頭が良い子どもの特徴とは
成績優秀な子どもには、共通した特徴があります。その特徴には、あなたのお子さんの成績を上げるためのヒントが隠されているはず。ご一緒に考えていきましょう。
スポーツ選手から学ぶ、賢い勉強のやり方
スポーツ選手の中には往々にして、文武両道を地で行くような人がいます。運動も勉強も、学生の頃から優秀で、大人になった後でも、彼らの話し方には知的さが感じられます。なぜ彼らは、スポーツの分野でも学問の分野でも成功しているのでしょうか。
それは、どちらの分野においても成功するためのプロセスは同じだからです。その証拠に、有名進学校でありながら、体育系の部活動においても強豪校である学校はけっこうありますよね。
そのような学校では、受験生である3年生であっても夏まで部活動が続き、引退後に本格的に受験準備が始めたにもかかわらず、偏差値の高い学校にちゃんと合格できる子どもは少なくありません。運動も勉強も両立させるムードが、その学校には流れています。
スポーツを上達させる力を勉強に応用できれば、部活と勉強の両立はできるのです。スポーツ界で活躍している選手たちは、その競技を上達させたプロセスを、勉強にも生かすことができたというわけです。
このような人たちは、同様のプロセスで思考をし、動きとして表します。これは別に、スポーツをすることに限られるわけではなく、もっと一般的に、働くことについても同じようにできれば、社会において役に立つ存在になるでしょう。周囲に提案することはできても、実際行動に移すことができなくては不完全なのです。
優秀なスポーツ選手は、上達するために、あるいは成績を上げるために、具体的にどのようなプロセスを踏んでいるのかを考えてみましょう。彼らの特徴は、自分の夢や目標を達成させるための道のりを考えるのがうまいということにあります。
まず、夢や目標が具体的にはっきりとしています。そして、その夢をかなえるためにはどの団体に入ればよいか。その団体に入るためには高校生のうちに大きな大会で好成績を上げなければならない。その大会に出るには、今どのような練習をするべきか。だから今自分は、この練習を必死にやるのだ、という風に、最終的な夢の手前に、いくつも目標があるのです。
大きな夢を達成するためには、いくつもの小さな目標を乗り越えていく必要があります。この小さな目標を立てることが、とても大切なのです。夢が大きすぎるほど、今何をしたらよいかわからなくなるもの。でも大きな目標の前に何を達成すればよいかが分かれば、今自分がやるべきことがはっきりしてくるのです。
スポーツの世界に限らず、大きな夢の前にいくつもの小さな目標を立てるのは、とても大切なことです。見失うことさえなければ、夢というのはやる気のもとになります。その大きな夢に向かったたくさんの目標を設定し、小さな歩みを積み重ねていくということは、目的達成のために頭を働かせ、実際に行動に移すということにほかならないのです。
スポーツ選手から学べることは、成功へのプロセスだけではありません。強い動機づけがあることもまた、参考になるのです。優秀なスポーツ選手は、毎日こつこつと技を磨き続けています。そして少しずつ上達し「この技について何かをつかんだ!」と思った時、それはとても気持ちの良いものでしょう。その気持ちよさが、次の目標に向かわせる強い動機づけとなるのです。
勉強にもこの強い動機づけが必要です。英語の勉強を必死にやっていると、ある時突然、何となく英語というものが分かったような気になる瞬間が訪れます。「これが英語だ!」というようなことが分かった気持ちよさ。これが、もっと勉強しようという動機づけになるのです。
多国語を操る人から、成績を上げるための秘訣を探ろう!
