仮眠が取れないときに実践したいお役立ち眠気解消法
眠気は我慢せずに、短時間でも仮眠を取ることがお勧めですが、そうは言っても、仮眠を取ることが許されない場面も多々あります。そんな時に、眠気を減少させたり、脳を休憩させてあげて、頭をスッキリさせる方法があります。どうしても仮眠が取れない時のために、覚えておくと役に立ちます。
仮眠が取れない時の眠気に打ち勝つ方法
1日の睡眠が足りている人も、睡眠不足の人も、昼間に仮眠を取ることが出来れば、体も頭もスッキリし、後の活動の効率が上がります。しかし、個々の仕事の形態や生活習慣によって、仮眠を取りたい時に、取れるとは限りません。眠くても、それに耐えて寝ないように努力しなくてはいけない時も多々あります。
そんな時、眠気を撃退する強い味方になってくれるのは、コーヒーや紅茶、お茶などのカフェイン飲料を飲むことです。それでは、カフェインを摂取する以外に、眠気を減らす方法はあるのでしょうか?
太陽の光に限らず、室内の照明の光でも構わないのですが、明るい光を目にすると、眠気は減少します。朝でも、昼でも、夜でも、時間帯を問いません。強い光を見ると、体内時計の時刻がおかしくなったり、メラトニンという睡眠ホルモンが減少するからです。
交感神経という言葉を聞いたことはありますか?これは、自律神経の一種で、「昼をつかさどる神経」と言われています。交感神経が活性化すると、脈拍が上昇し、血圧も上昇し、目がくっきりと冴えわたってきます。眠気を撃退するには、交感神経を活性化させることが重要です。
セロトニン神経という脳内に存在する覚醒系の神経があります。この神経が活性化すると、頭がくっきり冴えてきます。よって、眠気を撃退するのは、このセロトニン神経も重要な役割があるということになります。
セロトニンを増やして覚醒度アップ!
セロトニン神経には、どのような働きがあるか見ていきましょう。脳内の大脳皮質という領域に働きかけて目覚めさせたり、自律神経を調節したり、気を確かに、しっかりさせる働きがあります。
他には、痛みを減少させたり、体の筋肉に作用して姿勢を正しく維持させたりする仕組みもあります。また、精神面にも関与しており、常に普段通りの揺れ動くことない心を維持しながら、怒鳴ったり、イライラしたりすることなく、ふさいだ気分にならないようにしてくれます。
セロトニンは、昼間に、体の中で必須アミノ酸のトリプトファンから生成されます。ところが、セロトニンは夜になると、睡眠ホルモンのメラトニンに変化して眠気を生じさせます。
セロトニンを増加させる方法はいくつかあります。セロトニンが増えると、人は覚醒します。太陽の光を浴びることで、セロトニンは増加します。
さらに、グルーミングがセロトニン増加に効果的です。人間以外の動物で、グルーミングという言葉を聞いたことはあるかもしれませんが、人間のグルーミングと言われてもピンとこないかもしれません。具体的には、簡単なことで、仲の良い友達や家族と一緒にいることを意味します。
リズム運動もセロトニンを増加させてくれます。ジョギングやウォーキング、スイミング、野球のバッティング、ゴルフのスイングもリズム運動です。ダンスの中にもリズム運動はたくさんあります。ヨガ、日本舞踊、フラダンス、ヒップホップ、ジャズダンスなども、もちろんリズム運動です。
1日の生活のなかで、朝、起床してから、夜、就寝するまでの間、セロトニンを常に増やすことが出来ると眠くならないはずです。言い換えれば、セロトニンを減少させなければ良いのです。
東邦大学名誉教授の有田秀穂先生は、セロトニン研究の第一人者です。先生が推奨されているセロトニンを増加させる1日の過ごし方を紹介していきます。
(1)朝、起床直後に、太陽の光を20分~30分浴びます。
(2)朝のウォーキングを行います。5分~20分くらい歩くと良いでしょう。
(3)朝の出勤時、電車やバスの中で、居眠りをしないようにします。
(4)アロマ・オイルの匂いを嗅ぎます。朝、お勧めの匂いは、レモンやローズマリーです。夜、お勧めの匂いは、スイートオレンジやラベンダーです。
(5)ペットを飼っている人は、ペットを優しくなでます。
(6)階段を上ったり、下りたりします。
(7)スルメやガムなどの固い食べ物を5分~20分噛み続けます。
(8)仲の良い友達や家族と、ご飯を一緒に食べたり、おしゃべりしたりします。
(9)マグロの赤身部分、レバー、バナナ、牛乳、乳製品、豆製品などを食べます。
(10)昼寝をする場合は、30分以内にとどめておきます。
(11)リズム運動を夕方以降に行います。
(12)夜に、コーヒーや紅茶、お茶などのカフェインを含む飲み物を飲まないようにします。
(13)37度~40度の温度のお風呂に、眠る前に入ります。
(14)寝る時には、電化製品の電源を可能なものは極力切っておきます。
「おやつ」を食べて午後の眠気を撃退しよう!
