子どもに健やかに育って欲しいならここに注意!
親であれば誰しも、自分の子どもが健康でまっすぐに育って欲しいと思っていると思います。そして子どもが健やかに育つには気をつけておいた方がいいことがいくつか存在します。ここではそういった注意点について、いくつか例をあげてみてみたいと思います。
子どもが毎日何を食べているかはきちんと把握しよう
人間が食事を食べる量というのはさまざまで、体つきが同じぐらいであっても人によってかなり違っていたりします。いつも一度にたくさんの量をとる人もいれば、ほんの少ししかとらない人もいるわけですが、大人であれば何とも思われないのに対し、子どもについては神経質になってしまう人が多いようです。
親の心理として仕方ないことなのかもしれませんが、どんなものでももりもり食べる子どもは特に心配されることがないのに対し、ほんの少ししか食べない場合にはやはり心配になってしまうという人は多いでしょう。
大人がそうであるように、子供であっても一人一人適切な食事量というものは存在します。基本的に、食べる量に関わらず健康で元気に過ごすことができており、気分の面でも問題が生じていないのであれば特に問題にはなりません。
一般的に親があまり量を食べない場合には子どもも小食で大丈夫になるようですが、そうした場合にもっと量を食べるように無理強いする必要はありません。むしろ食事中は楽しく、量よりも数多くの品目を口にすることができるように気をつけるべきでしょう。
とはいえ、同じ小食でも問題があるケースが存在します。それは、間食をしすぎるせいでご飯が食べられないといったようなケースです。
おやつの時などに甘いものを食べすぎたりすると、食事時になってもあまり空腹になりません。そのためいきおい小食になってしまうわけですが、本来必要な量以下しか食べなかった場合には次の食事までにやはり空腹になってきます。そこでまた間食をしてしまい、食事を食べられなくなり……といったように良くない食生活の流れができてしまうと厄介なことになります。もしそんなふうな傾向が見られる場合には、子どもの食生活や習慣を一度見直してみることが必要です。
子どもの食生活や習慣を改めようという場合には、まず最初に子どもの生活サイクルを見直すことから始めましょう。何時に起床し、何時に就寝するのか、間食をする時間はいつで、どれぐらいを食べているのかについてチェックし、問題があるところから見直しをかけます。一番悪いパターンとしては、食べたいと思った時に食べたいものを欲しいだけ間食として食べられるような環境にある場合です。当たり前ながら、こういう状況では、朝昼晩にきちんと食事を取れなくなってしまいます。
そこまではひどくない場合でも、冷蔵庫に糖分の入った飲料がいつも入っていて好きなだけ飲める環境にあったり、おやつを出すときには一袋まるごと与えていたり、といった環境がある場合もやはり問題があると言わざるを得ません。あるいは、小遣いで自由に買い食いができるという場合も同様です。
「個食」などと言われるように、最近は昔と違って家族のメンバーがみんなそろって食卓につく、ということが減ってきています。親が残業で帰りが遅かったり、どちらの親も仕事に就いていたり、子どもが夜に学習塾に通う必要があったりと、各家庭の状況はさまざまかもしれませんが、必要性があってそうしている場合であっても、親としては子どもが毎日何を食べているのかということをきちんと知っておくようにすべきです。
そうすることによって、足りない栄養素は無いのか、食物繊維はきちんと摂れているか、間食が多すぎていないか、インスタント食品の割合が多すぎたりはしないか、ということを把握する必要があると言えます。
また、なるべく「個食」を減らすようにする努力も必要です。なるべく家族のメンバーがたくさんいる中で食事ができるようになんとか工夫をするようにしてみましょう。大人数で食事をすると、食卓に並ぶ品目の数も増え、結果的に一人一人バラバラに食べた時よりも栄養や品目のバランスがよくなっていきます。
結婚式やお葬式を見ても分かるとおり、祝いごとがあっても悲しいことがあっても人は大勢で食事をするものです。食事というものは人間が生きていくために必要な肉体面での栄養を取るための行為というだけではないのです。食事は精神の発達、人間関係の構築やメンテナンス、文化面・社会面での機能など、さまざまな要素が詰まった行為です。そうした観点からも、一人ではなく毎日大勢で食卓を囲むという形の食事を大事にし、子どもにそうした経験を積ませてほしいと思います。
食事中はTVを消そう
小さな子どものいる母親に悩みを聞くといろいろなことがあがってくるものですが、そんなものの中の一つに「子どもが食事をするのが遅くて困る」というものがあります。
1歳6ヶ月ぐらいになると、子どもは食事をするときにも自分一人で食べたいという意志を示すようになりますが、最初のうちはそうした自立心とは裏腹にまだうまく食べることができず、食べる量よりもこぼしてしまう量の方が多いといった状況になるものです。当然ながら食べ終わるのにも時間がかかるため、こうした悩みを抱える母親が多くなるのではないかと思います。
