬でメジャーなものを一部紹介します。

 

患部に直接働きかける薬(貼るタイプ)

アフタッチA(佐藤製薬株式会社)

薄い円盤状のパッチを患部に貼って使います。絆創膏のように患部をカバーするので、痛みが緩和され、薬剤が唾液で流れずに患部に長くとどまるため、効果が高いです。

アフタッチA

 

患部に直接働きかける薬(塗るタイプ)

ケナログA(ブリストル・マイヤーズ株式会社)

貼るタイプに比べると効果は低いですが、コストパフォーマンスは高いです(1ヶ所1回当たりのコストは低い)。体質的に口内炎が頻繁にできやすい方などは、貼るタイプよりも塗るタイプの方がベターかもしれません。

ケナログA

 

飲み薬

トラフル錠(第一三共ヘルスケア株式会社)

2008年までは、飲み薬は粘膜の修復を助けるビタミン剤が主流でしたが、トラネキサム酸配合のものが出てきました。トラネキサム酸は、炎症が起きている時に増加する酵素「プラスミン」を抑えることができ、痛みや炎症を軽減します。

トラフル錠

 

うがい薬

イソジンうがい薬(株式会社明治)

うがい薬というと、喉が痛い時に使うというのが一般的かもしれませんが、殺菌作用があるため口の中の細菌を減らし炎症を抑えてくれるため、意外と有効です。

イソジンうがい薬

 

あと、裏技ですが、自分で治せる「アフタ性口内炎」の場合でも、すぐに痛みを抑えたいという人はレーザー治療という治し方もあります。歯科治療で使う炭酸ガスレーザーを口内炎に照射し、表面を焼くという治療法です。レーザーを当てた瞬間から痛みが無くなり、早く治すことができます(どこの歯科でも実施しているわけではないので確認が必要)。

口内炎の治し方フローチャート

 

薬はあくまで治癒をサポートするものです。口内炎ができてしまったら、痛いのは避けられません。先に紹介した「唾液たくさん分泌マッサージ」や「口呼吸の人はマスクをして寝る」などで、できるだけ口内炎ができないように予防することが第一です。

 

口内炎の治癒を早める食品

口内炎ができてしまったら、まず上記の治し方を実践しましょう。また、口内炎とは、口内粘膜に炎症ができているわけですので、粘膜を形成・修復する働きのある栄養素を豊富に含む食品を積極的に摂取することで、治癒を早めることが可能となります。

 

口内炎になると、ビタミン類をサプリメントなどから摂取する人がいますが、ビタミン類だけではなくタンパク質も摂取するとより効果的です。

タンパク質が豊富な食品

 

メカニズムを少し詳しく説明します。

 

ビタミンは、皮膚、粘膜、骨、血管などの身体の各組織の新陳代謝を促進させる働きを持っています。このため、皮膚や粘膜の新陳代謝に関与しているビタミンを摂取すれば、口内炎の治るスピードが早まるというわけです。

 

これは間違っていませんが、ビタミンは、もう1つ大事な働きを有しています。それは、三大栄養素の働きを促進させるというものです。三大栄養素とは、糖質、脂質、タンパク質のことで、これらは、

・生命活動(呼吸、臓器活動、体温調節 etc.)に必要なエネルギーを作る

・身体(筋肉、皮膚、臓器、血液、骨、酵素、ホルモン etc.)を作る

といった2つの働きをしています。つまり、三大栄養素とは、「生命活動のエネルギー源」、「身体の材料」なのです。

三大栄養素、五大栄養素の主な働き

 

このうちタンパク質は、皮膚、粘膜、髪、筋肉、臓器など様々な部位の細胞を作る材料となります。従って、ビタミン類だけではなく、口内粘膜の材料となるタンパク質もきちんと摂る必要があるわけです。

タンパク質は、筋肉、皮膚、臓器、骨など様々な部位の細胞を作る材料

 

身体の新陳代謝、三大栄養素の働きを促進させるビタミンですが、ビタミンにも各々に役割があります。口内炎(口内粘膜の形成・修復)に関係しているビタミンは、

・ビタミンB2

・ビタミンB6

・ナイアシン

・ビタミンC

・ビタミンA

となります。

 

このうちビタミンA以外は、体内に貯めておくことのできないビタミン(水溶性ビタミン)のため、毎日摂取する必要があります。一気に大量に摂取(過剰摂取)しても体外に排出されてしまいます。

 

一方、ビタミンAは、体内に貯めておくことのできるビタミン(脂溶性ビタミン)で、十分摂取していれば、数日は摂取しなくても問題ないビタミンです。ただし、ビタミンAの過剰摂取には注意が必要です。

 

ビタミンAとは、体内でビタミンAとして働く栄養素の総称で、主にレチノール、カロテノイドの2種類に分類されます。このうち、レチノールは摂りすぎると、頭痛、吐き気、骨障害、肝臓障害、(妊娠期においては)胎児の奇形の原因 etc.の障害が引き起こされることが分かっています。むろん欠乏してもダメですので、適正量(後述)を摂取するのがベストです。