朝起きて、あなたは、きちんと毎日朝食を食べていますか?1日の頭のスッキリ度合いは、朝食を食べているかいないかで異なってきます。
朝食を摂るか摂らないかの研究をある医科大学が行っています。朝食をきちんと食べている学生の成績は、朝食を食べていない学生と比較すると、全教科で優秀であることが判明しました。さらには、車のドライバーは、ブドウ糖を摂取すると、運転中の交通事故を引き起こす確率が減少するという調査結果も得られています。
私達の体を動かすために必要なエネルギーの源は、外から見える筋肉もそうですし、内部的な外からは見えない内臓系の動きも含めて、糖、タンパク質、脂肪が使用されます。この3つは、三大栄養素と呼ばれています。この3つの栄養素のうちの、ブドウ糖のみから脳は、エネルギーをもらっています。
人間の脳は、1日に500キロカロリーくらいエネルギーを消費しています。ブドウ糖に置き換えると、120グラムくらいです。脳が体の中で占める割合は、体重で表すと、たった2%しか重さはありません。しかし、脳は、全身が使用する全エネルギー消費の18%も消費しています。
血糖値が1日のうちで、最低になるのは、朝食を食べる前です。朝食を食べると、血糖値は上昇しますが、朝食を食べない場合は、血糖値はもっと減少し続けて、午前中ずっと低血糖状態のまま生活することになります。血糖値を下げると脳の活動が低下し、血糖値を上げると脳が活発に動くことが認められています。
眠くなると、なぜか炭水化物やスイーツなどの甘めのものが食べたいと、思うようになります。これは、脳がブドウ糖を欲している状態です。午前中の脳の活性化には、絶対に朝食は不可欠です。忙しくても、何か食べるようにして下さい。
お昼になったら、もちろん昼食を食べますが、その後、夕食までの間で、何か食べることはありますか?子供は、3時のおやつを習慣にしていることも多いと思いますが、大人はどうでしょう?大人もおやつを食べることは、眠気撃退に効果的なので、お勧めです。
「おやつ」という言葉の語源を知っていますか?昔の日本の時間の呼び方では、午後2時は、「八つ時」と言っていました。「おやつ」は、その頃は、3時ではなく、この八つ時、つまり、今の時間で言うと2時に、軽めの食事を摂ることを意味しました。
昔の人は、午後に大きな眠気がやってくる時に、軽食であるおやつを食べて、眠気を撃退していたのです。おやつの習慣があるのは、日本だけではありません。「ティータイム」や「コーヒーブレイク」という言葉は、英語ですが、これらは、おやつを食べることを意味します。
おやつでは、ブドウ糖を摂取して、脳のエネルギー源を蓄えることも必要ですが、食べるだけでなく、せっかくなので、その時の飲み物は、カフェインを含んでいる、コーヒーや紅茶、お茶などを飲むと、さらに眠気対策になります。
おやつを食べたり、お茶を飲んだりする時は、一人ではなく、誰かと一緒に食べるのがお勧めです。人と話しながら食べることは、脳を活動的にして、眠気も減少します。おやつを食べるということは、一挙両得と言えるでしょう。
体内時計のコントロールには強い光が欠かせない!
