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赤ちゃんが「言葉」を学ぶプロセス

言葉を学ぶ赤ちゃん

赤ちゃんの喉や口の構造は成長によっては生後3ヶ月目ほどで変わり、笑い声を立てることができるようになります。そしてそこから生後9ヶ月目ぐらいまでの間、毎日笑い声などを立てることで話すための練習をすることになります。

 

一方、赤ちゃんはこういったトレーニングを積みながら言葉を話すためにもう一つ重要な作業を行っています。それが言葉の認知と蓄積です。赤ちゃんがどんな風にして言葉を学んでいくのかを見ていきましょう。

 

まずは聞いて、覚える

赤ちゃんは周囲の大人が発する言葉を耳にし、それを覚え、まねをしながら言葉を使えるようになっていくという形で言葉を使えるようになっていきます。つまり、まずは言葉を耳にすることが必要なのです。言葉を耳にしてそれを記憶できなければ、模倣することもできないからです。

 

はじめのうちは、当然ながら赤ちゃんは言葉の意味などは分かっていません。他人が話したことにしても、言葉として聞いているわけではなくどちらかといえば音楽のような形で聞いているのです。

 

声の高低、アクセント、メリハリといったものを音楽の旋律のようにして認識し、そのうちに興味を示しやすいものや好きなものもでてきます。そしてそうした話し声や音楽が分節といった複数の音がつながりあってできているということを理解し、次いで話し声の中から単語を分けて聞くことができるようになっていきます。

 

大人が赤ちゃんに話しかけるときには、あまり意識してはいませんが、大人同士で話す時よりも抑揚があるような話し方をしているものです。また、赤ちゃんに聞かせることが多い童謡などの旋律を見ても、「どんぐり ころころ どんぶりこ」などといったように、分節ごとにある程度まとまって聞くことができるようなものが多くなっています。

 

赤ちゃんはそういった状況で音を耳にすることが多いため、音楽の旋律のようであった話し言葉を分節毎に区切って理解するというやり方がやりやすくなっているとされています。

 

言葉や音楽の旋律の中から単語を分けて聞くことができるようになってくると、赤ちゃんはそうやって分けた単語をどんどん覚えて蓄積し始めます。これぐらいの時期においては、赤ちゃんの言葉の発達に一番いいのは絵本の読み聞かせです。

 

生まれてから8ヶ月目ぐらいの赤ちゃんに対し、1日に2回にわたって「ゾウ」をテーマにした1冊の絵本を読み聞かせたとしましょう。それを15日の間繰り返し、30回読み聞かせをしたら2週間の間をあけます。その上で、「ゾウ」という単語を聞かせると赤ちゃんは明らかに興味を示すという実験があるのです。一方で、読み聞かせた絵本にはまったく出てこなかったもの、例えば「ウシ」といった単語を聞かせたとしても、赤ちゃんはまったく興味を示さないといいます。

 

こうした実験を通して分かるのは、生後たった8ヶ月しかたっていない赤ちゃんであっても、2週間も前に聞いた単語をちゃんと記憶しているということです。このように、赤ちゃんが興味を持ったり喜んでくれるような絵本を使い、それを繰り返し繰り返し読み聞かせるだけで、赤ちゃんは言葉の記憶を日々蓄えていくことができます。

 

基本的に、赤ちゃんはみな絵本が好きであるといいます。絵本を読んでも興味を示してくれない場合は絵本が嫌いなのではなく、使っている絵本の内容に興味がわかないというだけのことですので、それとは違う種類の絵本を用意して読み聞かせをするといいでしょう。あるいは、赤ちゃんの「好み」に合わない読み方をしているのかもしれません。赤ちゃんが興味を示しやすいように、よりメリハリをつけた読み方に変えてみてもいいかもしれません。

 

このように、親が赤ちゃんに直接語りかけ、語りかけをしたり読み聞かせをすることは非常に重要です。赤ちゃんの言語能力をきちんと発達させたいのであれば、いちいち相手をするのが面倒くさいからとTVやDVDに子守をさせるようなことをしないように注意すべきでしょう。

 

それまで覚えた言葉で話し出す

このようにしていくつも単語を記憶しおわると、赤ちゃんは何かを話そうとし出します。これはだいたい生まれてから9ヶ月ぐらいの時期にあたります。それまでのようにただ笑い声を立てて反応するに留まらず、今まで耳にして蓄積してきた単語を使ってみようとしはじめるのです。

 

とはいえ、話し始めたころの赤ちゃんの発音はまだまだつたないものです。お母さんに「マンマ」、お父さんに「パァパ」、犬を見て「ワンワン」などといった内容ではありますが、それでも言葉を使おうとはするのです。9ヶ月ぐらいから話し始めた赤ちゃんは、およそ1歳ぐらいまでつたないながらもこうした言葉の練習をするようになります。

 

この時期の赤ちゃんが口にするのは、一般的には、9ヶ月までに耳にして記憶に蓄積した単語だけです。こうしたことから分かるように、生後すぐに幼児教室に通わせたりして無理をするよりも、赤ちゃんが言葉を幾つも記憶できるように配慮して上げることの方がよほど重要と考えられます。

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