西欧などの文化圏では、食事というと2時間3時間を費やしてゆっくりと楽しむもの、という考え方があります。それに比べると、日本人が食事にかける時間は非常に短いと言えます。小学校の給食の時間が20分前後しかないことを考えてもそれは明らかです。こうした文化的な側面からも、子どもの食事が遅い、という感覚がうまれているのではないかと思われます。
では、食事をするのが遅くなってしまう要因にはどのようなものがあるのでしょうか。まずよく見られるのが、TVをつけたまま食事をする「ながら食べ」です。子どもがまだ小さい場合に、量を多く食べるし、食事の途中で走り回ったりし始めることがないのでいいからという理由でTVをつけたまま食事にするようなことをする親がいます。
確かにそういった面はあるかもしれませんが、一方でTVをつけたまま「ながら食べ」をしてしまうと、子どもが食事にあまり興味を向けなくなってしまいます。今日食べたご飯がどんな見た目でどんな味だったか、といったことがなおざりになってしまうからです。
加えて、TVをつけたまま「ながら食べ」をしてしまうと、食事時に家族どうしの会話に花が咲くことがありません。TVからの刺激に時折反応しながら口を動かす、ということになりがちなため、主体的な経験ができなくなるのです。こうしたことから、食事をするときにはTVをつけないようにし、家族どうし話をしながら楽しく食べるようにすることをおすすめします。
次によくあるのが、食事時に親が子どもを叱るといった光景です。食事をするときには子どもも数分から十数分はその場にじっとしていなければなりませんから、落ち着きのない子どもを叱るときにも好都合ということでしょうか、食べながら子どもを叱ったりしてしまう親がいます。
しかし、家族で食事をするときに重要なのは食事をすることを楽しいと感じられる雰囲気です。当然ながら叱られているのに楽しいと感じる子どもはいません。毎日食事のたびにお小言を繰り返していたら、子どもはそのうちに食事というのは楽しくないものだと思い込んでしまいかねません。
空腹な状態では、基本的に人間は苛立ちやすくなります。このため、空腹だと些細なことでも子どもを叱りたくなりがちですし、小言を言われた側の子どもはもっとイライラをため込むことになります。逆に満腹な状態では人間はあまり苛立たなくなりますので、些細なことは大目に見ることをしやすくなります。そういう点から考えても、子どもを叱るときには食事どきは避けるようにすべきでしょう。
最後に、幼児期の子どもの場合、食事に集中できないということも原因として考えられます。この時期の子どもは長時間ずっとひとところに座っているようなことが苦手です。このため、食事をする際にも少し食べてはどこか他のところへ行って遊び、そのうちまたテーブルに戻ってきて食べ、ということを繰り返すような食べ方をしたりすることがあります。こうした食べ方が習慣化してしまうと、いつまでも食事が終わらない、ということになってきます。
子どもがこういうことを始めると、テーブルを離れて別の遊びを始めようとする子どもを親が食べ物を持って追いかけて無理矢理食べさせる、といったことをするようなケースが見られます。子どもにちゃんとものを食べさせようという親心は分かりますが、これはよくありません。食事は食事、遊びは遊びとしっかり線引きさせないままでいると、子どものこうした行動は治らず習慣化してしまいかねないからです。
子どもがテーブルを離れて遊びだそうとしたら、「もういらないの?」と尋ね、いらないと言ったらたとえまだ一口しか食べていなくとも片付けるようにしましょう。そして、いったん食事を終わりにしたなら、子どもがまだ食べたいとごねたとしても次の食事まで一切何も食べさせないぐらいの覚悟を見せることが大事です。そうやって空腹になり、ご飯の時はちゃんと座って食べないと食べ物がなくなると分かれば子どもはきちんとご飯を食べるようになります。
好き嫌いのない子どもに育てるためには
子どもは大人よりも好き嫌いが激しいものです。中でも、あまり外観の良くないもの、食感の良くないもの、きついにおいがあるようなものについては嫌う子どもが多いようです。好き嫌いの代表格であるピーマンやにんじん、ネギといったものはまさにこれに当たるのではないでしょうか。その他にも、見慣れない食材に対しても警戒感を持つ場合が多いので、始めて食べるようなものが食卓にのぼるとあまり手を出そうとしない傾向があります。
具体的に何が嫌いかはともかくとしても、好き嫌いが激しく食べられないものが多い子どもは給食の時間にいろいろとたいへんな思いをすることになります。中には給食で嫌いなものを食べたくない、という理由から登校拒否になるような子どもさえいるぐらいです。
自分の子どもがそんなふうにならないようにするには、まだ幼いころからさまざまな食材を食べさせ、嫌いなものをなるべく作らせないように工夫をすることです。
どんな工夫をすればいいかですが、今まで食べさせたことのない食材を使う場合には、いっぺんに何種類もそうした材料を使うのではなく、一つずつ使うようにするといったようなことが考えられます。
