子どもがパパを大好きになるコミュニケーションのポイント
母親は、お腹に子どもが宿った時からすでに母親です。遺伝子に組み込まれた本能によって、子どもを愛し、育てることができます。父親には残念ながら母親と同じような機能はありませんから、子どもが生まれてから少しずつ、いろんな経験を経て父親へと育っていくのです。
ですから、世の中のパパたちは、子どもとの接し方にいろいろと迷いがちです。うまく子どもとコミュニケーションが取れずに悩んでいる方も多いようです。でも、ちょっとした工夫と考え方で、子どもとの距離がぐっと縮まるのです。せっかく親になれたのですから、ぜひ子どもとのコミュニケーションを、そしてパパであることを楽しんでください。
自分に自信を持って!それが子どもと近づけるコツです
決して怒ってばかりいるわけでもないし、なるべくコミュニケーションをとろうとしている。それなのに、あまり子どもが自分に寄って来てくれない…。このような悩みを持っているパパは少なくありません。
もちろん、幼い子どもはたいていママが一番の存在であるはずですから、ある程度はこのような状態になっていても納得できます。ですが、子どもも心のどこかでは、もっとパパと一緒にいたいと思っているのです。ではなぜ、子どもがパパに寄り付かないという現象が起こるのでしょうか。
その理由の一つに、子どもと接している時のパパの心の中に、何かしらの不安があるからではないか、ということが挙げられます。例えば、「子どもってどんな風に遊んであげたらいいのだろう」「自分と遊んでも、本当は楽しく思っていないのではないか」「自分の子どもの好きな遊びがわからない」などという不安です。
自信を持てずに接していると、子どもというのはそれを何となく感じとってしまうものです。それで、子どもにしてもいづらい雰囲気になったり楽しくなくなったりするのです。そうなってしまっては、「ママがいい」と言われてしまっても仕方がありませんね。
これは、男女関係においても同じことが言えるのではないでしょうか。告白が実って、せっかくおつき合いがスタートしたのに、いつも相手の女性の機嫌をうかがっていてばかりで、自信のなさを露呈してしまっていては、相手の女性も気疲れし、いずれお別れになってしまうかもしれません。
パパはまず、自信を持ってください!何か得意なものはありませんか?それを子どもと一緒にやってみたり、子どもに披露してみたりすればいいのです。細かい作業が得意なパパは、折り紙や紙コップなどを使っておもちゃ作りをしてみてはどうでしょう。ギターが得意なパパは、ギターを弾きながら子どもの好きなアニメの歌を歌ってあげてもいいですよね。
パパの得意なことが、ママは苦手だったりすると、なお効果的です。子どもがママと一緒の時はやらせてもらえないことを、あえてパパがやらせてあげるのも一つの方法です。この時はママの反感を買ってしまうことを承知の上でやらなければなりませんが、つまりは子どもと目線を同じにして、童心に帰って子どもと遊べばいいということです。
本当の意味での強い父親になるには
近頃は、父親としての貫録を失った親が多いと言われています。それが、毎月の給料が銀行振込にされるのが主流になったからだとする人もいます。現金として家に給料を持ち帰っていないから、父親としての貫録がなくなってしまったというわけですね。
でもこの場合は、父親ではなく、現金として表れた給料が貫録を持っているに過ぎないのではないでしょうか。会社が持つ強い力を借りて貫録のように見せても、父親そのものに貫録は感じられません。