日本ではまだ、英語もあまり話せないという人が多いですね。そんな中、多国語を流暢に操る人もいます。その人たちはもともと、そういう才能があった人なのでしょうか。いいえ、実はそうでもないのです。あるコツをつかんだからできたというケースも多く、そこからは良いヒントをもらえます。
英語をマスターするだけでも苦労している人にとっては、彼らの学び方は気になることでしょう。彼らはある特別な方法を見出し、それを使ってどんな言語でも習得できるようになったのです。
そんな彼らも、英語を学ぶとき、最初はやはり苦労したようです。あまりにもわからないので、もうやめようと思うことも何度もあったはず。でもあきらめず勉強し続けると、ある日突然、英文を読んだ時に、何を伝えようとしている文章なのかがさっとわかるようになるのです。まるで日本語の文章を読んでいるかのように。
その境地に達すると、その後は何の苦労もなく英語を聞き取り、話せるようになるのです。そのような状態になった人は、次に別の言語を学ぶ際、英語を学び始めた時のように苦労することはあまりありません。英語の勉強での経験を生かし、英語の習得にかかったよりも数倍早く、その言語を自分のものとしてしまうのです。
このことは言語を習得する力をさらに伸ばします。ですから、また別の国の言語を学び始めると、今後はもっと要領よく進み、ものすごいスピードでどんどん話せるようになっていくのです。
ご存知の通り、言語によってその仕組みは異なってくるはずです。にもかかわらず、彼らは言語を覚えるためのコツをすっかりマスターしてしまっているので、仕組みの違う言語であっても苦労することなく、習得していくことができるのです。
次々と言語を習得していくうちに、理解するまでの時間は縮まり、辛さを感じることなく勉強が進むわけですから、あっという間に10か国語以上の言語を理解できるようになるのです。そんなに多くの外国語を身につけるなんて、やはりこのような人たちの事を天才と呼ぶのでしょうか。
あらためて、「天才」の意味を考えてみましょう。「天才」とは、生まれながらにして持っている、人よりもずば抜けてすごい才能の事であり、また、そのような才能を持っている人のことを言います。
ではやはり、天才的な力というのは先天的なものであって、生まれてから自分のものにすることはできないのかというと、実はどうもそうではないようなのです。天才的な力を詳しく調べてみると、生まれながらに天才ではない人でも、それに近づけるような秘訣が隠されています。
通常、何かを習得するには何度も練習したり時間をかけて学習したりする必要があります。ですが、天才的な力の場合は、そのようなプロセスを踏まずに、いきなり達成できるという特徴があります。なぜそんなことができるのかというと、特有な覚え方をしているからです。
例えば自転車乗りの事を考えてみましょう。自転車を乗れるようになるには練習が必要ですが、一度乗れるようになると、その都度頭で乗り方を考えなくても、自然と体が動いて乗れるものです。天才だと言われる人たちは、自転車乗りに限らず、一旦覚えてしまったことは自動的に引き出せるような記憶の仕方をしているのです。
彼らは、何かを学習する時、その物事自体を覚えるにとどまらず、習得するやり方をも同時に覚えます。そうやって覚えたことは、もういちいち頭の中で考えずとも、すっと引き出せるようになるのです。
そしてさらに別の事を学習する時には、先に覚えた、何かを習得するときのやり方を参考にしながら学ぶため、あっという間にマスターしてしまうというわけです。その上、この時にもまた、別の習得方法を身につけてしまっているので、それも次の勉強をするときに応用できるようになるのです。
これが、天才だと言われる人たちが、短時間にいろんなことをマスターしていく仕組みなのです。
「天才」がやる学習の仕組みを知れば、そうでない人も天才的な能力を発揮できる
天才は、物事を学ぶときに、それ自体を理解するだけでなく、それを理解する時に使った方法までも脳にインプットし、次に別の事を学ぶときにその方法を応用して勉強します。だから、驚くべきスピードでいろんなことを学習していけるのです。
ですが、特に天才だと呼ばれているわけではなくても、必死になって受験勉強に取り組んでいる子どもに、天才的だと感じる能力を見いだせることがあります。ある教科の問題に取り組みつつ、本人も気づかぬうちに、頭の中ではその問題を通り越して、もっと本質的な部分について思いをはせている子どもがいるのです。
つまり、天才が学習する時にやるように、理解するための方法を探っているようなのです。もちろん最初は、いま取り組んでいる問題とはかけ離れたことを考えているように見えます。だから当然、その時はその問題を解くことはできませんし、成績だって上がりません。
