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国語力は親との会話から成長する

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親子で会話

最近の入試や採用試験などの傾向を見ても分かるとおり、自分の言葉で自分の考えを表現することができる人物が求められています。子どもにそういった力をつけさせるため家庭でどんなことができるのかを見てみましょう。

 

あらゆる学問の基礎――国語力

子どもの学力を伸ばす上ですべての基礎になるのは国語の力です。これは文系であるか理系であるかを問いません。なぜならば、教科書やテキストや資料集はいずれも日本語で内容が書かれているからです。さらには、一部の学校や学科を除き、試験問題もやはり日本語で表記されているだけでなく、解答するのに使うのも日本語です。大学入試などでは小論文試験を受けることもあり、当然ながら日本語で自分の考えを述べる必要があります。

 

どれだけたくさんの漢字を覚えていても、どれだけ公式や定理を知っていたとしても、教科書や試験問題に書かれている問いの文章の内容が理解できなければ正確な解答は望めませんし、小論文や記述問題などでは自分の表現したいことをきちんと表現できなければ正解を得ることはできないのです。

 

このように、国語の力はすべての勉強や受験の基礎になるものです。これは最近の大学入試の傾向を見ても明らかに分かります。入試において小論文試験を課し、自分の言葉で自分の考えを示すことができる学生を入学させたいと考えている大学が増えてきているのです。

 

国語の力が高いというのは、長く難解な文章であってもきちんと意味を読み取ることができる力や、自分の考えをわかりやすく文章にまとめて書くことができ力、すなわち読み書き力があるということを意味します

 

しかし、こういった読み書き力は現在割合に軽視されているように感じられます。難しい漢字をたくさん知っているということが読み書き力であると誤解されている節すらあります。

 

例をあげると、「夭折の詩人」と言われたときに、それを「ようせつのしじん」と正しく読むことができ、「まだ若いうちに死んでしまった詩をかく人物」といったようにきちんと意味を理解できたとしても、それは国語の力が高いことを意味しません。真に国語の力が高い人であれば、「夭折の詩人」と言われた時に金子みすゞ、中原中也、山田かまちといった人物とその作品を思い浮かべることができ、そういった作品を目にしたときに感じた自分の気持ちをわかりやすく文章で書くことができなければなりません。

 

この例から分かるように、国語の力が高いというのは単純に受験で力を発揮できるというレベルを超えたものごとを指します。長い人生を豊かに生きていくことができるための教養であり、他の人とふれ合っていい関係を築くための基礎になるコミュニケーション力であるとも言えます。

 

このように、本当の意味で高い国語の力を持っていない場合、そういった人は漢字の読み書きは得意でもコミュニケーション下手であることが多いものです。そして、そのような学歴だけは高いけれども人の話を聞くのが苦手で、聞いた内容を咀嚼して自分の意見をわかりやすく伝えることもできないといった人は残念ながら世間には数多くいます。そして得てして、そういう人ほど知識はたくさん持っているのでプライドだけは高かったりすることが多いものです。

 

子どもの国語力を高めるために

では、子どもに高い国語の力を身につけさせるにはどうすればいいのでしょうか。それには、子どもに作文を書かせると大きな効果があります。内容はどんなものでもよいので、子どもの感情が揺り動かされたときに、それを文章として書かせてみるのです。そのようにして作文を書いていると確実に国語の力が身についていきます。

 

作文以外にも、子どもの国語力を伸ばすために大事なものがあります。それは親が持っている会話力です。

 

学習や試験のために必須になってくる本当の意味での国語の力は、残念なことに学校の勉強では身につけることがなかなかできません。というのも、学校で利用している教科書のたぐいは子どもの好奇心に訴えるような代物ではなく、それを使って教える教師も詰め込み教育を重視し、漢字を繰り返し書かせたりしてばかりだからです。子どものユニークな発想を大事にしたり感受性を伸ばせるような作文を作る指導などまず無理でしょうし、逆にそういった作文を子どもが書いたとしてもそれを評価するかさえ疑問なところがあります。

 

学校で子どもの国語力を伸ばせないのであれば、家庭でやるしかありません。とはいえ、家庭で文学について親子で話す必要はありませんし、子どもに来る日も来る日も作文を書かせてそれを添削しなければいけないというわけでもありません。より簡単なことを実践するだけで子どもの国語力を伸ばすことができます。

 

まず初めに、食事の時にはTVを消すことです。食事の時にTVをつけるのをやめ、その日経験したことを家族同士で話し合う時間に充てるのです。

 

とかく男子というものはあまり話さない子が多いものです。特に、昔風の頑固な父親や祖父などがいて、男のくせにぺちゃくちゃしゃべるな、などと子どもを叱りつけているような家庭ではなおさらそういった傾向があります。男が無口であることを礼賛するのは個人の趣味ですから構いませんが、こと子どもに国語の力を身につけさせようとするならばそういったしつけは害になります。

 

食事の時の話題はどんなものでも構いません。例えば、「今日はどこで誰と何をして遊んだの?」程度のものでOKです。表現力が乏しい子どもの場合、そういう話題を振られても「公園でだれそれと遊んだ」などと短く話を切り上げてしまいがちです。親はそこで終わらせず、話の接ぎ穂をついであげるようにするのです。例えば、「公園でどんな遊びをしたの?」であるとか、「あそこは犬を連れている人が多かったと思うけど、可愛い犬はいた?」といったように、会話が弾むように仕向けるのです。

 

表現力が乏しい子どもは別に話したくないわけではなく、何をどこから話していいかよく分かっていないだけの場合が多いのです。このような話のきっかけがあれば、それを足がかりにして会話を弾ませることができます。子どもが話のきっかけに対して答えを返したら、それに対してさらに反応を返してあげて、話すことの楽しさに気がつけるようにしてあげましょう。

 

自分が語る話に身近な人が興味を向け、興味を持って聞いてくれてしかも反応が返ってくるとなると、子どもには自分に起こったことや感じたこととについてもっと人に話したいという欲求が芽生えます。

 

そうなってくれば、自ら自然に表現を工夫するようになります。周囲の人の興味を引きつけ、より面白く話を聞いてもらうにはどうすればいいかと考えるようになるためです。そうした工夫を毎日続けることによって、子どもは自然な形で表現力を培うことができ、さらには人とのコミュニケーション能力をも鍛えることができます。

 

このように、子どもが持つ国語の力は親との会話から成長します。いつも子どもにかける言葉は「~しなさい」ばかりで、団らんの時間にはずっとTVがついている、といったような家で育った子どもは勉強しても本当の国語の力を身につけることは困難と思います。まずは親の側から変わることが必要なのです。

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