また、貫録のある父親と言うと、子どもを怒鳴ったり殴ったりして、家族から恐れられているイメージがありますが、これも本当の意味で貫録があるとはいえません。子どもがまだ幼いなら、このような方法でも子どもを押さえられ、強い父親に見せられるかもしれません。でもそれは、力があるかないかで決められた支配関係であり、そこに尊敬の念はありません。
子どもはいずれ大きく成長します。ことに男の子の場合は、あっという間に力で親に勝るようになるでしょう。そうなった子どもはもう、父親が強い存在だとは思えません。このことを知らずいつまでも、力によって自分を強い父親に見せようとしていると、子どもは見せかけの権力と知りつつ、黙ってそれを信じている真似をし続けなければいけないのです。
これは、子どもには必要のない負担です。いつかそのことが嫌になる時が来れば、今度は子どもが、親を力で支配しようとするかもしれません。父親が、本当の意味で強い存在になるには、一体どうしたらよいのでしょう。
人間として正しいことを貫き通す。それが、人としての強さです。失敗してしまったら潔くそれを認め、謝罪することができる。自分以外のものに感謝することができる。人の気持ちが分かり、優しく接することができる。そのような人を見ると、「強い人だ」とみんなが尊敬するのです。
自分を大きく見せようとせず、本当の自分でいるには、強くなければできません。人間として大切で基本的なことを守り、虚勢を張らずに生きていく姿は、人々から尊ばれます。そんな父親こそが、本当の意味での強い父親と言えるのです。
五感をフル稼働させれば赤ちゃんと心を通わせられる
赤ちゃんとの接し方に戸惑いを覚えるパパは多いようです。パパになったばかりの人は特にそうでしょう。「赤ちゃんは話せないし、こちらの話も理解できないし…」と思って、どうしたらよいのかわからなくなるのですね。でも、コミュニケーションの方法として言葉がつかえないのは、そんなに大きな問題なのでしょうか。
心理学におけるある研究結果からは、コミュニケーションをするときの方法として言葉が用いられるのは、実は7%くらいしかないということがわかりました。そして言葉以外の方法、表情の変化や声のトーンなどが、残り93%の役割を担っているというのです。これは赤ちゃんとではなく、対大人のコミュニケーションでの結果だというのですから驚きです。
赤ちゃんを大人と同じように考えて良いとは思いませんが、これに無理やり当てはめるなら、言葉を話したり理解したりできない赤ちゃんだって、大人とのコミュニケーションはほとんどとれると言えるのです。
赤ちゃんは言葉を使えません。でも、だからこそ自分の全ての感覚を使って、周りの人と関わろうとしているのではないでしょうか。そんな赤ちゃんに対しては、ぜひ親であるあなたも、自分の五感をフル稼働させて、赤ちゃんとのコミュニケーションを試みてください。
理由はわからないけれど赤ちゃんが笑顔を見せながら拍手している。そんな時にはパパも笑顔で拍手を真似てみましょう。赤ちゃんが喃語を話していたら、その意味は分からなくても笑顔でうなづきながら「そうだね」等と返してあげるのです。パパのこのような反応を見て、赤ちゃんはきっともっとたくさん拍手をし、もっと楽しそうにおしゃべりするでしょう。
赤ちゃんが、声をあげたり見つめたりして関わろうとしているのに、パパが「何のこと?」と戸惑ったり、何の反応もしなかったりしたらどう思うでしょうか。きっと赤ちゃんは「わかってもらえなかった」と残念な気持ちになるでしょう。それが、赤ちゃんがなかなかパパに慣れない理由の一つなのではないでしょうか。
そんな風にならないためにも、赤ちゃんが何らかのアクションをした時には、自分の感覚全てを使ってそれを感じ取り、受け答えするのです。それを繰り返していけば、赤ちゃんはきっとパパの愛を感じ取り、パパが大好きになっていくでしょう。
娘との遊びもこれでばっちり!