ですが、考えていくうちにその教科の本質的な部分、理解するための方法にハッと気づく瞬間が訪れるのです。そうなればもうこちらのもの。その教科のどのような問題を与えられても、難なく答えを出すことができるようになるのです。
これはどの教科についても言えることですし、限られた人だけが経験することではありません。受験に取り組む子どもたちの中には、意外と多く存在するのです。
一生懸命やっているつもりでも全然わからず、もう解くのをやめてしまいたい…と考えつつもやり続けていれば、ある時突然ふっとすべてを理解したような瞬間が訪れ、なぜ今までわからなかったのだろうと思うくらいに簡単に、どんな問題でもすらすらと解けるようになることがあるのです。
このような経験を体験した人は、本当に驚くことでしょう。必死で勉強を続けていれば、このようなことが何度も起こり得るのです。ですが、どんなにわからなくても、投げ出したくなっても、あきらめずに勉強し続けるということが条件になります。
最初のうちは本当にわからず、成績だって上がらないはずです。でもそこであきらめないでください。地道に勉強を続けていれば、「そうか!」と一気に目の前が開けるような体験ができます。そうしてその時は、「勉強するということは面白いことだな」と感じられるはずです。
その瞬間がまだ訪れる時ではないのに、勉強を投げ出してしまうのは、とても惜しいことです。いともたやすくその教科の問題を解ける力を逃してしまい、勉強の面白さを感じる可能性もなくなってしまうのですから。
天才と呼ばれる人たちは往々にして、今目の前にある問題とはかけ離れたように思えることを考えていることがあります。でも実は、そのような思考の積み重ねが、天才的な能力につながっているのです。
あきらめず勉強し続ければ、いつか「そうだったのか!」「勉強って面白い!」と感じる瞬間が訪れ、それが積み重なることで、生まれながらの天才ではなくとも、天才的だと言われるような子どもになるのです。
自分の感覚をきちんと使いながら勉強するとしっかりと覚えられる!
どんなに勉強が分からなくても、地道にコツコツと続けていれば、いつか霧が晴れたように「わかった!」と思う瞬間が訪れます。そう聞いても「そんなにうまくいくもの?」と思ってしまうのは当然のこと。確かに、ただやみくもにやるよりは、ポイントをおさえたほうが良いでしょう。
そのポイントとは、勉強する上での基本的なこと忘れず、生かしながら進めていくこと。これに尽きます。その基本的なこととは、見ることと聞くこと、そして書くこと、話すこと。これらを意識しながら勉強していれば、見る見るうちに成績があがっていくのです。
これは、自分の感覚をきちんと使うことだとも言えます。感覚を駆使して勉強すれば、得た情報は脳にしっかり刻まれます。漢字を覚えたいとき、その漢字をただ眺めていても、なかなか覚えられません。でも漢字をノートに書き、その漢字を声に出して読み、それを自分の耳で聞くと、確実に覚えられますよね。
これは、学校で授業を受ける時にも言えることです。先生が話すことを聞く、先生が書くことを見る。これが主な作業になると思いますが、それに加えて、大事だなと思うところをノートに書き写すだけで、頭に入りやすくなります。
目で見ただけのもの、耳で聞いただけのものは、その時はしっかりと理解しているにも関わらず、すぐに忘れてしまいやすいもの。テレビで見た情報というのは、往々にしてそのように忘れてしまいがちではありませんか?授業でも、聞くだけ、見るだけではすぐに忘れてしまうのです。
「見る」「聞く」「書く」の大事さについて述べてきましたが、「話す」ということもとても重要なポイントです。授業で先生の説明を聞きますね。その時にノートをとりながら聞いているとしっかりと覚えられるのですが、さらに記憶を確かなものにするには、先生が説明したことを、別の誰かに話すといいのです。これを加えると、一層強く脳に記憶が定着します。
なぜかというと、誰かに何かを説明するには、一度自分の頭の中で、知識を整理しなければならないからです。そうしないと、相手にうまく伝えられず、相手にとってはわかりにくい話になってしまうからです。
また、話しながらでも、頭の中で記憶の整理をすることができます。話を進めていくと、「あれ、これはどうしてだったかな」と自分の記憶のあやふやな部分が見えてきたり、整理しなおして違う言い方で説明したりできるものです。記憶が整理されれば、覚えた知識はより明確なものになり、忘れにくくなるのです。
さらによいことに、自分の記憶したことを誰かに説明するということは、自分から勉強に取り組んでいるという姿勢を作るのです。この、勉強に対する積極的な姿勢は、学習において一番大切なことなのです。自分から学ぼうとする子になれば、大人が手を出さなくとも自分の感覚をしっかりと使いながら勉強し、いろいろなことをどんどん覚えていくのです。
覚えたいことを頭にしっかりと刻み込み、忘れにくくする方法はこれ!