大人であっても、今まで食べたことのない食材や料理ばかりが食卓にあふれていたら食べるのを躊躇してしまうかと思います。ごく一般的でよく食べている食材の中に一品だけなじみのないものが混じっているような場合であれば、ものは試しということで箸をつけてみようかという気になるのではないでしょうか。子どもであってもそうした心理は同じなのです。
あるいは、子どもが苦手にしている食材を料理に使う際には、使い方に工夫をするということも考えられます。ピーマンなどの野菜をすりつぶして料理に混ぜたりした経験は多くの人が持っていることでしょう。しかし、このやり方では子どもにしてみれば苦手な食べ物を食べた気にならないというのが問題です。そこで方向性をちょっとだけ変えて、苦手な食べ物なんだけどちょっとだけ食べられた、という感じを得てもらうように工夫をします。たとえほんのわずかな量しか食べなかった場合であっても、その食べ物を食べたということに大きな意味があるからです。
例えばある野菜が嫌いという子どもに対して、ほんの少量ずつ、しかしいずれも違った味付けを施した上で出してみましょう。お皿に入れる量は本当に少し、箸の先でつまめる程度の量でいいのです。そこにさまざまな調味料を使ってまったく別口の味付けを数種類施します。あとは子どもに対して、苦手なのは知っているけど栄養がある材料だから試しにどれか1種類だけ食べてみて欲しい、と話すのです。
ここで重要なのは、ほんのわずかであっても苦手な食材を食べたということです。少々大仰な言い方をするなら、それまで苦手で食べられなかったものを食べたということで、子どもは達成感を感じ、自己価値観が上がります。それは自信につながっていくものですし、食べてみたら案外食べることができて苦手感がなくなったり、場合によっては好きにさえなるかもしれません。
何にせよ、世の中を渡っていくときには食材を含めて苦手とするものが少しでもないほうがいいわけですから、こうしたやり方を通して子どもの苦手なものを少しでも減らす努力をすることは大事なことかと思います。
子どもに部屋を与える時に注意したいこと
子どもが大きくなったら自分の部屋を作ってあげようと考えている親は結構いると思います。こうした親に対して調査をしてみると、子ども部屋を与えるタイミングは小学校の3年生ぐらいからというパターンが相当数に上るそうです。おそらく、子どもにそろそろ勉強を習慣づけて欲しい、と考えたり、将来の受験を見据えてのことだと思われますが、自分の部屋を与えたら子どもは勉強するようになるものでしょうか。
実際のところ、子どもに部屋を与えたからといって子どもが急に勉強するようになったり、自分の部屋を一人で掃除し管理できるといった自立性を発揮できるようになったりすることはありません。むしろ、そういった自立性をある程度持てているなと思える時点で与えるようにすべきなのです。
具体的には、各家庭の家庭事情があるので決め打ちはできませんが、子どもが小学校に上がる時を目安に子どもに部屋を与えるように考えてみると良いかと思います。幼稚園までとは違い、小学校では教科書やノートなど必要となるものも増えてきますし、それを自己管理する必要性も高まってくるからです。さらには、学校の勉強をするためのスペースがいるという事情もあります。
ちなみに、「子ども部屋」という言い方をしてきましたが、実際に必ず「部屋」でなければならないということはありません。大きな居間のある家ならその一部などを子ども専用のスペースと決めて、そこを与えるという形でも問題ありません。
このように、子どもに上手に専用の空間を与えることができれば子どもの成長にいい影響を及ぼすことができます。そのようにするためにはどういった点に注意すれば良いのでしょうか。
1.親の方もプライベートな空間やコーナーを確保する
子どもだけが子ども部屋や専用コーナーを持っているのは養育上好ましくありません。子どもが専用の部屋を持っているのに親が居間しかいる場所がないようなことになれば、まるで子どもが家庭の中で一番偉いと言わんばかりの扱いをすることになってしまうからです。
これを防ぐには、親たちもまた自分だけの時間を取ることができ、そこでは自分の内面を充足させることができるようなプライベートな空間を確保するようにすることが大切です。
2.子どもが「お部屋が欲しい」と言い出すまで待つ
大きくなるにつれて、子どもには親から離れて自立したいと思う気持ちが芽生えてきます。そうした気持ちがまだ芽生える前から部屋をあてがってしまうと、自分の部屋が欲しいのにそれがまだないのを我慢する経験が得られなくなってしまいますし、それがなければ部屋をもらえることになった時のうれしい気持ちやわくわく感、実際にもらったときに感じることのできる感激などを経験することもできなくなってしまいます。
こうした経験をするということは、自分がいる環境がいい環境で、恵まれているんだということを意識づけることにつながります。最初から部屋をあてがわれていればそういう感覚も育たず、あるのが当たり前ということになってしまうでしょう。
3.自立性を発揮できないうちは与えない
子どもに勉強するようになってほしいから、とかある程度自分のことを自分でできるようになって欲しいから、といったように、成長を期待して子どもに部屋を与える親がいますが、これは順序が逆です。