娘を持つパパは、子どもとの遊びに悩んでいることが多いようです。女の子とどのように遊んだらよいのかわからないのです。パパ自身に姉や妹など女きょうだいがいたのであればまだいいのですが、いなかった場合は特に困ってしまうようです。
女の子の大好きな遊びと言えば、ままごとや塗り絵、お人形遊びなどですが、それらの遊び方や面白さが分からないため、うまく遊べないのです。なんとか我慢して娘につき合ってみても、パパの気持ちは伝わってしまい、子どももなんだか楽しくありません。挙句の果てに、「パパと遊んでも面白くないな」と言われてしまうことも…。
女の子とパパにおすすめの遊びを2つ、ご紹介しましょう。1つ目はお散歩です。小さい頃、家の中でちまちまと遊ぶより外で思い切り体を動かすのが大好きだったというパパには、きっと向いているでしょう。
公園に行けば、女の子の好きなきれいな花がたくさんあるでしょう。野草なら摘んでもいいですね。紅葉の季節になればきれいな葉っぱも落ちているでしょうし、どんぐりだって拾えるかもしれません。家に持ち帰って工作に使うこともできます。広い屋外で、パパにしかできない肩車をしてあげたら、きっと子どもも大満足なことでしょう。
2つ目は、屋内での遊びが好きなパパにおすすめです。それはズバリ、ゲームです。ゲームと言ってもテレビゲームではありませんよ。パパと娘で実際に対戦できるものがいいでしょう。例えばトランプなどのカードゲームや、オセロなどのボードゲーム等がこれに当たります。
子どもがまだ幼いのであれば、遊び方が単純なものにしてあげましょう。簡単なパズル、神経衰弱のように遊べるメモリーカード、タワーのように何かを積み上げていくゲームなど、探せば小さな子どもでも楽しめるものはたくさんあります。対象年齢を参考にいろいろと見つけてみてください。
大人だからうまくできるとは限らないものもたくさんありますから、パパも子どもと一緒に楽しめるはず。これでコミュニケーションもばっちりですね。でも一つだけ注意があります。パパが上手すぎて子どもに勝ってばかりいると、子どもは面白くなくなりますし、悔しくて泣いてしまうこともあります。適当に負けてあげるのがコツですよ。
女の子との遊びでは、パパが無理やり子どもに合わせないことです。外遊びが得意ならお散歩、屋内遊びが得意なら知育ゲームというように、自分も楽しみながらできる遊びに誘ってみましょう!
子どもと会うことができない時でも、パパのアイデアで心はつながる
子どもと一緒にいる時間を確保するために、仕事を早めに終わらせて帰宅するパパもいらっしゃることでしょう。では、なかなか早く帰ることができない人や、出張が多い人、単身赴任をしている人は、子どもとコミュニケーションをとることができないのでしょうか。そんなことはありません!パパのアイデア次第で、子どもとつながることができるのです。
例えば、離れたところにいるからこそできる、こんな遊びをやってみてはいかがでしょうか。それは、「宝探しごっこ」です。
まずは準備です。子どもに知られないように気をつけて、子どもが好きそうなものを買っておきます。お気に入りのお菓子や大好きなキャラクターの食玩、ステーショナリーグッズもいいですね。これが「宝」になるのです。用意したら、家の中の隠し場所を決めましょう。子どもに気づかれないように注意して隠してくださいね。
残業がちなパパは子どもが寝ているうちに、出張するパパは出張前に、単身赴任のパパは休日などで家に帰ってきたときにこっそりとやっておくといいでしょう。そして、会社や出張先、単身赴任先で、仕事が一区切りついた時間に、子どもに電話で話すのです。「宝」を家のどこかに隠したこと、そしてどこに隠したかについてのヒントを。
子どもはきっと、思いがけない内容の電話に、ワクワクすることでしょう。電話を片手に、ヒントを手掛かりにしながらあちこち探すはずです。電話の向こう側の様子が目に浮かぶようですね。まるで、子どもと一緒にいるような感覚に襲われるかもしれません。
やがて子どもが「宝」を見つけ、「あった!わあ~これ欲しかったんだ!ありがとう!」と大喜びすることでしょう。
何日か続く出張の場合は、出張日数の分だけ「宝」を用意し、隠しておくのもいいですね。そうすれば、毎日子どもとこの遊びでコミュニケーションをとることができます。親子ともども、毎日の電話タイムが楽しみになることでしょう。
どうでしょう、共に過ごす時間が少ないからと言って、子どもとコミュニケーションがとれないわけではないということが、お分かりいただけたでしょうか。ちょっとしたアイデアで、親子の心がつながるのです。宝探しはほんの一例ですが、このような遊びを取り入れることで、親子のつながりがもっと強いものになります。
