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睡眠の重要キーワードを理解して、質の良い睡眠を手に入れよう!

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熟睡

睡眠とはただ寝ているだけではありません。睡眠と一言で言っても、体内時計、レム睡眠、ノンレム睡眠、ホメオスタシスなど、様々な役割を持つ重要なキーワードが出てきます。それぞれのキーワードをしっかり理解することで質の良い睡眠を手に入れましょう。

 

私たちの体内時計は凄かった!

体内時計という言葉を聞いたことがありますか?お昼の時間になるとお腹が鳴ったり、いつもの寝る時間になると眠くなる。私たちの体に埋め込まれているという時計機能の事です。ただ、実際に体に時計を埋め込んでいる訳ではありません。

 

脳の中の大脳皮質と言われる部位の更に奥には、視床下部という部位があります。そのさらに内側にある視交叉上核に、体内時計の働きをする脳細胞の塊があります。この塊が私たちの日々のリズムをコントロールしています。

 

体内時計は1つではない!

体内のリズムを合わせているのは脳だけではありません。体の重要な部分である心臓、肝臓、腎臓には勿論の事、血管といった末端の部分にも、体内時計と同じような役割を持った遺伝子が組み込まれています。ただ、全てが同じ役割をしているかと言うと、少々違ってきます。

 

脳の中にある時計を中枢時計と言います。中枢時計は、脳以外の末端時計と呼ばれる時計に対して、ある命令を送ります。この命令を受けた末端時計は、体内時計のずれを中枢時計と同じ時間に合わせます。そして各末端時計は、体のそれぞれの機能を時間通りにこなしていきます。

 

普段と違う時間帯に食事を摂取したり、睡眠を取ってしまうと、それに対応した末端時計は時間がずれてしまいます。それを脳の中枢時計は直してくれています。

 

体内時計のずれを直すには?

体内時計は実は25時間で一周という、面白い結果が出ています。1960年にドイツの学者が行った実験では、まったく光の入らない空間で実験参加者に自由に生活をしてもらい、その日々のサイクルを計測するというものでした。その結果1日の体内時計は約25時間という結論が出ました。

 

また、アメリカでも条件を変えて実験が行われました。その結果、一日の体内時計は24時間10分でした。体内時計はざっくりと24時間数十分という結論です。

 

ではなぜ、私たちは1日を24時間きっかりで過ごせているのでしょうか。その要因となるのは朝の日差しです。朝目が覚めて、カーテンを開け、日差しが目に入り込んでいきます。その光が網膜から視神経を通り、脳内の奥にある視交叉上核に届き、体内時計にスイッチが入ります。このスイッチが日々の体内時計をリセットしてくれています。

 

そして脳から各末端時計へと時間のずれを直し、正確な時間感覚で日々過ごす事が出来るのです。

 

24時間でリセットされる謎

24時間で一日という考えを伝えたのは古代の人々ですが、さらに起源をたどると24時間は地球が1周する時間です。なぜか私たちの体は、地球の一日の自転が24時間という事を潜在的に知っていて、しかも太陽の光によって体内時計をリセット出来るのです。

 

私たちの体と脳は宇宙基準で考えられている、といっても過言ではない気がしてきます。星々の動きに合わせ、昼と夜が来て、それに合わせた生活リズムがあります。そう考えるとリズムを崩して生活する事は宇宙に反する行為ではないでしょうか。

 

便利な体内時計の危険性

ある日、目覚まし時計の鳴る5分前程度に目が覚めたことはありませんか?それはあなたの体内時計が日々の起きる時間を記録してくれているからです。更に太陽の光で自動的に時間のずれを直してくれる、体内時計は非常に精密な時計です。

 

ただ、精密すぎる故に弊害が出てくるケースもあります。日々の起きる時間を記録してくれるが故に、昼夜が逆転した日々が続くと、逆転した時間で睡眠と目覚めのスイッチを合わせてしまう危険性があります。

 

日中に眠くなってしまう事や、夜眠れなくなってしまう現象は、ここから来ています。人工時計には真似することが出来ない、臨機応変な体内時計だからこそ、このような現象が起きてしまいます。

 

体内時計と連携して働く体の生理機能を考えれば、地球のリズムに合わせ、昼夜を正しいリズムで過ごした方が、間違いなく健康的なのです。

 

「体内睡眠薬」っていったい何だろう?