人間は、生命の危機に関することはしっかりと脳に刻むことができ、忘れにくいということをご存知でしたか?忘れても命に別条がない、計算式や漢字などは忘れることがあっても、毒を持つ昆虫だとか植物だとかを知った後は、それを忘れることはあまりないのです。これは生命の維持に関する本能的な力だと言ってよいでしょう。
しかし、よりいっそう興味深いのはここからです。脳の仕組みは面白いもので、生命の危機に関係のないことであっても、度々同じ情報を覚える作業を繰り返すと、脳の方で「この情報は忘れてはならない重要なものだ」と思いこむようになるということが、実験結果から分かったのです。
ある文字の羅列を何種類か覚え、時間の経過とともにその記憶がどれだけ残っているかという実験です。その結果、時間が経つにつれ、覚えていられなくなるということが分かりました。しかし、覚える作業を2回にすると、時間の経過とともに記憶は薄れるものの、1回の時よりは覚えている時間が長くなっていたのです。
さらに、覚える作業の回数を増やしていくと、忘れてしまうまでの時間がどんどん長くなっていくことが明らかになりました。
この実験結果からは、同じ情報でも、何回かに分けて繰り返し覚える作業をしていけば、脳は「この情報は忘れてはいけない重要なもの」ととらえ、忘れにくくなるということが分かります。
これを勉強に生かせば、覚えたい情報をしっかりと脳に刻み込むことができるようになります。例えば、一つのことを30分間覚えるという作業を、1週間おきに5回行えば、覚える作業に費やした時間は1時間半ということになります。
同じ1時間半でも、一気にその時間を使って覚えるよりも、ずっと記憶は確かなものになります。テスト2週間前のその日に1時間半使って、あることを覚えようとしたとしましょう。その後何もその勉強をしなかったとしたら、やはりテスト本番では忘れていることが多いはず。
でも、2週間のテスト勉強期間の中で、適当にスパンをあけて、少しの時間でもいいから何回も繰り返し同じことを覚える作業をしたなら、その記憶は確実なものとなり、テスト本番の日にも覚えていられる可能性が高いのです。
勉強をするなら、1日分の勉強量は多くなくとも、計画をきちんと立ててこつこつと勉強を続けていく方が、脳にしっかりと覚え込ませ、忘れないようにすることができるというわけです。
テスト3日前から多くの時間を費やして猛勉強を始めなくても、日常的にきちんと勉強をし続けていれば、テスト前はやってきた勉強を振り返るだけで、高得点を獲得することが可能なのです。
テスト前の勉強や、受験勉強などは、ある程度長い期間続きます。そんな時は、本番直前に長時間勉強するよりは、計画をきちんと立て、覚える作業を何度も繰り返した方が効果が高いというわけです。
徹夜の勉強はダメ!いい点数をとりたいならしっかり眠ろう
「明日はテストなのに何にもやってない…今夜は寝ないで頑張ろう!」と、テスト前夜に徹夜で勉強した経験は、多くの人がお持ちでしょう。でもその結果、どうだったでしょうか。素晴らしい点数をとることができたという方は少ないはずです。そう、一夜漬けの勉強はあまり成績アップにつながらないのです。
また、ずっと考え続けているのに解決できない問題が、ある時突然「こうすればよいのか!」とひらめくときがあります。企画書を出さなければならないのにいいアイデアが出ず、苦しんでいたのに、何日かたって急にいい考えが浮かぶこともあります。長い時間かけて考えてもひらめかなかったのに、ある時突然ひらめきが訪れるわけです。
これらはどちらも、睡眠中に脳内で行われている作業に関係しています。人は寝ている間に、脳内に取り込まれた記憶を整理したり、種類ごとに分けたり、収めるべきところにしまったりしているのです。
人間が眠っている時でも、脳はずっと休んでいるわけではありません。日中、脳はいろいろなことを記憶しています。脳は眠っている間にそれをきちんと管理し、必要な時に情報を取り出しやすいように整理してくれているというわけです。このことを知っておくと、記憶力を高めたいときに非常に役に立ってくれます。
ご存知の方も多いかと思いますが、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があり、それぞれの睡眠の長さは90分だと言われています。そして寝ている間、交互に繰り返されています。