朝は、太陽の光を浴びて、夜は、光を浴びすぎないようにしましょう。これが、人間の体の中に組み込まれている体内時計をコントロールするために重要なことです。1日24時間のリズムに合わせて生きていくためには、日中は活動的になり、夜は静かに眠るという生命現象の周期的変化が備わっています。
昼間に眠くなった時は、部屋の中から外に出て、5分くらい直射日光に当たってみて下さい。
5分くらい外に出て直射日光を浴びるだけでなく、その時に、少し散歩するとさらに効果的です。歩くことは、セロトニン神経が活動的になり、覚醒を促します。外に行くことが出来ない場合は、陽の当たる窓際に近づき、外を眺めるだけでも良いです。
太陽の光は、誰にでも分け隔てなく無料で照らしてくれるありがたいものです。この太陽が昇り、夜が明けて、明るくなると目が覚めるという当たり前のことは、昔から、私達人間の体に備わっているシステムです。
夜に、まだ眠りたくないのに眠気が襲ってきた時は、500ルクス以上の非常に明るい光を浴びると、メラトニンという睡眠ホルモンが減少して、眠気が減ります。具体的な場所で言うと、コンビニエンスストアやパチンコ店などです。メラトニンの減少で、眠りたいのに目が冴えて眠れなくならないように、ご注意下さい。
規則正しく、早寝早起きを目指すためには、早朝に強い光を浴びましょう。体内時計が早まり、眠気が減少するため、朝の目覚めはスッキリ爽快になり、夜は、それに伴い、早い時刻に眠気がやってきます。その眠気に逆らわずに、早寝して下さい。
反対に、夕方以降に強い光を浴びるとどうなるでしょうか?体内時計が遅れ、夜なかなか眠気がやってこないために、夜更かしをしてしまい、朝は早く起きられなくなります。不規則な生活になってしまいます。
早起き生活を手に入れるため、ちょっとした工夫を取り入れてみてはいかかですか。布団やベッドの位置を、朝日の方向、つまり、東側の窓辺にセットします。加えて、朝日が敢えて、眩しいくらいに、顔を照らしてくれるように、カーテンを少しだけ開けておくのが良いでしょう。
自分でいろいろ試しても、早寝早起き生活が出来ない、どうしても睡眠の時間帯が適切でない病気の人には、2500~1万ルクスの光を特殊な部屋に入って浴びる「高照度光療法」という方法を、医療機関で施される場合もあります。
この「高照度光療法」を自宅でも類似のことが実現できるように、同類の効能がある小さめのグッズが、インターネットで販売されています。興味がある人は、購入してみて下さい。
交感神経を興奮させて眠気撃退!スッキリ目覚めよう!
自律神経は睡眠と深い関係があります。昼間をつかさどる交感神経は、人間が活動しやすい状態にする働きがあります。目を覚まし、脳内をスッキリさせてくれます。夜をつかさどる副交感神経は、休息している時、リラックスしている時、眠っている時に働きます。
この2つの神経は、交互に働くので、交感神経が働いている際は、副交感神経は休んでいます。逆に、副交感神経が働いている際は、交感神経は休んでいます。
強い眠気に襲われて、ウトウトしかけている時、急にビックリさせられたら、一気に眠気が飛んでいきます。この時は、交感神経が急に興奮して高くなり、覚醒度が高まります。つまり、眠気を減らしたい時には、交感神経を興奮させることが出来たら良いのです。
では、どのようにして、交感神経を興奮状態にさせるのでしょうか?温めたり、冷やしたりという刺激を与えると、交感神経は、活性化します。これなら、私達も簡単に交感神経を興奮させられるのではないでしょうか。試してみましょう。
部屋の温度が過ごしやすい丁度良い温度に保たれていると、気持ち良すぎて眠たくなることもあります。そんな時には、部屋の温度に変化をつけましょう。窓が開けられる場所であれば、窓を開けて空気を入れ替えてみましょう。寒い時期に暖房をしている場合は、一旦、暖房を切って、部屋の温度を少し下げてみましょう。交感神経が刺激されます。
部屋の温度が変えられない時は、冷水または、熱めのお湯で、顔や手を洗うのがお勧めです。こちらも、交感神経が刺激されて、目が冴えてきます。
朝の寝起き後に、シャキッと気持ち良く目覚めるためには、シャワーが効果的です。それも、少々熱めのお湯でのシャワーが望ましいです。疲労感が減少して、やる気が湧いてきて、注意力も増し、気分スッキリになります。低血圧で朝が苦手な人も、朝のシャワーを同様にお勧めします。熱いお湯が交感神経を興奮させて、血圧を上昇させてくれます。
忙しい朝には、シャワーが精いっぱいかもしれませんが、時間的に余裕がある人には、朝のお風呂がもっとお勧めです。40度~42度のお湯に、10分~20分入ると良いでしょう。
近年注目されている「ヒート・ショック・プロテイン」が体内に増加します。お湯の温度が、これより熱すぎたり冷たすぎたり、また入浴時間もこの範囲でなければ、効果はありません。
「ヒート・ショック・プロテイン」は、別名を「ストレス防御たんぱく」とも言われています。細胞内の傷ついてしまったタンパク質を修復してくれる成分を言います。様々な効能があり、健康や美容に良いとされています。朝からこの成分を増やせば、ストレスにも打ち勝って、その日1日を過ごせます。
眠気覚ましにおしゃれなアロマを使ってみよう!