誰に言われなくても自分の身の回りのものをきちんと片付けることができ、必要ならば自ら勉強をすることができ、所持品をきちんとしておくことができるようになるまでは部屋を与えても効果はありません。
また、親から自立したいという感覚が芽生えていないうちに部屋を与えるのもよくありません。自分なりの考え方を持つようになり、判断力を示し、積極性を示して何かをやり始めることができるようになったころに与えるのがベストです。
4.親の目の届かない空間は避ける
子どもが学校から帰った時、親と顔を合わせることなく直行できるような位置の空間を与えるべきではありません。こういった空間を与えると将来的に問題の元になってしまったりします。
家族がいつもいる場所を通らないと行けないような空間、あるいは親の目が常に届くような、例えばリビングやキッチンから見ようと思えば常に目が届くような場所を与えるように気を配りましょう。なお、これは親が常に子どもの一挙手一投足を監視する必要があるということではありません。むしろ、それはすべきではないことです。
5.鍵はNG
子どもに与える部屋に鍵をつけてはいけません。仮に最初から備わっている場合でも、鍵をかけないことを条件に部屋を与えるようにすべきです。理由はさまざまありますが、親はどんなときでも子どもの部屋に入れる権利があるということをそもそもの段階から理解させておく必要があります。
さらに、万が一何かトラブルが発生したときに備えて、外側から部屋の鍵を開けられる合い鍵ややり方といったものを家族全員に周知しておくことも大事です。
子どもに部屋を与える時期になったら、親は子どもの部屋に自由に入ることができるということを明確にした上で、互いのプライバシーを尊重するための家庭内ルールをつくりましょう。例えば、「誰かの部屋に入るときには、お互いにノックをしてからにする」といったような決まりを作り、親も子もそれに従うようにするのです。
部屋の鍵は付けさせないといっても、子どもが思春期を迎えるころには机の鍵をかけることは認めるようにすべきです。親が子どもの部屋に自由に入ることができるということは重要ですが、子どものプライバシーや秘密をなんでもかんでも暴き立てていいということにはなりません。親と子どもといえど節度やルールは大事なものです。それがあってはじめて、互いの信頼関係が成り立つのです。
子どもに部屋を与える際に注意したい点について5つほど見てきましたが、大事なのは子どもが自室にこもってしまい、親から目が届かなくなるようなことのないようにすることです。最近の子どもの中には、まだ小さいのに専用のTVやパソコン、クーラーまで完備された部屋を持っているような子どももいます。そのようにあまりに快適な部屋を与えてしまえば、子どもはわざわざ家族のいる居間に出てこなくなってしまうでしょう。何事も程度というものがあるということです。
また、父親が毎日忙しく、遅くまで帰宅しないような家庭の場合、いきおい子どもと母親の心理的距離が密になってくるものです。そういう家庭では、母親の方が子どもを猫かわいがりしてしまう一方で、子どもはなかなか母親から自立できず、母親の命令や指示によって動き、母親の機嫌を損ねないような行動を取るようになりがちです。それとは逆に母親が子どもかわいさのあまり子どもに甘くしている場合、子どもの方が心理的に母親の上に立つような家庭環境が形成されてしまうことすらあります。
そういった環境でずっと大きくなってきた場合、子どもが何か大きな挫折を経験したときなどに問題が噴出することがあります。大きな挫折によって自分の価値がなくなったと子どもが考え、そんな自分はもう母親に愛してもらえないのではないかと怯え、挫折を乗り越えることができなくなってしまったり、逆に母親に暴力をふるうようなことになってしまったりするのです。そうなってしまわないように、親は十分に注意する必要があるでしょう。
子どもに勉強する習慣をつけさせるには
子どもを持つ母親が抱える悩みの中でよく見られるものといえば、子どもがちっとも勉強しようとしない、というものがあるかと思います。学校から帰ってくると遊んでばかりで、いちいち宿題は大丈夫か、予習や復習はしたのかと尋ねなければ何もしない、という光景はどこの家庭でも多かれ少なかれ見られるものではないでしょうか。
自分の子ども時代を思い起こせば分かるように、勉強が好きでたまらないという子どもはあまりいません。親に何も言われずとも宿題をやり、その日習ったことをおさらいし、明日の予習までしてしまうといった感心な子などまずいないでしょう。それもそのはず、普通の人間であれば、楽しく感じることであれば何も言われずともやろうとしますが、嫌だと感じることは先延ばしにしたくなるものだからです。
とはいえ、子どもの方も宿題や勉強はやらなきゃならないとは思っているかと思います。やらなきゃならないとは思いつつも、今している楽しいことをやめてまで取りかかる踏ん切りがつかず、気にしつつも先延ばしにしている……というのが子どもの心理です。
そして、「そろそろやらなきゃな」と自分でも思っているときに脇から「いいかげんにして宿題やりなさい」などと言われようものなら、先延ばしにしているときに感じていた罪悪感から言われたことに反発を感じ、不愉快な気持ちを抱いてしまいがちです。
