夫が育児に非協力的な理由と対処法
赤ちゃんが生まれたのに夫が育児に参加してくれない。よくある悩みですが、その理由は男性の脳にあります。だからといって夫は育児に参加しなくてよいのだ、ということではありません。妻のサポート次第で、夫は本当の意味での「父親」になれるのです。
なぜ夫は子育てをすぐにはうまくできないのか
女性は、母性というものを生まれつき持っています。子どもを出産すると、女性の体は一気に子育てモードに変化します。これは、本能を支配している大脳辺縁系の動きが活発になり、「子どもを守らねば」という本能が、理性よりも強く働くようになるからです。
女性の遺伝子には、子どもを生み、守り、育てるというプログラムがしっかりと刻み込まれているのです。しかし、男性の体にはこのような仕組みはありません。妻が自分の子どもを産んだとしても、夫の体や心はそれまでと何ら変わりません。
もちろん、父親だって自分の子どもをかわいいと思うのですが、それは本能によるものではなく、大脳皮質が司る理性から生まれる気持ちなのです。
つまり、男性は生まれつき父性を持っているわけではないということです。ですから、夫が最初から育児をしようとしなくても当然で、それを「なぜ!?」と不思議がったり責めたりしても、それは意味のないことだといえます。
妻のように、赤ちゃんが生まれてすぐに愛情を感じたり、自然と体が動いて世話をしたりすることは、脳の仕組みから考えたら無理なことなのです。ひょっとしたら、「我が子を作りたい」という気持ちだってないのかもしれません。
夫の父性を育てる方法
もとから赤ちゃんをかわいいと思い、世話をしたいと思うことがないというのはわかった。
でもやっぱり、夫にも一緒に子育てをしてもらいたい。普通の女性なら、そう思うことでしょう。
大丈夫、夫の父性は育てることができます。
そしてそのカギは、妻が握っています。
男性は、理性によって、子どもをかわいいと思ったり大事にしたいと思ったりします。そこを利用するのです。つまり、子どもは大事な存在であること、母親と父親とで守らねばならないことを、言葉にして何度も伝えるのです。
繰り返すことが大切です。どんな学習でも、繰り返し練習することで定着していきます。「大切な子ども」「守っていかなければならないのが子ども」というような言葉をかけ続けていくことで、父性が芽生え、育っていくのです。
「もっと早くそのやり方を知っていたら…」なんて思う必要はありません。方法を知った時が始める時です。もうすでに、子育てを他人事のように思っている夫であっても、今日から始めてみましょう。人間はいくつになっても学ぶことができるのです。
毎日のように話し続けてください。「子どもを、そして自分を守ってくれるのは、あなたしかいない」ということを。そう、父性というのは、妻が賢く夫の中に育てていくものなのです。