車の運転中に眠くなりかけた時、ガムを噛んで、眠気を吹き飛ばそうとする人は多いのではないでしょうか。眠気スッキリガムとして、気分をシャキッとしたい時にピッタリの、清涼感の強い辛口ミントガムは、CMでもおなじみです。
ガムの辛さが、交感神経を興奮させてくれます。そして、噛むという行為が、眠気覚ましには効果的です。アゴを一定のリズムで動かすということが、覚醒をつかさどるセロトニン神経を興奮させます。さらに、ドライブ中にお勧めのガムは、ミント系のものをよく見かけますが、このミントの香りも目覚めを促進する効果があります。
睡眠不足が続くと、心も体も疲れ切ってしまい、何をするにも元気が出ません。元気を取り戻すために、アロマで癒されてみましょう。アロマには、血行促進作用、強壮作用、刺激作用などがあります。抗うつ作用のある精油もあるので、ストレスが溜まっている時などに使用すると、気持ちを和らげてくれます。
アロマテラピーと聞くと、それを行うための器具や準備が、いろいろと必要になってくるのではと、心配する人もいるでしょうが、特別な器具や準備はいりません。安心して下さい。敷居が高くないので、実践してみましょう。
簡単な方法は、お好みの精油を1~2滴ティッシュペーパーに垂らします。それを鼻に近づけて、直接香りを嗅ぐだけで良いのです。それで、十分効果があります。アロマ・オイルのビンと、ティッシュペーパーさえあれば、場所や時間を問わず、香りを嗅ぐことは出来ます。
他の方法としては、コップなどに40度~60度くらいのお湯を用意します。その中に、アロマ・オイルを1~2滴垂らすと、素敵な香りが楽しめます。この方法も、マグカップなど自宅にあるものを使えば良いので、簡単に出来ます。
様々な精油の香りがあるので、目的別に紹介していきます。
体がだるいと感じたり、気分がスッキリしないで、ふさぎ込んでしまっている時にお勧めしたいのは、スイート・マージョラムやオレンジ・スイート、ネロリ、ペパーミント、フランキンセンス、レモングラス、ベルガモット、ローズ・オットーです。これらは、脳の左の前頭葉という領域を刺激して、脳の疲れを排除してくれる働きがあります。
何をやるのもやる気が出ない時にお勧めしたいのは、ティートリーやフランキンセンス、ユーカリ、レモン、ペパーミント、ローズマリーです。これらは、気分を一新して、元気を回復させる効果があり、脳を活性化して、何事にも積極的に取り組むようになる働きがあります。
ちょっとおしゃれに、アロマ・シャワーを浴びてみるのはいかかでしょうか?眠気覚ましにとても効果があります。やり方は、これも難しくありません。
洗面器にお湯を入れて、その中にアロマ・オイルを2~3滴垂らすか、洗面器を使わず、直接、浴室の床に2~3滴垂らして、そこで、シャワーを浴びます。水しぶきやお湯の熱によって、アロマが浴室一面に広がって、アロマ・シャワーを堪能できます。
低血圧や低体温の人は「アイソメトリックス」をやってみよう!
睡眠中に、体温は下がっていきますが、朝、起きる時間帯になると、体温が上がってくるのが普通です。しかし、低体温の人は、体温が朝になっても上がってきません。また、朝の血圧が低く、起きることが困難な人も、近年、増加傾向にあります。
低体温や、低血圧の人は、一度起き上がっても、眠気が残ったままの状態が続き、注意を怠ると、またすぐにウトウトしてしまいます。そんな人達に、お勧めしたいのは、「アイソメトリックス」です。
アイソメトリックスは、等尺性収縮運動と言って、関節を動かさないで、筋肉がその長さを変えないで収縮する運動です。静的な運動と言えます。動かないものを押したり、引いたりする運動をイメージしてみて下さい。
様々な運動の中で、アイソメトリックスが、筋肉の中の血管から、血液が押されて、その結果、血圧は少しの間だけ上昇する際の、血圧を上げる働きが一番強いと言われています。
アイソメトリックスは、筋肉が収縮する時には、エネルギーを使用します。そのエネルギーが熱になり、広く拡散し、体温が上がります。体温が上がると、体の動作が良くなるため、低体温の人にも効果が得られるはずです。
では、椅子に座ったまま手軽に実践できるアイソメトリックス運動を紹介していきます。
(1)腕の運動
右腕全体に力を入れます。筋肉をこれ以上ないというくらい緊張させてみましょう。肩から指まで全てに力を入れて下さい。5秒~10秒間力を入れたままにしていて下さい。右腕の次は、同様に、左腕も行います。
(2)脚の運動
右脚全体に力を入れます。股関節から足の指まで、くまなく力を入れます。5秒~10秒間力を入れたままにしていて下さい。右脚の次は、同様に、左脚も行います。
(3)胴体の運動
胸とお腹に力を入れます。5秒~10秒間力を入れたままにしていて下さい。その後、腰と背中の筋肉を、力の限り懸命に緊張させて下さい。
眠気に効く3つのツボを覚えておこう!