ではどのように対処すればいいかですが、子どもがやろうやろうと思っていたところに反発の種になる言葉を放り込むのではなく、まずは子どもが感じている「勉強はいやだな」「勉強したくない」といった気持ちを受け容れ、理解を示すことからまず始めましょう。
「ママもときどきお部屋の掃除するのやだなぁって思うことあるもんね、楽しく遊んでいるのをやめて宿題したくないってはわかるわ。でもね、ママも毎日がんばって掃除してるのよ」といった具合です。同じ「宿題しなさい」であっても、子どもの気持ちに寄り添った上で言っているかそうでないかで大きな違いが出るのです。
さらに、ただでさえ嫌だなと感じている子どもに勉強を無理強いするようなことはしないようにしましょう。当然ですが、人間嫌なことを無理強いされればそのことがより嫌だと感じるようになってしまいます。これでは子どもの勉強嫌いに拍車をかけているようなものです。「さっさと勉強しなさい! 何度言えば分かるの!」と無理強いするのではなく、「毎日30分は勉強机の前に座る」ということを親子間での約束事にする、という形を取るようにするといいでしょう。
子どもが約束を一応守って30分机についていたとしましょう。しかしろくに勉強していなかったとします。この時、「全然勉強してないじゃない。座ってるだけじゃ意味ないでしょ、勉強するまで机から離れちゃ駄目よ!」とやってしまってはいけません。30分たった時点で、とにもかくにも机の前にちゃんと座っていたということを評価し、最初のうちはそれ以上を求めないようにしましょう。そうすることで、まずはとにかく毎日勉強机の前に座るという習慣づけをすることができます。
このようにして、毎日30分は勉強机に向かうという習慣が身につくと、そのうちに勉強をするようになっていきます。どんなことでもそうですが、最初から完璧に上手くできる人間などいません。勉強する習慣もそんなものだと考え、最初のうちはじっと我慢して見守るようにしましょう。辛抱強く努力できる子どもになって欲しいと思うのなら、それを見守る親にも同じ辛抱強さが必要だということを忘れないようにしたいものです。
子どもの発達を促すお手伝い
小さいころから子どもに手伝いをさせるということは、その子どもの発育に非常に良い影響を及ぼします。子どもは大人に比べて不器用で要領も悪いため、子どもに手伝いをさせると作業に時間や手間がかかってしまってたいへんです。そのため子どもに何もさせないという親もいますが、これはたいへんもったいないことです。少々たいへんな思いをするかもしれませんが、お手伝いを通して子どもの発達を後押ししてあげるようにしてあげてほしいものです。
小さなころからお手伝いをよくしていた子どもとそうでない子どもを比較すると、お手伝いをしていた子どもは精神的に早く発育することがわかってきています。また、長じてからもコミュニケーションの場面でトラブルをおこすることが減るとも言われています。
お手伝いと一口に言ってもさまざまなものが考えられますが、一般的には親が「これこれこうして」と指示したことを子どもがこなす、という形式を取るものかと思います。しかしすべてのお手伝いがこういった形のものであるわけではありません。
食事のたびに食器を並べたり、食べ終わった後に食器を下げたりといったお手伝いをしていたとしても、その作業そのものは単純ですのであまり上達する余地がありません。つまりそれは、子どもがそうしたお手伝いをしてもあまり達成感を得られないということを意味しています。従って、お手伝いをするという習慣が身につくまではそういう単純な作業をさせるようにし、その段階を過ぎたらもうちょっと高度な作業をあてがってやる必要があります。
子どもはお手伝いをすることによって、実地での経験や技術を身につけることができます。学校での勉強や本を読んで得られるタイプの知識とは異なり、こういった経験や技術は実際にやってみないと身につかないたぐいのものが多いので、こうした経験は将来的にその子どもにとって非常に重要な資産になることでしょう。子どもがお手伝いから学ぶことのできることにはどんなことがあるか、簡単にまとめてみます。
生活の知恵
学校のように知識として学ぶのではなく、実地体験によって学ぶことでさまざまなことを一度に覚えることができます。
例えば料理を手伝った場合、食材の名前や鮮度の見分け方、包丁などの使い方、湯加減の見方、調味料を入れる順番やタイミング、下ごしらえのしかた、料理の味付け……などなど、数え切れないぐらいの知識を自然な形で覚えることができます。
服の洗濯の手伝いをすれば、洗濯機の使い方から始まって、投入すべき水や洗剤の量、洗濯記号の読み方、柔軟剤の使い方、汚れがひどい場合の対処法、漂白の仕方、服を干すやり方……といったような知識が手に入ります。
自発性
お手伝いを始めたころは親に指示されたことをただやるだけになるかもしれませんが、だんだんと手慣れてくるにつれて、自分で考えて次に必要なことをするようになったり、他にできることがないか探して手伝うようになったりと自発性を身につけることができます。
臨機応変に行動できる才能
お手伝いをするようになると、状況に合わせて行動を修正したり、どのようにすればいいのか判断したりする訓練を積むことができます。