人が夢を見るのはレム睡眠の時です。レム睡眠では、体は休息をとっていますが、脳は休まず働いています。対してノンレム睡眠は、体温や血圧、脈拍数などが低下し、脳も休息しています。筋肉の活動は行われているため、寝返りを打つことはあります。深いノンレム睡眠をとると、人は「よく眠ったな」と感じます。
以前は、眠っている間の記憶の整理は、レム睡眠の時に行われているというのが通説でした。ですが最近では、ノンレム睡眠の時も記憶の整理が行われていると言われ始めています。いずれにせよ、勉強したことをしっかりと脳に定着させるには、きちんと睡眠をとらなければならないということですね。
自らを振り返ることができる子どもは伸びる
きちんと勉強をしていても、どうも成績が伸びない。そんな子どもは、もしかしたら自分でやったことをきちんと振り返る力が足りないのかもしれません。自分が解いた問題をもう一度見直したり、間違ってしまった問題を「なにがおかしかったのだろう」と振り返ったりする力です。これは、自分自身を外側から見つめることでもあります。
例えば数学の問題に取り組むとき。その問題に似た例題を授業で習ったことを思い出し、その時に使った解き方で、その問題の答えを導き出したとします。答えが出たところで、それでよしとせず、これで間違っていないかなと見直しをしたり、もっと他の解き方はないかなと考えたりするのが、自分でやったことを、自分の外側に立って振り返るということです。
この振り返りを面倒くさがらずにやれるようになれば、成績をグンと伸ばすことができるでしょう。自分が解いたやり方を少しも疑わなかったり、自分はこの教科が不得意だと思いこんだりすると、なかなか成績は上がっていかないものです。
テストの答案が返ってくると、多くの子どもたちはその点数を見て喜んだり、がっかりしたりします。でも点数だけにとらわれてはいけないのです。間違った場所をもう一度よく考えて、どこが悪かったのかを客観的に振り返るのが大切なのです。自分の理解のどこが間違っていたのか、どこが勉強不足だったのかを知り、新しい知識とするのです。
一つの問題に対して自分がどのような道のりで考えたかをよく思い返し、自分の知識や記憶の中で間違っていたところを知れば、新たなことを学ぶことになります。この作業が、成績を上げるにはとても大切なことなのです。
受験勉強の指南書には、数学の問題の解き方は決して一つだけではなく、実にたくさんの解き方がある、それを見つけるのが大切なのだと述べてあるものもあります。一つの問題に対して別の解き方を見つけた時、きっと感動が胸に押し寄せることでしょう。
そしてこの体験が、よりたくさんの解き方を見つけようとか、もっと難易度の高い問題に挑戦しようなどという、上向きの気持ちを育ててくれるのです。自分のやった勉強を振り返り、このような気持ちを体験することができたら、子どもは放っておいてもぐんぐんと伸びていくのです。
「勉強をやり過ぎて疲れてしまった」はウソ!?
「今日は勉強を長くしすぎてすっかり疲れちゃった」と思うのは自然なことのように思われます。でも実は、脳が疲れるということはないのだということを、ご存知だったでしょうか。脳科学の研究によれば、どんなに脳を使っても、脳が疲れるということはないのだとか。ではなぜ私たちは、勉強をしすぎたことによる疲れを感じるのでしょう。
理由は2つあります。1つ目に、肉体的疲労を感じているのに、頭が疲れたように錯覚してしまうから、というものがあります。ずっと机に向かっているのですから肩も凝るでしょうし、細かい字を見続けているのですから目も疲れます。これは脳が疲れたというよりは、体が疲れているのです。この場合はいったん休憩し、体を休めて疲れをとりましょう。
2つ目に、勉強することに対して飽きを感じたから、ということが挙げられます。この場合もいったん休憩してもいいのですが、もっと短時間で疲れた感覚をなくす方法があります。それは、今やっている勉強はちょっと置いておいて、別の勉強に切り替えてみるという方法です。
数学の問題を解き続けてきたなら、今度は英語に取り組んでみる。社会の問題をずっとやっていたなら、国語の問題に切り替えてみる。そのように、勉強の内容を一変させるのです。もともと脳も体もまだ元気なのですから、この方法をとるだけで、またやる気が出てくるのです。
繰り返して言いますが、脳は疲労を訴えてはいません。疲れているのは体だったり、ちょっと飽きてきたりしているだけなのです。脳の方はいつでも準備OK!とばかりに、次にやってくる知識を待っていますよ。
更新日:2019/11/29|公開日:2015/08/03|タグ:秀才