学校や会社で、興味が持てない授業や会議などで、でも、退席することは出来ず、終了時間がくるまで、寝ないでじっと座っていなければいけない場面もあります。立ち上がって運動するわけにもいかず、カフェイン飲料を飲むことも出来ず、そんな時にお勧めなのが、眠気覚ましのツボを押すことです。
眠気に効果的な3大ツボを紹介します。ぜひ、これらのツボを押してみて下さい。
(1)中衝
手の中指の爪の、人差し指側の生え際の2ミリくらい下です。逆の手の人差し指と親指で、挟み込んで強くもみましょう。大きく深呼吸をしながらやって下さい。このツボは、眠気を撃退するのにもってこいです。すごい効き目があるはずです。気持ちがムシャクシャしている時、気持ちを落ち着かせてくれる効き目があります。
(2)労宮
手のひらの大体真ん中で、手を握った時に、中指の先端が当たるところです。ここは、手で押すのではなく、ボールペンなどを使って、力いっぱい押して下さい。腕までズッシリと響いてくるくらい思いっきり押して下さい。上半身の血行促進や、肩こりの改善にも効きます。
(3)合谷
人差し指と親指のまたの間で、手を開いた時に2本の指の骨が接している部分の少し指先側です。はじめに、手の甲をつかむようにし、逆の手の親指を、この合谷のツボに爪を立てて押し当てます。次に、人差し指の方へ、だんだん力を入れていきます。このツボは、眠気を抑制して、体の血行促進、頭痛、めまい、胃腸の不調を改善する効果があります。
中衝、労宮、合谷の3つのツボには及びませんが、他にも眠気を撃退する効果があるツボがいくつかあります。
「風府」は、うなじの中央のくぼみより親指の幅だけ上部に位置します。「百会」は、頭のてっぺんのツボです。「足臨泣」は、足の小指と薬指の間にあります。「陰白」は、足の親指の爪角の脇にあります。これらも、眠気覚ましのツボとして知られています。
休日の90分仮眠「ホリデー・ナップ」で1週間の睡眠不足をスッキリ解消
さて、仮眠が取れない場合の、眠気に打ち勝つための方法をいろいろ紹介してきましたが、睡眠の基本に戻って考えてみましょう。理想の睡眠生活は、夜は6時間以上のまとまった睡眠を取ります。そして、午後から20分仮眠(パワー・ナップ)を取るのが基本です。さらに、数秒~10分くらいの仮眠を何回も取れると、なお良いでしょう。
しかし、理想の睡眠時間を取っているにも関わらず、睡眠不足と感じる人もいるかもしれません。個人差がありますので、この時間で睡眠が十分な人もいれば、睡眠不足が解消されていない人もいて当然です。
睡眠の理想時間を1日単位で考えてきましたが、そうではなく、1週間単位で考えてみて下さい。1週間、つまり7日間の中で、睡眠不足を感じている人は、休日などのしっかり眠れる時間がある日に、補いましょう。
休日、予定がないからと言って、だらだらと何時間も眠りすぎてはいけません。休日の朝寝坊は、平日より2時間遅い時間までを限度として下さい。その時間に、まだ眠かった場合も、一旦起きて下さい。朝、寝すぎてしまうと、体内時計がくるってしまい、次の日に、調子が悪くなります。
いつもより2時間寝坊しても、まだ眠気がある場合は、90分間の仮眠を取って下さい。睡眠のリズムは90分が1周期となっています。よって、休日にお勧めの仮眠は、「ホリデー・ナップ」と呼ばれる90分の仮眠です。
ホリデー・ナップは、ベッドやソファなどに横になって、ゆったりと眠って下さい。90分以上眠ってしまわないように、アラームは設定しましょう。
休日の仮眠を取る時間帯ですが、午前中なら、前夜の睡眠不足を補ってくれますし、午後なら、その日の夜の睡眠の先取りをすることになります。守ってほしいことは、午後3時までには、目を覚ましておくことです。そうしないと、夜の本睡眠の時に、眠れなくなるという事態を引き起こしてはいけないからです。
休日といっても、何かと忙しくて、90分ものまとまった仮眠時間が取りにくい場合は、20分間の仮眠を4、5回に分けて行っても大丈夫です。その日の仮眠の合計時間が90分くらいであれば、1回で90分間の仮眠を取った時と、ほとんど同じ効果があります。