親が家の外から、子どもに「棚の引き出しからボールペンを取ってきて」と頼んだとしましょう。どうもなにか手を離せない作業をしているようすです。子どもがそこを探してみてもボールペンが見当たらなかったとします。こういう状況では、子どもはそこでどうするかを自分なりに判断する必要が生まれます。
あまり手伝いをした経験のない子どもなら、「引き出しにボールペンないよ」と手ぶらで戻ってしまうかもしれません。そうでなければ、別のところを探してボールペンを見つけ出そうとするかもしれませんし、引き出しをさらに探って、見つかったサインペンか鉛筆、どちらかを代わりに持って行くことになるかもしれません。
その子どもが親の手伝いをしなれているような場合、どうして親が自分に「ボールペンを取ってきて」と頼んだんだろうと推測し、それに見合った行動を取ることができるようになっていきます。外で手が離せないときに宅急便が来たのであれば、サインをするためには鉛筆ではダメかな、といったような推測ができるようになるわけです。そのようにして状況に即した判断ができるというのは、人生を送っていく上で非常に大事になってくる能力です。
生きていく中でいろいろなトラブルに見舞われることがあるのが人生というものですが、そういう時にお手伝いで身につけた臨機応変の才があることは非常に大きな助けになります。そうした才能があれば、トラブルにあってもうまく突破口を開くためにさまざまなことを試すことができるようになるからです。
食べ物の好き嫌いが減る
親子料理教室などでよく見られる光景ですが、自分で料理を作った場合、嫌いな食材が使われていても平気で食べることができる子どもは結構います。好き嫌いの多い子供であれば、料理を手伝わせて好き嫌いがなくなるように仕向けてみるのも手かもしれません。
家族の関係性が良くなる
お手伝いをすることで、子どもは自分が何かをしたことで誰かが助かるのだ、という感覚を実感することができます。これは他人を思いやるという思考の基礎となります。また、それで感謝の言葉をもらえばうれしいと感じることになりますが、誰かのために何かをして感謝されたいという気持ちを育てることは非常に重要です。
また自分でいろいろ手伝いをしてみることで、親や家族がやっていたそうした作業がどれだけたいへんなことなのかを実感できます。そうすれば、家事をしてくれる家族に感謝する気持ちも育まれますし、可能な限り手伝おうという自主的な感覚も生まれるでしょう。そして子どもがそういった行動に出ることで家族全体の雰囲気が良くなり、関係性も良くなっていきます。
毎日のちょっとした我慢の積み重ねが重要
人間が何か行動しようとするときのモチベーションは、次の3種類に大きく分類することができるとされています。
・心地良い/不快
・得である/損である
・正しい/不正
このうち、「心地良い/不快」については、人間誰しも本能的に持っている感覚です。基本的に、人間は自分にとって心地良いと感じる行動については何も言われなくても自らやろうとしますが、不快だと感じる行動は避けようという心理が働きます。
例えば赤ちゃんはお腹がいっぱいで満足しているときはご機嫌で過ごしますが、空腹感を感じたりおむつが濡れて気持ち悪かったりすると泣き出します。子どもが楽しそうなこと(遊びなど)はいつまでも嫌がらずやるのに、楽しくないこと(宿題など)は言われないとやらない、というのも同じ理屈です。特に幼児期の子どもについては、何かしつけをしようというときにはこの「心地良い/不快」の考え方を上手く使うことでしつけるとうまくいきます。
「得である/損である」は「損得勘定」などとも言うように、お金になるかならないかというようなものの考え方です。良くないことでも得なのでやる、正しいことだけど損なのでやらない、といったように、損得ずくでばかりものを考えて行動すると時に反社会的な行動をとってしまいかねないので注意してしつけをする必要があると言えます。
またその他にも、年を取ってから病気をしたくないからであるとか、受験に合格したいからであるとか、ある人のコネを利用したいからといったように、将来の得のために今は嫌なことをするというような形で行動のモチベーションになることもあります。
最後の「正しい/不正」というのは、これは正しいからやる、こうすると有利だけど、法律に反するからやらない、といった考え方です。道徳や慣習、法律といったものがその軸にくることになります。
「心地良い/不快」は本能的な感覚ですが、「得である/損である」や「正しい/不正」という考え方は学習によって後天的に身につけるものです。そういった学習をする場としてはまずは家庭があり、次に学校や地域といった共同体があげられます。
こうした考え方を学びとるプロセスにおいて、子どもは何かを我慢するということを経験することになります。将来の得になるので我慢してやる、やりたいけれども良くないことなのでやるのを我慢する、といった経験を通して身につけていくのです。
子どもが最初に我慢する経験をするのは、トイレトレーニングでないかと思われます。オシッコをしたくなったとき、おむつを着けていたときのようにそのまましてしまうのではなく、トイレにつくまで我慢をすることを要求されるようになります。まずはそうした形で、「我慢」とはどういうことなのかを身につけていくわけです。