体内時計によって、夜眠くなる事をお伝えしてきました。ただ、時計によって眠気が来る訳ではありません。私たちの体は夜寝る時間が来ると、体内時計から命令を出して、「睡眠誘発ホルモン」や「睡眠物質」と言われるような眠気を誘発する物質が分泌します。

 

これらを総称して「体内睡眠薬」と言われています。私たちは、体内時計と体内睡眠薬を組み合わせることで普段寝ています。

 

睡眠誘発ホルモン「メラトニン」

メラトニンとは脳の真ん中にある「松果体」と呼ばれる部位から分泌されています。これが眠気を誘っているホルモンの代表格とされています。睡眠治療に使われていたり、時差ボケ改善に効果があります。

 

このメラトニンは、朝日を浴びてから14~15時間後に分泌され、午前2時までにピークを迎えます。そしてだんだんと量が減っていき、朝、目が覚めるというメカニズムです。メラトニンは年を取るにつれ分泌量が減少していきます。高齢になってくると、朝早く目が覚めたり、夜中に目が覚めてしまうのは、メラトニンが減少しているのが原因です。

 

便利な睡眠物質とホメオスタシスの機能

一日中動き回ったり、歩き回ったりすると体が重くなって、動けなくなることはありませんか?それは体の中に「疲労物質」というものが溜まっているからです。疲労物質は筋肉に作用し、筋肉痛を起こします。

 

「睡眠物質」は、疲労物質と同じような作用を及ぼします。勉強や仕事で頭を使い続けると、脳に睡眠物質が溜まってきます。この睡眠物質が溜まってくると眠気を誘い、安らかに眠れる効果を及ぼします。一夜漬けのように集中して頭を使い続けると、眠気が溜まっていく現象は睡眠物質が原因です。

 

更に、睡眠物質には疲労物質と同じように、原状回復機能というものが存在します。筋トレをし続け、筋組織が壊れると、2日程度をかけて筋組織を修理します。同じように睡眠物質が溜まりすぎると、脳に危険を及ぼします。そこで一度寝る事で、睡眠物質を分解し、脳を修理するのです。

 

原状回復機能は、正確には「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」と言います。このホメオスタシスは体のあらゆる部分を一定に保つ機能で、体温・血圧・呼吸などを整えたり、風邪や病気の際に菌を死滅させる効果があります。

 

睡眠にも、ホメオスタシスの効果が関わってきます。長時間働いたり徹夜をすると、次の日は予想以上に眠ってしまう事があるかと思います。睡眠時間を多めにとる事で体と脳をより回復させようとするからです。

 

では、「徹夜も平気なのでは?」という考えが出てくるかもしれませんが、それは間違いです。ホメオスタシスの力にも限度はあって、体を修復しきれない部分も当然あります。さらに徹夜を続ける事で睡眠時間が不規則になり、睡眠の質が低下します。余計にホメオスタシスの効果は減少し、疲れが取れない体になってしまいます。

 

あくまで、ホメオスタシスは、体を一定に保つ保険のような効果です。変に利用したりせず、規則正しい生活を送ることが一番です。

 

睡眠には体温も重要です

私たちは一日を単位とした周期的なリズムの中で生活をしています。朝起きてご飯を食べてから、夜眠るといった一連の流れを「概日リズム(サーカディアンリズム)」と言います。「概」と言われているだけあって、一見大雑把に見えますが、朝日で体内時計をリセットしている事で、正確にリズムを取ることが出来きます。

 

私たちの体で、概日リズムを表すものは睡眠や空腹だけではありません。体温・血圧・脈拍などの体の機能から、細胞に至るまで体のほとんどが概日リズムに合わせて行動しています。その中で睡眠と体温は密接な関係を示しています。

 

朝目が覚めてすぐに体温を測ると、普段より低い事があります。起きてから体温はだんだんと上昇し、夜になるとまた下がり続けます。実感はありませんが、一日の体温の変化量は0.5℃~1.5℃と言われています。

 

実はこの微量の温度差には大きな役割があります。身近なところで例えると、スマートフォンやPCを普段使っている方は、わかると思いますが、使い続けるとだんだんと機械が熱くなってくる事はありませんか。そして熱くなるとともにパフォーマンスが下がったりすることはありませんか。

 

同じように体の中や、脳の中でも使い続けると体や脳が熱くなっています。機械同様に、熱すぎるとパフォーマンスが下がり、壊れてしまう事もあります。私たちが普段体温計などで測っている体温は、あくまで表面の温度であり、脳や体の奥の体温である「深部体温」と呼ばれる部分は体の中からクールダウンさせる必要があります。

 

そのクールダウンの方法が睡眠なのです。深部体温を下げるために、体の内側の体温を血管に乗せて、手足へ移動させます。この時血管を広げ、流れをより良くします。熱が体の表面付近まで運ばれることで、熱が外気へ放出され、クールダウンが行われます。

 

新しい事を沢山覚える赤ちゃんは、このクールダウンの作業も非常に多く、夜寝ている時の手足の温度は実に1.5℃も上がると言われています。

 

脳は夜寝ている間も、記憶を整理するために活動していますが、クールダウンの機能がなければ、脳のパフォーマンスは落ちてしまい、記憶の整理すら正しく行われません。

 

睡眠リズムを理解してぐっすり眠ろう!