どんなに忙しくて残業がちでも、離れたところで過ごしていても、子どもとの距離が近くなるような方法はきっとあるはず。残業や出張、単身赴任などはよくあることですが、子どもとのコミュニケーションをあきらめたり、面倒くさがったりしないでください。子どもの喜ぶ顔を思い浮かべて、いろんなアイデアを出してみてくださいね。
約束を破ると子どもは傷つきます!必ずカバーをしましょう
きちんと定時に帰ることができるパパは、少ないかもしれません。子どもと過ごす時間が減ってくると、思わず「次の日曜日は動物園にでも行こうか」などと、本当に休めるのかどうかもわからないのに子どもと約束してしまう…心当たりのあるパパも多いのではないでしょうか。
その約束が果たせれば問題ないのですが、急に仕事が入っていけなかったときには、子どもはガッカリしますし、傷ついてしまいます。「約束って言ったでしょ!」と泣いたり怒ったりしても仕方ありません。
そんな時「仕事なんだから仕方ないじゃないか!」と開き直るのは、どうぞやめてくださいね。自分が悪かったわけでもないのに叱られてしまった子どもは、「もう自分の気持なんか言うものか」「パパなんて信用できない」と、心の扉を閉じてしまいます。
こんな経験をしてしまうと、親のいいつけなど守らなくなったり、約束を守らなくなったりします。親に対してだけでなく友達にも、意地悪をするようになることだってあります。子どもなりに、自分が受けた傷から目を背けようとしているからなのでしょう。
そんな時に、子どものその行為だけをとらえて叱ってしまうと、ますます子どもの心は行き場をなくしてしまいます。考えてみてください。もとはと言えば親が約束を果たさず、それについてちゃんとカバーもしなかったことから来る行為なのです。それなのに、子どもは自分の心の動きを、きちんと説明することすらできないのです。
いつでも子どもとの約束が守れるとは限りません。だからと言って約束しないでいるのも違います。子どもの約束はなるべく守る。その心構えをきちんとしたうえで、どうしても守れなかったらきちんと謝り、それをカバーすることが大事なのです。
人間としてきちんと謝罪することは絶対にするべきですし、仕事の帰りにケーキを買って帰るとか、次に休める日があったら絶対に動物園に行くことを約束するとか、そういったカバーも忘れないようにしましょう。今すぐにできるカバーでなくても構わないのですから。
やむを得ず仕事を家に持ち帰り…そんな時は早朝に片付けよう!
会社にいる間に仕事を全部終わらせられず、家にまで持ち帰るパパもいますよね。たいていのパパは、子どもが寝静まった後に仕事に取り掛かることでしょう。でもそれは本当に、パパにとっても子どもにとってもいいことなのでしょうか。
帰宅後、まずは家族と一緒に食卓を囲み、寝る前は子どもをお風呂に入れてと、子どもとの時間を確保するパパは、素晴らしいです。でもその後に持ち帰った仕事をしなければ…と考えながら関わっていては、パパにとっても子どもにとっても、100%楽しい時間になるとは言えないでしょう。
まずは持ち帰った仕事の量を考えてみてください。夜通しやらなければ終わらないのであれば、そもそもそんな追い詰められた状況にならないように、普段から計画的に仕事をこなしていく必要があります。
そうではなく、数時間で終わるものであれば、子どもが寝た後の深夜にやるよりは、いつもより早起きして仕事に取り掛かることをおすすめします。帰ってから食事や入浴の時間を子どもと共に過ごしたら、そのまま子どもと一緒に寝てしまいましょう。その時、仕事量に応じて起きる時間を考え、目覚まし時計をかけるのをお忘れなく。
早起きしたら眠くなりそうと思うかもしれませんが、意外とそんなことはありません。子どもはだいたい9時くらいに寝るでしょう。3時間あれば終わる仕事であり、いつも起きる時間が7時くらいだとしたら、4時に起きれば仕事を終わらせることができますよね。そう考えると、たっぷり7時間も寝ることができるのです。
考えてみれば、夕飯でお腹がいっぱいになり、お風呂に入って温まりリラックスし、子どもを寝かせたその後に、やおら仕事を始めるというのは、かなり辛いことではないでしょうか。たいていはこのまま眠ってしまいたいと思うことでしょう。
何とか仕事を始めたとしても、エネルギーが残り少ない頭では、テキパキと仕事を進められるとは思えません。どうにか仕事を終わらせても、今度は神経が興奮して、寝入るまでに時間がかかることでしょう。次の日の目覚めも悪くなりますね。
こう考えてみれば、夜子どもが寝てから仕事を始めるよりも、いつもより早く起きて仕事を片付ける方が、ずっと効率的であることがお分かりいただけるでしょう。帰宅後の子どもとの時間も、思い切り楽しめます。それは子どもにとってもうれしいことでしょう。持ち帰った仕事を早朝にやるのは、いいことづくめなのです。