 

タンパク質、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンAを豊富に含む食品は以下の通りです。(文部科学省「日本食品標準成分表2015年版」より)

 

タンパク質を多く含む食品は、ご存じの通り、肉類、魚介類、卵、豆類、乳製品(牛乳、チーズ etc.)などです。

肉、魚、卵、納豆、チーズ、牛乳

 

タンパク質の成分ランキングの上位は、乾燥食品(ゼラチン、乾燥卵白、カツオ節 etc.)が占め、実用的ではないと思いますので成分ランキング表は掲載しないことにします。例えば、成人男性は60g/日、成人女性は50g/日が、タンパク質の摂取推奨量ですが、カツオ節で摂るとすれば、70~80gカツオ節を食べなければなりません。

カツオ節

 

これは、肉、魚などはタンパク質は豊富ですが、成分的に見ると水分が多くを占めるため、水分を飛ばした加工食品がタンパク質の上位になってしまうためです。

 

なお、タンパク質の過剰摂取は気にしなくても良いです。一部の書籍などで、タンパク質の過剰摂取はNGと記載のあるものもありますが、タンパク質の過剰摂取による健康障害を示す明確な根拠となる報告は存在しません。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」においても、過剰摂取による健康障害は見当たらないとされており、タンパク質の摂取上限も設定されていません)

 

ビタミンB2を多く含む食材 ビタミンB2量(mg/100g)
めふん(鮭の腎臓の塩辛) 6.38
豚レバー(生) 3.60
牛レバー(生) 3.00
ほしのり(乾海苔) 2.68
焼き海苔 2.33

 

ビタミンB6を多く含む食品 ビタミンB6量(mg/100g)
にんにく(生) 1.50
ピスタチオ(いり、味付け) 1.22
ひまわりの種(フライ、味付け) 1.18
かぶ(漬物) 1.10
まぐろの赤身(生) 1.08

 

ナイアシンを多く含む食品 ナイアシン量(mg/100g)
たらこ(焼き) 56.9
たらこ(生)) 49.5
インスタントコーヒー 47.0
ビンナガマグロ(生) 20.7
かつお(春獲り、生) 19.0

 

ビタミンCを多く含む食品 ビタミンC量(mg/100g)
アセロラ(生) 1700
煎茶 260
味付けのり 200
赤ピーマン(油炒め) 180
めキャベツ(生) 160

 

ビタミンAを多く含む食品 ビタミンA量(mgRE/100g)
鶏レバー(生) 14.0
豚レバー(生) 13.0
ほしのり(乾海苔) 3.6
ウナギ(蒲焼き、白焼き) 1.5
にんじん(油炒め)) 1.0

(RE=レチノール当量:ビタミンAの効力をレチノールに換算して示した単位)

 

先に説明の通り、個人差はありますが、ビタミンAの過剰摂取は、頭痛、吐き気、骨障害、肝臓障害、(妊娠期においては)胎児の奇形の原因 etc.の障害が引き起こされる可能性があります。ビタミンAの1日の適正摂取量は以下の通りですので、欠乏にも過剰にもならないように摂取しましょう。

 

<ビタミンAの摂取基準>

年齢等 男性 女性
推奨量 上限量 推奨量 上限量
0歳 0.60 0.60
1~2歳 0.40 0.60 0.35 0.60
3~5歳 0.50 0.70 0.40 0.70
6~7歳 0.45 0.90 0.40 0.90
8~9歳 0.50 1.20 0.50 1.20
10~11歳 0.60 1.50 0.60 1.50
12~14歳 0.80 2.10 0.70 2.10
15~17歳 0.90 2.60 0.65 2.60
18~29歳 0.85 2.70 0.65 2.70
30~49歳 0.90 2.70 0.70 2.70
50~69歳 0.85 2.70 0.70 2.70
70歳以上 0.80 2.70 0.65 2.70
妊娠初期 +0.00
妊娠中期 +0.00
妊娠後期 +0.08
授乳婦 +0.45

(単位はmgRE/日、妊婦・授乳婦は付加量)

 

なお、ビタミン類に関しては、サプリメントなどを利用するのも手です。その場合、ビタミンB群に関しては、ビタミンBミックス、ビタミンBコンプレックスといったように、ビタミンB群がセットで入っているものを選んだ方がベターです。ビタミンB群には相乗効果があり、一緒にまとめて摂取した方がより効果を発揮するからです。

ビタミンBミックス、ビタミンBコンプレックス

 

口内炎ができてしまったら、適正な治し方を実践すると共に、ご自身の生活状況に合った方法で、「タンパク質、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンA」を摂取することで治癒を早めることが可能となりますので、ぜひ試してみてください。

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