レム睡眠とノンレム睡眠って何だろう

私たちは睡眠中、眠りの深い「ノンレム睡眠」と、眠りの浅い「レム睡眠」を、ある一定のリズムとして交互に組み合わせて寝ています。さらに詳しく言うと睡眠には深度があり、覚醒を深度0として、深度1、2、3、最高で深度4で、深度4が熟睡している状態です。

 

これは睡眠リズムと呼ばれていて、正しく理解していないと、朝起きた時目覚めが悪い状態になったり、変な時間に起きてしまう事があります。正しく理解して気持ちの良い睡眠ライフを送りましょう。

 

まず、ノンレム睡眠とレム睡眠は交互でワンセットとして、おおよそ4~6回繰り返されます。ワンセットは90分~120分です。人によって違うので注意しましょう。最初に目を閉じてから大体30分程度で第1深度のノンレム睡眠が始まり、徐々に第2深度、第3深度へと深い眠りに落ちていきます。

 

50分経つ頃から今度は徐々に深度が軽くなっていき90分後に一旦眠りが浅いレム睡眠状態になります。これをワンセットとして睡眠は繰り返し行われています。

 

1回目、2回目のレム睡眠は5分~10分程度で、再度第1深度のノンレム睡眠へ移行します。しかし、3回目・4回目になるにつれレム睡眠の時間は長くなり、更にノンレム睡眠の深度も第2深度あたりで止まります。体が起きる準備をしているので浅い眠りが続く訳です。

 

このサイクルを理解していないと変な時間に目覚まし時計をセットしてしまい、眠りの深いノンレム睡眠中に起こされてしまいます。これが目覚めの悪い状態の正体です。

 

睡眠時間をコントロールしよう

朝気持ちよく起きるためには、簡単に言ってしまえば眠りの浅いレム睡眠中に起きてしまえばいいのです。そして気持ちの良い熟睡を得るために、ノンレム睡眠の中でもより深い第3、第4深度の深い睡眠を得ることが重要です。

 

例えば一回のサイクルが90分の人がより気持ちが良く目覚めるために90分×4セット直後の約6時間後に起きるのがベストです。7時間で起きる時よりも目覚めが良く起きることができます。ただ長く寝れば良いという事ではありません。

 

だからと言って90分×2回や3回のサイクルで起きればいいというわけではありません。ある程度の睡眠時間は確保しないと、気持ちよく起きることはできますが、前日の疲労が取れていない事や、クールダウンが出来ていない事があります。これでは質の良い睡眠とは言えません。

 

自分の中で最も良い睡眠時間を見つけるためには、自分のノンレム睡眠とレム睡眠のセットが1回何分なのか。そして何セット取れば良いのかを日々考える必要があります。何度か試して最適な睡眠リズムを見つけましょう。

 

ノンレム睡眠とレム睡眠が脳に及ぼす効果

睡眠中にはノンレム睡眠とレム睡眠がありますが、何が違うのでしょうか。その答えは脳の活動にあります。眠りの浅いレム睡眠中に脳は活発に動いています。脳は今日の記憶を整理したり、要らない記憶を削除したりと忙しく働いています。夢を見るのは、この記憶の整理から来ていると言われています。

 

その際ちょっとビックリしますが、眼球もせわしなく動いています。眼球が急速に動くので「Rapid Eye Movement」(急速眼球運動)とも言います。その頭文字を取ってREM(レム)睡眠と言われます。

 

レム睡眠ばかり取ると脳は休まりません。そこで、生物の進化の過程でノンレム睡眠が生まれました。ノンレム睡眠は何もしません。完全停止状態で夢も見ません。本当に何もしないので脳がしっかりと休むことが出来ます。

 

このノンレム睡眠中に、アラームなどで無理やり起こされると、無理やり脳を動かすので気分が悪くなります。これでは目覚めも悪くなります。

 

脳はずっとノンレム睡眠中が続けば良いのにと思います。ずっと休んでいられるので、脳にとっては最高です。でも、休みすぎると弊害が出てきます。まず体温です。体を休めている間は、体がクールダウンモードになり体温が下がります。ずっとクールダウンモードでは低体温になってしまいます。

 

そこで働くのがホメオスタシスです。レム睡眠とノンレム睡眠のセットが増えるとレム睡眠が多くなるのは、このホメオスタシスが低体温を防ぐために行っているのです。ノンレム睡眠を増やす事で徐々に体温を上げて、脳を動かし、気持ちのいい朝を迎えることが出来ます。

 

美容・アンチエイジングには睡眠が効果的!