この「我慢」するということは子どものしつけにとって非常に重要です。「まだ遊びたいけど宿題があるから勉強しよう」「欲しいものがあるけどこの間別のを買ってもらったから今は我慢」といったように、日頃からちょっとしたことを我慢できるようなしつけをされてきたかどうかが大事になってきます。
そうした経験を何度もすることにより、「心地良い/不快」だけで行動するのではなく、「得である/損である」や「正しい/不正」も織り交ぜた行動を取れるようになっていきます。「何かをしたい(心地良い)と思ったが、それはよくない(不正)ことなのでやらない」といったような考え方ができるようになっていくわけです。
こうした「我慢」は、親が口で言っただけでは身につきません。日々の生活の中で、子どもの目の前で親がきちんとやってみせることにより、子どもはそれを見ながら学びとっていく性質のものです。そして、こういったちょっとした我慢を積み重ねた経験がないと、大きくなってから非行に走りかねない子どもに育ってしまいます。悪い友だちから万引きなどの非行行為に誘われたとき、「正しい/不正」の感覚が育っていないとその誘いに乗ってしまったりすることになるのです。
また、何かをしたいという自分の欲望をきちんと制御するやり方を学べるかどうかという点も大事になってきます。あれをしたい、これがほしい、という欲望を感じたときに、それを上手く制御できないと社会生活を上手く営めなくなったり、周囲との軋轢を生じたり、ひどい場合には反社会的行為に走ったりしてしまうことになります。
欲しいものがあるとカードですぐに買ってしまって最終的に自己破産してしまった、というようなケースや、お金ほしさに盗みをしたり強盗殺人を犯してしまったりといったようなケースです。
自分の欲望を抑えてきちんと制御するやり方が身につくかどうかは、やはり子どものころにどれだけ「我慢」した経験があるかにかかっています。「遊びに行きたいけど勉強してからにしよう」であるとか、「欲しいものがあるけど次の誕生日まで待とう」といったような経験を数多く積むことによって身につくものなのです。子どもが社会人になってから問題を起こしたりしないように、自分の子どもにはこういった役に立つ我慢をたくさんさせるようにすべきでしょう。
キレない子どもに育てるために必要なこと
少し前に「キレる子ども」ということが話題になりました。「キレる子ども」というのは、何かあったときに感情的になり衝動に従って即座に行動してしまうような子どものことです。見方を変えれば、自分の感じた欲望をうまく制御できずそのまま外に出してしまうためにそうした行動を取ってしまうということになります。
感情や欲望というのは非常に強いもので、時には大人でさえも感情に流されてしまったり、後先考えずに行動してしまったりすることがあります。しかし、そういった衝動をきちんと抑え込み、その場にあった相応しい行動ができるのが大人というものです。こうした制御力は幼いころに身につける必要があるもので、毎日の生活のなかでちょっとした我慢をする経験を通して培われていくものです。
しつけをするのを子どもが良くないことをしたときに罰をきちんと与えることだと勘違いしている人がいますがそうではありません。しつけというのはそういった衝動や欲望といったものを制御できるための方策を教え込むためにやることなのです。
では、どのようにしたら衝動や欲望を制御し、キレずにいられるようになるのかについてみていきましょう。
1.人間には本来自分を抑える能力が備わっています。従って、通常であれば感情的になったり衝動的に行動したくなった場合でもそれを抑え、我慢することが可能です。こうした能力は子どものころのしつけによって磨くことができます。そしてそのためには、子ども時代に幅広いことを経験することが大事になります。勉強ばかりさせて受験や就職ばかり見据えて育てられた子どもはこうした力を伸ばすことができません。
何かを経験するというのは、人間にとって一種のストレスを与えるものです。しかし、ストレスに感じるからといってそこから逃げてばかりいたら、物事を克服していくための能力を身につけることはできません。自分でいろんなことを直接的に経験する(自分の身体を使った活動をすることによる)ことにより、克服のやり方を肌で覚えていくことができるのです。
これに対し、学校での勉強であったり、本に書かれている知識であったり、その他メディアで見たというようないわば「間接的な」経験だけが多い環境で育った子どもは、何か実際にストレスがかかったときに克服能力を持っていないためにキレてしまいやすいとされています。
しかしながら、直接的な経験だけで何かを身につけようとするのには物理的・時間的に無理がありますので、直接・間接両方を上手に利用して幅広い知識や経験を積むことが重要になってきます。
2.自分一人で何事かを成し遂げることができた、という達成感や、それによって味わうことのできる満足感といったものを得ることは子どもにとって非常に重要です。反対に、うまくいかなかった、あるいは挫折したことによって悔しがるような体験もまた重要なものです。どちらか一方だけでは子どもは上手く育ちません。
