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手先が器用な子供は脳が発達している!

手先が器用な子供

あなたのお子さんは、手先が器用ですか?器用か不器用かは人それぞれ、それよりも勉強をしっかりしてもらわないと、などと考えないでくださいね。手先を器用に使うことは、脳を育てることでもあるのです!手先が器用であることと、脳を育てることとの関係を少し詳しく見ていきましょう。

 

脳が発達した動物ほど手先が器用

手先が器用に使えない子供が増えてきているようです。なぜかというと、昔に比べて様々な技術が発達し、手先が器用でなくてもできることが増えてきたからと考えられています。

 

昔はみんな、カッターや小刀を使って鉛筆を削っていました。しかし今では電動の鉛筆削りが普及し、ただ鉛筆を差し込めば削ることができます。台所仕事もそうです。昔はざるなどで裏ごししていたところを、今はミキサーのスイッチ一つで素材を滑らかにすることができます。

 

ボタン一つでできる、ということは本当にたくさんあります。掃除機も洗濯機もそうですね。それがなかったころは、自分の手と、ほうきや洗濯板などの道具を使って、いろいろな仕事をしていたのです。工場ではもっと機械化されていて、人間は機械がすることをチェックすることが、主な仕事になりつつあります。

 

遊びも同様です。昔のおはじきは、手で様々な動きをしなければならないものが多かったのです。例えば、コマ回しやめんこ遊び、ビー玉遊びやおはじき遊びなどなど。今はテレビゲームで遊ぶ子供が多いですが、この時に使うのはやはり、ボタン一つです。

 

つまり、現代の人間は、手先を器用に使って何かをする機会がとても少なくなっているというわけです。これでは手先が不器用な子供が増えても不思議ではありません。これはとても残念なことです。なぜなら、全ての動物の中で、最も手先が器用に使えるのは、私たち人間だからです。

 

人間以外にも、物を握ったりつかんだりすることができる動物はたくさんいます。しかし、もっと微細な動き、例えば小さなものをつまんだり、ひねったりする動きは人間以外の動物には難しいことなのです。

 

動物園でサルなどの動物が器用な動きを見せて私たちを驚かせてくれることがありますが、それでもやはり、人間の器用さにはかなわないのです。野球選手みたいにコントロールしてボールを投げるようなことは、サルにはできませんよね。

 

なぜそんなにも人間は手先が器用なのかというと、人間は指を一本ずつ動かすことができるからです。この動きができたからこそ、人間はいろいろな道具を使えるようになったのです。そんなにも器用に発達した手を使わないというのは、もったいないことです。

 

さらに言うと、手というのは細かい動きをたくさんした分だけ、どんどん器用に動かせるようになるものです。そして、手を器用に使うということは、脳の前頭前野を使う作業なのです。ですから、手を使わないようになるのは、非常に残念なことなのです。

 

さて、人間が手先を動かす時には、脳の運動野というところが使われています。この運動野というのにも古い部分と新しい部分があり、新しい部分というのは脳が発達した動物にしかありません。

 

古い方の運動野は、物をつかんだり握ったりするような、簡単な手の動きをさせるのですが、手が微細な動きをするときには、新しい方の運動野が使われています。この新しい運動野の発達は早く、2歳くらいになると大人と同じくらいにまで発達します。

 

こう考えると、子供には、2歳になる前までにできるだけたくさん指を使わせるべきだということになります。特別な運動プログラムは必要ありません。紙を破るとか、小さなブロックをつまむとか、スプーンや箸などの道具を使うなど、日常生活に指を使う機会はたくさんあります。

 

そうしておけば、運動野の新しい部分が発達した後に、しっかりとそこを使って動けるようになり、ひいては脳が全体的に活発に動くようになるのです。

 

ちなみに、細かい指の動きを必要とする作業を長期間繰り返していた人は、そうでない人にくらべて、運動野の新しい部分が大きく発達したという研究結果もあります。細かい作業をすることで、より手先が器用になっていくということですね。

 

人間の手は単なる道具ではない!

人間の手の役割とは何でしょうか。多くの人が、物をつかんだりつまんだり、なにかの作業をするために使うものだと考えているでしょう。しかし手の役割はそれだけではありません。手は感覚器でもあるのです。つまり、手は何かに触れて、それはどんなものか、何なのかを把握するという役割もあるのです。

 

もちろん、目で見れば何なのかが把握できることも多いのですが、手で触ってみないとわからない場合もたくさんあります。軽いのか重いのか、固いのか柔らかいのか…。触ることで、目の前のものについてもっと詳しく知ることができるのです。

 

手はもっと深いことを感じることもできます。それは、愛情です。子供は、親に抱きしめられたり、触れられたり、なでられたりといったスキンシップによって、親の愛情を感じることができます。このスキンシップの時に使われるのは、だいたいが手であることでしょう。

 

スキンシップの少なさは、子供の心身の発達に悪影響をもたらすことがあります。自分に自信が持てなくなったり、周りの子に対して攻撃をしがちになったりすることがあるのです。

 

幼い子供は、触れられることによって、皮膚から様々な情報を受け取ります。それが、子供の発達にはとても重要なことなのです。

 

手がもつ2つの役割が脳を発達させる

手には2つの役割があります。1つは物をもったり動かしたりといった、運動に関する役割。もう1つは、物に触れて情報を得るという感覚に関する役割です。しかし、この2つの役割は完全に分けられることはできません。一緒に使われることが多いのです。

 

手で何かに触れると、それがどんなものなのかという情報が脳に伝わります。例えば柔らかそうだという情報が伝わったとしましょう。そうすると脳は、「壊れないように弱い力で持つことにしよう」と判断し、そう動くよう手に命令を出します。そして手は壊さないくらいの強さを出してそれを握るのです。

 

このように、2つの役割は脳でつながれています。つまり、手の2つの役割を上手に使いこなす時、必ず脳が活発に働いているというわけです。手は脳であると言っても過言ではないのです。脳を活性化させたいなら、ぜひ、手先が器用になるよう手先をたくさん使いましょう!

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