子供にかけるのは期待ではなく愛情
子供を愛さない親はいません。ですが、愛情をどこかではき違えて、期待という形で子供に背負わせている人は少なくありません。そうなると子供はどうなると思いますか?愛情と期待の違い、ご一緒に考えていきましょう。
「あなたのために私は生きている」と言わない
あなたは、きっとお子さんのことを愛していることでしょう。どんなに愛情があっても親子というのはぶつかり合うものですが、それでも子供への愛情がなくなることはありません。私たち親は、口に出したり態度や行動に表したりして、子供には愛情をたっぷりとかけてあげるべきです。
しかし、どんなに子供を愛していても、子供に対して「私はあなたのために生きているのよ」と言ってはいけません。親にしてみれば、子供は一番大切な存在かもしれません。この子がいるからこそ、今の私がいると思う人も多いでしょう。しかし、親は子供のために生きるべきではありません。親は誰あろう自分自身のために生きるべきです。
親から愛されることで、子供は喜び安心します。親が子供に愛情をかけることは必要なことです。しかし「私はあなたのために生きている」と子供に言ってしまうと、それは子供にとって重荷になってしまいます。
子供は親が大好きです。親にこのような言葉をかけられてしまうと、その期待に応えなければならないと感じて必死に頑張るようになってしまいます。いわゆる「良い子」であればなおさらのことです。このように親の非常に重たい一言をずっと背負って生きていると、次第に子供は、自分でも無意識のうちに親が喜ぶような人生を選択して歩むようになります。
悲劇はそこで終わりません。親の期待の応えようと永遠に頑張り続けることなど不可能です。どこかで頑張ることができなくなって、子供の心はぽきりと折れてしまいます。親の愛情が期待となってしまった時、被害をこうむるのは愛しているはずの我が子だというわけです。
親は自分自身のために生きるべき
子供には、自分の良さに気付き長所を生かしながら、自由にのびのびと自分らしく生きてほしいですね。私たち親の仕事は、子供がそんな風に生きていけるような子育てをすることです。
子供にはあふれんばかりの愛情を与えること、でも過剰な期待をかけすぎないこと、子供と自分は別の人間であることをしっかりと自覚しつつ子育てすること、この3つが大事なポイントです。
子供への愛情はどれだけかけても底をつきません。だから、惜しむことなく愛情を注ぎましょう。不思議なことに、子供に愛情をかければかけるほど、親の心の中にはどんどん新たな愛情がわいてくるものです。
そして、いつか必ず自分にも返ってくるものです。そして、たくさんの愛情を注がれて育った子供は、他人にも愛情をもって接することができる人間になります。
愛情が形を変えて、子供にとっては重すぎる期待をかけてしまうことがあります。そうならないように、「自分は子供のために生きているのではない。自分のために生きているのだ」ということをしっかりと心に刻みつつ、子供に惜しみない愛情を与えましょう。
「我が子を心から愛している自分」を生きるというわけです。それは子供のためではありません。親は、自分自身の人生を生きるべきなのです。