睡眠中には睡眠物質や、睡眠誘発ホルモンなど、睡眠に関する物質が分泌されていますが、それだけではありません。他に代表的な分泌物に「成長ホルモン」というものがあります。成長ホルモンと聞くと、成長する成分が含まれていると思いがちですが、それだけではありません。

 

成長ホルモンには骨を伸ばしたり、筋肉に必要な成分を作ったりする以外にも、細胞の再生や、新しい細胞を作る作用など、更には疲労回復にも効いてくる大人にも必要な成分です。

 

就寝後90分の最初のノンレム睡眠中に、もっとも成長ホルモンが分泌されます。美容に詳しい方は、「お肌のゴールデンタイム」というのを聞いたことがあるでしょう。このゴールデンタイム中に細胞が作られ、肌をキレイにしていき、新陳代謝も上がっていきます。

 

「寝る子は育つ」という言葉は、正しいと科学的に証明されています。睡眠中の成長ホルモンはとても重要な成分です。これを疎かにしてしまうと当然お肌のノリが悪くなります。寝不足続きの方はお肌に注意してください。男性の方は毛髪にも被害が出てきます。

 

毛髪も細胞の分裂が大きく関わってきます。成長ホルモン量が少ないと毛髪が細くなってしまい、抜け毛や薄毛、次第になくなってしまいます。若さを保つためにも睡眠をしっかりとることが重要なのです。

 

まだまだ睡眠中には様々なホルモンが分泌されています。「性腺刺激ホルモン」が分泌されることで、お子さんの二次性徴を促します。「抗利尿ホルモン」によって、睡眠中トイレにいかなくても済むようになります。

 

ストレス耐性の向上や、幸せな気持ちになる「コチゾール」という物質も分泌されます。このコチゾールがある事で、二度寝が気持ちよくなると言われています。幸せな気持ちを得るためにも睡眠をしっかりとりましょう。

 

睡眠は個性である

睡眠タイプで性格が決まる?

私たちの中には6時間以下の睡眠で良いという「ショートスリーパー」や9時間以上寝なければ十分な睡眠にならない「ロングスリーパー」という人達がいます。

 

この2パターンの人々についてアンケートを取ったところ、ショートスリーパーには社交的・自信家・野心的という方が多く、ロングスリーパーには内向的・批評家が多いという結果が出ています。睡眠時間によって性格が決まるという面白い結果です。睡眠も性格を決める個性の1つと言えるのです。

 

夜寝るだけでも人によって様々です。早寝早起きをする人を「ヒバリ型」と呼びますし、遅寝遅起きを「フクロウ型」と呼びます。ヒバリ型の方が体温の上昇が早く、フクロウ型は遅いという傾向があります。社会的な時間の制約がなければ、ヒバリ型・フクロウ型両者ともに睡眠に適正な時間を過ごす事でしょう。これも個性の一つです。

 

寝つきも人によって違います。寝付く時間が10分以内の人を「グッドスリーパー」と言い、寝つきが悪く30分経たないと寝付けない人を「プアスリーパー」と呼びます。日本のある調査では、社会人の25~30%がグッドスリーパーに対し、7~10%の人はプアスリーパーという結果でした。

 

ただ睡眠の質の観点だけで調査し直すと、実は両者ともに深い質の良い睡眠が取れていました。

 

寝付けないと思い込んでいる人は要注意!!

プアスリーパーの人の中には、「自分は寝つきが悪い」と思い込んでしまっているだけの人がいます。寝なければいけないと考え、睡眠に対して過敏になってしまっているからです。一般的には皆寝ている間に、1分程度起きていることが十数回あります。本人に自覚がないので本人はぐっすり寝ていると思い込んでいます。

 

寝付けない。夜目が覚めてしまうといった事は自分だけではありません。むしろ皆目が覚めています。寝なければいけない。寝ていないという思い込みが事態を悪化させているだけです。自分をプアスリーパーと思い込んでしまうと質の良い睡眠はどんどん遠ざかってしまうのです。

 

自分だけの睡眠の「個性」を見つけよう

人間だけに関わらず動物は多様な睡眠リズムを取っています。イルカは泳ぎながら睡眠を取りますし、鳥は飛びながら睡眠を取ります。マッコウクジラと呼ばれるクジラは哺乳類に分類されるので呼吸をしなければなりません。ただ寝ているだけでは溺れてしまうので鼻先を海面に出して、縦向きで寝ます。まさに睡眠の個性と呼ぶべきものではないでしょうか。

 

「ショートスリーパーが良い」「グッドスリーパーの方が良い」という考えはやめて、自分だけの最適な睡眠リズムを見つけましょう。そして、自分の睡眠が個性だと受け入れるようになる事が、質の良い睡眠につながるのです。

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