3.小さなころから親に愛され、それを実感して育つことが重要です。母親や父親とスキンシップをはかり、充足感や安心感に包まれた経験があれば、誰かに意地悪をされたり暴力をふるわれたりしたときに、その悲しみや悔しさ、いわゆる「痛み」を相対的に理解することができます。そして、そういった嫌なことを自分は他人にしないようにしよう、と自然に思えるようになります。そんな子どもが「キレる」ことはまずありません。
子どもは親に受容され、愛されることを常に求めています。親に受容されていない、あるいは、親に愛されていないと感じている子どもは欲求不満を抱えるようになり、その不満を他人に向けるようになってしまいます。その現れ方は衝動的になりやすく、それが「キレる」ことにつながっていきます。
子どもが良い子にしているときには可愛がるが、良くないことをしたときには冷淡に扱う、というような態度を取ってはいけません。子どもも人間ですから、いいところも悪いところもあります。親はそれらいずれをもひっくるめて子どもを受容してあげることが必要なのです。
4.自主性や判断力を磨くことが大事です。子どもにこうした能力をつけたければ、なんでも親が命令したり指示してやらせる、といったことをしないことです。常に親の命令や指示に従順であるように育てられた場合、子どもはこうした自主性や判断力を持つことができず、何かしら他人に依存するような性格に育ってしまいます。
自主性や判断力に乏しい子どもは、小さいころは素直で手のかからない子であるかもしれません。しかし、年齢が上がった時に問題を起こしてしまった子どもの内訳を見ると、もとはこうした手のかからない子だった、ということが非常に多いのです。普段自分の感情や気持ち、考えを他人になかなか表明できず、それをため込んだまま日々を送り、何か問題に直面したときにどうしようもなくなって爆発する、というパターンに陥ることが多いのです。
5.幼いころから何かをちゃんと我慢できる子どもに育てるということは重要です。公共の場所で泣きわめいてうるさいとき、ちょっと静かにしていて欲しいときなど、子どもが欲しがるものをすぐに買い与えて静かにさせる親が時折いますが、これはあまりよくありません。
確かに幼い子どもが欲しがるものは他愛もなく高価でもないのでこれぐらいで静かになるのならと親が考えてしまうのも無理はありませんが、そこで折れてしまってはちゃんと我慢できる子にはなりません。きちんと決まりを作って、そこから逸脱するときには何があっても折れない、という姿勢を一貫して貫くことが大事です。親がきちんとした対応をすることこそがまず重要なのです。
このようにして、子どもに対して断固たる態度を示してしつけをすることこそが「きびしいしつけ」です。体罰を加えてしつけをすることを「きびしいしつけ」と勘違いしている人が時折見受けられますが、そうではありません。ひどい場合には、体罰をしながら子どもを甘やかしてしまっている人すらいるのです。
子どもが情緒的に不安定で、すぐカッとなりやすく、友だちに対してすぐにケンカをふっかけるというような問題行動が見られる場合、親が子どもに「どうしてそんなことばかりするの!」と叱ったとしてもまったく効果はありません。むしろ、今まで子どもを甘やかしてしまってはいなかったか、過去の子育てを振り返って反省してみる必要があります。
さらには、子どもが何かを欲しがったときやしたがったときに甘やかしてそれを与えてやっていると、その子どもは何かを我慢するという経験を積むことができません。自分のしたいことをしたいと思ったときにできる環境にずっといた子どもは感情や欲望を制御する能力を身につけることができず、大きくなってから「キレる」こどもになってしまう原因となります。
6.子どもに体罰を加えてはいけません。しつけと称して体罰を加える親がいますが、そこから子どもが学ぶのは親がしつけたかった内容ではなく、「他人にいうことを聞かせたかったら殴ればいいんだ」という誤ったメッセージになりがちです。実際、粗暴な言動ばかりして周囲と問題を起こしている子どもについて調査してみると、親から体罰を受けて大きくなったという子が非常に多いのです。
このため、体罰ではなく、きちんと筋道立てて話をすることによってしつけをするようにすべきです。他人に暴力をふるった子どもに、「痛みを分からせるため」と称して叩くような人もいますが、「キレる」子どもがそれで反省してキレなくなることはまずありません。親に反発を覚え、さらに「キレる」ようになってしまいます。
7.子どもは親に受容され、愛されることを常に求めています。親に受容されていない、あるいは、親に愛されていないと感じている子どもは欲求不満を抱えるようになり、その不満を他人に向けるようになってしまいます。その現れ方は衝動的になりやすく、それが「キレる」ことにつながっていきます。
子どもが良い子にしているときには可愛がるが、良くないことをしたときには冷淡に扱う、というような態度を取ってはいけません。子どもも人間ですから、いいところも悪いところもあります。親はそれらいずれをもひっくるめて子どもを受容してあげることが必要なのです。
更新日:2019/11/29|公開日:2015/08/30|タグ:しつけ